皐月巡業 ～東女民族大移動～

今回は、寮に縁のあるレスラーたちの視点で話が進みます。

　
東京女子プロレス 女子寮。

東京女子プロレス 寮の住人
メアリ・ノートン：

この寮とも、いよいよお別れかあ……

琴無 千鶴：

感慨深いですねぇ。

次の寮は、フローリングの綺麗な部屋だそうですよ。

メアリ・ノートン：

フローリングかぁ……

ボク、畳の部屋……結構好きだったんだけどね。

琴無 千鶴：

私は楽しみです。今の部屋は流石に……

メアリ・ノートン：

うん。二畳一間、狭いよねー。

しかも最初の頃は、ぽひと３人で……

ぽひがいなくなった後は……
その寂しさを埋めるために、
フィギュアとかグッズとかを置いたりしてね……

　
琴無 千鶴：

それ、ウソですよね？

メアリ・ノートン：

ごめんなさい、純粋に趣味です！
スペース占拠したのは悪かったよー！

東京女子プロレス 寮長
田中 えり子：

こら、おまえら。そんなトコでぼさっとして……

引越の支度は進んでるのか？

琴無 千鶴：

とっくです。着替えくらいしかありませんし。

田中 えり子：

よし、なら会場急ぐよー。
他が忙しい分、私らで色々しとかないと。

　
メアリ・ノートン：

よーし、今日も試合……がんばるかっ！

試合前
“ダンデライオン”
メアリ・ノートン

メアリ・ノートン……いっきまーす！

勝利時
メアリ・ノートン：

あー、今日も終わったー。

琴無 千鶴：

今日は、早くお風呂いただいて寝ましょうかー。

田中 えり子：

お、帰ってきた帰ってきた。

お前ら、引越の準備終わってるって言ってたよな？

メアリ・ノートン：

うん。色々私物はあるけど、所詮は二人で二畳だから……

田中 えり子：

そっか。じゃ、先行して新しい寮に引っ越せ。
明日にでも。

琴無 千鶴：

え？　明日？

田中 えり子：

同じ日に全員一斉にやるわけにはいかないんだよ。
だから、準備できたヤツから移ってもらう。

これ、部屋割りな。
よろこべー……お前ら個室だぞ。

メアリ・ノートン：

おお、一人部屋！？

琴無 千鶴：

一人一部屋って……大丈夫なんですか？

田中 えり子：

入りきらない分は追い出して
１人暮らしさせるからヘーキ。

っていうか……

別に今からでも１人暮らしに切り替えていいんだぞ？

メアリ・ノートン：

あ、いやー……寮ってなんか居心地いいし。

田中 えり子：

そーかー……私ゃ、
さっさと寮長引き継いで出てきたいくらいなんだけどなー。

メアリ・ノートン：

これからもよろしくお願いしますっ！

　
琴無 千鶴：

明日、引越ですか……

メアリ・ノートン：

何かまだ実感沸かないなあ……

琴無 千鶴：

それでは、メアリさんと同室なのも……今日までですね……

メアリ・ノートン：

そっかー……さみしくなるなあ……

琴無 千鶴：

別に、新しい寮でも泊まりに来てくれていいんですよ？

メアリ・ノートン：

そっかあ……それじゃ、ちょくちょく遊びにいくね。

リザルト

今夜は、語りあぁそっか！

敗北時

よーし、今日も絶好調ーっ！

田中 えり子：

引越の日が近いっていうのに……

※諸事情により、背景はモザイクをかけています

田中 えり子：

ちっとも片付けが進んでないのは
どういうことだ石狩！

東京女子プロレス 寮の住人
石狩 みな：

い、いや……違うんです寮長！

田中 えり子：

……何が違うって？

石狩 みな：

だってホラ、私たちはレスラーじゃないですか。

田中 えり子：

うん、レスラーだな。それで？

石狩 みな：

レスラーの本分は練習であり、試合であって……

石狩 みな：

だから、引越は引越が本分の……
業者の人にまかせればいいかなって。

田中 えり子：

うん、今日の興行が終わったら話がある。
だから早く帰って来い、な？

　
石狩 みな：

ううむ……今晩、何と言い訳しよう……

試合前
“切り込み隊長”
石狩 みな

いかんいかん。まずは試合に集中しなくては

勝利時
東京女子プロレス １人暮らし組
滝沢 泉：

石狩……私は情けないぞ。

石狩 みな：

く、組長……なぜ寮に！？

滝沢 泉：

寮長(えり子)寮長から相談があった。
「お宅の石狩、なんとかなりませんか」と……

石狩 みな：

組長に相談するなんて……なんという卑怯な真似を！

田中 えり子：

バカヤロウ！したくて相談してると思うのか！？

東京女子プロレス 寮の住人
幌多 みのり：

あー……やっぱりこんなオチになってたか……

だから手伝ってあげるから、
まとめられるモノだけ先にまとめとけって言ったんだよ。

石狩 みな：

だ、だって……

どれがまとめられるものかが、分からなくて……

幌多 みのり：

………………

石狩 みな：

そ、それにホラ。
私たちレスラーだから、本分がその……

幌多 みのり：

ダメな子の言い訳にしかなってないよ。

それに、それ言っちゃうとね……
みなぽんよりレスラーとして上の、
組長の部屋はそれはそれは綺麗なものなんだから。

ついでにいうと……
今のウチ(東女)の頂点である菊池さんだって、家事万能だよ？

石狩 みな：

え、あの菊池さんがっ！？

滝沢 泉：

なあ石狩。私が寮長に相談を受けたとき、
どれだけ情けない気持ちになったか分かるか？

私だってな……
若いとはいえ、仮にも社会人の私生活に干渉したくはないんだ。

石狩 みな：

う……うぅっ……

滝沢 泉：

説教は後だ。
