第6ゲーム

Last-modified: 2025-09-12 (金) 18:41:26

6日目
スピーカーから流れるクラシック音楽で目が覚めたノーマン。
ノーマン「…!」
今まででいちばん寂しい朝だった。
いつもなら、この音楽とともにみんなの話し声や足音、寝息の音が聞こえたのに、もう音楽以外に何も聞こえない。
アナウンス「まもなく、6番目のゲームが始まります。プレイヤーの皆さんは、起きて準備を始めてください。」
みんなの居なくなった会場に響き渡るアナウンスが、余計に寂しさを強調させた。
ノーマンは体を起こして周りを見渡す。
昨日までいたリュウもパペットたちも、もういない。会場にいるのはテディとノーマンだけになっていた。
初めはあんなにたくさんのベッドがあって会場も狭く感じたのに、なくなってみるととても広く感じる。
ノーマン「みんな……」
掛け布団の上に涙が零れ落ちる。死んだみんなは、もう二度と戻ってくることはない。そう考えるだけで死にたくなるほど辛かった。
涙は止まらない____それでも、まだ希望はある。
ノーマンの1番の親友であるテディはまだ生きている。
テディだけが心の支えになっていたし、自分の命を引き換えにしても守りたいと思っていた。
絶対に失いたくない_____
もしテディが死んでしまったらと想像するだけで、さらに涙が溢れてくる。悲しくなって布団に顔を埋めたちょうどその時、名前を呼ぶテディの声がした。
テディ「ノーマン!」
ノーマン「!」
急いで涙を拭い顔を上げた。
テディがノーマンの元に駆け寄ってきて、いつものように「おはよう!」と声をかける。その声を聞くだけでノーマンは心から安心した。
ノーマン「おはよう、テディ!」
テディ「ついに今日が最後の日だね」
ノーマン「そうだね……ふーー…」
最後のゲーム。これが終わればいつもの店に帰れる。
でも、どんなゲームをするのか全く想像がつかない……一体どんなゲームをすることになるのかが心配だった。
もし、テディと戦わなければならないゲームだったら____

ノーマン「……!!」
その時ノーマンはハッとした。

賞金を辞退し、二人でゲームの中止を要請すれば、このゲームを辞められるのではないか?

ゲームを辞退すれば、これまで貯まった賞金を全て手放すことになる。
自分たちプレイヤーにとってはデメリットだが、運営側とすれば賞金を払わなくてよくなるのだからむしろメリットしかない。
失うものが何も無いんだから、快く辞退を受け入れてくれるのではないか?

ノーマンはそれを早速テディに話してみた。
テディ「ゲームを辞退する__?」
ノーマン「うん!!そうしたら二人で一緒にここを出られるかもしれないんだ!!運営側としても僕たちが辞めることでデメリットなんかないし、きっと承諾してくれると思うんだよ!!」
しかしテディの反応は微妙だった。
テディ「うーん……そう上手くいくかなぁ。契約書に”ゲームを途中で中止にすることは不可”とか書かれてるかも。それに、まだどんなゲームをするかわからないし、希望はあるよ」
ノーマンはその言葉の意図が分からなかった。
ノーマン「希望?それってどういう…?」
テディ「ノーマン、このゲームの優勝条件は”最後までゲームをクリアすること”だったよね。あの四角マスクは確かに、最後までゲームをクリアした全員が賞金を手に入れることができると言っていた。つまり、優勝する人数に制限はないって訳だよ。」
ノーマン「それって…!!」
テディ「そう、ゲームの内容次第では僕と君でゲームをクリアして二人一緒に生き残れるかもしれないんだ。」
ノーマン「…!!」
その瞬間、ノーマンの心に生きる希望が満ち溢れてきた。
二人で優勝できる可能性が____ある。
まだ諦める必要は無かったんだ。

テディ「僕はみんなの命の代償であるあの金を無駄にしたくない。だから最後のゲームまでちゃんとクリアしたいんだ。もし2人で戦わなきゃいけないようなゲームなら、その時考えよう」
ノーマン「うん…!!わかった!!」
力強く返事をするノーマン。その目は希望に輝いていた。
テディ「よし、そうと決まったらご飯食べよう!食べて体力つけなきゃね!」
ノーマン「だね!!行こう!」
2人は朝食のさつまいもを頬張りながら作戦を練った。
しばらくすると、再びアナウンスが流れ出す。
アナウンス「まもなく、最後のゲームが始まります。スタッフの案内に従い移動してください。」
ノーマン「行こう…!!」
テディ「うん!」

