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神速一魂・Cafe Parade |
もふもふえん・S.E.M・THE虎牙道 |
F-LAGS・Legenders |
Beit
鷹城 恭二
第1話 あの名作が帰ってくる | |
---|---|
鷹城 恭二 | 俺たちにオファー…それも『プリデス』新作のPRキャラクターだって!? |
ピエール | 『ぷりです』…なに?プリンスです、のこと? |
鷹城 恭二 | 惜しいな。『プリンスディストラクション』っていうゲームの略だ。 |
渡辺 みのり | さすが恭二、詳しいね。プレイしたことあるの? |
鷹城 恭二 | みのりさん、聞いたことないんすか?昔、結構流行ったとおもうんすけど、 |
俺も高校の頃にかなりやりこんでて…弟ともよく遊んだ作品なんすよ。 | |
ピエール | 恭二、優しい笑顔!素敵な思い出いっぱいだね! |
鷹城 恭二 | えっ?いや…はは、ちょっと熱く語りすぎちまったかな… |
渡辺 みのり | 恭二がそんなに熱くなる作品なんだ。このオファー、断る理由はないよね? |
ピエール | もちろん!恭二喜ぶ、嬉しい。それにボクも『プリデス』、やってみたい! |
鷹城 恭二 | みのりさん、ピエール…ありがとうございます。 |
そうか…あの頃ハマってたゲームに、こんな形で関われるなんてな… | |
おし、プロデューサー。具体的な仕事内容について、聞かせてくれよ。 | |
第2話 遊びを仕事に | |
Beitの3人は事務所で企画書に目を通している。 | |
ピエール | みのり。ボクたちゲームで遊ぶ、撮影する? |
渡辺 みのり | そうみたいだね。俺たちのプレイ動画が配信サイトにあがるみたいだ。 |
ピエール | ゲームで遊ぶ、お仕事になる?なんだか不思議だね! |
鷹城 恭二 | ただ遊ぶだけじゃない。ゲームのPRになるように考えながら遊ぶんだ。 |
新作を持っていた人には新しい要素をわかりやすく伝えたり、 | |
ゲームは知らないけど俺たちに興味を持って見に来てくれた人にも、 | |
楽しそうなゲームだって伝えられるように考えてやらないとな。 | |
もちろん、そのためには俺たち思う存分楽しむのも大事だけどさ。 | |
渡辺 みのり | 楽しみつつも、仕事として誠実に…難しい仕事だね。 |
鷹城 恭二 | まぁ、俺も人のプレイ動画とか見てて思ったことを言っただけですけどね。 |
そういや実家を出る時、当時のゲーム機本体を持ってきたっけな… | |
今度3人で、試しに前作『プリデス』をプレイしようぜ。 | |
第3話 驚きの再会 | |
後日、ゲーム会社の社員との打ち合わせの機会が設けられた. | |
ゲーム会社のディレクター | 『プリンスディストラクション』のPRにご協力頂き、ありがとうございます。 |
Beitの皆さんにPRしていただければ、話題性も十分で… | |
鷹城 恭二 | (ん?ディレクターと一緒にいる、あいつ…) |
ゲーム会社の社員 | 鷹城、久しぶりだな。 |
鷹城 恭二 | おまえ、やっぱり…! |
渡辺 みのり | あれ?恭二、もしかして知り合い? |
ゲーム会社の社員 | 実は高校時代の同級生なんです。昔、はよく一緒に遊んだよな。 |
ピエール | すごい、ビックリ!昔のトモダチ、お仕事で一緒、嬉しいね! |
ゲーム会社の社員 | ほんと、俺もまた会えて嬉しいよ!何年ぶりだろうな。元気にしてたか? |
鷹城 恭二 | ああ、まあ…なんとか。おまえこそ、ゲーム作ってるなんてすげーな。 |
ピエール | (恭二、なんだか元気ない?お友達に会えたのに、ハッピーじゃないみたい…) |
第4話 些細な過ち | |
後日、配信サイトで公開プレイ動画の収録が行われたがーー | |
鷹城 恭二 | あっ…くそ、ミスった…!でも、ここさえ抜ければ! |
渡辺 みのり | 恭二、アイテム取り忘れてる!そこで王冠取らないと…! |
鷹城 恭二 | あ、しまった…!くそっ、凡ミス…すいません、もう1回やらせてください! |
ピエール | やふー!お疲れさま、でしたー! |
鷹城 恭二 | すいません、撮影時間オーバーしちゃって… |
ゲーム会社の社員 | バッチリ編集するし大丈夫だけどさ。けど鷹城があんなミスするなんて珍しいな。 |
もしかして、アイドルの仕事が忙しくて腕が鈍ったんじゃないか?はは! | |
鷹城 恭二 | はは…悪い、ちゃんと鍛えておかないとな。 |
渡辺 みのり | 恭二、大丈夫?今日、あまり集中できてなかったように見えたけど… |
鷹城 恭二 | …すいません、ちょっと緊張してたのかもしれないっすね。 |
今日は早めに休むことにします。お疲れさまっす。 | |
ピエール | 恭二、最近元気、ない。ゲームのお仕事、楽しみにしてたのに… |
渡辺 みのり | そうだね。今日だけじゃない。最近様子がちょっと… |
話を聞いてくると伝える | |
渡辺 みのり | ありがとう、プロデューサー。俺たちにもできることがあれば何でも言ってね。 |
第5話 内に秘めた因縁 | |
鷹城 恭二 | プロデューサー…追いかけてきたのか?悪い…心配かけて。 |
はは…楽しみにしてたゲームの仕事で失敗して、落ち込んでたのかもな。 | |
ゲーム会社の社員と何かあったのかと尋ねる | |
鷹城 恭二 | えっ?はぁ…参ったな。あんたに隠し事はできないみたいだ。 |
…あいつとは高校時代、本当によく遊んだんだ。 | |
ゲームの趣味も似てて、協力プレイや対戦ゲームで盛り上がってさ。 | |
ほたると…弟と遊ぶ以外で楽しいと感じる貴重な時間だったよ。 | |
でも…『鷹城』がその時間を踏みにじったんだ。 | |
第6話 「鷹城」の波紋 | |
鷹城 恭二 | あいつの親父の会社が、鷹城との取引を一方的に打ち切られたんだ。 |
考え直してくれって、俺は親父たちに何度もかけあったよ。 | |
友達を助けたいなんて感情論の通じるような相手じゃない、 | |
だから一方的な打ち切りは世間的にもグループの信頼を損なうって、 | |
建設的な話をしようとした。それても…あいつらは耳も貸さなかった。 | |
結局…あいつの親父の会社は倒産しちまった。 | |
その後すぐに転校していったあいつの行方もわからなくなって… | |
『鷹城』があいつの家をめちゃくちゃにしたっていうのに、 | |
今更、俺がどんな顔して接すればいいんだよ… | |
『Beit』の鷹城恭二として接すればいいと伝えた。 | |
鷹城 恭二 | Beitの…俺として… |
そっか…そうだよな。やっぱりあんた、さすがだぜ。 | |
あいつともう一度話してみるよ…過去のことと向き合うためにも。 | |
第7話 腹を割って | |
数日後… | |
ゲーム会社の社員 | アイドルに飯に誘われるなんて光栄だなあ。あははっ。 |
鷹城 恭二 | はは、アイドルだってただの人間だからな。飯くらい食うだろ。 |
ゲーム会社の社員 | まさか鷹城がアイドルになんなんて、知った時は本当にビックリしたよ。 |
鷹城 恭二 | (なかなか切り出せない…向き合うって決めたのに何やったんだ、俺) |
あー…おまえもゲーム会社に勤めてるなんてな。どうだ?今の仕事は。 | |
ゲーム会社の社員 | そうだな…大変なこともあるけど、それ以上に楽しいよ。 |
高校時代、あんなに夢中になってたゲームを作る側になれたんだからさ。 | |
鷹城 恭二 | 高校時代… |
あ、あのさ…あの時は、俺…なにもできなかった。 | |
おまえには、恨まれても仕方ないと思ってる…本当に、悪かった。 | |
ゲーム会社の社員 | えっ?あの時って…まさか、俺が転校した時のことか? |
もしかして鷹城、ずっと気にしてくれてたのか? | |
第8話 「Beit」の鷹城恭二 | |
ゲーム会社の社員 | 親父の会社が倒産した時は、そりゃえらく大変だったけど… |
あれは「鷹城グループ」のしたことだ。お前が何がしたわけじゃないだろ。 | |
鷹城 恭二 | それは…そう、なんだが… |
ゲーム会社の社員 | 鷹城グループのことはさておき、ゲーム仲間だったお前を恨む理由はないよ。 |
『プリデス』の宣伝大使、Beitがピッタリだって推したの、実は俺なんだ。 | |
鷹城 恭二 | えっ!? |
ゲーム会社の社員 | 一緒に『プリデス』やりこんだお前なら、昔からのファンにも、 |
新規のファンにも『プリデス』の魅力を完璧に伝えてくれると思ってさ! | |
鷹城 恭二 | そうか…ありがとう。それから、また会えて本当に嬉しい。 |
Beitとしての活躍も、見ててくれたんだな。 | |
ゲーム会社の社員 | もちろんだ!なぁ、あれからどうしてたのか聞かせてくれよ! |
鷹城 恭二 | はは…じゃあ店についてから、ゆっくりな。 |
第9話 1人じゃないから | |
ピエール | おおー!ボクたちの、ゲームしてる動画、すごい人気! |
渡辺 みのり | 再生数がぐんぐん伸びて、ゲームの話題性も高いみたいだよ。 |
一時はどうなることかと思ったけど… | |
あの後、恭二と社員さんがいろいろとアイデアを出し合ったおかげだね。 | |
鷹城 恭二 | ちょっとやりすぎかと思ったですけど、うまくいってよかったっす。 |
ピエール | トモダチと恭二、ワクワクのアイデア、いっぱい!とってもハッピー! |
最高のPRでした! | |
鷹城 恭二 | あんたのおかげだぜ。あの時、プロデューサーに背中を押されてなかったら、 |
あいつとはギクシャクしたままだっただろうし。 | |
みのりさんとピエールにも、変に心配かけて、ゴメンな。 | |
渡辺 みのり | ふふっ、仲間なんだから当然だよ。 |
ピエール | 恭二のハッピースマイル、ボクも嬉しい! |
鷹城 恭二 | みのりさん、ピエール… |
…っと。弟から電話だ。すいません、席外します。 | |
最終話 更なる高みへ | |
鷹城 ほたるの声 | もしもし、恭二兄さん?『プリデス』のプレイ動画、見たよ! |
新作にも王様が出てくるなんて驚いたよ。兄さん、あの王様苦手だよね。 | |
鷹城 恭二 | 行動パターンが読み辛いんだよなぁ。ほたると遊んでた時も苦戦したっけ。 |
鷹城 ほたるの声 | そうだね…僕、兄さんの楽しそうな顔が見られて嬉しかったよ。 |
…また、ああやって一緒に遊べたらいいのにな… | |
鷹城 恭二 | ほたる… |
新作はオンラインプレイに対応してるそうだ。まだ実家には帰れないけど… | |
環境さえ整えれば、離れた場所でも一緒に遊べる。一緒に戦おうぜ。 | |
鷹城 ほたるの声 | …うん!約束だよ! |
鷹城 恭二 | ああ、約束だ。それじゃまたな。 |
(『鷹城』ではなく、Beitの鷹城恭二として…か) | |
(ここまでやってこれたのは、俺1人の力じゃない) | |
(みのりさんやピエール、それに…プロデューサーと一緒だったからだ) | |
(だからこそ、俺は俺として…Beitとして頂点に立ってみける) | |
鷹城 恭二 | …やってやるさ。 |
ピエール
第1話 むかしむかし | |
---|---|
ピエール | やふー!商店街でガイセン、ミニライブ!打ち合わせ、楽しかったね!! |
キグルミのアルバイトでお世話になった人、久しぶり会えた!うれしかった! | |
渡辺 みのり | ふふ。アイドルとしての活躍を、たくさん褒めてもらっていたね。 |
鷹城 恭二 | 後半はピエールが着ぐるみバイトし始めた時の思い出話ばっかだったけどな。 |
ピエール | なつかしい話、いっぱい!はじめてキグルミを着たときのこと、話してた! |
