【もろはのつるぎ】

Last-modified: 2023-11-23 (木) 16:07:57

概要

一方では大層役に立つが、他方では大害を与える危険を伴うもののたとえ(広辞苑より)。DQシリーズではとして登場し、その言葉のとおりに使用者にもダメージを与える武器となっている。
 
もろはとは「諸刃」または「両刃」と書き、両側に刃が付いている剣のこと。
振り上げると自分にも傷を付けてしまう可能性がある事から転じて、メリットと同時に大きなデメリットをもたらす物の例えに使われる。
ちなみに「もろはのつるぎ」「もろはのやいば」はどちらも市民権を得ている言葉だが、「もろはのかたな」とは普通言われない(実物として存在しないわけではない)。
日本の「かたな」=中世からの日本刀は基本的に片刀であるからだろう。
 
DQ3から登場し、その後DQ6以外の作品に登場している。作品によっては、「もろばのつるぎ」と表記していることも(読み方が違うだけで意味は変わらない)。
共通しているのはどの作品においてもかなり強力な攻撃力を有している事と、呪われており、敵に与えたダメージの一部が自らに跳ね返ってくる事である。
また、店売りされていることはなく、拾うかドロップを狙うことで入手できる。
これの特技版とも言える存在が【もろばぎり】である。
またトルネコシリーズでは、この武器を元にした効果をもつ【もろはの杖】が登場している。
 
なお、パッケージや攻略本等のイラストあるいはCG等において、ほぼすべての剣が両刃であり、一方で片刃の剣は【のこぎりがたな】のような特殊なものを除けば、探す方が難しい。
従って、単純に両刃の剣という意味でならほぼ全ての剣に当てはまってしまう都合上、明確に区別するため、「もろはのつるぎ」のイラスト・CGにおけるデザインは、やたら危険そうなデザインにこだわった。具体的には以下を参照。

デザインA(初期型)

FC版3・4、及びSFC版5で採用されていたデザインで、デビュー当時のもろはのつるぎ。
一本の金属の軸から十字方向に何本もの鋭い刃が生えている……という、柄の部分を除くとおよそ剣には見えない謎の物体。
その形状を例えて言うなら「逆さまにしたクリスマスツリー」が近いか。
構造的に「斬る」「突き刺す」という用途は物理的に不可能で、武器として使うとしたらノコギリのように「引き裂く」形になると思われる。

デザインB(中期型)

リメイク版3~5、及び7で使われたデザイン。
曲がりくねった刃が組み合わさったような形をしており、どことなく「4分休符」に似ている。
相変わらず特異な形状ではあるが、デザインAに比べれば遥かに「剣」と呼べるようになった。
ちなみに柄の両側に刃のあるデザインであり(ゲルググのビームナギナタやダースモールのライトセーバーの形状)、
飛び出た刃の一部が握った指や手首に刺さりそうな位置にあるので、呪いに関係なく装備者が怪我しそうである。
リメイク版の【トルネコ】曰く「とても美しい剣」らしいが、その割に同デザインである7におけるかっこよさは低め。
それぞれの世界での美しさの基準が異なるのだろうか?

デザインC(後期型)

8で新たに採用されたデザインで、【もろはのつるぎ・改】も同様。
金属の軸から刃が生えているという点はデザインAを踏襲しているが、その生え方が水平方向のみに、並びも規則正しく揃っており、こちらも「剣」らしく見えるようになっている。
ただ刃が3分割されてついているという独特な形で、3つあるうちの2つは刀身というより戦斧のように見える。また柄や鍔にあたる部分が無いので「刀身を分割した斬馬刀っぽいもの」と言えば伝わるだろうか。色合いも相まっておつまみのスルメイカに見えなくもない。
攻略本ではそんなにカッコよく見えないのに、何故か主人公に装備させるとやたらと似合う不思議。

デザインD(番外)

DQ3の【ファミコン神拳 奥義大全書】に掲載された【土居孝幸】の描いたもの。
名前の通りの両刃の直刀に、鍔と柄尻に牙のような装飾が為されている。
禍々しいオーラを纏った如何にも呪いの剣といった風情だが、見た目はこの中で最も「普通の剣」である。
というか他の「もろはのつるぎ」が現実世界に有り得ない剣(のようなもの)ばかりなので、並べると逆に浮いて見えてしまうくらい普通。

DQ3

【勇者】【戦士】が装備可能。攻撃力はFC版が100で、リメイク版では115。売値はいずれも3750G。
【ゾーマの城】の宝箱から手に入るほか、FC版とガラケー版以降では【フロストギズモ】【ごくらくちょう】、SFC・GBC版では裏ダンジョンの【デーモンソード】のみがドロップする。
FC版等では、運が良ければ船入手直後、下手をしたら船入手前に手に入ることも理論上あり得なくはない。
装備すると直接攻撃で与えたダメージの1/4が跳ね返ってくる。
戦士の武器としてはトップクラスの攻撃力だが、【呪い】によるデメリットも大きい。
 
