【ファントムレイザー】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 03:27:11

概要

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する【キルバーン】の得意技。
見えない刃を空中に配置して敵を取り囲み、迂闊に動けば切り刻まれ、動かずにいればキルバーンにいたぶられるという嫌な二択を迫る罠。
スペルは【phantom razor】で、和訳するなら「幻影の剃刀」といった意味になる。
DQMJ3Pのダイ大とのコラボでゲームにも逆輸入された。

ジョーカー3プロ

【キルバーン(スキル)】のみ覚えられる体技。
MPを全て消費(最低150必要)して先制で身構え、使用ターン中は自分への通常攻撃を含む物理攻撃を無効化し、攻撃してきた相手を耐性無視で即死させる。性質としてはアバンがキルバーンに仕掛けたものに近い。
消費MPや反射ではなく即死させる点を除いて物理よそくとほぼ同じ挙動となり、例えばマヒや休みなどで行動不能となるとその時点で構えが解除され発動しなくなる点などはあちらと同じである。
 
端的に言えば、MPを全消費する超強力な物理カウンターである。
AI戦では、HPや守備力を極限まで下げたモンスターに前作の即死攻撃+物理予測の代わりにこの特技を使わせ、敵の通常攻撃を誘導して即死させるという戦法が流行した。
なお、AIはこの特技を使いたがるので、使いたくない場合は設定でオフにしておこう。
余談だが、【大魔王マデュラージャ】および【魔界神マデュラーシャ】にも超低確率だが効いてしまう。
しかし、これを使って即死するのを待っても焦れったいので4枠での【雷雲招来】などでとっとと倒してしまおう。

ダイの大冒険

物語終盤、【アバン】との対決時に使用している。
奇しくも直前の初対峙でキルバーンから喉元にを突き付けられたアバンは「ひげなら来る時に手入れしておいたから結構」という旨の挑発を返しており、愛用の得物を髭剃り扱いしたアバンを「剃刀」の名を持つ奥の手で始末しようとするキルバーン、という構図になっている。
 
透明の刃はキルバーンが仮面と共にかぶる扇形の帽子に仕込まれていて、放射状に配置された白い模様の部分から抜け出るように出現する。
数は13本で、使い魔の【ピロロ】がいれば補充可能。刃が抜かれた部分は帽子の模様が黒く変色する。
 
この刃は取り出すと同時に完全な透明となり、空中に自在に浮かべて設置可能。
切れ味のほうもアバンの剣を容易く両断するほど鋭いのだが、相手を罠に嵌めていたぶる事が至上と言って憚らないキルバーンだけに、直接突き刺したり斬りつけるような正直な使い方はしない。
獲物を取り囲むように手動で一本ずつ、あるいは一気に放出して透明な13本の刃を浮かべ、「刃の檻」と称して相手の動きを縛るのがファントムレイザーの真骨頂であり、一度刃に包囲されれば、狙われた者ははむやみに動き回るだけで傷つき消耗してしまう。
不可視の刃が首筋や心臓にでも当たればそのままあの世行きもありうるほどに危険だが、かといって大人しくしていてもキルバーンの思うがままで嬲り殺しにされるという凶悪な技。
「見えない鋭利な刃」という、まともな直接攻撃でも充分に強そうな武器を敢えて相手をいたぶる為だけに使い、動けなくなった所に悠々と止めを刺す。
自身の実力を「普通に修行すればまともな勝負でも無敵になれた」と言ってなお「罠にはまって狼狽している相手を見るのは最高」という嗜好こそを最優先にするキルバーンらしい利用法だ。
アバンもキルバーンの刺突をかわすたびにレイザーの刃に触れて斬られ、意識が朦朧とするほどの出血を起こし、【メガンテ】による刺し違えを選択させる程に追い込まれた。
 
なお、設置した者にだけ見える仕掛けなのか、見えないが配置した位置を記憶しているだけなのかは不明だが、キルバーン自身は透明の刃の位置を把握できる。しかし、アバンの体に刺さったまま現実世界に戻った、最初の13本のうちの1本は、2度目にレイザーを仕掛けた時のキルバーンにも認識出来なくなっていた。
これは、アバンの説明にもあるように「何らかの理由で"14本目"が存在した場合はキルバーン自身にもその位置が把握できない」という特性のためらしく、それを利用された事で、逆に彼自身が首を刎ね飛ばされるという結果を招いている。
その時の様子からして、彼自身も「14本目の特性」には気づいていなかった可能性がある。
一歩間違えれば自らにも危険が及ぶ、文字通りの両刃の剣だったのである。
 
入念に仕込んだ不測の罠で相手を狼狽させじわじわといたぶって殺すのを好むキルバーンに対し、アバンは逆に偶然手に入った相手の道具だけでの即興で罠を作り上げ、罠を仕掛けたと宣言までして、狙い通りに急所への一撃必殺で勝負を決め、しかもキルバーンが【ジャッジ】のイカサマまでして押し付けてきた決闘ルール「敗者は首をはねられる」という結末まで作り出して見せた。
アバンの恐るべき頭脳派ぶりを味わえるワンシーンと言えるだろう。
  
ちなみにこの技、単行本32巻のコラムで本編登場前に紹介されてしまうという珍事に見舞われている。
そのため、単行本メインでストーリーを追っていた読者の中には「見たことの無い技がいきなり紹介されている」と思ったり、半分ネタバレだと思った人もいるとか。

関連項目

【うけながし】
【うけながしのかまえ】
【天地のかまえ】
【水流のかまえ】
【背水のかまえ】(DQ11)
【つっこみ】
【やいばのぼうぎょ】
【斬撃よそく】