キグルミ、子どもも大人も、みんな笑顔にする。魔法みたい!楽しかった! | |
ボクにとって、キラキラで、特別…あの時から、変わらない。ボク、キグルミ大好き! | |
鷹城 恭二 | 着ぐるみを着てるときのピエールは、活き活きしてるよな。あの時も… |
渡辺 みのり | …ねえ、プロデューサー。少し耳を貸してくれるかい? |
ピエールのSPさんがプロデューサーと俺に話したいことがあるそうだ。 | |
ソワソワしてるようだけど、何かあったのかな…話を聞いてみよう。 | |
第2話 まいごのまいごの | |
渡辺 みのり | …え、ピエールへの来客?しかも少し目を離した隙にいなくなったって… |
だから空気が張り詰めてるのか…近くにいるのは間違いないんだよね? | |
SP1 | はい。余計な心配をかけぬよう、このことはピエール様には内密に…あっ! |
ピエール | 話、聞こえた。ボクのお客さん、迷子なった、本当?大変、ボク、探してくる! |
ピエールを追いかけないと! | |
渡辺 みのり | わかった、任せたよ!俺は恭二と、それらしい人がいないか探してみる! |
鷹城 恭二 | …この子、迷子みたいだ。外国人みたいだが…ピエールのお客さんか? |
金髪の男の子 | Pierre…!? |
Pierre Bichelberger…!トモ、ダチ…! | |
渡辺 みのり | ピエ…ビュシェ…えっと…ごめん恭二、わかる? |
鷹城 恭二 | ピエールってとこは聞き取れました。やっぱりこの子…って、どこ行くんだ! |
渡辺 みのり | ピエールが見えるなり駆け出した。ピエールのお客さんで間違いなさそうだね。 |
第3話 いろんなところへ | |
ピエール | 「ボクへのお客さんって……え…?なんで、どうしてここに…?」 |
金髪の男の子 | 「会いたくて来ました…!あちらの方たちには、トモダチと言ってあります!」 |
鷹城 恭二 | ふう…追いついた。ピエール、その子がお客さんか? |
ピエール | その、ボクの…そう!トモダチ!ボクの国から、遊びにきた。ボク、ビックリした! |
渡辺 みのり | 早くピエールに会いたくて、1人で探しに行っちゃったんだってさ。 |
ピエール、せっかく来てくれたんだ。この辺りを案内してあげたらどうかな? | |
金髪の男の子 | …Yes。ピエール、この国の、暮らし、何をしていたか、知りたい。 |
ピエール | う、うん…そうする。ボク、トモダチのこと、案内する! |
ピエール | 「…ここは、アイドルになりたての時、ボクがサイン会の仕事をしたところだよ」 |
「はじめてのことでわからないことばかりだったけど、楽しかったんだ!」 | |
ピエール | 「ハンバーガーを食べるとき、ナイフとフォークは使わないんだ。手づかみで、こう!」 |
金髪の男の子 | 「手づかみ…!?そ、それが礼儀なら…こう…ですか?ハムッ…あ、おいしい…」 |
ピエール | 「そうそう!…そのあとは衣装を着て、ライブもして、それから…」 |
金髪の男の子 | 「…そうなんですね。日本での生活を、心配していましたが…」 |
「…その…『アイドル』というお仕事で…とても充実していたのですね…」 | |
第4話 いっしょにかえる? | |
渡辺 みのり | ひさしぶりの再会で、積もる話もまだまだたくさんあるはずだ。 |
鷹城 恭二 | 俺たちは向こうにいるから。何かあったら呼んでくれ。 |
ピエール | ありがとう、恭二、みのり。プロデューサーさん!ボク、お話してくる! |
ピエール | 「…ねえ、本当に、ただボクに会いに来ただけなの?」 |
金髪の男の子 | 「…お見通し、みたいですね。それでは、単刀直入に言います」 |
「…どうか、僕と一緒に、国に帰ってきてください……お兄様」 | |
ピエール | っ! |
金髪の男の子 | 「お兄様がいなくなって、僕…ずっと寂しい思いをしています。だから…」 |
ピエール | 「……今は、帰れないよ」 |
「ボクの帰りは、国全体に関わることだから…でも」 | |
「いつか必ず戻るよ。ボクがこの国で、もっとアイドルとして活躍して」 | |
「国のみんなを笑顔にできるようになったら、絶対に…!」 | |
金髪の男の子 | 「そんなのわからないよ!さっきから国の話ばかり…」 |
「僕のことを、ちゃんと見てよ!!」 | |
「おっ…………お、お兄様の、バカっ!」 | |
ピエール | 「あっ…!ま、待って…!」 |
第5話 くすんだ思い | |
ピエール | (アイドルになって、みんなを笑顔にしたいのに…) |
(ボクは、身近にいた人を笑顔にできなかった。寂しい思いをさせてた…) | |
渡辺 みのり | ピエール!酷い顔色だ、何があったんだい?あの子は? |
走ってった彼をSPさんが慌てて追いかけていったけど… | |
ピエール | …トモダチ、悲しませた。今のボク…カエールみたいに、みんな笑顔、できない… |
鷹城 恭二 | …なあ、ピエールに何があったか知ってんだろ?教えてくれよ。 |
SP2 | それは……申し上げられません、すみません。 |
鷹城 恭二 | …プロデューサー、どうすればいい? |
落ち着いてもらわないと | |
渡辺 みのり | そうだね…俺たちはSPさんたちとあの子を探す。ピエールのこと、頼んだよ。 |
ピエール | …… |
黙り込んだままのピエールの手を引いて、事務所へと向かった。 | |
第6話 ふりかえる | |
ピエールと2人きりで話を聞くことになった。 | |
ピエール | …ボク、トモダチ、来た理由、わかった。あの子は…ボク、国に戻る、願ってる。 |
でもボク、日本でアイドルしたい。それに…戻れない理由、いろいろある。 | |
だけど…あの子はさみしい、思ってる。その気持ちも、ボク、わかる。 | |
今はボウ、恭二やみのり、プロデューサーさんたちがいるから、平気だけど… | |
小さい時のボク、さみしい気持ち、いっぱいだったから… | |
ボク、帰れない。でも、あの子のさみしい気持ち、消したいって思う… | |
ボク、なにすればいい?わからない…プロデューサーさん、ボク、何もできない…? | |
ピエールならどうしてほしい? | |
ピエール | ボク…?ボクがさみしい時、してくれて、うれしいこと… |
ボクが、さみしい気持ちだった時は…ずっと前。 | |
国を出た、時…日本に、来たばかりの時…さみしかった。 | |
第7話 カエルになった王子さま | |
ピエール | 日本にきた時、誰も知ってる人、いなかった…言葉も、わからなかった… |
だから…たまに、心がギュッてなった。でも、そんな時に… | |
ボクの住んでたところの近くに、キグルミがきた。 | |
最初は、ビックリした。なに?わからなくて、とおくから見てるだけだった。 | |
でも、キグルミのまわり、人がたくさん!それに、大人も子どももみんな笑顔! | |
ボクもキグルミと、一緒に遊んだり、ハグした。そしたら…胸のギュッ、消えた。 | |
ボク、うれしい気持ち、気づいた。言葉わからなくても笑顔できる、知った。 | |
たくさんの人を、ワクワクに、笑顔にできるキグルミ、すごい。キラキラしてる。 | |
そう…ボクも、キグルミみたいなキラキラ、なりたくて。アルバイト、はじめた。 | |
最初、失敗だらけ。キグルミ、あつい、うまく動けない。だから、たくさん練習! | |
そしたら、できること増えた。できること増えたら、笑顔も増えた! | |
ボクが思ってた通り…笑顔、キグルミで作れた。みんなを笑顔にできた。 | |
あ…そっか。ボク、キグルミで笑顔にできる。きっと…あの子も… | |
ボク、行ってくる。あの子を絶対、笑顔、してみせる…! | |
第8話 ボク、カエル! | |
ピエール | けろっけろ~。こんにちは!ボク、ピエ…あ、失敗。今は…ボク、カエール!! |
金髪の男の子 | …声、my brother…Pierre、にてる…あなた、は、Pierre? |
ピエール | ううん、ちがう。ボクの名前、カエール!ボク、笑顔届ける、とっても得意! |
ボク、キミに笑顔、届けにきた!ボクと一緒にダンスしよう!いっくよー! | |
金髪の男の子 | Wow、unbelievable…あなた、dance、すごいね! |
ピエール | ボク、名前カエール!あなたじゃなくて、カエールって呼んでほしい!いい? |
金髪の男の子 | …Yes、カエール…!もっと色々、dance…できる?見てみたい…! |
カエールとたくさん遊んだことで、男の子の顔は少しずつ綻んでいった… | |
金髪の男の子 | カエール…きいて…「僕、わかってたのに…大好きな人を困らせてしまった」 |
「国に戻れない理由があるのも、本当は知ってたのに。僕は…」 | |
ピエール | 「…きっとその人は怒ってない。キミにごめんなさいしたいと思ってるよ」 |
「それから…その人が国を離れて見つけたものを知ってほしいとも」 | |
「これ、その人が出るミニライブのチケット。観にきてくれないかな?」 | |
金髪の男の子 | 「…カエール、どうして僕の国の言葉が話せるの?やっぱりお兄様…」 |
ピエール | け、けろ!?知らないケロ~。バイバイ、ボク、待ってるから! |
金髪の男の子 | 「…お兄様が…国を離れて見つけたもの…」 |
第9話 キラキラの魔法 | |
渡辺 みのり | いよいよ商店街での凱旋ミニライブだね。今日はあの子も来るんだっけ? |
ピエール | うん…ボク、チケットをあげた。でも…わからない。来ないかもしれない… |
きっと来てくれるよ | |
ピエール | …そうだね。信じる、大切…ありがとう、プロデューサーさん。 |
鷹城 恭二 | …ん?今SPさんが連れてきた子、ピエールの友達じゃないか? |
ピエール | あ…本当だ。ちゃんと、来てくれた…ボク、がんばる。アイドルのボク、見せる! |
ピエール | やふー!みんな、今日はBeitのライブ、来てくれてありがとう! |
商店街のみんな、たくさんお世話、なった!だから今日は恩がえし、する! | |
みんなにハッピー、届ける!ボクたちの歌、ダンス、楽しんでね! | |
金髪の男の子 | (すごい。こんなにたくさんの人が1度に笑う姿、初めてみた…) |
(それに、見てるとだんだん心が温かくなってくる…) | |
(これが、今のお兄様…これが、『アイドル』…!) | |
最終話 めでたしめでたしにはまだ遠く | |
金髪の男の子 | Pierre、ミナサン…みおくり、アリガト…ゴザイマス… |
話しておいで、ピエール | |
ピエール | うん…ボク、いってくる!! |
ピエール | 「…一緒に帰れなくて、ごめん」 |
金髪の男の子 | 「残念です。でもお兄様が伝えたかったことはちゃんと受け取りました」 |
「ライブに集った人々はみんな笑顔で、見ている僕まで楽しくなりました」 | |
「お兄様のやりたいことを理解したから…僕は平気です」 | |
「お兄様。身勝手なことを言って、すみませんでした」 | |
「…そろそろ飛行機の時間ですね。名残惜しいですけど、国へ戻ります」 | |
ピエール | 「ボクも…いつか必ず、国に戻って」 |
「みんなが笑顔になれるようなライブをするって、約束するよ!」 | |
金髪の男の子 | 「…はい。僕、いつまでも覚えてます…ずっと待ってます、お兄様!」 |
ピエール | …ボク、仲直りアイデア、見つけた、プロデューサーさんのおかげ。ありがとう! |
ボク、世界中のみんな、笑顔する、約束!もっともっと、アイドルがんばる! |
渡辺 みのり
第1話 思わぬ再会 | |
---|---|
渡辺 みのり | おや…もうこんな時間か。プロデューサー、忙しいところありがとう。 |
