戦闘/王立砲科士官学校/第1章

Last-modified: 2011-07-23 (土) 11:26:14

砲兵に慣れ親しもう

まず手始めに、ETWで使用可能な砲兵ユニットの歴史や特徴などを覚えることで
砲兵ユニットに慣れ親しんで頂こうかと思います。

固定砲(Fixed Artillery)

通常、固定砲は時代遅れの兵器なので、あなたは固定砲にほとんど戦果を期待しないでしょう。
しかし、「戦いは生き物である」という言があるように常に戦場での戦況は移り行くので、戦況によっては大いに戦果を期待できるかもしれません。

セーカー砲(Sakers)

Sackers.jpg

セーカー砲は、16世紀前半に開発され、カルバリン砲よりわずかに小さく当時としては中サイズの大砲でした。
清教徒革命の時に要塞化された町への攻守に渡り、よく用いられました。
名誉革命の折にも、ボイン川の戦いで、ウィリアム3世とジェームズ2世の軍で使われました。
1500年前半にはヘンリー8世が英国海軍を拡大しフランスと衝突し、その際に大量のセーカー砲が製造されました。
一方地中海では、ベニスの商船が海賊から身を守るためにセーカー砲を船に備えました。
スペイン無敵艦隊でもセーカー砲に類似した大砲が用いられました。

新世界では、入植者は陸戦で使用するために船からセーカー砲を取り外して使っていました。
また、フランス・スペイン・インディアンから居留地を防衛するために、入植者達は砦にセーカー砲を備え付け運用しました。

デミキャノン砲(Demi-Cannons)

Demicannons.jpg

デミキャノンはカルバリン砲とよく似ていますが、カルバリン砲よりわずかに大きい中サイズの大砲でした。
17世紀の英蘭戦争の際には、イギリスの軍艦は側砲下段にデミキャノンを装備していました。

64ポンド巨砲(64-lb Great Gun)

64greatgun.jpg

残念なことにこの大砲のについての詳しい情報は、一部の東部地域で運用されたという事実と、長距離・大火力だということ以外わかりません。
(ウルバン砲相当の設定か?)
この砲の優れている点は、他の大砲で実体弾(Round shot)を撃った時の射程距離に、榴散弾(shrapnel shot)を撃つことが可能なことです。
一方、リロードに非常に時間がかかり、製造が困難で高額です。また、輸送することも困難です。
また、戦場でこの砲を見る頻度は極稀でしょう。なぜならば、この砲はマラータ王国とオスマン帝国しか使用できないからです。

オルガン砲(Organ gun)

Organ.jpg

オルガン砲はSpecial Force Editionでオスマン帝国に追加される強力な大砲で六発の弾丸を同時に発射します。
多砲身砲とは、Canisterが発明以前の大砲で放射状に砲筒を配置しあたかもCanisterのような効果が期待できる代物でした。
この大砲はオスマンに限定されたものではなく、他の西洋諸国もこの様な形態の砲を採用していました。
ただ、初期にCanisterを開発できるEmpireでは、少々時代遅れであることも否めません。
この大砲の利点は、通常の大砲にくらべ、六倍の弾丸を撃ち込むことができることです。
また、至近距離でもCanisterと似たような効果を期待できます。
ただ、精度は低く、より性能の良いSharpnelやCanisterの開発後は不要の長物と化すでしょう。

Summary

キャンペーン初期の要塞戦以外では、敢えて固定砲を使用する必要はないでしょう。
例外として、榴散弾(shrapnel shot)の射程が長い64ポンド砲は、人によってはこれを推す声もあります。
デミキャノンとセーカーの射程は他の可動砲と射程が変わらず、移動も出来ない為、戦場で敵が運用しても対処はそう難しくはないでしょう。
加えてこのSaker砲は、実体弾(Round shot)のみ、Demi-CannonsはRoundShotと散弾以外発射することができません。
敢えて野戦での固定砲の運用方法を述べれば、まず大前提として戦場に小高い丘がある場合に限られ、歩兵をその丘を背にするように布陣し防衛線を作り、その丘の上に固定砲を配置し砲撃を行うしか運用方法はないように思えます。

他にも、本隊の左右に配備したり、あえて丘の下に陣取り、上に弾丸を打ち上げるという方法もあります。
前者は敵の士気へのダメージを期待しての行為で、命中せずとも敵を不安にさせ、本隊が交戦するときに敵を敗走しやすくします。
また、Demi-Canonの場合、Canisterで接近した敵の戦列をずたずたにする事も期待できます。
後者は砲弾の低軌道化を助け、場合によっては戦列の縦列をいっきに破ることが可能です。

