WIXOSS -TWIN MEMORIES-

Last-modified: 2018-02-02 (金) 03:43:22

WIXOSS(ウィクロス) -TWIN(ツイン) MEMORIES(メモリーズ)-

 ホビージャパンから発売された2冊目のノベライズ作品。著者は前作『WIXOSS -TWIN WING-』に続き円まどか、表紙および本文イラストは村上ゆいち

概要

 進学を機にWIXOSSを離れていた玉置莉咲が同級生の珠洲明日香に誘われてペア戦のパートナーを結成するまでの経緯に、莉咲が毎晩のように見る夢としてウムルタウィルのエピソードが挿入される(このエピソードの世界観が公式サイトの第67回コラムで触れられているものと同一かどうかは不明)。

背景世界(はいけいせかい)

 本作では、これまで無色フレーバーテキストにおいて断片的に語られるのみであったTCGとしてのWIXOSSの「背景世界」の一端が初めて明らかにされている。

この終末は幕開け―ネタバレ注意

 この「背景世界」は文明が崩壊した後の世界で、人類は打ち捨てられた外界と隔絶された「ドーム」と呼ばれるシェルター内で暮らしている。ところが、TWIN MEMORIESのもう1人の主人公であるシャリファ(莉咲の夢ではシャリファの視点で「背景世界」を見ている)は父が犯した業務上の失態により家族全員がドームの外に追放され、シャリファだけ家族から引き離されて「研究所」と呼ばれる施設に隔離されることになった。

 この「研究所」では(セレクターならぬ)プレイヤーと呼ばれる少女たちが、ウィクロス因子とエナの集合体として誕生した「ルリグ」と呼ばれる精霊のような存在とパートナーを組んで日々ルリグ同士を闘わせ、その際に生み出される膨大なエネルギーが世界の維持に費やされているらしい。

 研究所で日夜行われているこのバトルはプレイヤーとルリグの双方の肉体と精神を著しく消耗させるため、限界に達したルリグは大量のエナを放出して消滅してしまい、ルリグを失ったプレイヤーは「用済み」として研究所の手で“処分”されてしまう。そんな中、ごく稀にプレイヤーが戦闘中に覚醒して「バースト状態」となり、ルリグを超進化させる現象が起きるとも言われている。

 ウムルタウィルは研究所内で同時に形成されたルリグだが、ウムルにはエナを放出して消滅する以前にルリグとして形を持っていた頃の記憶を保持していると言うタウィルを含む他のルリグには見られない特徴があった。シャリファはタウィル、そのルームメイトのアスマはウムルをそれぞれ割り当てられるが、やがて2人はウムルの手引きで研究所を破壊してプレイヤー達を解放する計画を立てる。そして、初めてとなる直接対決の場でウムルタウィルが融合してウトゥルスとなった衝撃により、研究所は閃光に包まれた。

 莉咲が見た夢はここまでだったが、その莉咲のたっての願いで明日香の手によりエピローグが書き足され、小説として刊行された。そのエピローグでは、ウムルタウィルは再び分離して元の姿に戻っている。シャリファとアスマは九死に一生を得て生き残ったプレイヤーや研究所に“処分”(施設外へ追放)された元プレイヤー達と荒野で新たな生活を始め、ドーム内に捕われているプレイヤー達の解放を目標にレジスタンスを結成した。

 《アンシエント・ウェーブ》フレーバーテキストでは何者かが「槍」(恐らく《原槍 エナジェ》)について知っていることにウムルが驚いているが、本作ではこの「槍」に関するエピソードは特に見られない。

 TCGではウムルタウィルの2体とも『selector』や『Lostorage』に登場する他のルリグとは一線を画した存在として扱われており、独自の「オリジナル(ツインメモリーズ)組」(稀に「WEB4コマ組」、もしくはレベルの数詞がスウェーデン語であることに由来する「北欧組」とも)を形成している。また、タウィルカード名に「リワト」を含む無色ルリグが存在し、それとは別にこの2種から任意のルリグタイプを選択する無色レベル0の《original WIXOSS》が登場している。

書誌情報

 2016年3月17日発売。2017年9月23日からはKindle、BOOK☆WALKER、楽天Koboなどの電子版も刊行されている。 ISBN 978-4-7986-1193-8

 書籍版のみ以下のプロモカードが付属。また、ウィクロスマガジンVol.4では本作の表紙画を使用したセパレータが付録になっている。

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