おかげで有意義な打ち合わせができたよ。次のライブ、楽しみだな。 | |
家からそう遠くないし、俺はこのまま帰るけど…プロデューサーは? | |
事務所に戻ります | |
渡辺 みのり | そっか。まだ仕事があるんだね、お疲れ様。頑張ってね! |
渡辺 みのり | さて、夕飯の材料を買って帰ろうかな。今日の献立は何にしようか… |
いかつい男性 | おーい渡辺、久しぶり!こんなところで会うなんて奇遇だな。 |
渡辺 みのり | …驚いた。茨城からこっちに来るなんて聞いてなかったのに! |
いかつい男性 | 野暮用でこっちに来ててよ。ちょうど連絡しようと思ってたところだ。 |
渡辺 みのり | なるほどね。なら手間がはぶけてラッキーって感じだね、はは! |
おっと、立ち話もなんだしどこか入ろうか。夕飯、まだだろう? | |
第2話 過ぎ去った年月 | |
渡辺 みのり | しかし…お互いもう30代かあ。時の流れは早いものだね。 |
いかつい男性 | 本当になぁ。昔のことは今でもよーく覚えてるけどよ。 |
あの「阿修羅副総長・茨城の鬼神」が今やアイドル…変われば変わるもんだ。 | |
渡辺 みのり | おいおい勘弁してくれ…それに、変わったのはお互い様だろう? |
あの「阿修羅」の総長が、今や独立して一国一城の主。丸くなったものだ。 | |
元総長 | はは、そりゃ違いない!今思えばあの頃の俺たちは馬鹿だったよなぁ… |
渡辺 みのり | ところで…野暮用って言ってたけど、何があったのか聞いてもいいかい? |
元総長 | …ああ、実はな… |
渡辺 みのり | そうか、ちょっと前に家出した甥っ子の目撃情報がこの辺りで… |
目撃されたのはバイクに乗っている姿か…彼もバイク乗りなんだね。 | |
元総長 | ああ。アイツ、どこで知ったのか昔から「茨城の鬼神」にえらく憧れててなぁ。 |
無茶な走りばっかしやがるんだ、危ねえって言っても聞きやしねぇ… | |
兄貴…アイツの親父も心配してる。何事もなけりゃいいんだが… | |
渡辺 みのり | 茨城の鬼神に…そっか、わかった。俺の方でも見かけたら連絡するよ。 |
元総長 | …いいのか?すまねぇな…後で、アイツの写真を送るよ。 |
渡辺 みのり | わかった。早く見つかるといいね。俺も、心当たりを探してみるかな。 |
(茨城の鬼神…これだけ時が経ってもなお語り継がれてるんだな…) | |
(…放っておくわけにはいかないな。今夜にでも探してみよう。まずは…) | |
第3話 風になる楽しみ | |
渡辺 みのり | このバイク…間違いない。本当に近くに来ていたとはね。 |
こんばんは。いい景色だね。今日は雲が少ないから、余計にかな? | |
バイク乗りの学生 | …あんた誰だ。 |
渡辺 みのり | 君の叔父さんの1番の友人だ。君のことを探してくれって頼まれてね。 |
バイク乗りの学生 | 叔父さんの…?フン、あんたなんて知らない。俺のことは放っといてくれ。 |
渡辺 みのり | …いい場所だよね、ここ。見晴らしもよくて信号も少ない。 |
バイクで走るには気持ちがいい道だ。 | |
バイク乗りの学生 | …!へぇ、あんたもバイクに乗るんだな。 |
渡辺 みのり | ああ。君の叔父さんともよくツーリングに行く仲だよ。 |
バイク乗りの学生 | マジ…?俺、叔父さんからバイクの面白さを教えてもらったんだ! |
叔父さんの会社で色々教えてもらったりして…このマシン、イカしてるだろ!? | |
渡辺 みのり | ふふ、念入りにカスタマイズされたいいマシンだ。本当にバイクが好きなんだね。 |
でも…バイク好きってだけなら地元でも走れるよね。どうして家出なんか? | |
バイク乗りの学生 | それは…親父に言われたんだ。もうバイクに乗るなって。 |
第4話 「払恥義理」が残したもの | |
バイク乗りの学生 | 親父も叔父さんも、若い頃は好き勝手やってたってバイク仲間から聞いた。 |
でも、親父は俺からバイクを取り上げようとする。叔父さんともケンカしてた。 | |
渡辺 みのり | (なるほど…あいつ、甥の家出の原因が自分だって思い詰めてたんだな) |
バイク乗りの学生 | それで親父と俺も大ゲンカになって…我慢できなくなって家出した。 |
渡辺 みのり | …ところで、聞いた話だと、君はかなり攻めた走り方をするみたいだね。 |
バイク乗りの学生 | ああ!俺は伝説のヤンキー、茨城の鬼神みたいなバイク乗りになりたいんだ! |
ケンカで負けなしとか色々伝説があるけど…そんなのはどうでもいい。 | |
「俺のバイクに抜けないものはない」って鬼神の名言が残っててさ… | |
実際にすごいバイクテクの持ち主だったらしい。俺、マジで憧れてんだ…! | |
渡辺 みのり | …えっと。はは…茨城の鬼神のことは俺もよく知ってるけど… |
彼は、周りを顧みずに暴走してばかりの、ロクなやつじゃなかったんだよ。 | |
それにヤツの伝説にも話に尾びれがついてる部分がだいぶある。実際は… | |
バイク乗りの学生 | …あんたも親父と同じかよ、鬼神に憧れるのはやめろってのかよ! |
渡辺 みのり | 憧れることは止めないよ。だけど… |
バイク乗りの学生 | あんたは大人だけど、わかりあえるかもって思ってたのに…クソッ! |
渡辺 みのり | あっ、ちょっと待って…! |
…行ってしまったか。感情に任せた荒っぽい走り方…あれは、危険だ。 | |
第5話 落とし前はつける | |
渡辺 みのり | 思えば、神速一魂の2人も茨城の鬼神についてよく知ってるようだった。 |
今でも茨城の鬼神をカリスマ視する人は、少なからずいるみたいだな。 | |
憧れること自体は自由だ。それを俺に止める権利はない。だけど… | |
このまま放っておけば、彼は後戻りできなくなってしまうかもしれない。 | |
そうしたら…間違いなく、後悔をすることになるはずだ。 | |
あいつに甥っ子を見つけたって連絡は入れるとして… | |
…知ってしまった以上、俺も知らんぷりはできそうにないな。 | |
それから数日が経ち… | |
渡辺 みのり | みんな、今日のレッスンもお疲れ様。俺は先に失礼するよ。また明日! |
鷹城 恭二 | うっす…みのりさん、最近レッスンが終わるとすぐ帰っちまうな。 |
ピエール | みのり、最近ぼーっとしてること、ある。何かあった?ボク、心配… |
鷹城 恭二 | …あの人のことだ。なんかあったら言ってくれると思うが。 |
ピエール | プロデューサーさん、みのり、何か困ってる?もし、困ってるなら… |
それとなく聞いてみるよ | |
鷹城 恭二 | ああ…サンキュな、プロデューサー。みのりさんのこと、よろしく頼んだぜ。 |
第6話 言葉にはできずとも | |
渡辺 みのり | …彼を説得するには…やっぱりやり方を変える必要があるか…? |
声をかける | |
渡辺 みのり | えっ?プロデューサーじゃないか。もしかして追いかけてきてくれたのかな。 |
俺のことを心配してくれてるとか?ありがとう、優しいね。 | |
何か悩み事? | |
渡辺 みのり | ええと…そうだな。悩み事というか、因果応報というか…はは… |
言いづらいことなら、無理に話さなくてもいいとみのりへ伝えた。 | |
渡辺 みのり | …はは、プロデューサーには敵わないな。その好意に甘えさせてもらうよ。 |
心配をかけてしまって、ごめん。かいつまんで話すよ。 | |
実は古い友人の親戚の子が、なんというか、非行に走ってしまっていて… | |
非行の原因の一端に…昔の俺がやったことがあるみたいでね。 | |
何度か彼に会いに行って、非行をやめるように説得を試みたんだけど… | |
俺みたいな大人の言葉じゃ彼には届かない…正直、少し参ってるよ… | |
その子の視野を広げられれば… | |
渡辺 みのり | 視野、か…そうか。周りを見渡せられるようになれば… |
第7話 過去を超越する憧れに | |
渡辺 みのり | 今、彼が持っている価値観だけが全てじゃない。 |
もっといろんな世界があるんだって気づいてほしい。 | |
そのきっかけを作るために、視野を広げてもらうためには… | |
(そうだ。彼が憧れていたのは昔の俺…「茨城の鬼神」) | |
(茨城の鬼神が残したものを…過去を消してしまうことはできない) | |
(だけど、過去を超えていくことはできるはずだ) | |
(彼が昔の俺がやったことに憧れて非行に走ってしまっているなら…) | |
(それ以上に憧れられるような、カッコいいものが見つけられればいい) | |
(カッコいいと思ってもらえる存在に…今の俺が、なればいいんだ) | |
(俺はアイドルとして輝くことで「茨城の鬼神」を…昔の俺を、超えてみせる) | |
…ありがとう、プロデューサー。君のおかげで活路が見出せるかもしれない。 | |
彼に会わなくちゃ。そして、彼に見てもらうんだ…アイドル、渡辺みのりを。 | |
第8話 アイドル・渡辺 みのり | |
渡辺 みのり | (いよいよ本番だ…彼、ライブへ来てくれるかな) |
(来てくれたとしても…ガッカリさせないだろうか) | |
ピエール | …みのり、平気?ライブ、緊張してる?不安、ある? |
鷹城 恭二 | みのりさんのことだから問題ないと思うっすけど… |
困った時はお互い様なんで。俺たちに頼ってください。 | |
渡辺 みのり | …ふふ、2人ともありがとう。大丈夫だよ。心配かけちゃってごめんね。 |
(そうだ。今ならきっとやれる。過去を超えることができる) | |
(俺が大好きなアイドルは、それぐらいすごい力を持っているはずだから!) | |
バイク乗りの学生 | (…あの人、アイドルなんてやってたのか) |
(アイドルは茨城の鬼神よりもずっとカッコいい、とか言ってたけど…) | |
(ありえないだろ。あんなフワフワしたアイドルが…世界が違いすぎるんだよ) | |
渡辺 みのり | みんな、今日は俺たちのライブへ来てくれてありがとう!! |
鷹城 恭二 | おお、今日のみのりさんはいつも以上の気迫だ…負けてられねえな。 |
ピエール | やふー!ボクもいっぱい、がんばる!笑顔いっぱい、する!えいえい、おー! |
渡辺 みのり | 最高のパフォーマンスを披露するよ。最後の最後まで盛り上げていくからね! |
バイク乗りの学生 | (なんだこの感じ…胸が熱い…くだらないって笑いにきたのに、俺は…!) |
第9話 気持ちを束ねて花束を | |
渡辺 みのり | …やあ。やっぱりここにいたんだね。俺たちのライブ、見に来てくれたかな? |
バイク乗りの学生 | …アイドルのライブが鬼神よりカッコいいなんてありえないって思ってた。 |
でも…さっきのライブの熱い感じは…悪くはなかった、と思う。 | |
今までは鬼神みたいにバイクで爆走することしか考えてなかったけど… | |
アイドルってのも…けっこーいいのかもしれないな。 | |
渡辺 みのり | 結構じゃなくて、すごくいいものだよ。いつか君にもわかるはずさ。 |
(よかった…彼の心に、俺たちの姿を響かせることができたみたいだ) | |
…君の叔父さんは心配していた。きっと、お父さんも心配してるはずだ。 | |
わだかまりもあると思うけど…1度実家へ戻ったらどうだい? | |
バイク乗りの学生 | …いや、やっぱり無理だよ。今更どのツラ下げて帰れば… |
渡辺 みのり | うーん…それなら明日、俺と花束を作るのはどう?それを持って帰ろう。 |
バイク乗りの学生 | …は?この年になって親に花束なんて、恥ずかしすぎるって。 |
渡辺 みのり | そんなことはない。どんな年齢になっても、花を贈るのはいいものだよ。 |
伝えられない言葉や想いを、花たちは代弁してくれる… | |
