第1ゲーム

Last-modified: 2025-09-11 (木) 13:49:31

前置き

イカゲームのことを知ったオーナー。
これに皆を強制的に参加させて金稼いできてもらおう☆と考えました
前置き終了


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みんなでイカゲーム☆


ゲーム会場
ベッドで目が覚めるノーマン。そこは全く知らない場所だった。
ノーマン「うぅ……え…何処はここ…?」
咄嗟に辺りを見渡すと、周りにはたくさんのベッドが積み重なっており、そこで眠っている見覚えのある先輩たちや後輩たちの姿が確認できた。
ベットは壁の周りに置かれていて真ん中は広いスペースがある。何人かはベッドから降りてその場に集まっていた。
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やがて他のみんなも目が覚めて、だんだん会場がざわついてきた頃___
テディ「やあノーマン!」
下から聞き覚えのある声に呼ばれてベッドから覗いてみると、そこには親友のテディがいた。
ノーマン「え、テディ!?君もいたんだね!」
テディは自分のベットから降りてノーマンのいるベットに近づいてきた。
テディ「まあね。他にもフレディ先輩とか、フレッド先輩たちもいたよ」
ノーマン「え、フレッド先輩まで!?僕たちなんでここに連れてこられたんだろう…それにここはどこなの?」
テディ「それはわからない、僕も目が覚めたらあのベットで寝てたんだ。他のみんなもそうらしい」
ノーマン「へえ……てかなにこの服?」
ノーマンは自分が着せられていた深緑色のジャージを引っ張った。目の前にいるテディも他のみんなも同じジャージを着せられている。
そしてノーマンの服の胸元には001という番号が書いてあった。
ノーマン「001…?なんの番号だろう」
テディ「さあね、でもノーマンが1番だったんだ。僕は3番だよ」
テディの胸元には003と書かれている。
ノーマン「あ、ほんとだ!」
しばらくするとほとんどのみんながベッドから降りて会場の真ん中に集まっていた。
テディ「僕たちも降りようか?」
ノーマン「だね!」
2人が階段を降りようとしたその時、突然ブザー音が鳴り響き、会場の前にある扉が開いて謎の人物たちがゾロゾロと会場へ入ってきた。
みんな黒いマスクで顔を覆っておりピンク色のつなぎにフードを被っている。仮面にはそれぞれ 丸、三角、四角といった記号が描かれていた。
その異様な姿に再び会場がざわつきだす。
ノーマン「!?なにあのマスクつけた人達?」
カルマ「なんだなんだ!?おいファディ見ろよあれ!」
ファディ「もう見てる」
ボンボン「誰なんだろう…」
みんながざわついている中、四角いマスクが喋り出した。
四角「みなさんようこそ、心から歓迎します。」
その声にみんな騒ぐのをやめ、会場が静かになる。そしてマスクが再び喋り出した。
四角「今この場にいる45人の皆さんには、6日間で合計6つのゲームに参加していただきます。」
BB「ゲーム!?」
ゲーム大好きのBBはその言葉に反応し、小さな声で隣にいるセドリックに話しかけた。
BB「セド!ゲームだって!」
セド「スマブラでもやんのか??」
四角「そして全てのゲームをクリアした方には、巨額の賞金が贈られます。」
プリン「賞金??」
シリア「何円くれるんですか!?」
四角「今回の賞金の総額は45億です。」
シリア「45億!?!?」
ノーマン「え!?」
聞いたこともない金額に、再び会場が騒がしくなった。
リュウ「いややばくね!?ガチ?www」
アロン「嘘でしょ」
フレディ「45億……」
四角「こちらをご覧ください。」
そう言い四角マスクがリモコンを取り出して操作をすると、会場の照明が金色に変わり、天井からゆっくりとブタの貯金箱が降りてきた。
証明によって透明なブタの貯金箱はまるで金色に光っているかのように見える。
シリア「あれは!?金のブタ!?!」
エリック「なんだよ金のブタって…」
サキ「ブタの貯金箱でしょ?」
ブタの貯金箱は天井から吊り下げられている。
四角「これは皆さんに贈られる賞金を入れるブタの貯金箱です。皆さんがゲームに参加しゲームをクリアするたびにこの貯金箱に賞金が貯まります。」
シリア「おお~~~!!」
プリン「なんかよくわかんないけどすげー!!」
トラップ「おいおい信じてんのか?45億なんて有り得ねえだろ」
プリン「うっせえ水を差すな」
四角「賞金の分配については最初のゲーム終了後にお伝えします。」
リルル「いや、ちょ ちょっと待ってください!!」
四角マスクの視線がリルルの方を向く。
リルル「あの、突然こんな所に連れてこられてゲームで勝つと45億とか、意味がわからないんですが……ここは一体どこなんですか?それとあなた達は誰なんですか?!」
リルルのその声にティナも加勢する。
ティナ「そうだよ!拉致同然に連れてきといてさ!!それにこの服なんなの!?アタシたちの衣装は!?」
ピウス「確かに聞いてなかったな。俺のギターどこだ」
シリア「えーいいじゃんそんなのどうでも」
四角「セキュリティーを守るため場所はお伝えできません。ご理解ください。また、ゲームを円滑に進めるために皆さんには同じ服を着てもらいます。衣装や所持品はゲームが終わったら全てお返しするのでご安心ください。」
その言葉にティナは一旦引き下がった。
ベイビー「それじゃあ、あなた達は何者なの?なぜ私たちをここに連れてきたの?」
今度はベイビーが冷静な声で聞く。ノーマンもなぜ自分たちがここに連れてこられたのかが一番気になっていた。
四角「私たちは、みなさんのオーナーである方から’’ロボットたちをゲームに参加させてほしい’’との意向を受け、みなさんをここへお連れしました。」
リルル「えっ、オーナーがお願いしてきたってことですか?」
四角「その通りです。」
みんなは呆れ返った。オーナーとは、ノーマンたちロボットを所有している店の経営者のことだ。やつの身勝手さにはみんなもよく振り回されている。
で、またあのオーナーが自分たちに事前に説明することもなく勝手に話を進めたのだろう。ノーマンは、突然こんな場所に連れてこられたことにも妙に納得がいった。
テディ「ほんとあのクソオーナーは…」
ノーマン「まぁまぁ汗」
四角「それではこれから1つ目のゲームを開始します。スタッフたちの案内に従って移動をしてください。」
四角マスクがそういうと、丸のマスクたちが先頭に立ちみんなを案内し始めた。
テディ「どんなゲームなんだろうね?」
BB「スプラだったらいいなー!!」
パペット「APEXがいい」
ノーマン「スマブラとかだったらいいのに!ねっ!?」
ベイビー「テレビゲームなわけないでしょ…」
カルマ「簡単なのがいいなー、かくれんぼとかだるまさんがころんだとかの」
ファディ「それは簡単すぎないか?」
ボンボン「なんか怖いなぁー……」
みんなは雑談をしながら移動した。
丸マスクについていき会場から出ると、ピンクや黄色のパステルカラーが基調のカラフルな空間が現れた。
そして階段が迷路のように至る所にあり、まるでエッシャーの絵の中にいるかのような空間だった。
ノーマン「なにここすごっ!?!?」
テディ「はぐれたら迷子になりそうだね」