FC版において最終局面において戦士が装備する武器の候補でもある。
諸刃の剣の他には、同様に呪われており時々動けなくなる【はかいのつるぎ】、デメリットは無いがFC版ではドロップでしか手に入らない【らいじんのけん】、呪われてはいないがミスが増える【まじんのオノ】と、どれもこれも癖の強い物ばかり。
癖のないものを挙げると一品ものの【いなずまのけん】となり、攻撃力も少々見劣りする。
どれを選んでも一長一短であるため、プレイヤーの選択の余地があるとも言える。
また、なんと全作品中FC版DQ3のみ、戦闘中に武器を装備し直すことによって呪いの影響を受けずに何事もなく呪い武器を外すことができる。
これにより呪い装備のうち武器には、外せないというデメリットは実質的にない。
ボス戦だけなら戦士のHPの高さを活かしてこの武器でごり押しするのも悪い戦法ではない。
因みに【バラモスの城】突入時では攻撃力最高の武器なので、運良く入手できて且つ使いこなせればあるいは頼りになるかもしれない。その場合は魔神の斧を装備できない勇者に装備させたい。尤も同様に運良く【ボストロール】から雷神の剣が手に入れば不要だが。
上の世界で本当の意味での最強剣である雷神の剣は、とんでもなく入手率が低すぎて実質的に「あってなき存在」と言ってもいいぐらいなので、それに代わる最強剣であるとともに唯一の三桁攻撃力というのもあって呪われていながらも輝かしい存在であった。
ゾーマの城で手に入れた直後の【けんじゃのいし】入手以降は、比較的デメリットも気にならなくなるので一層使いやすくなる。
 
リメイク版は攻撃力が上がったものの、【バスタードソード】【グリンガムのムチ】があるため、わざわざ入手方法が変わってレア度が上昇したこの武器を使う必要はほぼない。
 
【ファミコン神拳 奥義大全書】では「もろのつるぎ」と読み仮名がふられていた。
次作では、この名前で表記されることは知る由もなかっただろう。

DQ4

攻撃力は何故か前作より1だけダウンして99。
【勇者】【ライアン】が装備可能。
強力だが自身にも被害が及ぶ呪われた武器というコンセプトの似る【みなごろしのけん】も今作から共演しているが、装備可能者や効果が異なるので混同に注意。
【エンドール】城下町の宝箱で手に入る。ただし【まほうのかぎ】が必要となるので、入手できるのは5章に入ってからだいぶ経ってからである。
【扉増殖技】を使えば魔法の鍵がなくても手に入れることができるが、非常に面倒くさい。
その他、【ベルザブル】【グレートライドン】が稀に落とす。
売値は2475G。
 
FC版に限り、敵にトドメを刺した場合はダメージが跳ね返ってこないため、
使用する場合は力と素早さ(行動順)の関係で敵にトドメを刺し易いライアンに装備させるといいだろう。
まあ、そんな無理をするくらいならば普通にどちらもノーリスクで、特効付きで攻撃力90の【ドラゴンキラー】や真逆の追加効果(奇しくもこの剣と同様、トドメを刺した場合効果が出ない)で攻撃力100の【きせきのつるぎ】を装備するのが賢明ではある。
とは言うもののドラゴンキラーは15,000Gと非常に値が張るので金銭的事情から買えないなんてこともあり得る。
奇跡の剣は【クリフト】【トルネコ】も装備できることから、彼等に回したいところ。また【ちいさなメダル】が6枚必要なことから、魔法の鍵を入手した時期に複数本手に入れるのは難しい。
その点この剣は上記の剣と同等クラスの攻撃力があり一応タダで手に入るので、ドラゴンキラーや【はぐれメタルよろい】購入等のための資金節約用に使えない事もないが、本作では【シャナク】がない為、いつか呪いを解く時に必ず金を費やさなければならないので「まんまタダ」ではないことに注意したい。
 
上記の通り裏技を使えば早期入手も可能。
この場合は船を入手した時点から破格の攻撃力を得られるので、一転して大活躍してくれる。
反動ダメージをいちいち回復する手間を差し引いても大きなリターンとなるだろう。
一応その時期にはドラゴンキラーも買えるが、先述されたように節約用と考えれば充分に使える。
ただし船入手から魔法の鍵の入手まではでそれほど長くもない。
その間に攻略を要するダンジョンは【パデキアの洞窟】【コーミズ西の洞窟】くらいである。
苦労してバグ技を使う価値があるかどうかは、人それぞれであろう。
 
