枝狀棘叢蟲(イタリア語:Batofasciculus ramificans,バトファシキュラス・ラミフィカンス)とは、雲南省澄江、昆明、海口、金寧、安寧などの地域にある約5億2000万年前の下部カンブリア紀の中国の馬天山鉱床で発掘された。体は楕円形で、8~10本の樹木のような足で構成されているため、この名前が付けられた。左右の枝はともに内側に曲がり、下部は徐々に収束して下方に伸び、ハンドルのような構造をしている。各枝の外側にはとげのような構造があり、それぞれの大きさや形が似ていて、表面は滑らかである。
特徴
枝狀棘叢蟲は、雲南省澄江、昆明、海口、金寧、安寧などの地域にある約5億2000万年前のカンブリア紀の地層から発見された。細かい情報についてはわかっていない。
体は楕円形の形状をしている。また、体からは8~10本の樹木の枝のような足を持っている。
謎めいた絶滅生物で有櫛動物 [①]に属しているのではないかというが不明。
化石は、中国の馬天山鉱床で発掘されたといわれている。
いくつかの得られた標本をもとに観察すると大きさは約5cm [②]にも達しているという。各枝はそれぞれ独立しており、内側に曲がっており、株は徐々に収束して下方に伸びているという特徴を持つ。凸状の縁の各枝には短い棘が間隔を空けて配置されており、とても規則的な形状をしています。また、これらの枝は、とても固く頑丈なつくりをしている。
このような特徴から「枝狀棘叢蟲」と名付けられたという。また、名前の枝状は、手足が枝のように見えることが由来している。
発見された新しい資料(Ou et al., 2015)には頂端器官と口腔領域にstatolite(日本語訳:スタトライト) [③]と呼ばれる感覚器官が存在していることから枝狀棘叢蟲は、有櫛動物に関連付けられた。
statoliteはエネルギー分散型分光分析によって炭素質残留物として保存されていたことが明らかになった。これは、澄江で発見されたほかの有櫛動物(例えばGaleactena hemispherica(中国語:半球頭盔櫛水母))のstatoliteが炭素質として保存されていたことに一致する。
分類
枝狀棘叢蟲の分類は長い間謎に包まれていた。
動物の全構造は、対称(simmetria)であったという仮説が立てられている。腕の別々の基部は、この構造が枝狀棘叢蟲とは別のより大きな生物の体の一部ではないかという臆説や枝狀棘叢蟲自体が植民地時代の建物ではないかという臆説も飛び交った [④]。
硬直した有機構造の存在は、Graptolithina(筆石)や他のHemichordata(半索動物)やHydrozoa(ヒドロ虫綱)更に藻類との類似性も示唆されたが、枝に沿った開口部の明らかな欠如はHemichordata(半索動物)との関係性を排除した。
他の仮説では、枝狀棘叢蟲に有櫛動物の昔の奇妙な親戚が見られた。後者のグループに属することは、最近になって発見された(Ou et al., 2015)。然し、多くのものとは異なり、枝狀棘叢蟲は触手がなく、体は硬く8~10本枝のような線を持っていた。
枝狀棘叢蟲とその近縁種は、有櫛動物内の単系統群(Scleroctenophora)で認識されている。
また、以下の動物は枝狀棘叢蟲と同じくに有櫛動物分類されているものである。
- 有櫛動物(櫛板動物門:Ctenophora) [⑤]
- 枝狀棘叢蟲(Batofasciculus ramificans)
- 半球頭盔櫛水母(Galeactena hemispherica)
- 輻翼寶石櫛水母(Gemmactena actinala)
- 八瓣帽天囊水母(Maotianoascus octonarius)
- 劍形奇妙櫛水母(Thaumactena ensis)
- 刺三角蟲(Trigoides aclis)
- 海口雲南囊水母(Yunnanoascus haikouensis)