壁に開いた丸い穴から顔を出すティナ。上にも下にも階段がたくさん続いている。
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ティナ「うわ……これ落ちたら絶対死ぬわ。」
リルル「え!?(高所恐怖症)……ガクブル」

セド「こんななげー階段あがんなきゃなんねーのかよ。だる」
BB「まあまあそう言わずに…でもここすごくない?写真撮りたかったな~」

ファディ「ボンボン、ちゃんとついてこいよ」
ボンボン「うん!」

 

しばらく階段を上がると、写真撮影をする空間が現れた。
アナウンス「まもなく1番目のゲームが始まります。プレイヤーの皆さんは写真撮影をしたあと、スタッフの案内に従って速やかにグラウンドに移動してください。」
ノーマン「写真?」
カメラ台がいろんな所に設置されており、みんな並んで写真を撮っていった。

自動音声「カメラを見てください。スマイル!」パシャッ
フレディ「おし、撮れた」
ティナ「フレディの笑顔堅すぎて草www」
フレディ「うるせー」
リルル「よーし次は僕…」

パッチ「俺変顔しよっとwww」
自動音声「スマイル!」
パッチ「グニャア」パシャッ
マオ「ちょっ…wwwwwパッチの顔無理wwww」
パッチ「wwwww」

ノーマン「よーし!撮るぞ!」
自動音声「カメラを見てください。スマイル!」
ノーマン「スマイル~!」パシャッ
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第1ゲーム


皆が集められたグラウンドは、広くてなにもない運動場のような場所だった。
地面には砂が敷かれており、壁には草原の景色が描かれている。一見すると本物の景色が広がっているようだった。
外の景色が一切見えないように壁はとても高いところまで作られていたが、天井だけは開いていて本物の綺麗な青空が広がっていた。
ノーマン「なんだろうここ?」
テディ「かなり広いね。走ったりでもするのかな?」
すると後ろから馴染みのある声が聞こえてきた。
メグ「おーい、2人とも!」
二人が振り向くと、そこにいたのは同じバンドのメンバーであるメグとチャーリーだった。
ノーマン「あ、メグ!チャーリー!」
駆け寄って合流する4人。
チャーリー「どんなゲームするんだろうね?」
ノーマン「ね~」

セド「ここの景色は偽物か。空だけが本物だな」
空を飛んでいるカモメを眺めながらそんなことを呟くと、BBが遠くの方を指さしながら言った。
BB「ねえセド見て!!あれなに??」
セド「あ?」
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BBが指差した先__このグラウンドの一番奥の壁のところに、巨大な女の子の人形が立っていた。

カルマ「ファディあれ見ろよ!なんかあるぞ!!」
ファディ「もう見てる」

メグ「なんだあの人形…?」
大きさは大体5メートルくらい。髪をおさげでふたつに結んでおり、黄色のシャツにオレンジのサスペンダースカートを着ている。そして、その人形が立っている後ろには人形よりももっと大きな木が立っていた。
ノーマン「え!なにあれ!?」
チャーリー「なんか不気味ね…」
メグ「デカすぎんだろ。5メートルは超えるな」
アナウンス「1番目のゲームは、だるまさんがころんだ です。」
ノーマン「だるまさんが転んだ?」