余談だが、この作品と次作のDQ5では、表記が何故か「もろのつるぎ」になっている。
【ファミコン奥義大全書】では読みが「もろのつるぎ」になっていた。
同書は「もろ」という呼称だった前作では上記の通り「もろ」になっているし逆でしょうが・・・
また【公式ガイドブック】でも「もろ」と誤記されている。

リメイク版

裏技による早期入手ができなくなり、本来の「後半に入手する、強いが使いにくい剣」のポジションに戻った。
 
仕様変更により敵にトドメを刺した場合でもダメージが確実に跳ね返ってくるため、FC版に比べて使い勝手が悪くなっている点については注意が必要。
ちなみにこちらと真逆のHP回復効果を持つ奇跡の剣も同様の仕様変更がなされており、FC版でトドメを刺した場合はHPが回復しないが、リメイク版ではトドメを刺した場合でも確実にHPが回復するようになっている。
因みに奇跡の剣は攻撃力100(前作の諸刃の剣と同じ)なのに、リスクのあるこの剣は1だけとはいえ低い。
数字上・プレイ上双方の評価を落としたと言わざるを得ないが、もっとも本作には【ゾンビメイル】というリスクがありながら本当に何の役にも立たない武具もあるので、それに比べれば一時的にせよ活躍のチャンスがあるだけ遥かにマシである。
 
PS版公式ガイドブックによれば「魔族の戦士が使っていた」らしいのだが、魔族の王【ピサロ】は何故か装備不可能。
また「人間には使い方が難しく、自分の身を斬り付ける」ともあり、それはもはや「呪い」ではないような気もするが、
装備したら解呪するまで外せないという呪い装備特有のデメリットはもちろん健在。

DQ5

攻撃力99で、【ピピン】【男の子】【スライムナイト】【アンクルホーン】等のグループ、
【パペットマン】【ゴーレム】等のグループ、【キラーマシン】【ヘルバトラー】等のグループ、【おばけキャンドル】が装備可能。
【エビルマウンテン】の宝箱で手に入る一点物。
売値は1650G。
 
DQ5の仕様により装備の付け外しが自由に行えるようになったが、入手時期が遅すぎて使い道が全くない。
せめて同時期の店売り品より強ければ……。

リメイク版

【暗黒のすごろく場】の売店で買える。買値は3300G。
SFC版よりほんの少し早く入手可能になったが、だから何だというレベル。
攻撃力からすると価格は非常に安いので、もっと早く買えればハイリスク・ハイリターンな攻撃手段として利用価値もあっただろうが……。

DQ7

DQ6で欠席したが今作で再登場。
攻撃力117・かっこよさ13で、【主人公】【アイラ】(データ上は【キーファ】も)が装備可能。
【呪いのつるぎ】【シードラゴンズ】が稀に落とすだけのレアアイテムとなり存在感が薄い。
売値は2500G。
 
一応【せいけんづき】【まわしげり】といった格闘系特技では反射ダメージが発生しないので、これを装備して戦えないこともない……のだが、主人公には【水竜の剣】・アイラには【王者のつるぎ】といった、より攻撃力が高くて呪われてない武器がタダで入手できてしまう。
しかももろはのつるぎを落とすモンスターが出現するのはそれらの入手よりも後。
そのため、縛りプレイでもない限り使うメリットは全くない。

リメイク版

基本的な立ち位置はPS版と変わらないが、すれちがい石版によって早期に入手することが可能に。
手に入れたいなら【エビルタートル】などを起点にシードラゴンズの出る石版を入手するのが現実的か。
それなりに高い攻撃力と特技を使うことでデメリットを無視できる点により、早い段階で入手できればそれなりに活躍できる。

DQ8

デザインがまた変わって、大仰で派手なものになっている。
攻撃力76で、【主人公】【短剣スキル】を30以上上げた【ゼシカ】、3DS版では59以上上げた【ゲルダ】が装備可能。主人公は特性により呪われないが、反射ダメージは受ける。
【メダル王女の城】の宝物庫で手に入る一点物。売値は2500G。
 
このままでは使いにくい上にもっと強い剣もあるが、なんと今作では呪いを解くことが可能。
【聖者の灰】2つと錬金する事でこれまで自身が受けていたダメージ反射を、敵へのさらなる追加ダメージへと変化させる【もろはのつるぎ・改】へと生まれ変わる。(逆にそれを【あくまのしっぽ】と錬金すると、元のもろはのつるぎに戻る)
 
最強の剣・【竜神王のつるぎ】 (攻撃力137) に比較して攻撃力は追加ダメージ込みでも大幅に劣るが、竜神王グッズで身を固めた主人公が背中に装着した際の格好よさは他の武器を圧するものがあり、もろはのつるぎ・改を含めて不要にも関わらず終盤まで常備する人も多い。