Developer Journal Defensive Bonuses and Monster Damage
Last-modified: 2012-10-31 (水) 14:46:09
- 我々はパッチ1.0.5において、防御スキルとモンスターからの被ダメの関係について着目している。各クラスのいくつかの防御スキルを変更する予定であり、それにはウィザードのEnergy ArmorとバーバリアンのWar Cry - Impunityへの直接的な弱体化も含まれている。しかしながら、Infernoにおける被ダメも減らすため、プレイヤは実際には得をすることとなる。つまり、変更プランは下記のようになる。
- 所定の防御スキルの効果を低減する。
- それらのスキルによるダメージ低減効果の減少量以上に、モンスターからのダメージを低減する。
- この両方の変更を同時に行うことで、プレイヤーが実際に受けるダメージは以前より減少する。
なぜこうした変更を行うのか
- なぜこうした変更を行うのか、理由は単純だ。モンスターから高い被ダメと、非常に強力な防御スキルの存在が組み合わさって、現状では特定のスキルとルーンが必須になってしまっているためだ。我々が目指しているのは、防御スキルの弱体化と被ダメの低減を同時に行うことにより、これらの防御スキルを使い続けるプレイヤは総合的な被ダメが低減され、"必須"スキルの使用をやめることにしたプレイヤも現状よりずっと死ににくくなることだ。総合的に、こうした変更はプレイヤにとって大きな強化となる。では、特定の防御スキルがどれほど"必須"となっているのか?
- Diablo III の開発において、防御スキルはプレイヤが確実に使いたくなってくれるように、強力に設計された。ある意味、これが成功し過ぎてしまったのだといえる。多くのプレイヤはそうした防御スキルを使うことを強いられていると感じているし、そのことは異なるビルドを試すことの妨げとなっている。
- こうしたことは防御スキルをそれほど持たないクラスにとっても問題となる。あるクラスに強力な防御スキルがある場合、そのクラスはMortar, Arcane Enchanted, Plagued といった能力をたいしたことないように感じる一方、そうした防御スキルを持たないクラスは非常にきついと感じることとなる。プレイヤが死に難さを重視したキャラビルドを出来るといったことには賛成だが、それにもバランスは必要だ。
どれだけなら十分か
- さて、こうした変更によるゴールは、防御スキルの弱体化とモンスターからのダメ低減により総合的にプレイヤを強化することだと説明した。では、それを実現するための計算を実際にしてみようじゃないか。冒頭で述べたようにEnergy Armorは変更による影響を一番受けるスキルのひとつだ。具体的には、Energy Armorによるアーマー増加量は65%から35%へと低減され、Prismatic Armorによるレジスト増加量は40%から25%へ低減される。
- これらのスキルはアーマー値とレジスト値が高いほどその効果も高くなる。なので、それぞれが非常に高い場合を仮定しよう。例えば、ウィザードがPrismatic Armor発動前にアーマー6000 、レジスト800であり、敵は63レベルであるとしよう。
- 1.0.4では、Prismatic Armorによりアーマー9900 (75.86%ダメ低減)、レジスト1120 (78.05%ダメ低減)となり、トータルで94.70%のダメージ低減となる。
- 1.0.5では、Prismatic Armorにより、アーマー8100 (72.00%ダメ低減)、レジスト1000 (76.05%ダメ低減)となり、トータルで93.29%のダメージ低減となる
- もしモンスターが 50,000 ダメージを与えた場合、ウィザードが受けるダメージは2650 から 3355 へと増加する。
- これは、1.0.5にて現状(1.0.4)と同じ体感とするには、被ダメージを79%以下(2650 /3355)にする必要があることを意味している。
- このため、1.0.5がすべてのウィザードにとっての強化となるには、少なくとも21%はモンスターからのダメージを低減する必要がある。Prismatic Armor は依然として生存率を高めるのに重要なブーストスキルであるが、もはや必須とは感じられるようなことはなく、他のより攻撃的な選択肢(例えばStorm Armor、これは1.0.5で強化される)も使われるようになる。
- もうひとつの例としてバーバリアンで計算してみよう。War Cry - Impunity はレジスト増加量が50%から20%へ低減される。
