selector
WIXOSS TCGをベースにした深夜帯のTVアニメシリーズおよび、アニメから派生したメディアミックス作品群の第1シリーズ。
原作はタカラトミー、ワーナーブラザース・ホームエンターテインメント、J.C.STAFFの3社で構成される「LRIG」の名義となっている。
TCGの企画とアニメの企画は同時に並行で進められた。そのため「TCG原作の作品」でも「TCG化された原作」でもない。
公式ではアニメ第1シリーズおよび外伝・スピンオフの漫画作品を総称して『selector』と呼んでいたが、TCGと区別せずに「WIXOSS」と呼ばれることも多かった。後述の通り、新シリーズ『Lostorage』の開始や『selector』と『Lostorage』のどちらにも属さないノベライズ作品の登場により、現在では「広い意味でのWIXOSSシリーズの一部」と言える状態になっている。
全日帯で放送される他のホビーアニメとは異なり、作中ではルールはおろか基礎用語の説明すらほとんど行われない。これはアニメ雑誌やニュースサイトのスタッフインタビューによれば意図的な演出でそうなっているとのこと。
TCG公式サイトのコラムでは本放送の1週間後を目処に劇中の対戦をリプレイで解説している。劇中でちらりと映されるだけの盤面も、大まかな対戦の流れに基づいて演出されていることがわかる。
また、ホビーアニメでは物語を盛り上げるべく非現実的・超常的なストーリーが展開されるのが通例ではあるが、『selector』ではカードバトルに関わった少女達が戦いの中で傷つき、人生を狂わせていく様子を中心に描いている。登場人物が「WIXOSSなんてしなければよかった」等と言い出すなど、端から玩具の販促を放棄したような狂気的な設定が連続するが、これが斬新な「逆販促アニメ」として話題を呼び、TCGの初動売り上げに少なからず貢献した(と、思われる)。
2015年4月19日に市川市文化会館で開催された「selectorスペシャルイベント」で、劇場版の製作決定が発表された。2016年2月13日より全国35館で公開。
アニメとしての『selector』はこの映画で完結した形であり、2016年10月からはアニメ・TCGとも新シリーズ『Lostorage』へ移行している。
シリーズ作品一覧
ストーリーや設定、登場人物、放送局や時間等については関連リンクを参照のこと。
- selector infected WIXOSS(TVシリーズ1期、2014年4~6月放送)
- selector spread WIXOSS(TVシリーズ2期、2014年10~12月放送)
- selector destructed WIXOSS(劇場版アニメ、2016年2月13日公開)
selectorビジュアルコレクション
発行・学研パブリッシング。第1・2期の版権画やメガミマガジンのピンナップを収録している。
2015年5月1日発売。 ISBN 978-4-05-406262-7
- PR-156 《ラスト・セレクト》
アニメ関連のルリグ
TCG未登場で名前が判明しているルリグは以下の通りである。各ルリグの詳細はルリグ/TCG未登場を参照。
- フミオは『spread』ブルーレイ/DVD第1巻付属の「Analyze FILE」に掲載されている短編小説『selector -linkages- 彼女の妄執の名は片想い』(鴨志田一)に登場する。夢限少女となった文緒のなれの果てである。
ちなみにそのセレクターは『infected』第6話でウリスが言うところの「伊緒奈に敗れた後、初心者狩りを仕掛けた晶が不覚を取った相手」である。 - シロは後に小湊るう子が「タマ」と命名する。
- クロは初め、後のウリスに似た外見だった。複数のセレクターの元を転々としながらその都度(恐らくは入れ替わったセレクターの姿を基に)外見が変化し、浦添伊緒奈の元へ渡った際に「ルリグ」と命名された。後のイオナである。
(クロの「私はルリグ(名前はまだない)」という発言を、伊緒奈はそのまま「私はルリグ(という名前だ)」と解釈してしまい、クロも訂正しなかったのでややこしいことになってしまった)
この他、名前が判明していないものでは第1期『infected』第5・6話に晶とウリスの回想で登場している病気の少女が使用していた青のルリグ、第8話で遊月と対戦したセレクターが使用していた緑のルリグがある。
テレビコマーシャル
アニメの登場人物を起用したTCGのテレビコマーシャルがこれまでに2回作成されている。
- るう子のパック紹介編(2014年10月)
- セレクターとバトル編(2015年11月)
メディアミックス
アニメをベースにした以下のメディアミックスが展開されている。
なお、ホビージャパンから刊行されているWIXOSS関連のノベライズについては『selector』や『Lostorage』とは世界観が異なるため別掲する。
selector radio WIXOSS
