【すてる】

Last-modified: 2024-03-30 (土) 07:50:44

概要

【どうぐ】のサブコマンドのひとつ。
文字通り、持っている【アイテム】を捨てることができる。
 
不要なアイテムを処分したいだけなら店に行って売り払えば済むので、わざわざ「単にアイテムを消滅させるだけ」のこのコマンドを選ぶ意味はほぼない。
人によってはゲーム開始から【エンディング】まで一度も使用せずに終わるだろう。
では存在意義のないコマンドかというとそうでもなく、「売るまでもない不要なアイテムを処分してふくろの中身を整理し、目的のアイテムを見つけやすくする」という使い道はあり、ダンジョン内でも使用できる点で店での売却とは差別化されている。使う人も機会も少ないとはいえ、なくなれば困る人も確実にいることから今後もこのコマンドが消える可能性は低いだろう。
 
【だいじなもの】「重要アイテム」等に分類される、ストーリーの進行上必要なアイテムなどはこのコマンドで手放すことはできない。
これらを捨てようとすると、どこからともなく【それを すてるなんて とんでもない!】という天の声が聞こえてくる。
 
【ふくろ】が無いDQ5以前では、アイテムを取得した際に【パーティ】の持ち物が全員いっぱいで持ちきれないと「なにか すてますか?」と聞かれ、その場で捨てるか諦めるかの選択を迫られる。
対象作品はDQ1、DQ2、DQ3(FC版)、DQ4(FC版全編とPS版の四章以前)、DQ5(SFC版)。「すてる」コマンドが無いDQ1(FC版等)では、【道具】を捨てるという行為はこの状況でのみ可能である。
ここで「いいえ」を選ぶと「〇〇をあきらめた。」となる。FC版等のDQ1やDQ2ではその場合、アイテムを入手することなく【宝箱】は消失し、あらためて入手するためには一度外に出る必要がある。面倒なので道具欄の空きは事前に確認した上で宝箱を開けるように注意したい。
DQ3以降やリメイク作品では持ち物を整理した後、もう一度同じ場所を調べればそのアイテムを入手できる。

DQ1(リメイク版)

サブコマンドとして追加され、いつでもアイテムを捨てられるようになった。
リメイク版DQ1では装備品がどうぐ枠で管理されるようになった分、FC版よりも持ち物枠が圧迫されやすくなっており、場合によってはこのコマンドが役立つかもしれない。

DQ2

本作で初登場。
道具の種類が大幅に増えた上、装備品も一括して道具として扱われるようになったため、道具を持ちきれないという状況がたびたび発生する様になり、このコマンドが追加されることになった。
預かり所もふくろもない本作では、このコマンドはそこそこ重要な役割を担う。
捨てられるアイテムは基本的に売却可能だが、【ルーラ】の行き先を指定できない本作では、不要なアイテムをその場で捨てる判断が必要な場合もあるのだ。
【デルコンダル】の教会の近くにいる男性が、このコマンドについて以下のようなセリフを話す。

*「あまり ものを もちすぎず
  いらなくなったものは
  すてましょう。

所持アイテムのコマ数に余裕のない本作にあって、的確なアドバイスには変わりないが、金銭に換えることのできる「売却」について一切言及せず、こちら側に利益のない「捨てること」だけを勧めてくるのもいささか不親切なきらいもある。
オリジナル版では買取を行っていない武器屋しかない場所柄というのもあるのかも知れないが…。
 
なお、リメイク版では預かり所と併せてフォローされたうえで、

*「あまり ものを 持ちすぎず
  いらなくなったものは 売るか
  あずけるか すてる!

*「これが 旅の ひけつですよ。

というセリフになっている。
 
アイテムを選択して「すてる」を選ぶと、指定したアイテムを躊躇なくそこで破棄する。
捨てると「◯◯◯◯は □□□□□□□を なげすてた。」と表示され、そのアイテムは完全に消滅する。
捨てたからといってすぐにその場を調べても、同じ道具を再び拾ったりすることはできない(これは以降の作品でも同じ)。
 
本作では、鍵(【すいもんのカギ】は除く)や【ロトのしるし】であっても、捨てることが可能。
これらのアイテムは元あった場所に取りに行けば基本的に再取得できるようになっている。
交換で手に入る重要アイテムの場合は交換先を手放すことで、交換元が再取得できるようになっている。
よって、捨てることで詰むことはない。
ただ、再び取りに行くのは大変な物が多いし、高価な店売り品を誤って捨ててしまった時の絶望感は半端ない。
のちの作品と違い、おいそれとこまめにセーブできない本作ではリセットも簡単ではない。
 
イベントで必須となる【ラーのかがみ】【ふねのざいほう】、すいもんのカギ、【じゃしんのぞう】【ルビスのまもり】だけは捨てることができない。
そのようなものは基本的にイベントが済めば無くなるものも多く、最終的に手元に残るのは後二者だけである。
これはアイテム欄の圧迫を防ぐと同時に、行き詰まった際に駄目元で試すことができるアイテムを限定することにもなり、ノーヒントで難解で知られる【ハーゴンの神殿】の2F入口発見の難易度をやや下げていた。