誠意や感謝だけじゃない。好きなものを認めてほしいって気持ちも…ね。 | |
君の心をこめた花束を持っていけば、きっと気持ちは伝わるはずさ。 | |
最終話 頂点…それは永遠の目標 | |
渡辺 みのり | プロデューサー。前に友人の親戚のことで相談したこと、覚えてるかい? |
あの時はアドバイスをありがとう。君のおかげで、助けることができたよ。 | |
今度友人と親戚を交えてツーリングに行くことになってね。今から楽しみだ。 | |
それから…あの時、俺の事情を深く聞かないでいてくれてありがとう。 | |
本当であればプロデューサーやみんなに、全てを話すべきなんだろうけど… | |
もう少しだけ、俺1人で抱えさせてほしい…ごめんね。 | |
…それでも構わない、って? | |
どんな時も支えてみせます | |
渡辺 みのり | そうか…心強いな。君がいれば、俺はどこまでも駆け上がれそうだ。 |
(過去のことは消せないけど、未来を作っていくことはできる) | |
(恭二、ピエール、そしてプロデューサーと一緒ならきっと…) | |
俺は、これからもアイドルの真の魅力を追求していきたいって思ってる。 | |
プロデューサーのこと、頼りにしてるよ。一緒にトップアイドルを目指していこう! |
W
蒼井 悠介
第1話 オレたちならなんとかなる! | |
---|---|
蒼井 悠介 | オレたち2人でスポーツシューズのCMに? |
蒼井 享介 | この資料によると、最新モデルのシューズを履いたアイドルやスポーツ選手たちが、 |
簡単な寸劇も交えつつ、いろいろなスポーツでカッコよく決める…か。 | |
蒼井 悠介 | スポーツか…はは!オレたち向きのお仕事だな、すっげー嬉しいぜ! |
どんなCMになるんだろ?なぁ監督、何か聞いてたりしない? | |
CMを担当するデイレクターについて伝えた。 | |
蒼井 享介 | あ、俺その人の話聞いたことあるかも。クセの強い人だって有名なんだ。 |
確か脚本をガッツリ固めず、その場のひらめきを重んじる人って話だよ。 | |
無茶振りなんか日常茶飯事みたいだし、俺たちも覚悟しとかないと。 | |
蒼井 悠介 | 大丈夫、オレたちならどんな無茶振りされようがなんだってできるって! |
他の出演者たちに負けないぐらいカッコいいとこ、見せてやろうぜ♪ | |
第2話 予想外の出会い | |
後日、スポーツシューズCMの撮影がスタートした。 | |
蒼井 悠介 | えっーと、あとまだ挨拶に行ってなかったのは… |
寡黙なサッカー選手 | あの、ちょっといいですか。蒼井兄弟のお2人…ですよね。 |
蒼井 享介 | え?うん、いいけど…あれ?君とは初対面のはずだけど、見覚えが… |
蒼井 悠介 | オレもどこかで見たことあるような…えっと、確か先月のサッカー雑誌で… |
思い出した!少年サッカーですげー活躍してるMFって、特集組まれてたよね! | |
寡黙なサッカー選手 | えっ、あの記事を読んでたんですか…その、ありがとうございます。 |
俺、実は享介さん…たちの、ファンなんです。サッカー選手として、尊敬してます。 | |
今回の撮影、サッカーのシーンもあるらしくて…2人の活躍、楽しみにしてます。 | |
蒼井 享介 | まさかCMの共演者の中に選手時代のファンがいたなんて、驚いたな。 |
蒼井 悠介 | ああ。なんていうか、思いっきり頑張らないとって気になった。 |
今のオレたちもすげーんだぞってとこ、昔のファンにも見せてやろうぜ! | |
第3話 オレならできる! | |
蒼井 悠介 | いよいよ、撮影開始!まずはオレのソロ撮影シーンだな。 |
最初に撮るのは野球だ。あんまりやったことないけど… | |
スタッフサンにバットの振り方を教わったから大丈夫!期待してくれよな♪ | |
蒼井 悠介 | (演出家サン、しっかりヒット打って進塁してくれって言ってたよな) |
(そういえば、前に高校野球のテーマソングを歌ったりしたこともあったっけ) | |
(あの時は応援だけだったけど、今度はオレが打って走るんだ。やるぞー!) | |
さぁこい!かっ飛ばしてやるぜー! | |
(ボールを見極めて…ここっ!流し打ちだ!) | |
曲者の演出家 | パーフェクト!悠介クン、いいよいいよ~!文句のつけどころがないヨ! |
いまのカット、いただきッ!次のシーンへゴーだ! | |
蒼井 悠介 | へへっ、ありがとうございます!このぐらいならまだ余裕でいけますよ。 |
いい調子だな、オレ!よーし、このまま次のシーンもカッコよくキメてやるぞ! | |
第4話 見ててくれたか? | |
蒼井 享介 | 演出家さん、噂通りの型破りだ。みんな無茶振りされまくってるし。 |
あ、ソロ撮影が終わったみたいだ。悠介、おかえり! | |
蒼井 悠介 | たっだいまー…ふー、なんとか野球の撮影シーンが全部終わったぜ。 |
さすがの身体能力だね! | |
蒼井 悠介 | 本当?そっか…はは、監督に言われるとホッとするな。 |
ここだけの話、野球は全然慣れてないからさ、すげー緊張してたんだ。 | |
蒼井 享介 | そうなんだ?あんまり緊張してるようには見えなかったけどな。 |
蒼井 悠介 | 心臓バクバクだったけど、表には出さないように頑張ってたんだ。 |
だって、監督と享介が見てるんだし、カッコつけたくてさ♪ | |
蒼井 享介 | へへ、やるね。俺もそろそろ撮影だ…野球のコツ、教えてもらっていい? |
蒼井 悠介 | もちろん、サイコーの野球選手に育ててやるぜ!…なんてな♪ |
第5話 今度こそ本気で | |
蒼井 悠介 | (いよいよ今日はサッカーの撮影だな!オレたちWの本領発揮タイムだ) |
(演出家サンは相変わらず思い付きで無茶振りしてきてるみたいだけど…) | |
(今までこなしてきたスポーツに比べて、なんか無茶振りが弱い気がする) | |
(なんでだろ?後で監督と一緒に聞きに行ってみるか…) | |
曲者の演出家 | …ボクの指示が甘い気がしたって?ワオ!悠介クンってば鋭いネ。 |
ほら、他のスポーツならともかく、サッカーは特に足を酷使するでしょ? | |
悠介クンは…ほら、足の怪我のことがあったじゃない。 | |
怪我に響くとマズイなーと思って、今日は様子を見つつ撮影してたんだヨ。 | |
蒼井 悠介 | そういうことだったのか…気遣ってくれてありがとうございます。 |
でも今はよほど無理しなければ平気なぐらい回復してるんです。 | |
曲者の演出家 | ホントかい?だったら今度、悠介クンがメインになるシーンだけ撮り直そうかナ? |
蒼井 悠介 | 撮り直しか…ねぇ監督。オレ、やってみたい。スケジュールの調整ってできる? |
無理しすぎないと約束するなら、調整してみると伝えた。 | |
蒼井 悠介 | やった!サンキュな監督!よーし、もっとすっげーとこを見せてやるぞ! |
寡黙なサッカー選手 | ……蒼井、悠介… |
第6話 呪縛は怨嗟となり | |
蒼井 悠介 | 享介の撮影シーンは終わってるから、今日はオレひとりだ。 |
サイコーの映像を撮るためにも、念入りに準備運動しないとな…! | |
寡黙なサッカー選手 | あの…ちょっといいですか?…足の怪我の容態、どうなんですか。 |
蒼井 悠介 | ん?ああ、よっぽどの無茶しない限りは大丈夫なんだ。 |
寡黙なサッカー選手 | だったらまた、享介さんと2人で…プロの選手として活動したりは… |
蒼井 悠介 | あー…はは、それはさすがに難しいかもな。ブランクもあるし… |
寡黙なサッカー選手 | …ですよね。でも…それならなんで、笑っていられるんですか。 |
アンタが無理だったとしても…享介さんにはまだ、選手としての道も… | |
アンタはそうやって、享介さんの可能性を縛ってるんじゃないんですか!? | |
蒼井 悠介 | …っ!? |
寡黙なサッカー選手 | あ…お、俺、カッとなって、なんてことを…ごめんなさい。もう、行きますね。 |
蒼井 悠介 | …享介の可能性か。あいつは1人でも絶対、いい選手になれた、よな。 |
ああいう風に思っているファンはきっと、他にもいるんだろうな… | |
第7話 1人だったら | |
蒼井 悠介 | …ただいま、監督! |
オレの様子が変?はは、あー…やっぱ監督はごまかせないか。 | |
さっき、オレが享介の縛りになってるって言われちゃったんだけど。 | |
何言ってるんだろうなー?縛ってなんかいないっての!はは♪ | |
無理はしないで | |
蒼井 悠介 | え?無理なんてしてないって!オレは全然平気…なにこれ、鏡…? |
…オレ、ひどい顔してるな。監督の前では笑っていようと思ったのに…何で… | |
…いや、強がりはやめるよ。監、オレ…かなり参ってる、かも。 | |
覚えてる?オレは入院中に、監督からオーディションのチラシをもらったんだよね。 | |
あのチラシを持って、オレは享介に一緒にアイドルやろうって提案したんだ。 | |
それが正解だと思ってた。オレたちはずっと2人でやってきたから。でも… | |
享介は、続けようと思えば1人でも活躍できるような、すごい選手だった。 | |
でも、享介はオレとアイドルをやるために、選手を引退してくれた。 | |
これ、何も知らない人から見たらオレが享介の選手生命を奪ったように… | |
享介の持つ可能性を縛っちゃったように見えることもあるんだな… | |
そんなつもりは全然なくても、なんか寂しくってさ… | |
第8話 オレたち2人で | |
蒼井 悠介 | って…何言ってんだろ?こういう暗い話するキャラじゃないのにさ。はは! |
2人で選んだことに自信を持ってほしいと伝えた。 | |
蒼井 悠介 | 2人で選んだ…そっか。うん、そうだよな。 |
何て言われたとしても、オレは享介と2人がいい…いや、違うね。 | |
「2人一緒がいい」って、「オレたち」が思ったから、アイドルのWが今ここにいる。 | |
…そうだよ。弱気になってる暇なんて全然ないじゃん! | |
監督、心配かけてごめん。でもオレはもう大丈夫だ! | |
縛りになった、なんて言われないぐらい、すごいアイドルにならないとな! | |
そうすれば誰も文句を言えなくなるはずだよ! | |
よーし、その第一歩として、今回の撮影を大成功させてやるぜ。 | |
あいつにとって自慢の兄貴だって思えるように、カッコよく決めてやる! | |
…で、相談なんだけど…さっきのことは享介にナイショにしてくれる? | |
ほら、さっきのオレって兄としてはすげーカッコ悪いし…ダメ? | |
2人だけの秘密だ | |
蒼井 悠介 | へへ、サンキュ!っと…そろそろ撮影開始だな。見守っててくれよ、監督♪ |
第9話 変わらないもの | |
曲者の演出家 | カッート!輝いてるよ悠介クン、取り直して大大大正解、期待以上だヨッ! |
蒼井 悠介 | へへっ、ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです! |
寡黙なサッカー選手 | あの…悠介さん、ちょっといいですか。さっきのこと改めて謝りたくて… |
さっきは本当、すみませんでした…それから、余計かもしれませんけど… | |
あんなに動けるなら、悠介さんだって選手としてやっていくことも… | |
蒼井 悠介 | へへっ、アリガト!すげー頑張ったからそう言ってもらえて嬉しいぜ。 |
オレたちが選手の時に、何を目指してたかって、知ってるか? | |
それは、蒼井兄弟の2人で、最強で最高の双子になるってことなんだ。 | |
あの時から色々あってフィールドは大きく変わっちゃったけど… | |
オレも、もちろん享介も、あの時と目指してるものは変わってないぜ。 | |