扉が開くと、そこは 第1ゲーム”だるまさんがころんだ”のステージとして使われていたあの場所だった。
ノーマン「ここって…」
テディ「だるまさんがころんだで来た場所だよね」
前方には、鬼であるあのヨンヒ人形が佇んでいる。
空はまだ少し暗く空気が澄んでいておいしいが、11月のため少し肌寒い。
今の時間はおそらく早朝の5時くらいだろう。
空が暗いこと以外は何も変わらない……そう思ったが、中央の地面になにかの図形が描かれていたことに気づく。
ノーマン「なんだろうあれ?」
四角マスクについていって図形の元までやってきた。

図形の前で四角マスクが立ち止まり、こちらに振り向く。
四角「6番目のゲームにようこそ。最後は’’イカゲーム’’です。」
テディ「イカゲーム…」
ノーマン「なにそれ?スプラ?」
テディの方を見て反応を伺ったが、テディもイカゲームが何なのか知らないようだ。
テディ「あの、僕ルール知らないんですけど。」
ノーマン「僕も知りません!!」

四角「では、イカゲームのルールを説明します。まず、地面に描かれているこのフィールドをご覧ください。」

四角マスクは地面の図形を指した。丸、三角、四角といった図形が縦に並んでおり、まるで”イカ”の形にも見える。

四角「この円形の領域が攻撃側の陣地です。そしてこの四角の領域は守備側の陣地です。」
ノーマン「攻撃と、守備……?」
ノーマンは嫌な予感がした。もしかしてやっぱり、お互いに戦わなきゃいけないゲームなんじゃないか……?
中断したいと言うべきだろうかと思い、ちらりとテディの方を見てみる。動揺はしていないようだった。
ノーマン「テディ…どうする?」
テディ「とりあえず、ルールだけでも聞いてみよう。まだどうなるか分からないし」
たしかに、テディの言うとおり最後まで聞いてみなきゃわからないか、と思いノーマンも頷いた。

四角「攻撃側のプレイヤーは、イカの絵の中に入り、守りを突破し、イカの頭の先端にある三角の部分を踏めば勝利。
守備側のプレイヤーは絵の中に入ってきた攻撃側を、絵の外に押し出せば勝利となります。」

四角「次に、攻撃側は守備側の陣地に入るまでは片足で移動しなければなりません。」
テディ「なんで片足?」
四角「ハンデです。陣地に入り、アメンオサと言えば両足を使えるようになります。」

四角「最後に、二人のプレイヤーのうちどちらかがゲーム続行不可能な状態になったら、残った方の勝利となります。」

───続行不可能。
その言葉を聞き、ノーマンは胸がドキッとした。
ノーマン「…ゲーム続行不可能な状態っていうのは…?」
四角「プレイヤーが死亡した場合を指します。」
ノーマン「……!!」
二人で一緒に協力してゲームをクリアするという希望は、完全に砕かれた。
これは、どちらか一方しか生き残れないゲームなんだ。
優勝できるのはたった1人だけ。
しかしそれなら、二人でゲームを辞退するまでだ。
賞金はもらえなくてもいい。ただテディさえいてくれれば、何もいらない。

アナウンス「ゲームの前に、攻撃と守備を決めます。選んでください。」
ノーマン「あの~そのことなんですけど、僕達、戦うのはやめることに___」

テディ「攻撃側は僕がやります。」

ノーマン「…………え?」

思わず間の抜けた声が出る。一瞬、時が止まったように感じた。
ノーマン「今……なんて……?」
四角「では1番が守備側でよろしいですか?」

先程のテディの言葉が頭の中で何度も反響する。
繰り返せば繰り返すほど、脳が理解することを拒んだ。
これは冗談かなにかだ。だって、一緒にゲームを乗り越えてきた”親友”のテディが、戦うなんて、そんなこと言うわけが無い。