私も手伝うから、まずは部屋の現状を把握させてもらうぞ。

石狩 みな：

え……うえっ……ちょっ！

く、組長！組長に手伝てもらうなんてそんなっ！！

滝沢 泉：

いいからそこをどけ。

石狩 みな：

い、いや……待ってください！
頑張ります！頑張りますからっ！

滝沢 泉：

頑張って今の現状なんだろう。
いいから、ドアを開けるぞ。

石狩 みな：

あ……やめっ……みのり、助けてっ……

（ガチャ）

　
滝沢 泉：

石狩ぃっっ！！

石狩 みな：

もっ、申し訳ありませんっ！！

リザルト

すみません！　すみません！　ごめんなさいっ！！

敗北時

勝ったのに……憂鬱だ……

田中 えり子：

……と、いうことが昨日あった。

東京女子プロレス 寮の住人
ラヴァーズ井ノ瀬：

知ってる知ってる。ヤジウマしてたから。

ハロウィン園原：

あんな滝沢さん、リング下では初めて見たなー。

田中 えり子：

笑ってるけど、お前らは大丈夫かー？

東京女子プロレス 寮の住人
十六夜 半月：

大丈夫。予定の日までには間に合うように支度してるんだよ。

田中 えり子：

ホントに大丈夫か？

十六夜 半月：

うん。

田中 えり子：

ホントのホントに大丈夫か？

ハロウィン園原：

え？　何？そんなに念押しして……

十六夜 半月：

何かあるの？

田中 えり子：

いや……昨日の騒ぎをさ、凶獣の上の面子も聞いたらしくて……

ラヴァーズ井ノ瀬：

らしくて？

田中 えり子：

今日の興行、終わったら様子見に来るって。

ラヴァーズ井ノ瀬：

ぎゃーっ！

ハロウィン園原：

何でそんなことにっ！？

十六夜 半月：

お慈悲をっ、お慈悲をなんだよっ！！

田中 えり子：

だから……大丈夫なんだろ？

ラヴァーズ井ノ瀬：

だ、大丈夫だろうけどーっ！

だ、大丈夫……うん、大丈夫。

試合前
“悪魔な恋人”
ラヴァーズ井ノ瀬

しゅ、集中……集中だーっ！

勝利時
東京女子プロレス １人暮らし組
スパイダー菊池：

おう、様子を見に来たぞ。どうだ？

ハロウィン園原：

あっ、はい！

十六夜 半月：

片付いてるんだよ！……多分。

ラヴァーズ井ノ瀬：

……ね？

スパイダー菊池：

ふむ……

片付いてないじゃねぇか……殺すぞ？

ラヴァーズ井ノ瀬：

えぇ、どこが！？

スパイダー菊池：

壁も畳も汚ぇ。綺麗に拭いてねぇだろ。

ラヴァーズ井ノ瀬：

え？　そ、それは確かにそうですけどっ……

でも、この寮って取り壊すんですよね？

十六夜 半月：

そうなんだよ。それなら別に……

東京女子プロレス １人暮らし組
南城 蛍：

だからあたなたちは半人前だというのです。

ラヴァーズ井ノ瀬：

南城さん……

南城 蛍：

片付けとは感謝の気持ち。
壊す、壊さないは関係ありません。

スパイダー菊池：

つーかな。
取り壊すなら、余計に綺麗にしなきゃだろうが……
本気で殺すぞ？

十六夜 半月：

ひぃ……本気の殺意を感じるんだよ！

東京女子プロレス １人暮らし組
ブラッディ井上：

おう、お前ら……バケツと雑巾は足りてるか？

掃除しに来たぞ。

ラヴァーズ井ノ瀬：

い、井上さんまで！

十六夜 半月：

い、いいんだよ。井上さんに手伝ってもらうなんて、
流石に畏れ多いんだよ！

ハロウィン園原：

そ、そうですよ。引越くらい、私らの手で！

ブラッディ井上：

別に……てめぇらのためじゃねえよ。

懐かしいなァ、この部屋も。

スパイダー菊池：

お？　井上さんもこの部屋だったんです？

南城 蛍：

え、お二人とも……ですか？　私も、この部屋でした。

ラヴァーズ井ノ瀬：

え……三人とも、この部屋使ってたんですか？

ブラッディ井上：

そういう事、みたいだなぁ。

十六夜 半月：

すごい偶然なんだよ！

ブラッディ井上：

偶然っつーか、必然っつーか……
私の頃から、この部屋はヒールの連中が使ってたからな。
当時は６人でこの部屋を使って……

フフフ。今は私以外残っちゃいねぇがな。

スパイダー菊池：

私もだよ……

南城 蛍：

私のプロレス人生も……この部屋から、始まったんです。

だから。あなたたちのためじゃないんですよ。

スパイダー菊池：

そういうこった。私らも……やりたいんだよ。

ブラッディ井上：

で、バケツと雑巾は足りてるか？

ハロウィン園原：

りょ、寮長に聞いてきますっ！

リザルト

それじゃ私も……本気、出しちゃおっかな！

敗北時

ありゃっ？　何で今日の私、こんなにノってるんだろ。

ＦＷＷＷ 東女寮客人
笠松 鏃：

いいんですか？
私たちも寮に住まわせてもらって。

田中 えり子：

いいよ。ウチ(東女)に参戦中だし……そのために、
ゲスト用の宿泊室とか作ったしね。

ＦＷＷＷ 東女寮客人
姫麻呂 町由岐：

それはありがたいのう。

岡部 いんこ：

……うん……

……………………

姫麻呂 町由岐：

いつまで落ち込んでいるのじゃ、岡部先輩。
やってしまったものは仕方なかろう。

岡部 いんこ：

だって、だってぇ……
いんこさんに呆れれちゃったし～！

田中 えり子：

何？　ウチの中江(いんこ)とトラブル？

笠松 鏃：

あー、いえ……

中江さんが岡部さんにやたらつっかかってきて……
それで岡部さんが怯えていたんですね。

でもそれってプロレスラーとしては買うべき喧嘩というか、
そういうものだったらしくって。

後から気づいた岡部さんが落ち込んでるという。