ティナ「それって…子供がよくやるあの遊びだよね?」
セド「マジかよ。クソ簡単じゃねーか」
BB「スマブラじゃないのかぁ…」

アナウンス「鬼が’’だるまさんが転んだ’’と喋っている間は前に進むことができ、振り向いた時に動いていたら脱落です。」
ノーマン「ルールは基本と変わらないみたいだね……とりあえずがんばろーか、みんな!」
ノーマンは手を前に出し、テディとメグ、チャーリーもその上から手を重ね合わせた。
テディ「うん!」
メグ「ああ!」
チャーリー「がんばろー!」
4人「TOYズ!えいえいおー!!」

アナウンス「5分以内に前にあるラインの内側にゴールできた人がクリアです。」
カルマ「それって…どうなんだ?距離的に余裕なのか??」
ローラ「ゴールまでの距離はかなりあるけど、順調に進んでいけば間に合わないことはないと思うわ。」

プリン「こんな簡単なゲームで45億稼げるとか最高じゃねーか!!もしかしてこの後のゲームも子供遊びとか??」
トラップ「いやいやお前冷静に考えろよ、こんな簡単に稼げるうまい話があると思うか?絶対に何か裏があるぞ…」
プリン「だからてめーは水を差すなっつってんだろ」
すると突然、人形の体がゆっくりと回転し始めた。
フレッド「あ!あの人形動いたよ!」
プリン「お!!ほんとだ」
人形がこちらに背を向け、目の前にある木に左手をついた。

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アナウンス「では、ゲームを開始します。」
その声を合図に05:00という制限時間が表示され、タイマーが動き始めた。

ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーがー」
ノーマン「走ろう!」
颯爽と駆け出していくノーマン。他のみんなも進み始める。
テディ「ちょっとノーマンもうちょっと慎重に…」

一方ティナとセドリックは他の誰よりも早く走り出していた。
ティナ「私が1番乗りでクリアするもんねー☆」
セド「いーや1番乗りは俺だね!!」
BB「あっ、まってよセド!!」
リルル「ティナアアアまってえええ」
BBとリルルも二人を追いかけるため後に続く。

ヨンヒ人形「こーろーんーだ!」
体の向きはそのまま人形の首がぐるりと180度回転した。
みんなピタリと動きを止める。
…しかしそんな中、BBだけは足を捻らせてしまった。
BB「やっべ転ぶわ☆」
ドサーーッと地面に手をついて倒れるBB。
鬼の視線がBBに方に向く。
テディやノーマンはBBより後ろにいたため、倒れたところを確認できた。
テディ「あ!BB動いた」
ノーマン「ざんねーん!!」
BBより前にいたセドリックも、後ろを見ずともBBが動いてしまったのを察することができた。
セドリック「なにやってんだよBB」
バァン!!
乾いた衝撃音が鳴り響く。空気が一瞬だけビリッと揺れた。
起きあがろうとしていたBBが再び地面へどさりと倒れる。

アナウンス「005番、脱落」
テディ「え?」
ノーマン「今の…なんの音?」
何事もなかったかのように再び鬼が前を向く。
ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーが」
ティナ「ほらほらみんな置いてっちゃうよーww」
先駆けてくティナとセドリック。他のみんなもさっきの音は聞き間違いか何かだろうと思い先に進んで行った。
しかし、ノーマンとテディはその場から動けない。

リルル「BB?」
そんな中、リルルも動かないBBを心配してゆっくりと近づいていた。
リルル「おーい……大丈夫?BB失格になったんだよ…」
__その瞬間、BBが口から赤い液体を吐き出した。
BB「ヴッ……」
リルル「え」

ノーマン「…!?」テディ「!」
その姿をノーマンとテディも確認していた。
ノーマン「もしかして……さっきの音って…!」

ヨンヒ人形「ころんだ!」
再び鬼がこちらを向く。
サキ「おっ…とっ…」
みんな動きを止めたが、サキはバランスを崩し少し動いてしまった。
サキ「あ~失格だぁ~」
バァン!!
目の前でサキの頭が撃ち抜かれ、そばに居たピウスの顔に液体が飛び散った。
ピウス「…え、」
ドサッと、サキがその場に倒れる。頭からは火花が飛び散りバッテリー液が溢れ出ていて……。

ピッポ「うわあああああ!?!」
近くでそれを目撃したピッポが恐怖のあまり叫ぶ。オービルもそれに気づいた。
オービル「え!?脱落って…死ぬって意味だったの…!?うわーー!!」
パニックになり逃げ出してしまう二人___鬼の目が2人をとらえる。
パッチ「お前動いたらだめだって!!」
バァン!!
オービル「うぐぁ!!」
オービルは背中を撃ち抜かれ地面にばたりと倒れた。

 

一方その頃、まだ後ろの方にいたスプボニたちは状況が理解出来ずにいた。
プリン「前の方で何が起きてんだってばよ…?」
トラップ「どう考えてもやばいだろ。明らかに銃声が聞こえてくるんだが」
プリン「もしや動いたら銃で撃たれて殺されるってか?」
フレッド「恐らくそうだろうね」
トラップ「ほらな言っただろ!?絶対にやべえゲームだって!」
ピッポ「うわーーーーー!!」
3人「!?」
前の方からピッポがどうにかして逃げ出そうと後ろの扉を目指して走ってきた。しかしその努力も虚しく……
バァン!!
ピッポ「ぎゃああ!!」

