chapter6 『アダムとイヴになりて 解=不変なる絶望をそこに示せ』

Last-modified: 2018-06-26 (火) 00:19:42

「――さて、と。」
「……物語もいよいよ佳境、全てを操っていた黒幕を裁く時が来た。
――が、ただ、指摘するだけでは、
ただそれを論破するだけでは、
意味が無いよな?

だからこそ――」
「始めようじゃないか。」
理論武装
1
「まずは序曲だ!!開幕と行こうじゃないか。――まず、その黒幕は【オマエラ】の中に居るって事じゃねえの?」
矢車「今いる生存者四人の中に黒幕はいない!!」
【!BREAK!】
2
「一つに、生存者を信用すると言うのはなかなか美しい物だな?
――友情と言う物かい?……さて、そんな【掟破り】な殺しの場面が一度でもあったか?」
寧途「掟破りの………あったよ、ちゃんと。忘れたとは言わせないよ!そうでしょ!ヤエ姉のときの!」
【!!BREAK!!】
「……ふ、」
3
「……上等、俺はあくまで【あの人の味方】さ!最後の一手までな!」
湊「………あの人…それは、《華邑小蒔》さん……そうだよね…?」
【……BREAK!!!】

……瞬間、辺りが反転する。
暫く暗闇の中、――短い電子音が響く。
黒幕バレ
「…………んーーー……」
「一応、親友の味方はしていたつもりなんだがねえ、やっぱ悪役は向かねえな、俺。」
「…あは」
「あははっ、あははははははははははははははははははっ」
「ぴんぽんぴんぽんだいせいかーい!小蒔が黒幕でーす!あはははは!」
「やっと、気付いてくれた?嬉しいな!うれしいね?あははははは!」
「観客席?行く訳ないじゃん。…まあ小蒔はオマエラのつまんねー劇、ここでずっと眺めてたけどな。初めから、ずっと」
「…本当、退屈だった。つまんない。こんなの見せられ続けるくらいなら死んだ方がマシ。役者向いてないよ、オマエラ」
「…さて、と」
再演論破Z 6章 https://privatter.net/p/3550729
「…それで?残ったのは4人だけ…?
…すっくな…」
「……えー、ではでは。運がいいのか悪いのか生き残ってしまった皆様?
感想をどうぞ!」
「こっちからはもう無いし。あー!!死にたくなるほどつまんなかったなー!!」
「まあ、ないならないでいいけどさ。もう全部終わりだし」
矢車「正直言ってこの配役だし生きるとは想定していた、
ってかあんたの方が辛くなってどうするんだよ
喜劇か悲劇かはさておきちゃんとした演目になってんじゃないのか?」
「つらい?なにが?つらいってなに?小蒔わかんなーい」
寧途「小蒔は………皆、といて、楽しくなかったの……?」
湊「…感想……か……散々だったよ、ほんとに。それだけ」
――……
「楽しい?楽しい、楽しい……。
……知らない!そんなの、知らない!」
バチリ、と空に電気が走る。
寧途「ネイトは……楽し、かった…沢山くるしい思いをしたけど…全部…大事な思い出、だから…」
――また、再び世界は黒く落ちる。
…………
【…r…o…】
【!Error!Error!Error!Error!Error!】
ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲ⅅ牲潲!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
【h\jht@ fy/e djdq。】
【オシオキを開始しま jjjjjjjj!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!】
「……!?!どう、どうゆうことだッ……!」
――息をのんだような声が聞こえる。
その瞬間、上空に、天井に――一番最初の処刑で使われた黒い槍が浮かび上がる。
「――!!!」
――ただ一人、その槍が配置された所に居たのは……黒幕と指摘された彼女だった。
……それも、刹那。
裁判場に何かを突き飛ばす音が響き、ぐしゃりと何かが潰れるような音が響く。
【――】
【――】
「…………なん、で」
――刹那の後に、”電子の何か”に混ざる様に消える。
最初から、彼がそこに居なかったように。
「………るきお、く、」
「……やだ」
「やだやだやだやだやだやだやだ」
「かえして、かえして、かえしてかえしてかえして、るきおくんかえして」
――また、再び裁判場は暗闇に堕ちる。
最初の処刑に使われたその槍は、最期に彼の者を貫いた。