田中 えり子：

あー、あれか……

笠松 鏃：

難しいものですね。
私も、ずっと……ただのイジメかと思ってましたから。

姫麻呂 由岐：

笠松先輩は純粋なアスリート畑の出であるからの……
すぐには理解しづらいやもしれぬ。

岡部 いんこ：

レスラーなのに気づかなかった私って。

姫麻呂 由岐：

一応、フォローしておくと……
岡部先輩は当事者であった故、
まぁ気づきづらかったかと……

岡部 いんこ：

うぅ……ありがと……

田中 えり子：

でも、後からでも気づいたんでしょ？

今からでも応えりゃいいじゃん。

笠松 鏃：

そこなんですよ……ついでなので相談したいんですが。

その話、一度中江さんに御破算にされているんですよね。
なのに応えていいものかどうか……

姫麻呂 由岐：

そのあたりは、団体によって空気というか
流儀が違うと思うのであるが……

田中 えり子：

あー、そんなの気にしてたの？
なら、やっちゃえやっちゃえ。

ウチは、熱ければ何でもありだ。

岡部 いんこ：

い、いいんでしょうか！？
私、いんこさんに「つまんねぇヤツ」って……

田中 えり子：

つまんねぇヤツって言われて……

そのまま何も行動起こさなかったら、
中江からの評価が「つまんねぇヤツ」のまま
変わらないけど……いいのか？

岡部 いんこ：

！？

田中 えり子：

大丈夫。やるなら、やり過ぎなくらいな方が
……あいつは喜ぶ。

姫麻呂 由岐：

決まりじゃな。寮長殿のお墨付きじゃ……

笠松 鏃：

骨は拾ってあげるからね。

　
東京女子プロレス 寮の住人
中江 いんこ：

んー……何か、ざわついてる雰囲気ですね。

試合前
“等身大アイドル”
中江 いんこ

じゃ、試合……いっちゃいますですよ！

勝利時
中江 いんこ：

ちっ……やられたで……

岡部 いんこ：

中江ぇぇっっっっ！

（ガッシャアァァン！）
？？？：

「おおーっと、ＦＷＷＷの岡部がイスを持って乱入ーっ！
  試合を終えたばかりの中江に襲いかかった―っ！」

岡部 いんこ：

前から気に入らなかったんだよお前！
何、私の許可無くいんこ名乗ってるんだーっ！

（ドカッ！　バキッ！！）
？？？：

「滅多打ちーっ！ 岡部が中江を滅多打ちーっ！！」

（グシャアァッ！）

田中 えり子：

おー、やってるやってる。

笠松 鏃：

「私の許可無く」って……
中江さんの方が先にいんこ名乗ってたのに。

田中 えり子：

いいんだよ、理不尽でも。
本番で、熱い試合さえ出来れば……

田中 えり子：

そうすりゃ、理屈なんかどっか飛んでくし。

笠松 鏃：

熱さで理屈を吹き飛ばす……なるほど。

リザルト

てめぇ……よくヤってくれやがったなですよ！

敗北時

いんこに勝とうなんて十万年早いってんです。

田中 えり子：

ののりー。

東京女子プロレス 寮の住人
福北 ののり：

なんです、寮長？

田中 えり子：

お前、引っ越しの準備終わってる？

福北 ののり：

終わってますよー。
あたし、ほとんど私物ないし。

田中 えり子：

お、良かった。
じゃあ、明日にでも引っ越してくんね？

福北 ののり：

了解です！
じゃあ、帰りにスーパーよらなきゃ。

田中 えり子：

スーパー？　なんで？

福北 ののり：

なんでって、そりゃ……
ご近所の挨拶用に、引っ越し蕎麦を。

田中 えり子：

いや、いいから。
そういうのは会社の方でやるから。

福北 ののり：

えー……

せっかく、蕎麦打ちの特訓してたのに。

田中 えり子：

最近、寮の台所がやたら粉っぽかったのは
お前が原因だったか……

福北 ののり：

やっぱり、地元との関係は円満じゃないと。

田中 えり子：

まあ、言ってることは間違ってないが……

　
福北 ののり：

あれ……何か、忘れているような。

試合前
“爆竹娘”
福北 ののり

まあ、今は試合に集中ーっ！

勝利時
田中 えり子：

ののり、ちょっといいかー？

福北 ののり：

なんです？

田中 えり子：

お前宛に、大量の段ボールが届いてるんだが……

福北 ののり：

あ……

田中 えり子：

引越直前に荷物が増えるって……どういう事だ？

福北 ののり：

そうだ……蕎麦と一緒に、
引越の手ぬぐい配ろうとしてたんだ。

田中 えり子：

そういう類のか。
気がきいてるというか、ききすぎてるというか……

福北 ののり：

あたしの名前入りの応援タオル。

田中 えり子：

そっち方面かよ！ちゃっかりしてんなおい！！

福北 ののり：

やだなあ。これはレスラーとして……
当然の努力のウチですよ♪

リザルト

仲良くなって、応援もしてもらえる。ウィン－ウィンの関係ってね。

敗北時

よっしゃーっ！　ズガァンと勝ちっ！！

田中 えり子：

どうですソニ先輩。片付けは進んでますか？

東京女子プロレス 半分寮の住人。
ソニックキャット：

んー……壊れ物(オモチャ)が多くて、進んでないのー。

田中 えり子：

っていうか、何でソニ先輩の部屋がまだあるかなー？
自分の家もあるのに。

ソニックキャット：

おうちはアンドロメダ(相模原市)なの。
毎日帰るのには遠いのー。

田中 えり子：

まあ、ソニ先輩の……団体への貢献度と、
芸能活動への配慮ならではの扱いなんだろうけど。

その分、引越に関しては容赦しませんからね。

ソニックキャット：

ううっ、えり子ちゃんが怖いのっ。

東京女子プロレス 結城家(ソニック)同居人
ディアナ・ライアル：