今はアイドルとして、2人で最強で最高の双子をマジで目指してる! | |
だから…今はキミの期待に応えることは、難しいかもしれないけど… | |
あの時よりもっとカッコいいとこ、絶対見せるから。約束する! | |
っと…監督が呼んでる。じゃあ、またどこかで会おうな!! | |
寡黙なサッカー選手 | 目指してるものは変わらない…か。悠介さんの目、キラキラしてたな… |
俺、アイドルの蒼井兄弟に向き合って…また、応援できるようになるといいな。 | |
最終話 Wと1人、最高目指して | |
撮影終了後…様子を見に来ていたという享介と一緒に帰路についた。 | |
蒼井 享介 | あれだけ動いてたんだ、帰ったらちゃんと足のケアしておけよ? |
蒼井 悠介 | はは、わかってるわかってる。ホント、オレの弟は心配性だな~♪ |
(…こうして享介が心配してくれて、オレは何度も助けられてるんだよな) | |
…なぁ享介。これからもっと頑張って、絶対最強の双子アイドルになろうな。 | |
蒼井 享介 | え?なんだよ急に改まって…当たり前だし、今更すぎるだろ。 |
蒼井 悠介 | …そうだよな。当たり前だし、今更だったよな!へへへ… |
蒼井 享介 | なーんか怪しいな。さては悠介、何か俺に隠しごとがあるんじゃない? |
蒼井 悠介 | へへっ、それは秘密。監督とオレだけの、な! |
蒼井 享介 | えー監督と!?2人して何隠してるんだよ、気になるなぁ。 |
蒼井 悠介 | ほら、それより今から競走しようぜ、競走! |
先に事務所に着いた方が勝ちな!一緒に行こうぜ、監督♪よーいドンだ! | |
蒼井 享介 | あ、こら急に!ちょっと待てって悠介!監督もー!! |
蒼井 悠介 | へへっ。オレ、これから先も、こうやって3人で走っていきたいな。 |
それでオレと享介、そして監督の3人で、最強で最高のアイドルを目指すんだ! | |
監督。これからも享介とオレのこと、ヨロシクな!! |
蒼井 享介
第1話 事前の予習は忘れずに | |
---|---|
蒼井 享介 | …ん? |
ああ、監督おかえりー。 | |
享介の周りにノートや本が積まれている。 | |
何してるの? | |
蒼井 享介 | 今度「謎解きパズルアスレチック」って番組に出演するでしょ?その予習だよ。 |
勉強熱心だね | |
蒼井 享介 | まぁね。 |
ソロでの出演だから、正直不安なこともあるんだけど、 | |
この機会に、Wのブレーンとしてカッコイイところを見せたいって思ってさ! | |
あ、そうだ。試しに… | |
監督、このなぞなぞ解けるかな~? | |
難しいな… | |
蒼井 享介 | はい、時間切れー。 |
もう、俺の監督なんだから、しっかりしてよね! | |
蒼井 悠介 | おーいい享介~… |
あ、監督だ。お疲れさま! | |
享介、一緒に帰ろうぜ! | |
蒼井 享介 | オッケー。 |
それじゃあ、監督。また明日! | |
第2話 背中をみつめて | |
蒼井 悠介 | なあ享介、帰りにコンビニよって行こうぜ。新しいお菓子が… |
蒼井 享介 | …… |
蒼井 悠介 | …なんだよ。 |
享介のヤツ、謎解きのことで頭がいっぱいってか? | |
…えいっ! | |
悠介選手、享介選手から華麗にノートを奪った~! | |
蒼井 享介 | わっ、何するんだよ。返せって! |
蒼井 悠介 | スキあり~ってな。 |
ノートを見ながら歩いちゃだめだろ、危ないぜ? | |
蒼井 享介 | わかってるよ。 |
ほら、早く返して。 | |
蒼井 悠介 | なあ享介、そんなに頑張らなくてもいいんだぜ。 |
だって、自然体なオレたちが1番のアピールになるんだからさ! | |
蒼井 享介 | もう、俺は悠介みたいに能天気じゃないんだよ。 |
(自由で気ままなのにカッコイイ…悠介みたいになれたらいいんだけどな) | |
第3話 もっと自分らしく | |
蒼井 悠介 | 享介はオレと違って心配性だしな、オレが言っても聞かないかもだけど。 |
でもな、享介。 | |
オレはそんな享介のこと、今も昔も最強のパートナーだって思ってるぜ? | |
だから、あまり考えすぎるなよ。 | |
収録、享介らしく楽しんでこいよな! | |
蒼井 享介 | 悠介… |
ああ、俺は悠介の最強のパートナーだ。今も昔もこれからも、ずっと。 | |
…だからこそ、この番組でいいところ見せたいんだよ。 | |
蒼井 悠介 | うわ、振り出しに戻った… |
ま、監督も見てるし何とかなるって! | |
蒼井 享介 | 確かに監督なら、失敗しても必死で励ましてくれると思う。 |
でも、やっぱり喜んでもらいたいし、事前準備はしておかないと。 | |
蒼井 悠介 | はは、監督のためならしかたないか! |
オレも応援してるぜ? | |
蒼井 享介 | うん! |
…あ、コンビニ寄るんだっけ?俺もお菓子買おうっと。 | |
第4話 見ていてほしい | |
番組MC | 今週も始まりました謎解きパズルアスレチック!今日は男性アイドルスペシャルです! |
今話題のフレッシュアイドルたちがチームを組み、難問パズルとアスレチックに挑戦します! | |
頭脳と体力、そしてチームワークを駆使し、最速クリアを目指してください! | |
蒼井 享介 | ええと、この暗号は… |
そうか! | |
時間内にこれを運んで… | |
よし!解けた! | |
熱血アイドル | おお!元サッカー選手だから、体力あるんだろうなって思ってたが… |
お調子者アイドル | 頭もいいとか、カンペキじゃないですか!どんどん行きましょう! |
番組MC | 現在の1位はブルーチーム!蒼井享介君大活躍です! |
蒼井 享介 | (よかった、順調だ…監督、見てくれてるかな) |
番組プロデューサー | いやあ、おたくのアイドルすごいねぇ。才能の塊じゃないか。 |
運動神経はもちろん、ひらめきのセンスもイイネ! | |
また使いたいかも。 | |
蒼井 享介 | (って、全然こっち見てないじゃん!俺、こんなに活躍してるのに) |
(なんだよ、もう…) | |
第5話 お互いの距離 | |
蒼井 享介 | 監督~… |
収録中、俺のこと見てなかったでしょ! | |
番組プロデューサーが享介のことを褒めていたことを伝えた。 | |
蒼井 享介 | そ、そうなんだ… |
でも。今はその人じゃなくて、監督の話! | |
せっかく頑張ってるんだ。俺のこと、次はちゃんと見ててよね。 | |
熱血アイドル | よお。さっきは本当にサンキュ!キミのおかげで、めちゃくちゃリードできたぜ! |
お調子者アイドル | 次はオレたちも頑張りますよ! |
後半もよろしくお願いします! | |
蒼井 享介 | ん、ヨロシク。 |
…何、監督?そんなにジロジロ見ないでよ。 | |
さっきと言ってることが違う | |
蒼井 享介 | え…? |
はは、ごめんごめん!見て欲しいのは、俺の活躍するところ! | |
後半もしっかり決めるからさ、よそ見は禁止だぜ? | |
第6話 司令塔の本領 | |
蒼井 享介 | (監督と話せたおかげかな、さっきよりも気が楽になった気がする) |
(さ、後半の作戦を考えないと。1人じゃ解けない謎も増えるだろうし…) | |
(チームメンバーの特徴はある程度把握した。それぞれが得意そうな分野は…) | |
蒼井 享介 | ええと、柱の上に書かれた単語から共通点を見つけてきてくれるかな? |
熱血アイドル | わかった!チームメンバーなんだから遠慮せずに言ってくれ! |
蒼井 享介 | う、うん。 |
あとは、この辺りの地面に描かれた記号をメモしてきてほしい。 | |
お調子者アイドル | わかりました!任せてください! |
蒼井 享介 | 2人が戻ってくるまでに、俺はこのパズルを解かないと。 |
よし…! | |
お調子者アイドル & 熱血アイドル | 描いてきました! 見つけてきたぜ! |
蒼井 享介 | アリガト。俺もパズル解けたとこ。 |
あとはこれらを組み合わせれば… | |
できた! | |
熱血アイドル | これでクリアできるな!享介君は本当に頼りになる仲間だぜ! |
蒼井 享介 | へへ…喜ぶのは優勝してから、ってね。最後まで頑張ろう。 |
第7話 1人じゃない | |
番組MC | 先に飛び出したのはブルーチーム!レッド、イエロー、グリーンもそれに続く! |
ゴールへと続く直線にはたくさんの人の波! | |
さあ、この波を乗り越え、勝利を掴むのはどのチームだ! | |
蒼井 享介 | あとはさっき手に入れたカギを、ゴールの扉に差し込むだけ… |
人の間を縫うのは得意だ、だから俺が行ってくるよ! | |
熱血アイドル | ああ。頼んだぜ! |
お調子者アイドル | いけー!享介くーん! |
蒼井 享介 | (任せて、たとえ1人で走ることになっても、この足は絶対に止めない) |
(俺の成長のために。悠介や、みんなが応援してくれるWのために…) | |
(『蒼井 享介』は、前へ走るんだ…!) | |
第8話 変わる気持ち | |
番組MC | …最後に、優勝したブルーチームの代表蒼井享介君、コメントをお願いします! |
蒼井 享介 | メンバー全員の力を合わせた結果です。 |
ありがとうございました! | |
番組MC | 以上、謎解きパズルアスレチック・男性アイドルスペシャルでした。また来週~! |
蒼井 享介 | ただいま、監督。今日の俺、カンペキだったでしょ?へへ… |
熱血アイドル | 失礼します! |
享介君、今日は本当にお疲れさま。 | |
それからアリガトな! | |
お調子者アイドル | 一緒にやれて楽しかったです。 |
また会いましょうね、享介くん!それじゃ! | |
蒼井 享介 | う、うん。じゃあね… |
「享介くん」、か。 | |
俺、2人の名前ぜんぜん呼んでなかった…態度もそっけなかったよな。 | |
また会えるよ | |
蒼井 享介 | そうだね…その時はちゃんと名前を呼ぶ。あと… |
愛想もよくする。うん… | |
家まで送ろうか? | |
蒼井 享介 | アリガト。 |
でもその前に、これから2人で反省会をしようよ。 | |
第9話 それは誰のために | |
蒼井 享介 | まずは「うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」のリスト化だ。 |
監督も、甘やかさずにちゃんと意見出してよね。 | |
享介は真剣な表情でノートに反省点を書いている | |
蒼井 享介 | …俺、アイドルになるまで、なんでも悠介と一緒だったからさ。 |
1人で仕事をするの…いまだに不安に思うことがあるんだ。 | |
でも… | |
ソロの仕事も悪くないね。自分の弱点が明確に出るからさ。 | |
これからもいろんな挑戦をして、もっと成長したい。 | |
きっと、悠介やWのためにもなると思うし。 | |
なんでも協力するよ | |
蒼井 享介 | へへ、アリガト。あと、俺たちのために頑張ってくれる監督のためにもね。 |
…こんなトコかな。 | |
監督のコト充分独り占めできたし、そろそろ帰ろっか。 | |
最終話 3人のW | |
蒼井 享介 | あ、今ゲームセンターから出てきたのって… |
蒼井 悠介 | お、監督に享介!今帰りだったんだ。 |
収録、どうだった? | |
蒼井 享介 | 当然… |
ブイッ! | |
…なんてね! | |
蒼井 悠介 | はは、さすが最強の弟だぜ! |
ご褒美にコンビニで何か買ってやろうか? | |
蒼井 享介 | ううん、いらない。俺たち、さっき食べたから。 |
蒼井 悠介 | え、2人で食べてきたの!?ズルい!なに食べたんだよ~。 |