音泉で配信されていたインターネットラジオ番組のシリーズ。パーソナリティは小湊るう子役の加隈亜衣とタマ役の久野美咲(第40回以降、第1~39回は「サポーター」として出演)。
- selector radio WIXOSS
2014年7月3日から2015年7月2日まで毎週木曜日に配信。全52回。
- selector radio WIXOSS -Booster Pack-
2015年7月16日から12月17日まで月1回いずれかの週の木曜日に配信。全7回(通算59回)。この時期はTCGの情報がメインとなり、ニコニコ動画で「WIXOSSガチンコジム」を別に配信していた。
- 劇場版selector radio WIXOSS
2016年1月14日から3月31日まで隔週木曜日に配信。全6回(通算65回)。この時期は映画の情報がメインだった。
放送終了後、4月16日に開催されたWIXOSS2周年記念大・お花見大会で「エクストラターン」と題して公開録音を実施。
漫画
4コマ等は省略。以下の3作はいずれも原作:LRIG、ストーリー原案:岡田麿里。
- selector infected WIXOSS -peeping analyze-
漫画:鈴木マナツ
集英社『ウルトラジャンプ』2014年8月号から2015年6月号まで連載。 - selector infected WIXOSS -Re/verse-
漫画:めきめき
スクウェア・エニックス『月刊ビッグガンガン』2014年Vol.10から2015年Vol.11まで連載。 - selector stirred WIXOSS
漫画:瀬菜モナコ
ホビージャパン『ウィクロスマガジン』Vol.1からVol.5まで連載。Vol.6に特別編掲載、単行本新規描き起こし1話。
この他「ラスボスいじり系スピンオフ」として以下の作品がある。
- selector infected WIXOSS まゆのおへや
原作:LRIG 漫画:nini
集英社『ウルトラジャンプ』2015年8月号から2016年9月号まで連載。
スマートフォン用ゲームアプリ
2015年3月31日から2016年4月25日までスマートフォン用のゲームアプリが提供されていた。スカイリンクとコムシードの共同開発。
TCGのselectorシリーズ
2014年4月から2016年9月までの間に発売された構築済みデッキのWXD-01~16、ブースターパックのWX01~14がselectorシリーズに該当する。
- selectorシリーズのテキスト記法を採用した最後のカードは《幻蟲 オオムラサキ》。
- 2017年6月発売のアンソルブドセレクターでは小湊るう子、紅林遊月、植村一衣のコインカードが登場した。
selectorシリーズのルリグタイプ
selectorシリーズで登場したルリグタイプは以下の3~6通りに小分類が行われる場合があり、それぞれ「○○組」または「○○勢」と呼ばれる。
- infected
タマ、花代、コード・ピルルク、緑子、ウリスの5体で、この5体から任意のルリグタイプを選択する無色・レベル0の《infected WIXOSS》が存在する。
3分または4分方式の場合は、コミックス組(特にリメンバ)もインフェクテッド組のサブカテゴリとして編入される場合がある。 - spread
ユヅキ、エルドラ、ミルルン、アン、イオナとフタセ(レベル1以上実装なし)の計6体で、青が半数を占めるのとイオナ/ユキが白と黒を兼ねている(多色ではない)のが特徴。後から追加されたフタセ以外の5体から任意のルリグタイプを選択する無色・レベル0の《spread WIXOSS》が存在する。
3分方式の場合は、ディストラクテッド組(特にハナレ)もスプレッド組のサブカテゴリとして編入される場合がある。 - stirred
漫画作品『selector stirred WIXOSS』から登場したサシェ、ララ・ルー(レベル0とキーカードのみ)、ソウイ(レベル1以上実装なし)、アイヤイ、ミュウの5体。この5体から任意のルリグタイプを選択する無色・レベル0の《stirred WIXOSS》が存在する。
レゾナが最初に付与されたグループのため、構築済みデッキが発売されているサシェ、アイヤイ、ミュウに限定した「レゾナ組」と言う別名もある。コミックス組を始めとする他のグループに統合・編入されることは基本的に無いが、2017年のチームバトルではオリジナル(ツインメモリーズ)組、アルフォウ、ハナレとの連合体で第3グループ(others)を形成していた。
WX-03 スプレッドセレクターから登場したウムルとWX-06 フォーチュンセレクターから登場したタウィルはselectorシリーズの各グループのいずれでもなく「オリジナル(ツインメモリーズ)組」に分類されるが、ウムルの構築済みデッキ・ブラックウィルは発売時期からselectorシリーズに含まれる場合がある(タウィルの構築済みデッキは未発売)。