目の前でピッポが射殺されるところを目撃した3人。
あまりにも一瞬すぎてどこから撃ってきているのかもわからなかった。
トラップ「やば」
プリン「やっぱり動いたら殺されんのか…」
フレッド「えぐいて」
トラップ「なんでお前ら意外と冷静なん???」

 

最前列にいるティナとセドリックも後ろを振り向くことが出来ないので詳しい状況がわからずにいた。
しかし、明らかに悲鳴と銃声らしき音が聞こえてくる。ただ事ではないことは二人もわかっていた。
セドリック「マジでなにが起きてんだ」
ティナ「ねーリルル!後ろ今どうなってるの?!私たち後ろ振り向けないんだけど!!」
その問いかけに、リルルは震えた声で返事をする。
リルル「…動いた人達が…射殺されていってる。」
ティナ「……え?」
セドリック「は?BBは?生きてんだよな?」
リルル「一番最初に、死んでますよ。」
セドリック「嘘だろ…?」

 

ノーマン「これって動いたら本当に殺されるの!?」
メグ「どうやらそうみたいだな……」
チャーリー「45億の代償は命って事ね…!!」
テディ「てかこの体制きついから早く動いてくれよぉぉおお……」
アナウンス「もう一度繰り返します。鬼が’’だるまさんがころんだと喋っている間は前に進むことができ、振り向いた時に動いていたら脱落です。」
ベイビー「脱落すれば…死…」
カルマ「うせやんw終わったな」
ファディ「でも動かなかったら死なないんだろ?簡単じゃん」
ローラ「それじゃダメよ。みんな制限時間を見て」
タイマーを見ると、残りの時間は2分50秒になっていた。
カルマ「おいおいおい!!もう3分切ったのかよ!!」
ローラ「今ので時間を食いすぎたのよ。時間内にあのラインの内側に入れてなくてもさっきの皆と同じように殺されるわ。」
ベイビー「とにかくみんな急ごう!」

 

一方、ノーマンは恐怖から足が震えていた。
ノーマン「ど、どうしよう…僕震えて動けないよ!!」
メグ「大丈夫だ、まだ3分あるから!慎重にやれば絶対行ける!!」
チャーリー「そ、そうだよ!急ごう!」
テディ「僕が手握っててあげるよ!」
ノーマン「みんな…ありがとう!!」

ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーがー」
メグ「急げ!!」
4人は慎重に走り出す。他のみんなも時間に焦りだし、走ったり早歩きをし始めた。

 

一方パペットはもうゴール付近まで来れていたので余裕があった。しかし親友のBBが一番最初に死んでしまったということが心残りだった。
パペット「(BB死ぬの早すぎだろ)」
そんなことを思っていると、背後から自称”パペットの兄”を名乗るムーマが話しかけてきた。実際は兄でもなんでもないし、ただのストーカーみたいなやつだ。
ムーマ「あれれ~パペットくぅ~ん親友が死んでショックなのかな~?でも俺はいつでもパペットの傍に居るから安心してねっ!☆」
元々鬱陶しいやつだったが、ただでさえBBが死んでショックを受けていたためムーマの発言が余計癪に触った。
パペット「うぜえ そうだ!」
パペットはあることを思いつく。
次の瞬間、ムーマの襟首をガッと掴み、その体を自分の前に引きずり出した。まるで盾にするかのように。

ムーマ「えっ、ちょ、なになになに?((」
ヨンヒ人形「ころんだ!」
鬼が振り向きみんながピタリと動きを止める中、パペットは迷いなくムーマの背中を蹴り飛ばした。
ドンッ!!
ムーマ「ファ!?!ちょ嘘でしょ!?((」
バァン!!!
よろめくムーマの体に無慈悲に銃弾が撃ち込まれる。そのままムーマは呆気なく地面に倒れた。
ムーマ「グハッ……」
アナウンス「44番、脱落」

パペット「みんな聞け!」
メグ「!」
何事かと、みんな動きを止めたままパペットの声に耳をすました。
パペット「あの人形の目……あれが動作感知装置になってる。つまり誰かを盾にすれば後ろの動きまでは感知されない。小さいやつは誰かの背中に隠れて進むんだ」
ここにきてまさかの攻略法。しかし皆も、博識でなんでも知ってるあのパペットが言うことなので信頼することが出来た。
メグ「なるほど…その手があったか!!ノーマン!次のターンから俺を盾にして隠れろ、後ろなら動いても感知されないから!」
ノーマン「え!?でもいいの!?」
テディ「うん、僕も盾になるよ。ノーマンが安心できるようにね!」
チャーリー「しゃーない!アタシもなる!!」
ノーマン「み、みんな…ありがとう!!!」

他のみんなからも口々に「行くぞ!」「やるしかない!」「頑張ろう!」といった言葉が飛び交う。この絶望のゲームの中でプレイヤーに希望の光が与えられた瞬間だった。

 

ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーが~~~」

一方旧式組は体が破損しているためより一層慎重に進んでいた。
キャシーが転ばないよう体を支えながらアーサーが言う。
アーサー「みんな焦らないようにな!!まだ時間はあるから!!」
ゴールまでの距離はかなりあったが、順調に行けば間に合いそうだ。
キャシー「ありがとねアーサー」
アーサー「いーってことよ!!」
スティーブ「お前こそ、脚が悪いんだから気をつけろよな」
アーサー「わかってるっ!」

 

まだ後ろの方にいたプレイヤーたちも、時間に焦りはじめ走り出す。
「このままだと俺ら死んじゃうよー!!」
「いそげいそげー!」

ヨンヒ人形「ころんだ!!」
バッと振り向く鬼に、老人ロボットのオールドは対応出来なかった。鬼が振り向いて少ししてから動きを止めたため、鬼の目がオールドに向く。失格だ。
オールドじいさん「若者の反射神経にはついていけんわい…」
バァン!!!
アナウンス「040番、脱落」

トラップ「あの人形、引っ掛けもやってくるみたいだな。」
オールドが撃ち抜かれるのを目撃したトラップが言う。
トラップ自身も反射神経に割とガタがきているので気をつけなければ…と思っていた。
プリン「てか毎回銃声がうるさすぎて体が反応しそうに……」
トラップ「俺からしたらお前の声の方がうるさいんだけどな」
プリン「あ?なんだやんのか?後ろから背中突き飛ばしてやろうか??」
トラップ「めんどくさいからやっぱいいです」

 

ティナ「あと少しでクリアやで。」
誰よりも先駆けて進んでいたティナとセドリックは、もうゴール目前のところまで来ていた。
セド「俺とお前どっちが勝つかな…」
ティナ「アタシに決まってんじゃん!!」
セド「てかどっちが勝つか賭けようぜ。俺が買ったら10万くれよ」
緊張から少し気が大きくなってデカい額を出してしまったが、案外ティナはそれをすんなりと承諾した。
ティナ「いいよ?ただ、アタシが勝ったらアンタが10万ね?」
セド「わかった」
リルル「ちょ、2人とも……友達が死んだってんのにさァ…!!賭けとか…ッ!!少しは悲しみなよッ!!!」
そんなことを話しているうちに鬼が再び前を向いた。
ヨンヒ人形「だーるーまー」
一気に走り出そうとした次の瞬間____
ドンッ!とティナに背中を押されるセドリック。
セド「は!?」
よろめいてスタートダッシュをミスった挙句、ティナに先を越されてしまった。
ティナ「うぉっしゃ走れえええええええ!!!」
セド「は!?お前ふざけんな!!!死ね!!!」
リルル「ちょっ…」

メグ「行くぞみんな!!」
3人「うん!!」
走る4人

ティナ「よっしゃあクリアーー!!!」
セド「あああああ💢」
ヨンヒ人形「ころんだ!」
セドはギリギリゴールに届かず、ラインの一歩手前で立ち止まることになってしまった。
ティナ「うぇーいばーかばーかアホー10万払え10万ーボケーーwwwww」
しかも目の前でティナにバカにされる始末。今すぐぶん殴りに行きたい衝動に駆られたが、動いてしまえば即死だ。
セド「チッ だっっっっる」

メグ「よし!!あと少しでゴールだ!!」
チャーリー「でも時間もあと1分切ってる!!」
テディ「この距離なら間に合う。みんな慎重にね!」

ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーがー」
続いてセドリックとリルルがゴール。二人はようやく緊張が切れてどさりと地面に座り込んだ。
ティナ「おいボケ10万払えやwww」
セド「うっっざ死ねよ」
ティナ「もし10万払わなかったら来月には100万に増やすから覚悟しときなさいね☆」
セド「ここ出たら払うって」
そんな二人の会話を横聞きに、リルルは必死にフレディの姿を探した。
リルル「フレディ…大丈夫かな…」

 

ヨンヒ人形「ころんだ!」
鬼が振り向き、再びぴたりと動きを止める。ゴールはもう目前まで迫っていた。
ノーマン「次のターンでクリア出来るね!」
メグ「ふう、さて…あとの人達は大丈夫なのか…?」
テディ「大丈夫でしょ、みんな近くまで来れてるし。」

 

そして鬼が前を向く。
ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーがー」
メグ「走れ!!」
その瞬間、4人は一気に走り出した。そしてついに___
メグ「よし!!クリア!!」
4人全員がゴールラインの内側に入った。やっと緊張が解け、ノーマンは地面に崩れ落ち、チャーリーは地面に寝転がる。みんなが安堵していた。
ノーマン「終わったーーっ…!!!」
チャーリー「ふーーーようやく休めるわー……」
テディ「もう大丈夫だよノーマン!」
ノーマン「みんなホントにありがとう!!みんながいなかったら僕動けなくて死んでたよ…」

 