蒼井 享介 | へへ…それは秘密。ね、監督? |
蒼井 悠介 | えー。2人して、もう… |
いいよオレだけでコンビニ行くから! | |
蒼井 享介 | うわ~、スネちゃった。悠介、子どもかよ。 |
背中を押す | |
蒼井 享介 | そうだね。ちょっとやりすぎた気もするし。 |
悠介と俺は2人で… | |
ううん、監督も含めて3人でWだ。一緒に悠介を追いかけよう。 | |
監督。これからも悠介と俺のこと、ヨロシクね! |
FRAME
握野 英雄
第1話 不審な学生 | |
---|---|
FRAMEの新曲のリリースイベントが行われる特設会場の下見に来ていた。 | |
握野 英雄 | 下見は概ねこんなところか。スタッフとも話せたしよかったな。 |
木村 龍 | 俺、今から本番が楽しみです!絶対いいライブにしましょうね! |
この後は特に予定もないため、自由解散で問題ないと伝えた。 | |
信玄 誠司 | そうか。自分は少し寄るところがあるんだが、2人はどうする? |
木村 龍 | あ、俺も今日は頼まれてた買い物しなきゃ。 |
握野 英雄 | それじゃあ、ここで解散だな。明日からのレッスンも頑張ろうぜ。 |
握野 英雄 | (せっかくショッピングモールに来てるし、家族にウマいもんでも買って帰るかな) |
(…ん?あの学生、少し気になるな。同じ棚の前をずっとうろうろしてる) | |
(それに、周囲の様子を伺っているような…) | |
…なぁ、何か探してるものでもあるのか?店員を呼んでこようか。 | |
女子高生 | …っ! |
握野 英雄 | っと。行っちまったか。 |
(あのまま声をかけなかったら、おそらくは…未遂で済んでよかったな) | |
(しかしあの子の顔、どこかで見覚えがあるような気がするんだが…) | |
第2話 意外な再会 | |
数日後、別件の打ち合わせで英雄はプロデューサーと待ち合わせていた。 | |
握野 英雄 | (プロデューサーは…まだ来てないな。さすがに早く着きすぎたか) |
(少し時間があるし、この辺をうろついて…ん?あれは…) | |
(前見かけた学生だよな。この時間だと、まだ学校がやってるはずだが…) | |
(…ああ、思い出した。俺の勘違いじゃなければ、あの子は…) | |
握野 英雄 | よっ、久しぶりだな。俺のこと覚えてるか? |
女子高生 | …何?ナンパとかなら悪いけど…えっ、もしかして、握野さん? |
握野 英雄 | 俺のこと、覚えててくれたみたいだな。それなら良かったぜ。 |
女子高生 | …忘れられるわけない。笑顔が少し怖い少年課の警察官が、 |
すごく親身になって話を聞いてくれて…ギャップすごすぎだったし。 | |
握野 英雄 | 不本意な覚えられ方だが…まあいいや。あの時も色々あったな。 |
ところで、今日学校は休みなのか?まだ平日の午前中だが… | |
…だんまりか。なぁ、もしまた何か悩みがあるんだったら… | |
女子高生 | …握野さんは、今警察官やめて、アイドルやってるってテレビで見たよ。 |
警察官でもない人にあれこれ言われるつもりはないから…ほっといて。 | |
握野 英雄 | おい、待てって…!行っちまったか。 |
あの感じだと、また何かあったんだろうが、どうしたもんかな… | |
第3話 今の自分で | |
その後、合流したプロデューサーに英雄は事情を説明した。 | |
握野 英雄 | …って感じでさ。この前、知り合いの子と偶然再会したんだ。 |
知り合ったきっかけっていうのが、学校のサボりの補導でさ。 | |
家に帰すだけじゃ解決しなさそうだったから、色々話したりしてたんだ。 | |
今もあいつが悩んでるなら、になってやりたいけど… | |
今の俺は警察官でもなんでもない、ただの一般人だ。 | |
そこまで立ち入っていいのかって、ブレーキがかかっちまうんだ。 | |
思う通りに動けばいい | |
握野 英雄 | そうか…そうだな。プロデューサーのおかげで決心がついた。 |
自分がやりたいと思うことをやってみるよ。 | |
背中を押してくれて、ありがとな、プロデューサー! | |
第4話 あの時の話を | |
握野 英雄 | (やっぱり、このショッピングモールにいたか) |
よう、この前ぶりだな。隣、座っていいか? | |
女子高生 | 握野さん…また来たの?アイドルってそんなにヒマなわけ? |
握野 英雄 | 暇って…そういうおまえのほうがよっぽど暇に見えるぞ。 |
女子高生 | うるさいな…他にすることなんてないし、いいんだよ。 |
握野 英雄 | …なぁ、親御さん、今でも厳しいのか? |
女子高生 | 驚いた、よく覚えてるね。 |
握野 英雄 | 親の過干渉に反発するためにサボりを繰り返してた、だったよな。 |
女子高生 | …あの時、ちゃんと話を聞いてくれたのは握野さんだけだったよ。 |
学年が上がったら少しは自由にできるかと思ってたのに… | |
全然逆でさ。絶対に私を東慶田に入れるって、余計にエスカレートしちゃって。 | |
握野 英雄 | あれから更にか?昔も休みもなく勉強って言ってたが… |
女子高生 | そう。放課後には予備校、夜遅くに帰って深夜まで自主学習…もう沢山。 |
せめてもの反抗にって、あの時と同じように、学校にも予備校もサボってる。 | |
他にすることもないし、いつもこの辺で時間を潰してるんだよ。 | |
握野 英雄 | そうか…まだ色々と大変なんだな… |
第5話 その気持ちは歌で | |
握野 英雄 | おまえ、何かやりたいこととか、興味あるようなことはないのか? |
女子高生 | ……そんなの、ないよ。 |
握野 英雄 | 何もないってことはないだろ。簡単なことでもいいんだ。 |
少しでも心が動くことがあるなら、そこから始めればいい。 | |
女子高生 | それは…でも、そんなのうちの親が許してくれるワケないじゃん! |
握野 英雄 | …俺はさ、前にも言われた通り、今は警察官を辞めてアイドルをやってる。 |
警察官の時の俺にはできなかったことが、 | |
アイドルになってからできるようになったってこともある。 | |
夢をかなえる方法は1つだけじゃないって、気付いたんだ。 | |
女子高生 | …握野さんの夢って? |
握野 英雄 | そうだな…明日、このショッピングモールのイベントスペースでライブをやるんだけど。 |
ここでも歌は聞けると思うからさ、よかったら聞いててほしいんだ。 | |
女子高生 | 歌…どうして? |
握野 英雄 | 俺はいつも、伝えたいメッセージを歌に込めて歌ってるんだ。 |
それをおまえに、受け取ってもらえると嬉しい。明日、来てくれよな。 | |
第6話 1つの頼み | |
信玄 誠司 | リハースルもいい具合だったな。これなら本番も問題なくこなせそうだ。 |
木村 龍 | 後はエネルギー補給したらバッチリですよ!みんなで昼にしましょう! |
握野 英雄 | あ、俺はちょっと用があるから外す。先に飯食っててくれ。 |
握野 英雄 | (あの子、来てくれてるといいんだが…ん?ベンチの周りが騒がしいな) |
女子高生の母親 | 本当にこんなところにいたのね。また、サボりだなんて、信じられない。 |
私が仕事で家にいないからって…早く帰るわよ。遅れた分勉強しなさい。 | |
女子高生 | 離してよ!私が何をしようと勝手でしょ! |
握野 英雄 | (あの子の母親だ。昔と同じ、娘を見ているようで見ていないあの感じ…) |
すみません、その子を連れて帰るのは待ってくれませんか? | |
今日、彼女にここに来て、歌を聞いていって欲しいと誘ったのは俺です。 | |
1曲だけでも俺たちの歌を聞いていってほしいんです。お願いします。 | |
女子高生 | (握野さん、頭まで下げて…) |
…ねえ、お願い。1曲だけならいいでしょ。聞いたらすぐに帰るから。 | |
女子高生の母親 | …人が集まってきちゃったじゃない…仕方ないわね、1曲だけよ。 |
握野 英雄 | (1曲だけ…お母さんにとってはこれが最大限の譲歩だろうな) |
(俺が伝えたいメッセージ…1曲の中に全部込めないとな!) | |
第7話 そう、君は… | |
握野 英雄 | みんな!FRAMEのライブに集まってくれてありがとう! |
木村 龍 | 今日はFRAMEがどんなユニットか、みんなに知ってもらいたくて来たぞー! |
信玄 誠司 | 自分は自衛官、龍は消防士、英雄は警察官…と前職は皆それぞれだな。 |
木村 龍 | 形は違うけど、前職では3人とも人助けに関わってきたんですよね。 |
握野 英雄 | ああ。その熱い思いはアイドルになった今でも全く変わってない。 |
俺は、みんなに1人じゃないって伝えたくてアイドルになったんだ。 | |
アイドルとしてシテージに立つ時、いつだってその気持ちを込めて歌ってきた! | |
今日のミニライブも、この気持ちを込めて全力で歌うぜ!聞いてくれ! | |
女子高生 | (…握野さんたちの歌…聞いてると、不思議な気持ちになる) |
(背中を押してもらっているみたい…そっか。私も、1人じゃないんだ) | |
女子高生の母親 | …1曲終わったわね。さあ、帰るわよ。 |
女子高生 | うん… |
…あのね、お母さん。私、進路のことで相談があるんだけど… | |
第8話 やさしさのルーツ | |
握野 英雄 | ミニライブ、すごい盛り上がったんだな!プロデューサーもお疲れ! |
今日は1曲目から飛ばしちまったけど、どうだったかな。 | |
きっとみんなの心に響いた | |
握野 英雄 | それならよかった。見守っててくれてありがとな。 |
(俺たちの歌で、客席のみんなが笑ってくれてた。今回のライブは大成功だ) | |
(きっと、あいつも俺たちの歌を聞いてくれたはずだ) | |
今回の一件は、色々と振り返りになるきっかけになったぜ。 | |
世の中にはいろんな形の孤独を抱えて生きてる連中がまだまだいる。 | |
1人は寂しい…孤独を感じる奴を少しでも減らしていきたい。 | |
アイドルとして、少しでも多くの人の助けになりたい…改めてそう思った。 | |
いつからそう考えるようになった? | |
握野 英雄 | いつから?そうだな、だいぶ前ってことは間違いないだろうが… |
ああ、そうだ。あのことはプロデューサーには話してなかったけどよ。 | |
俺、ガキの頃に誘拐されたことがあるんだ。 | |
第9話 この手を誰かに | |
握野 英雄 | 驚かせちまったかな、悪りぃ。かなり小さい頃の話なんだけどさ。 |
その時に助けてくれた警察官のことは、今でも鮮明に覚えてるよ。 | |
その後、俺はあの人に憧れて警察官を目指すようになったんだ。 | |
あの人みたいに、人助けができるようになりたいって思ってさ。 | |
今じゃ、俺はアイドルになったけど、目指すものは何も変わってない。 | |
人を助けたいって気持ちもあの時からずっと変わっていないし… | |
今は、歌を通して、孤独な誰かに手を差し伸べたいと思ってる。 | |
君は1人じゃないって伝えたい…そう、ずっと思っているんだ。 | |
立派にできています | |
握野 英雄 | 本当か?はは、ありがとなプロデューサー。でも、まだまだだ。 |
寂しさを抱えてる人がいる限り、俺はこれからも全力で歌い続けるよ。 | |
最終話 これからも差し伸べるよ | |
それからしばらく経ち、英雄宛てに一通のファンレターが届いた。 | |
握野 英雄 | この名前…驚いたな。前に話した高校生からみたいだ。 |
ありがとな。さっそく読んでみるよ。 | |
…そうか、やりたいことを見つけられたんだな。 | |
嬉しそうですね | |
握野 英雄 | ああ。あいつ、また学校に行き始めたらしくてな。 |