まあまあ、えり子。
ミカさん(ソニック)の引越の準備は、私がやるかラ……

田中 えり子：

ディアナさんはソニ先輩に甘すぎます。

ディアナ・ライアル：

あははは……だって……

田中 えり子：

だってじゃないです。他の派閥の手前もあるから、
身内(ファミリー)にこそ厳しくいきますからねっ。

ディアナ・ライアル：

う……ウン……

東京女子プロレス 寮の住人
赤津 ちか：

えり子せんぱーい！引越のことでしつもーん！

田中 えり子：

どうした？

赤津 ちか：

えっとね、えっとね……
新しい寮には畳がないって聞いたんだけど……

田中 えり子：

まあ、フローリングだからな。

赤津 ちか：

畳はどれだけ持ってけばいいの！？

田中 えり子：

……？　？？

赤津 ちか：

４枚全部持ってけば足りる！？

田中 えり子：

………………

赤津 ちか：

………………

田中 えり子：

あ、いや……畳は運ぶ必要ないだろ……

赤津 ちか：

そっかー！はがしちゃったから、戻さないとっ！！

　
田中 えり子：

はがしちゃったって……

まあいいか。
それでソニ先輩……特にソニ先輩は、
寮の中でも一番のベテランなんですから、
その立場を自覚してですね……

赤津 ちか：

せんぱーい！えり子せんぱーい！大変大変！

田中 えり子：

どうした？

赤津 ちか：

あのねあのね、
畳戻していたらでっかいネズミさんがでてきてね！！

田中 えり子：

ネズ……

赤津 ちか：

すごいの、でっかいの！猫みたい！！
あの子も一緒に引越した方がいかなっ！？

田中 えり子：

………………

赤津 ちか：

かわいいよ！「ジャーッ」とか鳴くよ！！
つかまえてあるけど、どうしようっ！！

田中 えり子：

えっとだな……その……
ネズミさんも自由がいいだろ。すみやかに離してやれ。

赤津 ちか：

そっかー！　残念っ！

　
田中 えり子：

そっかー……この寮、
そんなでかいネズミいたのかー……

えっと、それでですねソニ先輩……

赤津 ちか：

えり子せんぱーい！
ネズミが出てきた穴覗いたら、みたこともない生き物がっ！

田中 えり子：

あーもー、後で手伝ってやるから
お前は一人で引越の準備するなっ！！

　
赤津 ちか：

引越の準備って楽しいねっ！

試合前
“マジカルドルフィン”
赤津 ちか

驚きの連続だよっ！

勝利時
田中 えり子：

さーて……遅くなったけど、
ちかの引越の手伝いでもしてやるか……

ちかー、おーい。手伝いに来たぞー。

（ガチャ）

……ちか？

赤津 ちか：

すぴー……

すかー……すぴー……

田中 えり子：

……寝てるし。

こいつ、一度寝ると起きないし、
起きても使い物にならないからなぁ……

あーもー、いいか！明日で！！

…………

おやすみ。

リザルト

……うぴー……おさしみ……すぴぴー……

敗北時

あの生き物、何だったんだろう？　「ぴるるる」とか鳴くヤツ

東京女子プロレス 寮の住人
プロミス榎下：

新しい寮かー、楽しみだよねぇ。

羨ましかったもんね。
ＦＷＷＷの寮とかＴＶで紹介されてた時……

中江 いんこ：

あそこ、設備には金かけてやがりますからね。

プロミス榎下：

あと、男子プロレスで
寮のビフォーアフターした番組とか。

中江 いんこ：

あー、あったですあったです。

東京女子プロレス １人暮らし組
フリーザー片倉：

まったく、寮の何がいいのかしら……

狭いし、生活は管理されるし。

プロミス榎下：

そういえば片倉さん、すぐ寮でてっちゃったね。

フリーザー片倉：

だって私には無理だもの。共同生活だなんて……

プロミス榎下：

でも食事とか出てくるし、道場近いし、色々便利だよ。

田中 えり子：

お……引越しの準備、進んでるかー？

プロミス榎下：

あ、寮長ー。新しいあたしの部屋、どこですかっ？

田中 えり子：

榎下の部屋？

プロミス榎下：

そう、あたしの部屋。
できたら角部屋がいいなーって♪

田中 えり子：

榎下の部屋ねー。

ないよ。

プロミス榎下：

……え？

田中 えり子：

お前、出ていく組だろ。あるワケないじゃん。

プロミス榎下：

ええっ！？

あれー……？

“情熱打ち上げ花火”
プロミス榎下

な、何かわかんないけど……いくぞーっ！

プロミス榎下：

寮長ーっ！！

田中 えり子：

おう、おかえり。今日はハンバーグなー。

プロミス榎下：

やた。ハンバーグ！

っじゃなくて！あたしの部屋が無いって、どういうことっ！？

田中 えり子：

あれ？その話、続いてたの？

プロミス榎下：

あたし、引越の準備しちゃってるんだけど！！

田中 えり子：

いや、そりゃどっちにしてもするだろ。

だいたいにして……新人も次々入ってくるし、
出て行くアテのある人間には出てってもらわないと……

プロミス榎下：

出て行くアテなんかないよ！？
寮から追い出されたら、どこで暮らせば良いのさっ！？

東京女子プロレス １人暮らし組
姫小路 由樹：

もちろん、私のおうちですわ。

プロミス榎下：

し、師匠！？

姫小路 由樹：

ちゃーんと、すずりさんの部屋は用意してあるから。
安心してくださいね。

諸々の手続きも、代わりに済ませておいたから。

プロミス榎下：

うええっ！？

田中 えり子：

えっと……ちょっと待って。
榎下がこんなに驚いてるっていうことは……

本人に教えてなかったんですか？

姫小路 由樹：