トイ組に続いてSLのみんなも無事にゴール。
ローラ「私達もクリアね…」
カルマ「あーーやっと座れる……ガチ怖かったわ…」
しかし、安心したのも束の間。ベイビーは、メンバーが一人だけ足りないことに気がついた。
ベイビー「あれ、ボンボンは!?」
カルマ「え?」
ファディ「…!!ボンボン!?」
咄嗟に辺りを見渡すと、まだゴールラインよりも後ろの方で、ボンボンが震えてしゃがみこんでいた。
カルマ「おいおい!!なにしてんだよボンボン!?早く来いって!!」
ボンボン「ぼく……震えて動けないんだ……!怖いよ………!」
ファディ「…!」
カルマ「大丈夫だって、早く来いよ!!じゃないと死ぬぞ!?ほら残り時間あと20秒もないし!!」
ローラ「このままじゃ間に合わなくなるわ!ゆっくりでいいからこっちにおいで!」
ボンボン「無理だよ、、!足が動かないんだ、、、!」
カルマ「はあ!?!」
ボンボンの体は小刻みに震えている。もし無理に動こうとすれば、足がもつれて脱落になってしまうかもしれない。
このままでは危険だとファディは思った。ならば……
ファディ「俺行ってくる」
ベイビー「え!?」
カルマ「は?ちょファディ!?!」
ファディはゴールの線から出てボンボンのもとへと走り出した。
ヨンヒ人形「ころんだ!」
ぴたりと動きを止める。もはやゴールラインの外にいるのはこの二人だけになっていた。
ボンボン「ダメだよフレディ…!!フレディは線の中に戻ってて!僕はもう動けないから…!」
ファディ「放っておけるわけないだろ。ボンボンは大事な相棒なんだ、絶対に見捨てたりなんかしない!」
ボンボン「フレディ…!!」
カルマ「あのバカ…あれじゃもう間に合わないだろ…泣」
ローラ「あと10秒…」
ヨンヒ人形「だーるーまーさーんーがー」
全速力でボンボンのところへ走り、サッとボンボンを抱え上げた。そしてもう一度線に向かって走り出す……
ヨンヒ人形「こーろーんー」
カルマ「やばいってやばいってやばいってねえローラアアアアアア!!!」
ローラ「るっせぇんだよ黙れ!!!!」
ベイビー「ファディ!!」
ファディには、今見ているこの景色がまるでスローモーションのようにゆっくり動いているように感じられた。
この時点でゴールまでの距離は5m、残り時間は5秒ある。しかし鬼はすでに’’だるまさんがころんだ’’をほとんど言い終えている。このままではゴールにつくまでに鬼が振り向いてしまい2人共々脱落になってしまう……
そこでファディが取れる選択は一つしかなかった。

ファディ「受け取って!!」
ベイビー「!?」
ボンボンだけでも、ゴールラインに入ればいい。
ファディは鬼が振り向くその瞬間に、全力を振り絞ってボンボンをゴールラインめがけ放り投げた。
ボンボン「うわぁっ!?!?」
カルマ「うおっ!?!」

どさっとボンボンがゴールラインの上に落ちる。
その瞬間、鬼がこちらを振り向いた。

カルマ「!!皆引っ張れ引っ張れ!!」
3人が急いでボンボンをラインの内側へ引きずり入れるのを見て、安堵したのも束の間…。同時に鬼の目が真っ直ぐファディを捉えた。
ファディがいるのは、ゴールラインの1m前。
制限時間のタイマーが鳴り響く。

ピーーーーッ

___間に合わなかった。
身体は凍りついたように動かない。
目の前には仲間たちがいる。ボンボンは無事だ。4人が今にも泣きそうな顔でこちらを見ている。

カルマ「嘘だろ……」
ベイビー「そんな…!!」
ボンボン「フレディ!!!」

ファディ(……よかった。間に合った、ボンボンだけでも)

アナウンス「ゲーム終了までにラインの内側に入れなかった人は脱落です。」

___バンッ!!!
空気を切り裂くような銃声が鳴り響き、目の前のファディの体が崩れ落ちる。
どさりと倒れたファディの体からは、火花が飛び散り煙が立ち上っていた。

ボンボン「!!!フ、フレ……っ」
ローラ「……!」
ファディはもう二度と動くことはなかった。
カルマ「ファディ…!!おい!!ファディー!!!」

 
 