ノーマン「え、テディ?」
返事を求める声が微かに震える。

テディ「いいよね?守備側で」
こちらに視線を向けるテディの目は、今までで1番冷たい目をしていた。

ノーマン「ちょっとまって……どういうこと?やめるって言ったよね…?」
テディ「いやさ、僕考えたんだけど、ここまで来てやっぱやめるとか無くない?だってみんなが死んだおかげで賞金が44億も貯まったんだよ?ここでやめたら、みんなの死が無駄になっちゃうじゃん?」
ノーマン「え、何…なんで」
テディ「ここでやめてみんなの死が無駄になることより、勝って賞金を手に入れた方が死んだみんなも喜ぶよきっと!」
ノーマン「でもそれじゃあ……テディは、僕と戦う気なの?」
テディ「そうだよ!僕はここで君に勝って 45億円を手に入れる!」
ノーマン「どうして……………いままで一緒に協力して頑張ってきてたじゃん!!!」
テディ「こんな大金を目の前にして友情なんかが未だに残ってるなんて思ってるの?甘いよ、ボンボンは」
ノーマン「は…………」

そのときノーマンの中で何かが動いた
ノーマン「…………僕は…メグやカルマと約束したんだ。自分たちの分まで頑張ってって……だから、テディがその気なら僕も戦うよ。何もしないまま終わったら あの二人もきっと悲しむだろうしね!!!」
テディ「…じゃ、決まりだね!!」
四角「それでは位置についてください」

アナウンス「それでは6つ目のゲーム、イカゲームを開始します。」
ぴーーーーーーーーっ(始まりの合図)
ノーマン「最初で最後の本気のガチバトル、スタートだ!!!」
ナイフを取り出すテディ。
ノーマンも取り出した。
ノーマン「あのとき回収されたとか言ってたけど、やっぱり持ってたんだね。」
テディ「もちろん ノーマンも返すとか言って返してないけどね」
ノーマン「これは返すタイミングが無かったんだよ。」

なんやかんやで1つ目のプロモーション・エリアまで来たテディ
テディ「ここを飛び越えて、アメンオサって言えば両足が使えるようになるんだね」
ノーマン「なにがなんでも僕はテディのことを止めるよ。賞金は絶対に渡さない!!」
テディ「ふーーーんやれるもんならやってみな!!!!!」
ノーマンの故障中の右目をぶん殴った
ノーマン「うっ!!!」
右目の視界が暗くなる。ザッと砂嵐が流れた後、右目は完全に見えなくなってしまった。
ノーマン「…!!」
テディ「よーし今のうち!!」プロモーションエリアを飛び越えたテディ
テディ「アメンオサ!!」
ノーマン「!!クソっ…」

テディ「(あとはあの3角の場所にはいればいいだけだ!)」
ノーマン「ここだけは絶対に通らせない」
ノーマンはナイフを構える。
テディもナイフを構えた
ノーマン「……行くよ!!!」
シャキーンシャキーンシャキーン
バシバシ
デーーン
テディ「どかないと刺すよ」
ノーマン「刺したきゃ刺せよ!!!なにがなんでも絶対に止めてやる!!!」
テディ「チッ……僕は絶対に賞金を手に入れるんだあああああ!!!」
ナイフをぶん投げたテディ
ザクッ
ノーマン「う…!!」
ノーマンの腹部にナイフが突き刺さった。破損口からバッテリー液が溢れ出す。
テディ「今だ!!」
ノーマン「ぐ…っ!!」
腹に刺さったナイフを即座に抜く
ノーマン「ぐううう…!!!」
体の中を通る配線が何本もちぎれ、火花が飛び散る
テディ「(まじかコイツ)」
ノーマン「次は僕のターンだ!!!」
ナイフを2つ両手に握りしめてテディに襲いかかるノーマン
ノーマン「おりゃあああああああああ!!!」
テディ「ッ!!!(ギリギリのとこで避けた)」
ナイフを思いっきり振り回しまくるノーマン
ノーマン「ずっと親友でいたかったけど……もう戻れないんだ!!!」
テディ「!!」
ノーマン「くらえッッ!!!」
テディ「ッ!?!」
脳天目掛け、テディの下顎にナイフをぶっ刺したノーマン
テディ「は!?」
ノーマン「頭貫通しろーーーー!!!」
テディ「させるか!!!」
ノーマンが片手で持ってるもう1つのナイフを奪った
ノーマン「クソっ!!」テディの腹を蹴って転ばせた
テディ「痛っ クソが(顎にぶっ刺さってるナイフを抜いた)」
テディ「形勢逆転だ!!!」
ナイフを2つ握りしめてノーマンに向かって走り出した
ノーマン「ッ!!止めてやる!!!」
ナイフで刺すーーーと見せかけて足をひっかけて転ばせた
ノーマン「うわっ!?!!」
どてーーーん
テディ「これで終わりだ!!!」
ノーマンの上に乗っかり顔にナイフを振りかざしたテディ
ノーマン「ッ!!!」
振りかざされたナイフを咄嗟に腕で受け止める。
テディ「!?!」
ノーマン「ううううう……!!!」
ナイフはノーマンの腕を貫通し、バチバチと火花の弾ける音がした。
テディ「!!(そうだ!)」
片方の手で持っているナイフをさらにノーマンに顔に振りかざした
ノーマン「ッ!?!」
首を動かしギリギリのとこで避けた
ノーマン「っぶな…!!!どけッ!!!」
さっき刺した下顎の傷口を抉った
テディ「ウワアアアアアア!?!」
テディを蹴り飛ばして起き上がるノーマン
急いでテディがさっき落としたナイフを手に取った
ノーマン「このままエリア内から追い出せば僕の勝ちだ…!!!!」
テディをエリアから押し出そうとするノーマン
テディ「くっ……させるか!!!」
ナイフを振り回した そしたらノーマンの腹にナイフが突き刺さる。
ノーマン「うっ……!!!」
振りかざされたナイフとともに数本のワイヤーが引き抜かれた。
ドサッ 倒れたおと
テディ「チャンスだ!!」
急いで3角のところへ移動しようとするテディ。しかしノーマンがその足を掴む
ノーマン「絶対に…行かせない!!!」
テディ「離せよ!!!」振り払おうとするテディ
ノーマン「いやだッ!!!」
足にナイフをぶっ刺す。
テディ「うわっ!!!」
足に刺さったナイフによってワイヤーが切断され、片足の動力を失ったテディがドサッと地面に倒れた。