えぇ。サプライズをと思って。

プロミス榎下：

サプライズって……え？　なに？なんで？

姫小路 由樹：

もちろん、ひとたび師匠となったからには、
教えられる事は公私ともに徹底的に教えてあげたいなと。

プロミス榎下：

ちょおぉぉっ！

師匠と一緒に暮らすなんてヤダよぉっ！

姫小路 由樹：

あら、何故？あなたが弟子にしてくれと頼んだんじゃない。

プロミス榎下：

頼んだし……レスラーとしての師匠は尊敬してるけど……
普段の師匠はヘンタイじゃないかっ！

そんな師匠と暮らしたら、あたしまでヘンタイになっちゃう！

姫小路 由樹：

ま、失礼ね～。

もう、そのあたりの礼儀から……
じっくり教えていく必要があるみたいね～。

プロミス榎下：

ぎゃーっ！

た、たすけて寮長！

田中 えり子：

無理。がんばれ！

荷物送る手配はしといてやるから。

プロミス榎下：

は、薄情者ーっ！！

リザルト

ちょっ……やばいやばいやばいやばい。
あたしやばいっ！

敗北時

えっと、夢……じゃないよね？

東京女子プロレス 寮脱出組
染宮 一二三(うたたね)：

それじゃ、今までお世話になりました！
染宮一二三、本日より１人暮らしを開始します！

田中 えり子：

おう。もう、戻ってくるんじゃないぞ。

染宮 一二三：

あははは。寮長、看守さんみたい！

田中 えり子：

いや、地味に本音なんだよ。
私もあんま人のこと言えないけどさ、
プロレス漬けで社会的な常識ないヤツとか……
たまにいるから。

ひどかったら、連れ戻してちょっと教育しなおさないと。

染宮 一二三：

そんなこと、するんだ。

田中 えり子：

ああ。レスラーの恥は団体の恥。
私ら、東女の看板背負ってるんだから。

染宮 一二三：

なるほど！

そのあたりは安心してよ！ボク、結構常識人だから！！

田中 えり子：

自分で常識人っていうヤツは
あまり信用してないんだが……まあ、がんばれ。

　
染宮 一二三：

寮長って、意外と心配性だなー。

試合前
“ポジティブファイター”
染宮 一二三

さあ、旅立ちの試合だっ！

勝利時
田中 えり子：

あれ、染宮……

何で戻ってきた？

染宮 一二三：

やだな、違うよ。単に忘れ物しちゃったんだよ。

田中 えり子：

そっかー。新居はどうだ？

染宮 一二三：

あ、聞いて聞いて寮長。ボクが借りたトコ、凄いんだよ。

部屋が一つしかないんだ！

すごいねー……ワンルームマンションって、
部屋が一つって意味だったんだ。

田中 えり子：

お、おぅ？

染宮 一二三：

それでキッチンもお風呂もちっちゃいのがついててさー。
なんていうんだろ……

オモチャの家みたいっていうか！感動した！！

田中 えり子：

あー、コンパクトにまとまってるよなあ。

って、今更そんなことを……下見とか行かなかったのかよ？

染宮 一二三：

え、不動産屋さんの壁に掛かってる紙見て
「これ下さい」って……

　
田中 えり子：

ちなみに、忘れ物って何？

染宮 一二三：

通帳とカード！

田中 えり子：

不用心だなおい！

染宮 一二三：

そうかなー？

田中 えり子：

世の中物騒なんだから、カギとかちゃんとかけろよ？

染宮 一二三：

ああ、家のカギ？

なくしちゃった！

田中 えり子：

なく……おい、ドロボーに入られたらどうすんだよ！

染宮 一二三：

だいじょうぶだいじょうぶ！しめた状態で無くしたから！

田中 えり子：

え？　しめたって……出入りとかどうすんの？

染宮 一二三：

窓から入るからへーき！

田中 えり子：

窓って……お前の部屋、１階？

染宮 一二三：

ううん、３階！

へーきへーき！

田中 えり子：

染宮……昼間話したこと覚えてるか？

染宮 一二三：

何か話したっけ？

　
田中 えり子：

（近いウチに連れ戻す必要ありそうだな、こいつ）

リザルト

さって、我が城に帰ろうかな！

敗北時

ひゃっふー！　幸先いいなっ！！

田中 えり子：

お、いたいた霧島さん。引っ越しの日、決まったよー。

東京女子プロレス 寮の住人
霧島 梨花：

やっと決まったのー？

待ちくたびれちゃったよ。

田中 えり子：

仕方ないですよ。なんせ、霧島さんの部屋は「特別」なんですから。

会社が、わざわざ金かけて作ってくれましたからね。
それがやっと完成したんです。

霧島 梨花：

いやー、特別待遇かあ……悪いわね、ホント。

田中 えり子：

今日の帰りにでも、見ていってください。

霧島 梨花：

ところで……あたし、本当に引っ越しの支度しなくていいの？

田中 えり子：

いいですよ。業者が全部やってくれますから。

霧島 梨花：

でも、「引っ越しの支度は自分でする」って方針なんでしょ？

あたしだけ、そこまでやってもらうのはなぁ……

田中 えり子：

いいんです、いいんです。霧島さんですから。

霧島 梨花：

でも、荷物をまとめるくらいは……

田中 えり子：

いいから何もすんな。

　
霧島 梨花：

なんか……任せっぱなしで悪いなあ。

試合前
“危険な箱入り娘”
霧島 梨花

せめて、試合でかえしましょっか！

勝利時
？？？：

ちょっとっちょっとえり子～っ！

田中 えり子：

あ、お帰りなさい。引越先の部屋、見てきました？

霧島 梨花：

見てきた！どういうこと！？

仮にも女帝直下のあたしが、なんで今さら二畳部屋なのよ！！

田中 えり子：

いいじゃないですか。その分、個室ですし。