ゲーム終了後
会場は重たい空気に包まれていた。
みんな俯いたままベッドや階段に座り込んでいる。
ノーマン「まさかこんなゲームだったなんて…僕こんなゲームもうやりたくないよ!!」
チャーリー「アタシももうやりたくない…なんとかできないのかな?」
テディ「無理だと思う。だってあのクソオーナーが僕たちをこれに参加させたんだよ?戻りたくたってアイツが許さないさ」
メグ「そうだな……オーナーはきっと、俺たちが全てのゲームをやるまで続ける気なんだ」
ノーマン「うう……」
チャーリー「…アタシ達、これからどうなるんだろうね…」
テディ「…そういえば、1つ目のゲームが終わったら賞金の額を発表するって言ってなかった?」
メグ「ああ、確かに言ってたな」
チャーリー「今は賞金とかどうでもいいわよ。アタシたちの命がかかってるってのに___」
すると突然、ブザー音が鳴り響く。
ノーマン「!?」
会場の扉が開き、あのマスクたちが入ってきた。今度は四角と三角のマスクだけで、三角のマスクはライフルを所持している。
みんな「!!」
驚いて後退りするノーマン達。他のみんなも怖がっていて、ボンボンは咄嗟にベットの隅に隠れ、エリックは布団に潜り込んだ。
他にも、JJはリュウの後ろに隠れたりロルナは面白がって逆に前に出たり、そんな中でもフレディは眠そうにしていたりと……反応はさまざま。
四角「最初のゲームをクリアしたプレイヤーの皆さん、心よりお祝いを申し上げます。先程のゲームにつきまして結果をお知らせいたします」
扉の上にある参加人数が表示されたモニターから、6人分人数が引かれていく。そして’’39名’’と表示された。
四角「45名のうち6名が脱落しました。最初のゲームをクリアしたプレイヤーは39名です。ゲームをクリアした皆さん、改めておめでとうございます。」
リルル「あ、あのっ!!」
突然、リルルが声を上げた。四角マスクがリルルの方を見る。
リルル「ゲームの辞退を…させてください!!こんなゲームもう続けられません!!」
泣きそうな声でリルルが言った。その言葉に他のみんなも抑えていたものが爆発したように声を上げていった。
ヘルパー「助けてください!!店に帰りたいよおお!!」
マオ「もうあたしも嫌!!!死にたくない!!助けて!!」
カルマ「俺の友達も死んだんだ…!!どうしてこんなことするんだよっ!!!」
アーサー「俺はどうなってもいいから後輩達を傷つけるのだけは……」
泣き叫ぶ者、命乞いをする者、怒りをあらわにする者___みんな先程のゲームで相当精神を削られていたのだ。
しかし四角マスクは冷静な声で再び喋り出した。
四角「皆さん、何か勘違いなさっているようですが、我々は皆さんを傷つけるつもりはありません。チャンスを差し上げているのです。」
シリア「それよりも!!!」
皆「!?」
突然シリアが誰よりも大きな声で叫んだため、会場が一気に静寂に包まれた。皆がシリアに注目する。
シリア「賞金は一体、いくら貯まったんですか!!?」
こんな時にまで金のことしか考えていないその発言は、先程怒りをあらわにしていた者達の逆鱗に触れた。
カルマ「あいつ……」
エリック「あの野郎…!!!」
先程布団に潜り込んだエリックも、シリアのことをぶん殴ろうと布団を放り投げてベッドから降りてきた。怒って地面をドスドスと踏み鳴らしながら。
四角「ではこれまでに貯まった賞金の額を発表します。」
そう言い四角マスクがリモコンを操作する。すると照明が金色に変わり、天井からあのブタの貯金箱が降りてきた。
みんなの視線が貯金箱に釘付けになる。
そしてチップチェーンの音楽が流れ出し、貯金箱の中に大量の札束がバサバサと投下されていった。
みんな「!?!」
ノーマン「あれは…!!」
フレディ「お?」
セド「うははwwwマジかwww」
プリン「おいおいおいやべぇって…あんな数の札束見たことあるか!?!」
目を輝かせながらプリンがいう。フレッドとトラップも信じられないといった顔をしていた。
フレッド「ドラマでしか見ない数だ…うわぁ~すごい」
何百といった札束が、貯金箱の中にどんどん貯まっていく。怒り心頭だったエリックもそちらに気を取られていた。
チャーリー「これが……さっきのゲームでたまった、賞金…」
リュウ「一体何円入ってんだか…」
ついに音楽が鳴り止み、札束の投下も止まる。
四角「1番目のゲームで脱落したプレイヤーは6名。よって6億円の賞金が貯まりました。」
みんな「6億!?!?」
みんな一斉に声を上げた。まさかの金額に驚きが止まらない。
四角「ゲームのルールに従い、脱落者一名につき一億円ずつ賞金が貯まります。次のゲームでまた脱落者が出ると、その人数分賞金が増えます。」
フレディ「じゃー最後のゲームまでクリアしたら??」
四角「すでに申し上げたとおり、ゲームの賞金総額は45億です。第6ゲームまで全てクリアしたプレイヤー達で、死亡した人数分の賞金を分け合うことになります。」
’’分け合う’’。
つまり数人で生き残ることも可能というわけだ。賞金はたった一人しかもらえないと思っていた者もいたため、この言葉に救われたプレイヤーは多かった。
ティナ「よかった…バトロワみたいに最後の一人にならなくてもいいんだ!!全然優しいゲームじゃん!!」
シリア「ならもし一人だけが生き残ったら、その人が賞金45億円全部、独り占めできるってことですよね!!??」
四角「その通りです。」
シリア「うおおおお!!!」
会場は先程までの絶望した雰囲気とまるで真逆の状況になっていた。賞金に目が眩んだプレイヤー達の歓声で盛り上がっている。
エリック「おいおい…みんなさっきのゲームで死にかけたこと忘れたのかよ…!?」
その気持ちはノーマンやメグ、カルマ達も同じだった。友達を失ったのに……それどころかあの貯金箱に貯まっている金は、みんなの命の代償だって言うのに。
しかし、盛り上がってるみんなにその声は届かなかった。

 

あれから数時間後。会場では夜ご飯が配られていた。みんな列に並んで順番に丸マスクから弁当と水を受け取っている。
リルル「どうも。」
フレディ「ど~も~」
丸マスクから渡されたのはアルミの薄い弁当箱だった。
セド「なんだこの薄い弁当?初めて見たぞ」
ティナ「ちゃんとご飯入ってるんでしょうねー?」
弁当を振りながらティナがいう。4人は早速ベッドに戻り弁当の蓋を開けてみた。
中身は普通の弁当だった。具材は、ご飯、キムチ炒め、じゃこ炒め、黒豆の煮つけ、そして目玉焼きがご飯の上に乗っかっている。スプーンも弁当の中に入っていた。
フレディ「おっ!うまそうだな」
ティナ「でもこれだけじゃお腹いっぱいにならなそう…」
リルル「足りなかったら僕のあげるよ。あんま食欲湧いてないし……」
セド「まじ?なら俺にくれよ」
リルル「セドはダメ!」