- War Cry発動前のレジスト800のバーバリアンがレベル63の敵と戦うとして、1.0.4ではImpunityにてレジスト1200 (79.21%ダメ低減)となる。
- 1.0.5では、Impunityにてレジスト960 (75.29%ダメ低減)となる。
- もしモンスターが 20,000 ダメージを与えた場合、バーバリアンが受けるダメージは 4158 から 4942 へと増加する。
- これは、1.0.5にて現状と同じ体感とするには、被ダメージを84%以下(4158/4942)にする必要があることを意味している。
- 折よく、我々はInfernoにおけるすべてのダメージを少なくとも25%低減するつもりでいる。タフになりたいプレイヤは、引き続き防御スキルを使うことでそのための相当なボーナスを得ることが出来る。そして、他のスキルを使ってみたいプレイヤは生存率を大幅に犠牲にすることなく、スキルを使うことが出来るようになる。現在、ダメージ低減スキルをそれほど使用していないビルド(例えば、DHのSmoke Screenビルド、WDのGargantuanタンクビルド)も、モンスターダメージの低減により生存率が大分上がることになる。
クラスごとの変更点
- ここでは、1.0.5での防御スキルの変更内容の概要説明を行う。
Barbarian
- War Cry - Impunity: レジストボーナスは50%から20%へ低減される。
- Leap - Iron Impact: このスキルは設計変更中である。具体的には4秒間300%アーマー増加から、ヒットしたターゲット毎に3秒間100%アーマー増加の方へと変更しようとしている。そうすると、攻撃がヒットしない場合はアーマー増加は発生しないし、もし5体にヒットすれば500%のアーマー増加を得られることとなる。この変更を行うのは、Iron Impactで実現させたいことが、敵の只中に飛び込み且つ非常にタフでいられるバーバリンであるからだ。しかし現状では単なる移動できるIgnore Painとして使われてしまっている。ほとんどの場合でIgnore Painよりも良い効果を発揮するため、Ignore Painの魅力を損なうばかりか、Leap Attackの他のルーンの魅力までも損なうことになっている。1.0.5では、防御強化タイムが欲しい場合はIgnore Painを、敵の只中に飛び込みたい場合は、Iron Impactを使うことになる。
Demon Hunter
- デーモンハンターの場合、二極化している。もしあなたが、glass cannon(紙装甲な砲台)なSmoke Screenビルドをプレイしているなら、ほとんどの時間は無敵状態であるが、一度のミスで即死する。もしあなたが、旧Natalya's setとともにShadow Power - Gloomを使用しているのなら、ほぼ常に65%ダメージ低減状態でいられるが、旧Natalya's setを持たない場合はShadow Power - Gloomはコストが高すぎるスキルとなる。
- 今回の防御スキル全般の弱体化とは関係なく、我々は以前よりShadow Powerを効果時間を延ばすことで強化する予定であった。Shadow Powerのもともとの目的は、受けたダメージからいくらかライフの埋め合わせをできる時間帯を与えることである。しかし残念ながら、3秒という時間は使うには非常に不便であった。そこで、我々はShadow Powerの3秒間20%ライフ吸収を5秒間15%ライフ吸収に変更する。この少しばかりの強化により、このスキルがもっと使いやすいものになることと思う。すべてのルーンについても似たような変更が予定されており、例えばBlood Moonは3秒間30%ライフ吸収から5秒間25%ライフ吸収に変更される。各ルーンの効果は少し小さくなるが、3秒から5秒への変更はトータルではスキルの強化になっていると考えている。
- Gloomに関しては、今回の防御スキルの総合的な弱体化を考慮し、5秒間35%のダメージ低減となる。
- この開発日誌は、防御スキルの変更に関する基本的な部分にフォーカスするものだが、Gloomに関する変更は重大であるため、この際に我々がデーモンハンターに新しいプレイスタイルを導入するような具体的な仕組みを探しているのだ、ということを伝えておきたい。多くのプレイヤがGloom以外にデーモンハンターは防御オプションを持ち合わせていないと言及している。さらに重要なことは、デーモンハンターにもいくつかの異なるプレイスタイルがあるべきだ、ということであり、それに我々は同意する。我々は1.0.5でデーモンハンターに新たな道を開くようないくつかの変更を行う。その例を以下に示す。