昔、俺があいつを補導していろいろと話を聞いてたことがあるって話したろ? | |
その時から、誰かの悩みに寄り添う仕事に憧れがあったらしくてな。 | |
それで、カウンセラーになるための勉強を始めたらしいんだ。 | |
親との衝突は続いてるみたいだが、予備校にもちゃんと行ってるらしい。 | |
同じカウンセラー志望の友達もできて、勉強も楽しくなってきた…ってさ。 | |
それでもキツい時は、俺たちの歌を聞いて勇気をもらってるって… | |
…俺のやり方で、誰かを助けることができたってことだよな、これ。 | |
プロデューサー。俺はこれからも大勢の人に歌を届けるよ。 | |
1人で寂しさを抱える人たちに手を差し伸べる…改めて、そう思った。 | |
一緒に頑張っていきましょう | |
握野 英雄 | ああ。プロデューサーのことも頼りにしてるぜ。これからもよろしくな! |
木村 龍
第1話 込み入ったお願い | |
---|---|
木村 龍 | あっ、プロデューサーさん!よかった、やっと見つかった。ずっと探してたんだ! |
ちょっと相談があって…うちの小学生の弟のことなんだけどさ。 | |
今度、家族の仕事を模造紙にまとめて発表する授業をやるんだって。 | |
それでアイドルの仕事を見学して調べてみたいって頼まれちゃってさ。 | |
いきなりこんなこと頼むのも無茶だってことはわかってるんだけど… | |
大事な弟の頼みだから、無下にできないんだ。どうにかならないかな!? | |
社長に相談してみるよ | |
木村 龍 | 本当か!?あ、ありがとうプロデューサーさん!よろしく頼む!! |
木村 龍 | …あっ、プロデューサーさん!どうだった…?結果は… |
発表で使った模造紙を後で見せてくれるなら許可が下りると伝えた。 | |
木村 龍 | わかった、弟に伝えておくよ!改めてホントにありがとう!早速日程調整だ! |
第2話 お兄ちゃんとして | |
龍の弟 | おはようございます。今日は1日、よろしくお願いします! |
木村 龍 | いいか、プロデューサーさんや他のみんなに迷惑をかけるんじゃないぞ。 |
教は弟が世話になります。皆さん、よろしくお願いします! | |
…って、どうしたんだプロデューサーさん。なんか、笑ってるみたいだけど… | |
兄として振る舞う姿が新鮮で… | |
木村 龍 | え、そう!?はは、なんか照れるな…でも、確かにそうかも。 |
普段は英雄さんと誠司さん、年上の2人に挟まれてるからな。 | |
っと、話してるうちにこんな時間か。この後はダンスレッスンの予定だっけ。 | |
龍の弟 | わぁ…本物のレッスンスタジオに行けるんだ。楽しみだなぁ。 |
木村 龍 | 課題のために来たってこと、忘れるなよ?ほら、こっちだ。行くぞ! |
第3話 確認は念入りに | |
木村 龍 | ここがレッスン場だ。ここでダンスの練習…の前にやることがあるな。 |
靴紐は…よし、まだ大丈夫そうだ。靴底も、すり減ってないな… | |
龍はダンスシューズを念入りに確認しているようだ。 | |
いつも以上に念入りだね | |
木村 龍 | うん。不運に備える意味でも、装備の点検は基本だからさ、それに… |
今日は弟もレッスンを見学してるし、絶対にカッコイイとこを見せたいんだよ! | |
…よし、装備に問題なし!それじゃ早速ダンスレッスン開始だ! | |
よーし、がんばるぞーっ…とぉぉ!? | |
あいたたた…な、なんでこんなに床が滑るんだ!? | |
龍の弟 | あはは、何もないところで転ぶなんて、家にいる時と変わらないね。 |
木村 龍 | い、いつもこうじゃないからな!今のはたまたまだって! |
これからが本番だからな。よーく見てろよ! | |
第4話 待ち時間もポジティブに | |
ダンスレッスン終了後、トーク番組の収録のため、撮影スタジオへ訪れていた… | |
木村 龍 | |
弟が収録も見学できるように交渉してくれて、ありがとう! | |
あいつ、今はセット裏を見学させてもらってるみたいだ。 | |
目をキラキラさせて、すっごく喜んでたよ。プロデューサーさんのおかげだな。 | |
それにしても…渋滞に巻き込まれたっていう司会者さん…大丈夫かな。 | |
番組を回す、あの人が来ないと撮影が始められないから、 | |
かなり待機時間が長くなりそうって話だったけど…そうだ! | |
プロデューサーさん、よかったら相談に乗ってくれないかな? | |
時間もあるし、今日話そうと思っていた内容をブラッシュアップしたくて。 | |
せっかく時間があるんだから、トークがもっと良くなるようにしたいんだ。 | |
もちろん | |
木村 龍 | ありがとう!アドバイス頼むよ、プロデューサーさん! |
第5話 注意を促して | |
木村 龍 | プロデューサーさんと話して、トークの内容がもっと良くなった気がするよ! |
長時間、相談に乗ってくれてありがとな! | |
午前中のダンスレッスンじゃあんまりいいところを見せられなかったし… | |
弟には子の収録で俺のカッコイイところを見てもらわなきゃ! | |
もう少し力を抜いていこう | |
木村 龍 | え?俺そんなに力んでたかな…いや、言われてみたらそうかも。 |
弟にいいところを見せたいって気持ちだけで突っ走ってた気がする…! | |
このままじゃまた失敗するところだった。ありがとうプロデューサーさん! | |
木村 龍 | (こんな日に限って、プロデューサーさんに助けてもらってばっかりだなぁ…) |
(はぁ…司会者さんはまだ到着しないみたいだし、少し休んでよう) | |
…ん?なんか変なにおいがするような…これって… | |
間違いない、スタジオの裏の方からだ…ちょっと様子を見に行ってみよう! | |
第6話 緊急事態! | |
木村 龍 | あった!臭いの元はここか…! |
番組スタッフ | さっきから気になってたけど、やっぱりこの辺り、焦げ臭くないか…? |
木村 龍 | スタッフさん、こっちです!ここの配線周りから煙が出てます! |
番組スタッフ | え、ええっ!?うわ、本当だ!煙が…! |
木村 龍 | (消火器は…よかった、近くにあった!) |
(これぐらいのボヤならすぐに消せば…!急いで、でも慌てずにやらないと!) | |
手伝うことは!? | |
木村 龍 | 初期消火は俺がやる!プロデューサーさんは消防に連絡お願い! |
わかった! | |
木村 龍 | スタッフさん、万が一に備えて避難経路を確認してください! |
あと他の方たちにも、パニックにならないよう状況を伝えてもらえると! | |
番組スタッフ | わ、わかりました!行ってきます! |
木村 龍 | (よし、なんとか消えそうだ。でも油断は禁物だぞ…!) |
第7話 消防士の思い出 | |
龍の迅速な対応もあって、ボヤ騒ぎはすぐに収束した。 | |
木村 龍 | 消防が調べてくれたけど、機材トラブルによる小さいボヤだったみたいだ。 |
龍の弟 | せっかく頑張ってトークの練習してたのに、やっぱ兄ちゃんって不運だね… |
木村 龍 | そうでもないよ。怪我人も出なかったし、最悪の事態は防げたんだ。 |
俺はむしろ、すごく運が良かったと思うな! | |
龍の弟 | …なんか、兄ちゃんが消防士やってた時のことを思い出しちゃった。 |
覚えてる!?オレの小学校でボヤがあった時、兄ちゃんが消火に来てくれて… | |
木村 龍 | あー、そういえばそんなこともあったな。 |
龍の弟 | あの時もカッコイイって思ったけどさ、今消火してたのもカッコよかったよ。 |
木村 龍 | なんだよ、いやに素直だな?そんな風に見ててもらえたなんて嬉しいな。 |
番組スタッフ | 木村さーん!片付け終わったので収録開始します! |
木村 龍 | はーい!よし。ここからはアイドルとしてカッコイイとこを見せるからな! |
カッコイイ兄ちゃんの姿、ちゃんと見ててくれよ! | |
第8話 不運でもアイドル! | |
収録が開始した。龍は落ち着いてトークができているようだ。 | |
番組司会者 | ええっ!?じゃあその日は結局走って現場に行ったんだ! |
木村 龍 | はい。事前にチェックしてた別ルートも、全部遅延しちゃってて。 |
ギリッギリ間に合ったんですけど、さすがにあの時は焦りましたね~。 | |
番組司会者 | いやー。木村君の不運エピソードは聞いてて驚くものばかりだね。 |
でも、それだけ運が悪いとアイドルとしてやってくのも大変じゃない? | |
木村 龍 | 確かに不運が原因で失敗したり、落ち込むこともありますけど… |
落ち込んでも運は良くならないし、なるべく前向きに考えたいなって。 | |
それに、俺には困った時に手を差し伸べてくれる仲間がいるんです。 | |
そんな仲間と出会えた幸運を大事にして、アイドルを続けていきたいです! | |
番組司会者 | 頼れる仲間かぁ。うーん、いい響きだね!それが木村君の力の源なんだ。 |
さて、CMの後は木村君に1曲歌ってもらいます。お楽しみに! | |
木村 龍 | みんなお待たせ!今日はソロで1曲歌わせてもらいます! |
夢が叶うまでの道のりはまだまだ長いけど、俺は絶対諦めない! | |
そんな気持ちを込めて歌います!どうぞ聞いてください! | |
第9話 自慢の兄ちゃん | |
収録が終了し、3人で事務所への帰路についた。 | |
木村 龍 | 今日はてんやわんやだったけど、無事に終わって良かった~! |
お疲れ様でした | |
龍の弟 | お疲れ、兄ちゃん! |
木村 龍 | 2人ともありがとう!プロデューサーさんもお疲れ様! |
…で、おまえはちゃんとメモ取れたか?今日のこと、資料にまとめるんだろ? | |
龍の弟 | うん、バッチリだよ。兄ちゃんのおかげですごい発表ができそうだ! |
木村 龍 | 作った資料はうちの事務所の社長も見るんだ、頑張れよ! |
あー、ところで…俺、アイドルとしてカッコイイとこ、ちゃんと見せられてたか? | |
龍の弟 | うーん、消防士だった時の兄ちゃんはすごくカッコよくて自慢だったけど… |
うん、アイドルやってる兄ちゃんもまぁまぁカッコイイし、自慢できるかな。 | |
木村 龍 | まぁまぁって…まぁ、ちょっとでもカッコイイって思えたならいいかな。 |
でも、いつか前よりももっとカッコイイって思わせてやるからな! | |
最終話 夢への道はまだまだ続く! | |
木村 龍 | プロデューサーさん!この前、弟が職場見学に来た件なんだけどさ。 |
小学校での発表、うまくいったんだって。弟がお礼言ってた! | |
社長から伝言が… | |
木村 龍 | 社長もあいつの作った資料を褒めてたのか!うん、伝えておくよ! |
ふぅ、弟の課題だったのに俺も一仕事終えたような気分だ。 | |
なんか、最近の出来事を振り返ったら、消防士時代を思い出したよ。 | |
あの頃の俺って本当に失敗ばかりで、落ち込むことが多かったっけ。 | |
でもアイドルっていう別の夢の叶え方を見つけて、ここまで進んできて… | |
今はあの頃以上に前向きになれたんじゃないかって思えるんだ。 | |
俺はアイドルとしてはまだまだこれからだ。 | |
不運体質な俺のことだし、これから先、何度も転んじゃうかもしれない。 | |
物理的にも、精神的にもさ! | |
もし俺が思いっきり転んじゃったら、また手を貸してくれるか? | |
もちろん! | |
木村 龍 | …ありがとう!夢への道のりはまだまだ長いけど、諦めずに頑張るから。 |
これからも一緒に歩いて行こう、プロデューサーさん! |
信玄 誠司
第1話 新・カレー作戦! | |
---|---|
カレー祭りのイメージキャラクターに信玄が抜擢されたことを伝えた。 | |