霧島 梨花：

今だって個室もらってるー！狭くなってるーっ！！

田中 えり子：

仕方ないでしょう。広い部屋だと、改装に手間かかるんですよ。

霧島 梨花：

その改装だけど……

壁も天井もコンクリっぽかった！

田中 えり子：

そうですよ。霧島さんの部屋だけ、特別に頑丈にしたんです。

霧島 梨花：

どうしてー！？

田中 えり子：

どうしてって……いいんですか、霧島さん。

今の寮で霧島さん……自室のドアを何回壊しました？

霧島 梨花：

えっと……二桁は、いってないと思う。

田中 えり子：

壁に何カ所穴を開けたか、覚えてます？

霧島 梨花：

それも二桁は……いってないはず。

田中 えり子：

ぼや騒ぎを起こした回数は？

霧島 梨花：

ぜ、絶対二桁いってない！

田中 えり子：

あのですね……

普通の人間は、どれも二桁どころか、
人生で一回あるかないかレベルなんだよ！

文句は、まともな生活送れるようになってから言え！

霧島 梨花：

う……

田中 えり子：

ちなみに、霧島さん専用部屋についてですが。

あれ、霧島さんと同じ女帝直下のみんなからの提案なんで。
文句はそっちに。

霧島 梨花：

あ、あいつらー！

リザルト

う、裏切り者ーっ！！

敗北時

うっしゃあ！　勝利を新しい部屋に持ち帰りますかぁ！！

東京女子プロレス 本日来日
ティフィ青山：

ええと、ここが東女の寮……ですわよね。

人の気配がしませんが
……お興行に出ていらっしゃるのかしら？

おかしいですわ。舜(日高)お姉様から、
ここで待ち合わせをするよう言われてましたのに……

田中 りえ子：

あー、こめんごめん。待った？

確か日高さんがアメリカから送り込んできた……
ティフィ……えーと……

ティフィ青山：

青山ですわ。あなた、東女の方でよろしいですわよね？

田中 えり子：

ああ。私の名前は田中えり子。寮長をしている。

ティフィ青山：

まあ、あなたがあの……

瞬間湯沸かし器と言われ、目に入るモノすべてに
喧嘩をふっかける暴力猿の、お田中様！

田中 えり子：

おいぃ！？

ティフィ青山：

あら、違う田中様ですの？

私、お姉様からエテモンキーの
田中様のことしか伺ってなくて……

田中 えり子：

いや……多分、その田中であってる。あってるぞ～？

（耐えろ、耐えるんだえり子。この子は日高のヤローに
  吹き込まれてるだけ……笑顔、笑顔）

ティフィ青山：

それでお猿様。私はこれからどうすれば？

田中 えり子：

田中先輩と呼べ！ぶっ飛ばすぞ！！

あ……

ティフィ青山：

まあ、まあ！お田中様って、お姉様の行ってた通り。
常に怒っていらっしゃるのね。

田中 えり子：

………………

田中 えり子：

まあ、猿のことはいい。
それより……今日、この後の事は日高さんから聞いてる？

ティフィ青山：

いいえ。とにかく、ここに来て指示に従えと。

田中 えり子：

そ。じゃ、ついてきて。

　
ティフィ青山：

あれ……まだ私、お荷物もといてないのですけど……

試合前
“おブルーマウンテン”
ティフィ青山

えええええ、いきなり試合ですのぉっ！？

勝利時
ティフィ青山：

ま、まさかいきなりお試合をさせられるとは……

田中 えり子：

「世の中、習うより慣れろや。リングに立てば、すぐ理解出来る」

だってさ。日高さんからの伝言だ。

ティフィ青山：

うー……お姉様の言葉なら仕方ないですわね。

田中 えり子：

そいや、今さらだけど……
青山って、向こうで日高さんの弟子になったレスラー、
で合ってるんだよな？

ティフィ青山：

ですわ♪

田中 えり子：

あの人、今どんな感じ？

ニュースでは、相当暴れ回ってるとは聞いているんだけど……

ティフィ青山：

おニュースの通りですわ。

舜お姉様は去年、アメリカのマットに突如現れ……
当時のチャンピオンに挑戦状をたたきつけましたの。

ですが残念なことに、当時のアメリカでは
お姉様はあまり知られておらず……
挑戦は無視される形となってしまいました。

そこで怒ったお姉様は、幸(西田)お姉様と瑠璃(鹿野)お姉様を
引き連れ、メインイベントに乱入。

ティフィ青山：

それをきっかけに、一大ヒールとして
頂点の争いにからむようになりましたの。

田中 えり子：

あの人らしい。

それで、日本には？いつ帰ってくるって？

ティフィ青山：

もうそろそろ……と考えていらっしゃるご様子。

そのための下準備として……私を一足先に、
この国(日本)へと送り出したのですわ

リザルト

ところで……私、どちらで寝れば……

敗北時

じ、時差ボケを何とか乗り越えられましたわ……

東京女子プロレス １人暮らし組
ＫＡＴＯＮ：

よぉ、引っ越しの進み具合はどうだい？

東京女子プロレス 寮の住人
大木 真琴：

あ、ＫＡＴＯＮさん。

頑張れば、今晩にでもいけちゃいそうな感じです。

ＫＡＴＯＮ：

おお、そうか。じゃあ、オレも手伝ってやるよ。

大木 真琴：

え、でも……

ＫＡＴＯＮ：

遠慮するなって、同じ紅炎団の仲間だろ。

　
大木 真琴：

いい先輩……もったなあ……

試合前
“お米パワー”
大木 真琴

試合で、返していかないと！

勝利時
ＫＡＴＯＮ：

これで、荷物は最後か？

大木 真琴：

はい！　ほんと、ありがとうございます。
どうやってお礼したら良いか……

ＫＡＴＯＮ：

なあに、夜食に牛丼でも奢ってくれればいいさ。