また、敵の将軍隊や騎兵を中心的に狙うことで敵の打撃兵力を奪うのも固定大砲の重要な役割です。歩兵の隊列に比べ、背が高く、的の大きい騎兵は砲兵には格好の目標です。積極的に狙って行きましょう。

野戦においては、固定砲を使う位なら代わりに戦列歩兵か騎兵隊を使ったほうがいいでしょう。
ただし、民兵や軽騎兵等しかない場合、砲兵を使うのも悪くはありません。
また、オートで戦闘を解決する場合、砲兵は大きな効力を発揮します。

牽引砲/可動砲(Foot Artillery)

18世紀において、大砲はマスケット銃よりも威力(殺傷力や破壊力)の大きな火器と認識されていました。
遠距離から敵陣形に砲弾を浴びせ、近距離では散弾を発射し迫りくる敵縦隊を排除することができます。
牽引砲は名前の通り、これらの砲兵は大砲と一緒に移動しました。そして、砲架に前車をつなぎ馬によって引かれました。
それゆえに、彼らは歩兵の行進速度と同等か、それ以下で行進しました。

footartillery.jpg

通常、あなたは12ポンドまたは24ポンド牽引砲を指揮することが多くなるでしょう。
口径と火力がこの2つの砲の唯一の違いで、両方の砲は、同じ方法で配備・運用されます。
これらの砲は実体弾(Round shot)に加え葡萄弾(grape shot)や榴散弾(shrapnel)を発射できる為、全射程において効果的に運用できます。

牽引砲は騎兵や歩兵の突撃に弱いので十分に保護されなければなりませんが、保護する為に自軍の歩兵の後ろに
配置するのが良いというわけではありません。
これらは直射砲*1の為、歩兵の戦列の後ろではなく、同じ戦列に配備しなければなりません。
この様に配備することにより敵に対して完全にその破壊的な火力を利用することができます。


次の章で大砲配備と最適な運用を説明しますので話を戻します。

騎馬砲兵(Horse Artillery)

180px-Horse_artillery_rear.jpg

騎馬砲兵は機動性が高く、素早く砲撃できる砲兵です。そのため、17世紀からヨーロッパやアメリカでは特に騎兵への火力支援の為に運用されました。
直射砲か曲射砲を軽くて丈夫な弾薬車と呼ばれる牽引車に取り付け、砲兵は牽引する馬や弾薬車に乗って移動しました。
通常あなたは3ポンド砲か6ポンド砲を牽引する騎馬砲兵を指揮するでしょう。(フランスは18ポンド砲を牽引する騎馬砲兵があります。)

horseartillery.jpg

これらは機動性と運用方法に関してはおなじですが、口径が大きくなるにつれ火力はあがり発射間隔に違いが少しあります。
多くの人が騎馬砲兵を口径が小さいので豆鉄砲などと呼んで、運用方法をよく考えもせずに過小評価しています。
この原因は、騎馬砲兵と戦術機動の概念に対して知識不足だからです。
でも安心してください。次章にてこの事については、しっかりと説明します。

榴弾砲(Howitzer)

howitzer.jpg

榴弾砲は比較的短い砲身と、弾丸が放物線軌道を描いて飛翔し目標を攻撃するのが特徴です。
18世紀にヨーロッパの軍隊においてキャノン砲*2と迫撃砲*3の中間に位置する砲とされていました。
最初の近代的榴弾砲は十七世紀末、スウェーデンによって発明され、これらは短い車輪半径により区別されました。
これは、この砲が他の大砲に比べ使える火薬の量が少なくなった事を意味しました。
小さな量の火薬でより大きな射程をえるために科学者たちは低く伸びる弾丸を、山形に飛ぶように改造しました。
この大砲は元々攻城用の兵器であり、爆発物を詰めた弾丸を城壁の内部へ飛ばすのに使用されました。
固定された迫撃砲に比べ榴弾砲は自由度が高かったとは言え、榴弾砲に必要な技術は迫撃砲のそれを上回りました。

榴弾砲には二種類あり、Earlyの時代*4に使われる12-Ibetと、Lateの時代に使われる24-lberがありました。
その二つの一番大きな違いは弾丸の種類で、Lateの時代のもののほうがより大きな打撃を与えられるようになっています。
榴弾砲は大砲にくらべ、威力の高い砲弾を発射でき、丘などの障害物を突破できるという利点があるが、その分命中率が低く、射程も短いという欠点があります。

榴弾砲はその性質上、歩兵の後ろに配備することが可能です。
それは榴弾砲の特性上、山形に砲弾が飛ぶためで、戦列の後ろに配備しても「OH MY GOD!俺の戦列が味方の散弾で吹き飛んだぜ!どうしてくれる!」となることはありません。
しかし、榴弾砲が大砲にくらべ優れているかと言うとそれもまた誤りであり、両者一長一短があり、状況により使い分ける事を必要とされます。