2人ともボロボロになるまで戦い、当たりはちぎれたワイヤーやパーツ、そして体から溢れ出た赤いバッテリー液でまみれていた。
テディ「邪魔すんな!!!」手に持っていたナイフでノーマンの腕を何度も刺しまくる
グサグサグサ
ノーマン「うわああああああああ!!!」
そのまま、テディがノーマンの手を思いっきり左腕を引きちぎった。断線したワイヤーから火花が弾ける。
ノーマン「うっ…!!!」

片足を使い、なんとか3角の場所へ向かうテディ
ノーマン「っ……!!!」

テディ「よし、あと、あとすこしだ!!!」
3角まであと何歩かくらい 動かなくなった右足を引きずりながらあるくテディ
テディ「これで、45億が、手に入る____」
グサッ
テディ「……」
ノーマンに後ろから首を刺されたテディ
テディ「、………………」
ドサッ

ふらふらしているノーマン
ノーマン「終わっ…た、……………全て………終わっ、たんだよ…………」
ドサッ

アナウンス「003番 失格です。001番 優勝です。」
テディは倒れたときに イカの中から体が出てしまっていたので、失格になった。

 

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後日談

後日
オーナーに手紙が届いた。
オーナー「なになに……
この度はゲームのご参加誠にありがとうございました、今回のゲームの結果は以下の通りです。
優勝者 ノーマン / 45人中45人死亡 / 賞金46億円
優勝者であるノーマンさんはゲーム終了後に脱落してしまったので賞金は遺族の方に送らせて頂きます。またのご参加お待ちしております……と……」
オーナー「え!?!?嘘やん泣泣泣ガーーーーーン」

だるまさんがころんだの会場 掃除をしている三角と四角
三角「まさか優勝した直後死んでしまうなんて、可愛そうですね、今回の優勝者」
四角「そうだなぁ まぁ、本人は賞金とか気にしてなさそうだったしよかったんじゃないか?」
三角「まあ確かに、賞金が欲しいんじゃなくて賞金は渡さない!みたいな感じでしたしね」
四角「それに賞金も、頼んできたオーナーって人じゃなくて遺族の人に送られたみたいだしいい結果だったんじゃないかなぁ」
三角「ですねー」
フロントマン「おいお前ら、おしゃべりしてないでさっさと仕事をしなさい!」
三角四角「あ、はーい」
帰っていったフロントマン
四角「じゃ、仕事するか!」
三角「ですね!」




END




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スペシャルテンクスな出演

フロントマンさん
アナウンスさん
三角さん
四角さん
丸さん

制作期間
2日

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イカゲームパロ あとがき

前回→第5ゲーム

 

テディ 死亡
ノーマン 死亡

 

イカゲームパロ