リメイク版

捨てられない重要アイテムが増加した代わりに、1人当たりが持てる道具の枠が増加した他、各地に預かり所が設定された。
 
一方で、そのような自由度が増えたことで、行き詰まった際に駄目元で試せる選択肢も大幅に増えてしまった。
【じゃしんのぞう】を預けられるようになったことで結果的にノーヒントのままのハーゴンの神殿2F入口発見の難易度が格段に難しくなってしまったという負の一面もある。

DQ3

前作同様、このコマンドを選ぶとそのアイテムをその瞬間そこで破棄する。
 
捨てられない重要アイテムについては、【預かり所】に預けたり、【ルイーダの酒場】で管を巻いている連中に持たせておくことで一時的に手放すことができる。
 
本作では重要アイテムの多くが捨てることができなくなったが、それでもバグ等で重要アイテムを万一無くした場合に備えてか、必ずではないものの、前作と同じように元あった場所に取りに行けば再取得できる救済措置が残されている。交換することで無くなる重要アイテムについても、交換先のアイテムを無くした場合に交換前のアイテムが取得できる点も同様である(【へんげのつえ】に対する【ふなのりのほね】など)。これは【バシルーラ】を利用した【アイテム増殖・保持技】に応用されている。
 
また滅多に無いだろうが、今作では所持金上限を超えるような売却は拒否されるようになっているため、預かり所も持ち物も一杯なら「すてる」に頼ることになる。

リメイク版

【ふくろ】の導入により、ほぼこのコマンドを使う必要がなくなった。
店に売る際や【商人】に鑑定させた際に「二度と手に入らないかも」と警告されるアイテムは、捨てようとする際にも同様の警告が表示されるようになった。
しかしこの警告は正直当てにできない。
詳細は【みる】を参照のこと。

DQ4~DQ8

DQ4以降、捨てようとする際に「すててもいいですか?」と警告が表示されるようになった。
FC版のDQ3までは確認のダイアログが表示されず、道具の整理中に誤って捨ててしまうこともあったため、このコマンドに少なからずトラウマを抱いているプレイヤーもいるだろう。
また、DQ4では戦闘中に味方が【混乱】状態になると、持っている武具を捨てることも。
なお一部のレアな消費アイテムは店で買い取ってくれないものがあるが、前作までのような重要アイテム扱いではなく、捨てられるようになった。
DQ6以降の作品ではふくろが登場し、上述の通り、基本的に道具を「捨てる」必要も意味もなくなり、ほぼ死にコマンドとなった。
 
一番このコマンドが有効利用されるのは、DQ4の【第三章】だろうか。
【モンスター】のドロップ率が特殊なものに変更されている第三章では、放っておくとあっという間に【トルネコ】の持ち物が一杯になってしまう。
どのアイテムを持ち帰り、どれを捨てるのかを迫られる場面は必然的に多くなるだろう。
これはPS版でも同じだが、DS版以降のリメイク作では第三章でもふくろが使えるようになり、「すてる」は死にコマンドとなっている。

DQ8(スマホ版)

スマホ版DQ8では本サブコマンドは存在しない。
つまりアイテムを手放す手段は店で売るのみ。
もっともふくろがあるので、捨てられないと困るなんていう状況は起こらないのだが。

DQ9

アイテムの管理システムが変更され、「すてる」コマンドは「どうぐ」の「つかうもの」および【そうび】コマンドで扱う装備品に対して表示される。
「だいじなもの」に対してはそもそも「すてる」コマンドを実行できなくなった。
ただし「それを すてるなんて とんでもない!」は残されており、竜戦士装備や【アギロホイッスル】、各種【秘伝書】に対して表示される。
また、【宝の地図】を捨てた場合は「○○○は △△△の地図LvXXを まるめて なげすてた!」と表示される。

DQ10オフライン

数量を指定して捨てることができる。
本作では発売当時、【ふくびき】で景品アイテムの所持数が上限-10を超えていると10連ふくびきができなかったため、そういったときに該当アイテムをゴッソリ手放すのに便利であった。
特に【メタルな香水】は捨てることはできるが売れないので、大量に溜まったコレを一度に手放すには「すてる」しか手段が無い。
超大型拡張DLCの発売に合わせたアップデートからは上記の状況下でも確認付きでふくびきができるようになったが、一回一回確認が出て煩わしいことに変わりはないので、効率を重視するならやはり「すてる」が役立つ。
 
また、【だいじなもの】に対してもこのコマンドが出るが、案の定捨てられないので意味は無い。
【さかな】に対しては「にがす」というコマンドになる。
 
【スキルアップパネル】などに対して使うと「それを すてるなんて もったいない!」というメッセージが出る。

モンスターズシリーズ

DQM2のGB版では、重要アイテムを捨てようとすると、「○○○○をすてますか?」というメッセージが出てはい、いいえの選択肢も出てくるが、はいを選ぶと「○○○○はすてることができません」と出て捨てられない。
武器のみ「すてる」コマンドはないが装備品の所持数が限界のときに新たな装備品を入手すると捨てることができる。
ただし、所持数限界のときに装備品を買う事はできない。買える場所なら売ることができるので問題はないが。

ビルダーズ1

手持ちのアイテムをその場から放り投げるようになっており、アイテムはその場に残るので、捨てたアイテムであっても再入手可能。
海に向かって捨てようとしても見えない壁に引っ掛かるので安心。
その関係上、ストーリー進行に必要なアイテムであっても捨てることが可能で、「それをすてるなんてとんでもない!」といわれることはない。