一方トイ組達は、パペットを誘って5人でご飯を食べることに。
チャーリーは弁当の蓋を開けるや否いや、自分の好きな具材が入ってることに気がついた。
チャーリー「あ、キムチ!!あたしこれ大好き。」
メグ「俺も。うまいよなぁ」
チャーリー「これにチーズかけるとバチくそうまいのよね」
ノーマン「僕はこれかなぁ!黒豆!!」
チャーリー「あら結構渋いわね」
そんな中、じっと弁当の中身を見てパペットが言った。
パペット「これ、韓国の昔風弁当だね」
ノーマン「え、そうなの!?」
テディ「なにそれ?」
パペット「イェンナルトシラクって呼ばれてる、昔韓国でよく食べられてた弁当だよ。」
そう言い蓋を閉じた___と思ったら、なんと突然、パペットが弁当をシャカシャカと振り始めた。
メグ「!?!」
ノーマン「えちょちょちょなにをしてんの!?!」
チャーリー「そんなに嫌ならあたしが食べるわよ!?」
パペット「韓国ではこうやって振ってビビンバ風にして食べるのが定番なんだ」
ノーマン「そうなんだ?!びっくりしたぁ…」
蓋をあけると、中身が混ざってビビンバのようになっていた。
チャーリー「確かに美味しそう!!」
ノーマン「いいね~!」
テディ「僕もやってみよっと」
メグ「中身ぶちまけないように気をつけろよ~」

それぞれが雑談をしたり明日のゲームがなんなのか予想をしている中、SLの4人だけは空気が重く沈みこんでいた。
ボンボンはさっきからずっと泣いていてご飯に手をつけていない。
ベイビー「ボンボン……辛いのはわかるけど、ご飯はちゃんと食べなきゃ。明日のためにも体力をつけよう」
カルマ「そーだぞ、ほら!俺の目玉焼きやるから!」
ボンボンに目玉焼きを差し出す。しかし、それでもボンボンは涙を流したまま俯いていた。
ローラ「食欲がないなら、今は無理に食べなくてもいいわ。あとでお腹が空いた時にちゃんと食べなさいね」
カルマ「まあ、そうだな…」
カルマが弁当に目玉焼きを戻す。すると突然、4人が座っていた階段のそばにあるベットから、バッとロルナが顔を出した。
ロルナ「ヘイヘイヘーイ!!」
カルマ「うおあびっくりした!!?おい脅かすなよ!!」
ロルナ「みんなしけた空気してんねぇ!もっと盛り上がってこーよ!!あの6億を手に入れられるのはこんなかの誰かかもしんないよ~!?」
場違いすぎるテンションの高さと傷心しているボンボンに対するデリカシーのなさに、ベイビーとローラは今にも怒りが爆発しそうだった。
それを察知したカルマは、咄嗟にロルナの元へ行き「お前ちょっとこっち来い!!」といって二人の元から引き離した。
別にロルナはどうなってもいいのだが、傷心しているボンボンの前で言い合いになるのは可哀想だ。
それにしても、元々ロルナは空気が読めなかったがまさかここでも特大の地雷を踏んでくるなんて……もはやわざとでは?とカルマは思った。

 
 

それからしばらくした頃、会場内のスピーカーから無機質なチャイムが流れ出した。
ノーマン「なんだろう?」
アナウンス「まもなく消灯時間です。プレイヤーの皆さんはベッドに戻り寝る準備をしてください。」
メグ「もう寝る時間か」
チャーリー「あーあ、寝たら明日またゲームやんなきゃいけないのね…やだなぁ」
テディ「でも寝不足の方が大変だよきっと」
メグ「とりあえず寝ようぜ。じゃーなノーマン!」
ノーマン「うん!おやすみ!!」
メグは手を振って自分のベットに帰っていった。
チャーリー「あたしも寝るか…また明日!」
テディ「おやすみノーマン」
ノーマン「二人ともおやすみ!!」

ベットに入ってからも無印の4人は小さな声で雑談を続けていた。
フレディ「いやー今日はやばかったなぁ」
ティナ「いろんなこと起きすぎて頭パンクしそうよ…。」
リルル「でもさぁ……目の前で人が死んだっていうのに3人とも反応薄すぎない…??特にセド」
セドリック「なんで俺なんだよ」
リルル「だってさ親友が死んだのに無反応だよ?パペットも無反応だったけど…僕じゃ耐えられない…」
そんなリルルの言葉を遮るように、ティナが「ふあー」っと大きなあくびをした。
ティナ「ねーもう眠いから寝ようよみんな~。おやすみ~」
フレディ「おやすみー」




第1ゲーム 死者

BB
サキ
オービル
ピッポ
オールドじいさん
ファディ

計6名

 

続き→ 第2ゲーム

イカゲームパロ