信玄 誠司 | カレー祭り?ああ、全国の有名店のカレーが屋台で食べられるというイベントか。 |
毎年開催されているからな。自分も名前くらいは知っている。 | |
ほう、以前に番組で作ったFRAMEカレーの評判からのオファーか。 | |
だからステージだけでなく、新しいカレーも作って欲しいと…なるほどな。 | |
だが、それならばどうしてFRAMEとしてではなく、自分だけに? | |
カレー祭りの運営は、信玄の経歴に興味を持っているらしいことを伝えた。 | |
信玄 誠司 | そういうことか、確かに自衛官といえば、カレーというイメージはあるからな。 |
だが、自分が作るからには、ただの元自衛官のカレーとはいかないぞ。 | |
アイドル、信玄誠司としての特製カレーを見せてやろう! | |
…しかし、まさか再びアイドルとしてカレーを作ることになるとはな。 | |
そうと決まれば、新しいレシピ開発のために、カレーの研究が必要になるな。 | |
そういえば、そう遠くないところに新しいカレー屋ができていたな。 | |
もしかすると、新たなカレーを作る上で参考になるかもしれない。 | |
ちょうど時間も空いているし、龍と英雄も誘って、昼飯にしようか。 | |
第2話 覚えのある味 | |
木村 龍 | へぇ、こんな所にカレー屋さんなんてできてたんですね! |
握野 英雄 | だが、昼飯時なのに客が少ない…メニューも1つしかねぇ。大丈夫か、この店? |
木村 龍 | 確かに…味はあんまり期待できないのかなぁ…? |
木村 龍 | あ、カレー来ましたよ!見た目も匂いもうまそうだけどなぁ…いただきます! |
…むぐ…あ、あれ? | |
握野 英雄 | うまい、確かにうまいんだが…この味、なんか知ってるような… |
信玄 誠司 | …2人もそう思ったか?自分の気のせいかとも思ったのだが、やはり… |
木村 龍 | はい。前に誠司さんが作った、自衛隊仕込みのカレーの味にそっくりです。 |
信玄 誠司 | あの隠し味を入れないと、この味はでないはずだが…偶然か?しかし… |
店主 | …君たち、なにやら難しい顔をしているようだが… |
うちのカレーに、何かおかしなところがあったかな? | |
信玄 誠司 | ああ、いえ、そういうわけでは…誤解を招くようなことをして申し訳…!? |
あ、あなたはっ…まさか…隊長!? | |
第3話 かつて鬼と呼ばれた男 | |
信玄 誠司 | お久しぶりです隊長。だいぶ雰囲気が変わられて…気づきませんでした。 |
握野 英雄 | 何だ?信玄の知り合いか? |
信玄 誠司 | あ、ああ。自分の自衛官時代の上官だ。鬼の隊長なんて呼ばれていてな。 |
自他ともにとても厳しい人で、自分もずいぶんとしごかれたものだ。 | |
元隊長 | 今は退役しているよ。カレー屋なんて始めてみたが、見ての通り閑古鳥だ。 |
木村 龍 | お客さん、やっぱり少ないんですね。自衛隊カレー、うまいのになあ。 |
握野 英雄 | いくらカレーがうまくても、飲食業は簡単にはいかねぇってことだな… |
後日… | |
信玄 誠司 | お疲れ様です、隊長。店の方はどうですか? |
元隊長 | 信玄。それにプロデューサーさんまで来たのか。商売のほうは相変わらずだよ。 |
何か目玉メニューみたいなものがあれば、少しは違うのかもしれないが… | |
信玄 誠司 | …目玉メニュー、か…まてよ?そうか!隊長、少しよろしいですか? |
実は今、自分もイベントに向けて新作カレーのレシピを考えているんです。 | |
それで、この店と共同開発ができないかとふと思って… | |
プロデューサーさんと隊長さえよければ、お願いできませんか? | |
話題になりそう! | |
元隊長 | だ、だが……いや、元部下の厚意を受けないわけにはいかないな。 |
信玄 誠司 | ありがとうございます!プロデューサーさんも、感謝する! |
第4話 覚えのない味 | |
信玄 誠司 | よし、完成だ。隊長、これが以前番組で作ったFRAMEカレーです。 |
新メニューの参考になればいいのですが…どうぞ。 | |
元隊長 | お前の作るカレーは昔からうまかったからな。どれ… |
…うん、うまい。だが昔よりずいぶんと味が変わったな。まろやかだ。 | |
信玄 誠司 | ありがとうございます。あの時から更に改良を重ねていますからね。 |
これを開発するのも大変でした。何度も試作し、研究を重ねましたから。 | |
それも、自分だけではなく、英雄や龍、プロデューサーさんたちと共に… | |
仲間たちと作り上げたからこそ、味も変化していったのかもしれません。 | |
元隊長 | 仲間たちに…変化、か… |
…あいつも、お前のカレーが好きだったな。いつも何杯もおかわりして… | |
信玄 誠司 | ……はい。こうしていると、思い出します。 |
第5話 ふたつの後悔 | |
元隊長 | …なあ、信玄。今でもまだ、後悔はあるのか。 |
信玄 誠司 | 後悔なら、ずっとあります。 |
もしあの時、自分が負傷さえしていなければ… | |
もしあの時、あいつのそばにいてやれたら、守れたかもしれない。 | |
だが肝心な時に、自分は…その後悔だけは、いつまでも消えません。 | |
元隊長 | だがな信玄、あれは… |
信玄 誠司 | それでも自分は、前に進み続けます。 |
今の自分は、身寄りのなかったあいつの夢を背負っているから… | |
そして、あいつの夢は今、自分の夢でもあるから…歩みは止めません。 | |
元隊長 | …はは、お前は強いな。俺も昔は自分の生き方に誇りを持っていた… |
誰かを守るために鬼とまで呼ばれた。それが俺の生きている意味だった。 | |
だが、寄る年波には勝てなかった。今の俺はただの偏屈な老人だ。 | |
この店も、食い扶持を稼ぐためにと始めてはみたが、このザマだからな… | |
信玄 誠司 | 隊長… |
第6話 隠しきれない滞り | |
信玄 誠司 | …プロデューサーさん?…すまない、仕事の邪魔をしてしまったかな。 |
新作カレーの試作品をいろいろと試していたんだ。もうこんな時間か… | |
…すまない、もう少しだけキッチンを借りたい。もう1度だけ試作を… | |
なにか焦っている? | |
信玄 誠司 | …はは。プロデューサーさんに隠し事はできないか。隊長のことで少しな… |
自分の知っている隊長は、自信に満ちた堂々とした人だった。だが… | |
退役した今は、生きる目的さえ見失っているように見える… | |
隊長には自衛官時代の恩もある。今度は自分が、力になりたいんだ。 | |
…自分も今の隊長のようになっていたかもしれないと思うと、余計にな。 | |
だが、今の自分はカレーのレシピ研究くらいでしか、役に立てていない。 | |
自分は考えるのが苦手だ。だからどうすればいいのか、わからなくてな… | |
信玄さんができることをすればいい | |
信玄 誠司 | 自分が、できること…? |
少しでもやれることがあれば、すぐに行動するのが信玄の魅力と伝えた。 | |
信玄 誠司 | …ありがとう、プロデューサーさん。そうだな、難しく考えすぎていたようだ。 |
自分ができること、か…そうだな、もし自分なら、こういう時は… | |
第7話 体力錬成 | |
信玄 誠司 | あと5秒…4、3、2、1…やめ!…ふぅ、少し休憩しましょう。 |
元隊長 | はぁ…はぁ…ははっ、ここまで走り込んだのは久しぶりだっ… |
信玄 誠司 | こうして一緒に走っていると、隊長にしごかれていた頃を思い出します。 |
元隊長 | …そうだなあ。よし、じゃあ次は俺が先導してやろう。 |
走り込みをしている2人に飲み物を差し入れた | |
信玄 誠司 | ああ。ありがとう…プロデューサーさんの言ったとおりだったな。 |
あれから、自分にできることを考えてみたんだ。 | |
何かにつまづいた時、自分ならば思い切り走り込んで頭をクリアにする。 | |
それで体調を誘ったんだが、久しぶりに活き活きとした顔を見れたよ。 | |
元隊長 | そういうお前もいい笑顔だ。この人はお前にとっていい上官なんだな。 |
信玄 誠司 | はい。自分の笑顔を守ってくれているのは、プロデューサーさんなんです。 |
じゃあ隊長、そろそろ走り込みを再開しましょう! | |
第8話 突き抜けるように | |
握野 英雄 | いよいよだな、カレー祭り。今年もすげぇ盛況みたいだな! |
木村 龍 | 今日はあまねちゃんたちも来てるんですよね?誠司さん。 |
信玄 誠司 | ああ。妹夫婦も来ているらしいが、あまねにこのカレーはまだ早いかもな… |
握野 英雄 | 「突き抜けるような辛さと旨味」がコンセプトだもんな。 |
元隊長 | だが、屋台でもなかなか好評だぞ。お前のおかげだ、信玄。感謝している。 |
信玄 誠司 | いえ、自分は何も…コンセプトを決めたのは隊長ですから。 |
元隊長 | そのコンセプトを思いついたのも、お前との走り込みがきっかけだからな。 |
木村 龍 | 俺、コレすっごく好きです!試食の時に何回もおかわりしちゃいました! |
信玄 誠司 | はは、試作品の段階でも何杯も食べてくれてありがたかったよ。 |
英雄にもプロデューサーさんにも、何度も試食に付き合ってもらったな。 | |
新作カレーの完成はみんなの協力のおかげだ、本当に感謝している! | |
ステージも頑張ってください! | |
信玄 誠司 | ああ!そろそろ出番だな。プロデューサーさんの期待にも必ず応えてみせよう。 |
第9話 どこまでも進みゆく | |
信玄 誠司 | みんな、カレー祭りは楽しんでいるか!? |
そうか。では、自分たちの新作カレーも、食べてくれただろうか? | |
…はは、すごい反響だ。感謝する! | |
今回のカレーは、以前作ったFRAMEカレーとも違う、新しい味になっている。 | |
FRAMEカレーは、自分の自衛隊仕込みのカレーを3人でアレンジしたものだ。 | |
そして今回の新作カレーは、その積み重ねがあったからこそ生まれた。 | |
なにもカレーだけの話じゃない。自分もアイドルとして、日々前進している。 | |
過去があって、今日ここにいる自分に繋がっているんだ。 | |
これからも自分たちは進化し続け、変わり続ける。だから… | |
今この瞬間を見逃さないでほしい!それじゃあ、自分の歌を聞いてくれ! | |
元隊長 | (過去があって…今日に繋がっている…か。いい言葉だ) |
(…なんと力強い歌だ。信玄…お前は本当に…変わったな。俺も…) | |
最終話 これからも続く道を | |
信玄 誠司 | …隊長。見ていてくれたんですね。 |
元隊長 | もちろんだ。お前の言葉と歌、俺の胸にも響いたよ。 |
俺も過去ばかり見てないで、お前のように変わろうと…そう思えた。 | |
まずはせっかく始めたカレー屋を繁盛させないとな。真剣に考えてみるよ。 | |
信玄 誠司 | …よかった。自分も、また隊長のカレーを食べに行きます! |
信玄をねぎらう | |
信玄 誠司 | プロデューサーさんもお疲れさま。そして…今日までのこと、改めて感謝する。 |
ステージでも言ったが、自分はアイドルとしてより進化をしていきたい。 | |
そのためにはプロデューサーさんの支援は必要だ。今後も共に戦ってくれ。 | |
こちらこそ! | |
信玄 誠司 | (…また、あいつの墓前に報告することが増えたな…) |
(これからも、あいつに胸を張っていられるように…進んでいこう) | |
握野 英雄 | おーい、信玄!そろそろ打ち上げに行こうぜ!成功を祝してパーッとさ! |
信玄 誠司 | …ああ、今行く!さあ、プロデューサーさんも、一緒に行こう! |