――此処から、……そう、ここから「再演論破Z」は始まる。
括目せよ。
目を見開け。
五感総てをそれに向けよ。

――”災たる王”の誕生である!!
「…はは」
「ははははははははははは!!!」
「いや実に素晴らしかったよ」
「素晴らしいグラン・ギニョールだった。そう思うだろう?」
――災たる王、その姿は。
クロマクバレ
「ははははははは!!!!!!!!!」
「どうだったかな?私の脚本は?
おおよそ皆与えられた役を演じてくれたようで結構結構」
「ふむ、改めまして自己紹介といこうか?」
寧途「……ろ……くん………雅楽代…くん………!」
矢車「さら達からの思いがなければ指摘はできなかった……
災たる王、予備学科!雅楽代薊!!!」
「ふむ、そうだな。雅楽代、だな」
「おや、予備学科まで知られているのか。よく調べたものだね。偉い偉い」
「まあ、雅楽代薊なんて名ではないのだがね」
「……お前、は…」
「改めまして、
私の名前は百目鬼……
……いや、この苗字は嫌いでね……そうだな」
「…私の名前は、早乙女 紫月。」
「それと予備学科であるのは正しいが……」
「このコロシアイの舞台をつくった私は、
人災に相応しい。そうだとは思わないかね?」
【――これは、Zinsai、……Zwelではなく、人災に至る一つの演目。】
【これは、総ての絶望でも有り、……人災、災たる王に至る為の――】
「……紛い物の癖に」
「紛い物…はは、そうさぁ。君の大嫌いな紛い物だよ」
「そんな紛い物の下についていたキミも大概だと思うけどね」
「ねぇ、るきおくんが死んだあれ、おまえがやったの?」
「あぁ、あれかい?
私以外にいるかな?」
「……ころす」
「君を狙えば絶対に彼が動くと思っていたからね。憶測通りだろう?」
「許さない、から」
「ははは、怖い怖い
まあ口だけの君に何を言われてもなんともないのだけれど」
「なんで。小蒔を殺せよ。ねえ、琉希王君は関係ないじゃん!!」
「それが君の絶望だと思ったからさ」
「可哀想だねえ、彼の為に。
彼のいる世界を守る為に
一度希望を見た瞳を絶望に染めてまで、頑張ってきたというのにーー」
「……絶望?……これが、絶望……?」
「報われないね?世界は残酷だなあ
華邑 小蒔?
守りたい人が自分を守って死んだ、
今の気分はどうだ?」
「……いらない。……琉希王君がいない世界なんて、いらない…。
……消えろ。消えればいい。お前も、小蒔も」
「……どうでも、いいよ。ぜんぶ」
「あっはは!キミはそういう子だよなあ。最初から!
人形みたいで扱いやすくて助かるよ!」
「…そー、だよ。人形…。小蒔は、紫月の人形……」
「うん
よく分かってるね。身の程が、さ?」
「さてさて、総評といきたいところだが
彼女がほとんど言ってしまってねえ。
私が言うことも無いのだよ。困ったね?」
「ああ、異端の章について語ろうかな

雅楽代薊を演じていた時の友人役達が関わっていたしね」
「「綺麗な人は綺麗な最期を迎えるべき…」ね。
その考えには同意するよ。
しかし、しかしだ!
未練はないと罰を受ける人間が、
最期に生を願うーーーーー
はは!終わりは人間らしくとても
醜い。
…まぁ、そんな結末も嫌いじゃないが」
「もう一人は未来機関だったね
誰も助けず、誰にも助けられない
手のひらはいつも何も掴めない
傍観者
彼はどうして「雅楽代薊が黒幕」であると言わなかったのかね?
傍観者だけでは足りなかったか
トリガーに指をかけて最期に教えてあげたのにね
…彼は言わないだろうから真実を告げたのだけれど。」
「……滑稽な舞台だったよ」
「さて、生き残りの諸君
なにか劇的な感想や非難中傷があればお受けしよう!」
寧途「………きっかけは、なんだったの?」
矢車「2回目かよ、誹謗中傷なんざない
そいつらが貶されるだけで終わるだろ
生きた人間を使ってるシナリオだからこのくらい過激じゃないと映えないしな」
「きっかけか…
演劇に携わる才能の持ち主に恨みを持っているからだね。