田中 えり子：

おーい、誰かいるかー？

大木 真琴：

あ、寮長。

ＫＡＴＯＮ：

よ、お邪魔してるぜ。

田中 えり子：

ＫＡＴＯＮさんに大木か……ちょっと聞きたいんだけど……

寮で不審者、不審者見かけなかった？

大木 真琴：

不審者？

田中 えり子：

いや、近所の人がさ……
怪しいヤツが寮を出入りしてるって
報告してきてくれたんだけど。

大木 真琴：

怪しいヤツって……

ウチ、怪しい人だらけじゃないです？

田中 えり子：

それはそうなんだが……あー、そうじゃなくて……

怪しい男がうろうろしてるんだってよ。

大木 真琴：

男！？

田中 えり子：

ほら、ウチって一応女子寮だろ？
だから、近所の人も心配してくれたらしくって……

そんなワケだから、不審者を見かけても

やりすぎない(・・・・・・)ように注意をね。

大木 真琴：

その不審者ってのは、どんなヤツなんです？

田中 えり子：

えっと、近所の人の証言によれば……
いかにもそのスジっぽい……

ＫＡＴＯＮ：

ほう。

田中 えり子：

顔に傷のある……

がっちりとした体格の……おと……

あー、いや……ほら最近、井上さんも来てたし？

ＫＡＴＯＮ：

いいよ、気を使わなくて。

大木 真琴：

え？　つまり……どういうことです？

ＫＡＴＯＮ：

オレが男と間違われたんだよ。

大木 真琴：

えーっ！

ＫＡＴＯＮさんを男と間違うなんて信じらんね！

ＫＡＴＯＮ：

いやまあ、仕方ねーよ。

大木 真琴：

ＫＡＴＯＮさん、すっげーイロっぺぇのに。

ＫＡＴＯＮ：

いや、そりゃねえよ。

大木 真琴：

チチとかでかいし！

ＫＡＴＯＮ：

そこかよ。

リザルト

ホント、ありえね！

敗北時

これでちったぁ、貢献出来たかな！？

田中 えり子：

寮の引っ越しも、一山越えたな……

東京女子プロレス １人暮らし組
神崎 玲子：

そうか、超えたか。

ご苦労だ、寮長。

田中 えり子：

神崎…………さん。何しにここに？

東京女子プロレス １人暮らし組
一ノ瀬 栞：

やあねぇ、そんなに警戒しなくても大丈夫よ。

私たちはただ、今の寮が取り壊されるっていうから……ね。見納めに。

神崎 玲子：

うむ……

一ノ瀬 栞：

懐かしいわねぇ……玲子と二人で過ごした、あの二畳一間。

まあ、また住みたいかと言われれば「ノー」だけど。

神崎 玲子：

そうか？　あの狭さも味わいがあったじゃないか。

一ノ瀬 栞：

たまにならともかく、毎日なんてやーよ。玲子、でかいんだもん。

特に夏とか。暑くて死にそうになったわ。

神崎 玲子：

まあ、確かにあれは……

一ノ瀬 栞：

真夏日は、扇風機がなーんの役にも立たないのよねぇ。

神崎 玲子：

うむ。ただの温風機だったな……

田中 えり子：

ちなみに……新しい寮、全室エアコン完備ですよ。

神崎 玲子：

なん……

一ノ瀬 栞：

ですって！？

神崎 玲子：

エアコン！？私の時には、そんなもの無かったぞ。羨ましい……

……羨ましいぞ！

田中 えり子：

いや、神崎さん。神崎さんの家、寮よりずっと豪華でしょ！
エアコンくらいあるでしょ！？

神崎 玲子：

いいか、えり子。豪華か、豪華で無いかなど関係ないんだ。

問題は羨ましいか、羨ましくないかだ！

田中 えり子：

何言ってるんだか分かんないよ！

神崎 玲子：

何とかしてくれ寮長！

田中 えり子：

何をどう！？

　
東京女子プロレス 寮の住人
社務 さわり：

帰ったら引っ越しの支度の続き……しなくちゃ……

試合前
“宵待草”
社務 さわり

でも今は、試合試合……

勝利時
社務 さわり：

さーて、引っ越しの支度っと。そろそろＰＣバラさないと……

田中 えり子：

社務ー。

社務 さわり：

あ、寮長。

田中 えり子：

お前さ、新しい寮……佐和(むつみ)と別部屋希望していたよな？

社務 さわり：

えぇ。むっちゃんと一緒の部屋はちょっと……

田中 えり子：

仲良いのになー、お前ら。

社務 さわり：

むっちゃんの事は好きだけど、
だからといって一緒に住みたいかというとー。

田中 えり子：

ま、そんなもんだ。

うん、喜べ……その希望、通ったぞ。

しかも、相部屋の相手が上の人だから部屋も広い。

社務 さわり：

わー、広めなのは嬉しいけど、上の人って誰だろ。

神崎 玲子：

それは私です。

田中 えり子：

あー、社務。色々思うところはあるだろうが……そういう事だから。

神崎 玲子：

よろしく頼むぞ、同居人。

リザルト

………………

敗北時

いよっし！　がんばりましたっ♪

田中 えり子：

沓沢ー。

東京女子プロレス 寮の住人
沓沢 真生：

何ですか、寮長。

田中 えり子：

確認だけど……今、なめこのトコ(ディスティニー)に
下駄預けてんだよな？

沓沢 真生：

下駄……ああ、はいそうです。なめこさんのトコです。

田中 えり子：

じゃ、お前達同じ部屋で良い？

沓沢 真生：

いいですよー。確か、寮にいる私たち(ディスティニー)って……

私の他は……リーダーと、ラナさんと、森近さんですね。

麗さんは、１人暮らしのはずですから……

田中 えり子：

ＯＫ……じゃ、なめこたちで４人部屋っと。

沓沢 真生：

直前まで部屋割りの調整ですか。大変ですねー。

田中 えり子：

ホントだよ。わがまま言われたり、途中で事情が変わったり……

田中 えり子：