- いくつかのルーンとパッシブスキルについて、ライフやアーマー、レジストを向上させることで生存力を上げる調整を行っている。
- ペットのSpider, Boar, Wolfについて、彼らがGargantuanやZombie Dogのようなタンク役をしてくれる本当のペットになるように変更する。
- Sentryについては短いクールダウン時間を設けるが、代わりに2つ同時に設置出来るようにする。さらにCustom Engineeringにより3つ目のSentryを設置することもできるようになる。これにより、敵を誘い入れる"罠の巣"を作り上げるような新しいプレイスタイルが出来上がるのではないかと考えている。
Monk
- モンクの最大の防御スキルはOne With Everythingである。以前からそのことには気付いているし、そのうち修正するつもりではいるがそれには時間が必要だ。そもOne With Everythingへの変更は、現行のモンクの装備に対する影響が大きすぎる。よって、将来的に変更する予定であることには変わりないが、なんとか今までの装備への投資を無駄にしないような形で実現したいと考えている。
- Resolve: ダメージ低減効果は25%から20%へ低減される。
- Seize the Initiative: アーマーがDexterityの50%分増加する、に変更される。これにより、ほとんどのモンクはSeizeによるアーマー上昇が750~1250(Dexに依存する)となってしまうが、これは他のクラスのダメージ低減弱体化と同等の効果である。ResolveとSeize the Initiativeの効果低減の意味するところは、もしあなたが引き続き"超タンクなモンク"でいたいのなら、これら3スキル全てを使用すれば良いし、そうでない場合でも、最初に出くわしたエリートパックにフルボッコにされることを恐れることなく他のパッシブスキルを選択できる、ということである。
Witch Doctor
Wizard
- Energy Armor: アーマー増加量は65%から35%へ低減される。
- Energy Armor - Prismatic Armor: レジスト増加量は40%から25%へ低減される。
- 特記すべき点として、我々は代替の防御オプションを追加するつもりでいる。例えば、IceArmorに近接ダメージ低減を追加したり、Familiar系に自動ライフ回復を付与するなど。
なんでInfernoを弱体化するのさ
- まあ、振り返ってみよう。防御スキルは弱体化されるが、モンスターからのダメージもまた低減される。まとめると、この変更はInfernoがより容易となることを意味する。このことに対する反応には3つグループがあると思う。
- この変更を好ましいと思う人たち:難しさよりも効率の点で、簡単になったInfernoを歓迎する。
- それ以外のひとたち:懐疑的に感じているが、少なくともいくつかの防御スキルを外したり新しいビルドを発見したりできる可能性があることに興味を持った。
- 最後に、Infernoは既に簡単すぎると感じている人たち。装備が良すぎてWar Cry - Impunityを何週間も前に外してたり、既に防御スキルを何も使っていないかもしれない。この最後のグループのひとたちにとっては、「またInfernoを弱体化だって?俺はもっと挑戦しがいのあるものを切望しているのに!」
- 最後のグループに該当するひとへ、1.0.5では"Monster Power"システムが導入される。詳細は1.0.5リリースがもっと近づいてから説明するが、簡単に言えば Diablo II における”players X”である。あなたは挑戦レベルを上げて、報酬も増加させることが出来るようになる。我々の望みは、Infernoを簡単にしつつも同時にトッププレイヤにそのパワーを具体的に推し量るための新しい方法を提供することである。
- ここではコメントを受け付けないが、代わりにこのフォーラムスレッド へ行ってあなたがどう考えるかを教えて欲しい。
- Wyatt Cheng :Diablo III上席技術ゲームデザイナー。彼はNetrunnerがLiving Card Gameとして再リリースされることに興奮してうるさく、皆の神経に触れつつある。
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