迫撃砲(Motar)

motar.jpg

迫撃砲の歴史は長く、大昔から攻城兵器として使われていました。とはいえ、初期の迫撃砲は重く、運ぶ事はほとんどできませんでした。
輸送可能な迫撃砲は1673年、Van Coehoorn男爵によって発明されました。
迫撃砲も榴弾砲と同じく山形の射撃を専門としており、地面に設置される事により他の

初期のパッチでは猛威を揮った迫撃砲ですが、現在、迫撃砲はバランスの取れた兵器となっています。
その絶大な威力を誇る射程の砲撃は未だ脅威的ですが、命中率が低下した事やリロード時間が長くなった事により旧時代ほどの支持はありません。
しかし、未だに迫撃砲は有効な兵器であり使い方次第では驚異的な威力を発揮します。

ロケット砲 (Rocket Artillery)

rocket.jpg

ロケットを兵器として使い始めた最初の国家は中世中国であり、「火矢」などと呼ばれました。
それがモンゴルの手によって西方に渡り、オスマン帝国が西洋に対して使用しました。
この技術自体は西洋に十七世紀から認知されていましたが、西洋が実際に使用したのは十八世紀に入ってからでした。
インドのスルタンが鉄製ロケットを発明して、イギリス軍に対し使用した事がイギリス軍がロケットを自身で使用する直接のきっかけになりました。

ロケット砲は派手な火を噴きさらに長大な射程を持ち、あたかも強力無比な兵器にみえます。
しかし、その低い命中率と、設置式ということ、派手さにごまかされた低い威力は彼らを使用する前に一考させるに十分と言えます。
この兵器は命中率が低く、敵に命中させるのに多大な熟練度を必要としますが、正しく使用されれば敵を砕き散らす事ができます

パックル銃(Puckle Gun)

puckle.jpg

それは…1718年…James Puckleと言う男が居た…(1667-1724)
奴は現れてこう言ったのさ…
「Defence Gun…最高にCOOLなSINGLEBARRELGUN…こいつが実現すりゃFlintLockだろうとRevolveで連射できるんだぜ…」
みんなあいつの事をCrazyな野郎だと思ったのさ…銃を連射するなんて考えた奴があいつの他にどこにいる…
だがな、あいつは正しかった…多少重たくなったとは言え、三脚に乗せたCylinderに十一発のBulletを持ってやって来た…一分間に11発…
ColdstreamGuardだって一分間にせいぜい三発が限度だって言うのにな…
…俺たちはそいつの名前を取ってその銃をPucklegunって呼ぶ事にしたのさ…そこにFearがあったのも隠せない…
…たとえばだ、あいつは二種類の弾丸を持ってきやがった…Christian用とそうでないの用だ…
Christian用はただの丸い弾…そしてそうでないの用は…考えるのもおぞましい痛みをもとよすSquareBullet…
…SquareBulletを食らった敵は痛みのあまり改教するって寸法さ…そんなことすらあの野郎は考えてたってんだ…

「ブガン!バゴン!ドカン!バキューン!朝の硝煙の匂いは最高だな!」(Platoonより。ってここだけは訳忠実デスヨ…)
これは技術の結晶であり、近代兵器の王冠にひときわ輝くダイヤです。
これは、一言で言うならば巨大なリヴォルヴァー拳銃のようなもので、対人兵器としての能力を重視するあまり、ほぼ全くと言っていいほどの攻城能力を持ち合わせていません。そして対人兵器としても、性能は低いです。
ですが、正しい運用さえされれば、Pluckgunは強力な兵器となって敵歩兵を虐殺してくれるでしょう!

結論(Conclusion)

これらの大砲が貴方が指揮する事になる物でしょう。これらの兵器の説明において長所と短所および初歩的なアドバイスを与えました。
すでに貴方はバランスの取れた編成をする事ができるようになっているでしょう。
さて、次の章では我々は戦場での大砲の配置の仕方について学ぶ事になるでしょう。


*1 直射砲とは直接相手を狙う直接射撃で攻撃する砲のこと。対して、曲射砲は弾丸が放物線軌道を描いて飛翔し目標が直接見えない状態で攻撃する砲
*2 低い弾道(ほぼ水平)で遠距離射撃が可能で、小さい弾丸を用いるので高初速で低伸する
*3 非常に高角度で弾丸を発射し、弾道が放物線軌道を描く
*4 シングルプレイやマルチプレイで選べる時期のことでEarlyとLateがありこの設定でユニットの能力や種類がことなる