あ、そういや……なめこはなめこでなくなるんだっけ？

沓沢 真生：

えぇ。

田中 えり子：

次、何になんの？なめたけ？

沓沢 真生：

それはちょっと……わかんないです。

そういえば、なめこさん……今後どうするんだろう？
なめたけは……ごはんに会いすぎるし……

試合前
“マシュマロアニマル”
沓沢 真生

他に、ごはんにあうもの……

勝利時
東京女子プロレス １人暮らし組
麗 雫：

寮長……

田中 えり子：

なんです、麗さん。

麗 雫：

ディスティニーの４人が……相部屋と聞いた。

田中 えり子：

そうですが、何か？

麗 雫：

寮長は知っている？

ディスティニーは、４人では無く……５人……

田中 えり子：

ダメ。

麗 雫：

まだ……要望を……言っていない……

田中 えり子：

言わなくても分かるって。

麗さん、それなりのキャリアなんだから
寮に戻ってくる必要ないでしょ。

麗 雫：

で、でも……ソニックさんとか、神崎さんとか……それに、
霧島さんや……ラナだって……

田中 えり子：

あのですね。まあソニ先輩や神崎さんは
もう別次元の話としてですね……

霧島さんやラナさんは、
「危なっかしくて１人暮らしさせられない」
っていう会社の方針なんです。

放し飼いにしてると危ないでしょ？あの二人。

麗 雫：

あ、危ないなら……私だって……同じ……

田中 えり子：

危ないって、どこが？

麗 雫：

え……えっと……その……あ、そうそう。

こんな厨二病の女……１人暮らしさせておくと
……ほら……危ない……

田中 えり子：

そんな自虐的な事言ってまで、一緒の部屋がいいですか……

麗 雫：

だって……だって！

田中 えり子：

まあ、それなら……解決方法が無いわけではないです。

麗 雫：

な……に？

田中 えり子：

寮を出て、みんなで住む部屋借りてください。

麗 雫：

その手が……あった！

田中 えり子：

そうすれば、寮もゆとり出来るし……こっちとしても万々歳。

麗 雫：

ウィンウィンの関係……えり子……もしかして、天才？

リザルト

え？　何ですか麗さん。お話って……

敗北時

そうだ、たまごかけごはん！

東京女子プロレス 寮脱出組
友野 なるみ：

というわけで……えり子、お先にー。

田中 えり子：

あー、くそ。なるみも出てく(１人暮らし)のか……

これで、寮にいる同期は私だけかよ。

友野 なるみ：

本当なら、私だってとっくに出て行ってたはずだからねー。

ただ、えり子が寮長やってたから……見捨てる感じがしちゃってさ。

田中 えり子：

感じじゃねー。マジで見捨てられた気分。

そもそもさ、今でも疑問なんだ。
なんで私が寮長に選ばれたのかなーって。

私より、なるみの方が寮長向いてると思う。

友野 なるみ：

無理無理。私、マジメだから。

田中 えり子：

ほほう。つまり、私がマジメじゃないと？

友野 なるみ：

ごめん。そうじゃなくて。

ほら……私だとみんなの言う事、
いちいち反応しちゃいそうでさ。中にはヘンな人いるでしょ？
まともに対応してたら、三日ともたないって。

田中 えり子：

そんなの、ガツンってやりゃいいんだって。

友野 なるみ：

それが出来なくてさー。

すぐキレられるえり子は凄いよ。

田中 えり子：

あんま、褒められてる気がしないんだが？

友野 なるみ：

だって、褒めてないもん。

田中 えり子：

おい。

友野 なるみ：

褒めて無いけど、感心はしてる。
私、身内(凶獣)の後輩相手にしてるだけでも、
いっぱいいっぱいだからね。

田中 えり子：

そこは、素直に褒めてよー。

友野 なるみ：

あははは。

素直に褒めるのは無理かなー。
だって、同期で……ライバルだもんね。

試合前
“ヤングドラゴン”
友野 なるみ

友達だから、負けたくないって言うか！

勝利時
田中 えり子：

うん……よし。引っ越し、全員完了！

友野 なるみ：

お疲れ様、えり子。

田中 えり子：

おー、なるみー。

何だかんだ言って、最後まで付き合ってくれるんじゃん。

友野 なるみ：

まあ、何となくね。

　
田中 えり子：

最初は、私らも二畳間だったなー。

友野 なるみ：

狭っ、とか思った。

なんか、東女に入ったの……昨日のことのような気がする。

田中 えり子：

うん、私も……

今から思えば、バックボーンも何も無しでよくプロの門たたいたよなー。

友野 なるみ：

えり子らしいよ。

私は……柔道やってたから、少しは自信あったんだけどね。
その自信、速攻砕かれたけど。

田中 えり子：

よくあるよくある。

　
友野 なるみ：

ただの素人だったえり子も……今じゃ寮長で、
若手のホープで、ソニックファミリーの若頭って感じだもんね。

田中 えり子：

なるみも、自信を砕かれた割には……
私ら世代のトップ、走り続けてるよな……

友野 なるみ：

すぐ後ろを追っかけてくる同期がいるから、気は抜けないんだ。

田中 えり子：

ぬかせ。

友野 なるみ：

今日、どうする？最後だし、あの二畳で一緒に寝る？

田中 えり子：

やだよ、気持ち悪い。

自分の部屋で寝るよ。この寮の……

友野 なるみ：

じゃ、私もそうしようかな。思い出に浸りながら、眠るとしますか……

田中 えり子：

じゃ、明日。

友野 なるみ：

うん、また明日。

リザルト

おやすみ、今まで、ありがと。

敗北時

えり子より、先を走り続けないと……