イギリスの路線アドオン。ロンドンのセント・パンクラス駅を発着する高速新線と、南東部ケント州の在来線区間を再現している。
2013年9月に提供を開始したTrain Simulator 2014の標準収録路線ともなった。
基本情報
アドオン名 | London-Faversham High Speed Route Add-On |
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国 | イギリス |
開発元 | Dovetail Games |
軌間 | 1,435mm |
最高速度 | 高速新線225km/h、在来線90mph(145km/h) |
電化方式 | 架空電車線・第三軌条方式 |
保安装置 | TVM、AWS |
時代設定 | 現代 |
価格 | 3,980円 |
発売日 | 2013年2月21日 |
販売先 | Steam |
路線解説
実物紹介
1994年にイギリスとフランスを結ぶ英仏海峡トンネルが開通。イギリスとヨーロッパ大陸が鉄路で繋がり、ロンドンとフランスのパリ、ベルギーのブリュッセルを結ぶユーロスターの運行が開始された。
当初はイギリス国内は在来線を走り、ロンドンではウォータールー駅に発着していたが、速度も出せず所要時間も掛かるため、高速新線の建設が決定した。2003年に部分開通、2007年にロンドンの新たなターミナルとなるセント・パンクラス駅まで延伸し、高速新線「High Speed 1」は全通を果たした。
一方、この高速新線からイギリス国内南東部の在来線へ直通し、アシュフォード、フェヴァシャム、ドーバー方面を結ぶ通勤列車の運行も決まり、これに使用する車両として日本の日立製作所が製造した395系が投入された。日本が鉄道発祥の国イギリスに輸出した高速列車として注目されている。
南東部ケント州の在来線は、ロンドンでは主にヴィクトリア駅とチャリング・クロス駅から発着する。現在の主力はボンバルディア製の375系とアルストム・ABB製の465系・466系である。
アドオン概要
ロンドンのセント・パンクラス駅から高速新線のエブスフリートまで、在来線は北ケント線のエブスフリートからロチェスター、ロチェスターからはチャタム本線のチャタム、ギリンガム、シッティングボーンを経由してフェヴァシャムまで51マイル(82km)の区間を再現している。
高速新線では架線集電で最高速度225km/h、保安装置はTVMで車内信号を用いる。在来線では第三軌条集電、最高速度90mph(145km/h)、保安装置は在来線標準のAWSを使用する。
車両はサウスイースタン社の395系と375系が入り、収録シナリオは全て395系の運転で、375系はQuickDriveでの運転が可能である。ユーロスターの車両は収録されていない。
速度の単位は高速新線区間ではkm/h、在来線区間ではmphを用いているが、UIではmphでしか表示されないため、単位の読み違いに注意。
紹介映像
沿線概況
高速新線
起点はロンドンのセント・パンクラス駅。1868年の開業で巨大なドーム屋根が特徴。2007年の高速新線開業に合わせて大幅に改装された。
ユーロスターは中央の長いホーム、ジャベリンは東の短いホーム、開業当初からのミッドランド本線は西のホームに発着する。地下には市内を南北に縦貫するテムズリンクの列車が発着する。東側にはキングス・クロス駅が隣接している。
出発するとすぐにロンドンの地下を貫く長いトンネルに入り、2012年オリンピック会場の最寄りとなったストラトフォード国際駅に到着。掘削式のホームであり、ユーロスターの車両基地への線路も分岐している。
再びトンネルを抜けるとエセックスの開けた田舎を最高速度225km/hで快走し、ダートフォードからテムズ川を渡るクィーン・エリザベス2世を横目にテムズ川をトンネルでくぐると、列車はエブスフリート国際駅に到着する。
エブスフリートはアシュフォード・英仏海峡トンネル方面のホームと在来線の連絡線ホームがあり、このアドオンでは連絡線ホームに発着する。高速新線は交流25kVの架線集電、在来線は直流750Vの第三軌条のため、ここで集電方式を切り換える。
在来線
エブスフリートから先は在来線に入り、北ケント線のグレーブセンドを経由し、長いトンネルを通ってメッドウェイ川を渡ると、ロチェスター城と大聖堂を横目にロチェスター駅に到着する。
これより先はチャタム本線に合流して東に進み、Dovetail Gamesの本拠地があるチャタム、車庫のあるジリンガムを経由してケントの田園地帯を進み、シェアーネス支線の分岐するシッティングボーンを経由して、この路線アドオンの終点フェヴァシャムに至る。
フェヴァシャムからはラムズゲート方面とドーバー方面の二手に分岐している。
収録車両
395系
395系は2009年に登場した日立製作所製の高速電車。6両編成を組み、最大2編成併結の12両編成で運用される。
日本の車両メーカーが設計製造した初の欧州向け高速電車。「A-train」の車体構造を採用したアルミ車体で、日本の新幹線で得た技術を活かしつつ、欧州の安全・設計基準への適合が図られた。
ロンドンのセント・パンクラス駅とイングランド南東部の各地を結ぶ通勤近郊列車に使用されている。2012年のロンドン夏季オリンピックではシャトル列車「オリンピックジャベリン」として用いられ、車両にも投げ槍を意味する「ジャベリン」の愛称が付与された。
塗装はサウスイースタンの紺色塗装を収録。客室視点に対応する。アドオンの開発には日立製作所の欧州法人が全面的に協力したとのこと。
375系
375系は2002年に登場したボンバルディア製の在来線用電車「エレクトロスター」。3両または4両編成を組み、柔軟に併結を行っている。
パンタグラフを搭載するスペースはあるが、大半が第三軌条専用である。登場時は白系の塗装であったが、2015年からの更新工事で395系と同じ紺色基調の塗装に順次変更されている。
塗装はサウスイースタンの白色系塗装を多数収録。更新車の紺色塗装がマーケットプレイスの別売品として提供されている。
運転操作
- 395系
- 第三軌条と架線集電の切換は、第三軌条へはIキー、架線方式へはOキーで行う。
- 1分間無操作状態だと、日本のEB装置と同様のDSD装置のアラームが鳴る。リセットはテンキーのEnter。
- Bキーで正面の連結器カバーを開閉できる。
- 375系
- 第三軌条の集電靴は、Ctrl+Pで下ろして集電状態に、Shift+Pで上げる。
- Bキーで鳴る甲高い警笛は、車庫内の入換時に使われる。
シナリオ
5件のシナリオを収録。
- Class 395 Driver Training: Driving the Class 395
- Class 395 Driver Training: TVM Signalling
- Far Horizons
- Frost Fall
- There & Back Again
Class 395 Driver Training: Driving the Class 395
395形電車の運転の解説。フェヴァシャム駅を起点に所要時間20分。
Class 395 Driver Training: TVM Signalling
高速新線区間の保安装置TVMの解説。エブスフリート国際駅を起点に所要時間15分。
Far Horizons
ロンドン・セントパンクラス国際駅からフェヴァシャム駅まで、395形でアドオンの全区間を走破。所要時間70分。
Frost Fall
吹雪になるかもしれない冬の中、ロンドン・セントパンクラス国際駅からフェヴァシャム駅方面へ運転。所要時間60分。
雪による悪天候の影響により途中のジリンガム駅で運転打ち切りとなり、車庫に引き上げる。
There & Back Again
エブスフリート国際駅を起点に、ロンドン・セントパンクラス国際駅までの高速新線区間を1往復。所要時間45分。
実績
別売アドオン
この路線に対応するシナリオを含む別売アドオン。発売が早い順。
- Southeastern Class 465
- Sheerness Branch Extension - 支線のマップ拡張。