それ以外の才能の持ち主は…邪魔をしたら一掃しようと思っていてね」
湊「………感想はさっき言った。………じゃあ、なんでそんなに恨んでるの。理由は?」
「お察しがついていると思うが、
霧島 景勝の腕を落としたのも
一条 颯太の足を潰したのも
無論、私だよ

舞台を綴る才も、演じる才も反吐が出るからね」
「おや、キミは随分と物分りがいいじゃないか
矢車歌留多」
「恨んでいる理由、ね
それこそ【演劇に携わる才能の持ち主】に絶望させられたから、かね

…持つ者には、持たざる者の気持ちなんてわからないだろう?」
「そう邪険にするなよ
同類だろう?君と私はさ?」
矢車「同類?はっ、お前にだけは分かってほしくなかったな……
残念だけどもう人を恨むことはやめたんだよ」
「は、ヒトモドキが!今更人になろうだなんてな?
遅い!遅すぎると思わないか!?夢でも見たか?
なあ、キミは私を言及出来る立場じゃないだろう?
矢車 歌留多!」
「綺麗事ばかり並べて、嘆かわしいね。
君がもし別の所で命を散らしていたら、
君が慕っていた人が死ぬ事もなかったかもしれないね?
掲げた名の熱帯魚の様な自由さが、無垢さが君の罪なのかもしれないね
なあ?恩田 寧途!」
「それに幸運…ね。それだけの才能で
誰かを救えるわけでもない。
希望になるには、あまりに淡い光だ。
その才能で果たして
皆を導いていけるとでも思っているのか?
どうなんだよ、志楽 日和?
ーーは、所詮運だけか?どうしようもない」
「自分の気持ちは自分にしかわからない。至極当然な事だね。
…しかし、君も偽ってることがあるだろう?」
「ははは!なにかを偽れずに生きていける人間の方が少ないだろうからね。
皆なにかを偽っているのさ

…君の存在だってそうなのだから。
……なぁ、有栖川 湊?
偽ってる本当の才能吐いてみたらどうだよ?」

矢車「……そうだよなぁ、"人狼"風情が言える身の丈じゃあないもんな
けど俺には大切な奴が出来たんだ!支えてくれる仲間も!親友も!
人を恨んで前に進めなかったお前とは違う!!」
ネオンテトラ「……そうだよ、ほんとそれだよ。
でもこの名前、“ネオンテトラ”の名前の意味を、君は知らないだろうね。
でも…“皆”はちゃんといる。私や皆の“ここ”にいる…!
まだネイト達の思い出は!希望はしんでいない!」
湊「…うん、俺だって偽ってることぐらいあるよ。
1部にはちゃんと自分で伝えたけど、全員にはまだ言えてないけどさ」
湊「…いいよ、元からそのつもりだったし。
…俺の本当の才能は超高校級のパフォーマーじゃない。
《超高校級の怪盗》だよ」
……希望が、災たる王を貫く。
――が。
……ただ、ただそれですら「計画通り」……と、笑っている様に見えた。
――バキリ。
グシャリ、と。
崩れ落ちていく。
――……【シフト、001 早乙女紫月】【シフト、002 華邑小蒔】。
……【シフトを開始します】。
「おや、時間かな?」
「…なに?」
「楽しい舞台だったよ、嗚呼実に!
私達はこれにて失礼するが…ふむ」
「……ああ、そう言う、こと」
「………ごめん、なさい。……小蒔のこと、許さないで」
「……さよなら」
「残念ながらこの世界から出る為のシフト装置は私と彼女の2人分しかなくてね」
「ま、生き残り諸君はこの島での生活を引き続きお送り頂いてーーーー」
「野垂れ死にでもして頂くとしよう!」
……最大で、人災、そうして総てを統べる災たる王早乙女紫月と、
――ただ、哀れなる悲劇の金盞花、華邑小蒔。
二人の姿が徐々に消えていく。
手を伸ばしてもその光には届かず、闇に落ちていく。
「泣いて、喚いて、懇願すれば
助けてあげない事もないよ」
「ーーーーまぁ、嘘だがね!」
ガシャン、と何かが砕け散る音がした。
「ははははははは!!!!!!」
空間がただ――崩れていく。
仄かな希望は哀れにも崩れていく。
――――――――――――
【シフト、完了。】