【ヘルジャスティス】

Last-modified: 2022-12-09 (金) 16:12:03

概要

トルネコ3の【ラスボス】であり、かつて世界を暗黒の霧で包み「魔王」にささげようとした悪魔。
鎧が壊れた後の姿は【タイムマスター】に少し似ているが色違いではなく、穴が上下に並んだ仮面らしき物をつけてたり、襟に2つで左右対称の金色の飾りがある。
【オルゴ・デミーラ】【ラプソーン】と同様、フィールド全土に影響を与えているラスボスである。
 
なお、ここで言う「魔王」と言うのが一体どの時代の何者を指すのかは謎。
時代を考えると【エスターク】【ピサロ】【邪悪な箱】か、当時活動し始めたばかりの【ミルドラース】だろうか?

トルネコ3

最初は黒幕らしき存在がいない平和なストーリーの本作だが、【トルネコ】編の終盤で【占いババの家】の先のフィールドを進んでみると、そこには沼地と邪悪な霧で包まれた祠があるので、なんとなく今回もラスボスがいる事がわかるようになっている。
そして【ポポロ】が目覚めた後のポポロ編にて、その存在が明かされる。
なんと今までポポロがずっと眠ったままだったのは、彼に魔物使いの力を抑え込まれていたからだったのだ。
その後、ポポロは邪悪な霧で汚染されBGMも不気味になった【グレートバレイナ島】に辿り着き、トルネコと共にその原因がこいつであると【占いババ】から教えられる。
が、直後にモンスター達が占いババの元に襲撃し、襲い来るモンスターはポポロが食い止めることになる。そしてトルネコは再びプレイヤーキャラとして冒険に出るのであった。
 
また【不思議の宝物庫】【まぼろしの洞くつ】【ジャスティス兄】という彼の兄がいるが、なんとシステム上いくらでも出てくる。このヘルジャスティスは大兄弟の末っ子なのだろうか?

1戦目

【邪悪な風穴】の終盤は決戦が近づくのを知らせるようにBGMが不穏さを放ち始める。
死闘を繰り広げ、ついに【暗黒の間】に辿り着いたトルネコの前に鎧を装着した姿を表す。
戦闘前と戦闘後にトルネコvsヘルジャスティス専用のメッセージがある。
戦闘前メッセージ

……わたしの めいそうを
ジャマする者は 誰だ……。
あの うっとおしい 大地の神も
わたしのことを 完全には
封印できなかった……。
このうえ 虫ケラのような人間に
なにが できると言うのだ?
おそれを知らぬ おろかな人間よ。
わたしの姿を よく見るがいい……!
われこそは この地の 真の救世主
ヘルジャスティス。
そなたが のぞむならば
わが闇の世界へ 送ってやろう。
そして この大地もすべて
わたしのものになるのだ。
人間どもの絶望とは なんとも
心地よいものだな。
さあ 来るがよい……。

 
「うっとうしい」ではなく「うっとしい」なのはミスなのだろうか?そして前置きが長い。
 
HP300、攻撃力60、防御力53、経験値0。
これまでの相手とは比べものにならないほど高い攻撃力と防御力を持ち、HPはエンディング後も含め、主人公とドーピングしたモンスターを除けば最高値。
ラスボスにしては珍しく魔法の類は使用しないが、【2ダメージ化能力】で自身は全ての魔法を無効化し、炎系なので爆風も効かない。
更に武器を思い切り投げつけることで防御力無視の50固定ダメージを叩き込んでくる。
また、【ドラゴン】を4体も連れている。
【浮遊系】なので【ウィンドスピアー】が有効なほか、【炎系】でもあるため【ドラゴンキラー】も効果がある。
後者はこの時点では【へんげの壺】を使わなければ手に入らないが。
 
まともにやると5体がかりで袋叩きにされてしまうので、【身代わりの杖】をドラゴンに使うなどして、動きを封じてしまうといい。
その身代わりに【鉄化のたね】を投げつければ、安全に戦える時間をより確実に稼ぐことが出来る。
仲間割れを起こしている間に【すばやさのたね】【パワーアップの巻物】を用いて、ガチンコに持ち込めるように自身を強化しておこう。
どちらも【コスタリベラ】で購入可能のため、数を揃えるのも容易。
 
強化が済んだらまずドラゴンを始末する。パワーアップ状態なら2,3発で倒せるだろう。
ヘルジャスティスだけになったらひたすら殴るなり、すばやさのたねを活かして攻撃→後退のヒットアンドアウェイで闘うなりすれば勝てるはず。
HPは最低でも固定ダメージに耐えられる51以上をキープしておくこと。
【聖域の巻物】があれば、ドラゴンさえ片づけるだけで勝利は確定。
 
なお、回復の壺や世界樹の葉といったポポロも扱えるアイテムは必要以上に持ち込まず、【倉庫】に預けてしまおう。
トルネコがこれらをごっそり持ったままヘルジャスティスを倒してしまうと、再びポポロ編に変わる際、ポポロで集め直す羽目になってしまうからだ。
 
ドラゴンを4体連れているが3体金縛り状態にし、すばやさの種等を使って残った1体をヘルジャスティスの後ろの位置にくるようにすれば、ヘルジャスティスがドラゴンの炎に巻き込まれる形の出来上がり。
HP300なので、20ダメージの炎が15発当たればこちらがひたすら【バレイナのほら穴】で集めた【回復の壺】を押し続けるだけで勝ててしまう。
ラスボスが一介のドラゴンの炎に焼き尽くされる姿は物凄く残念。
数の暴力でこちらを制すつもりが、逆に仇となった形そのものである。
 
倒すと再びメッセージが流れる。
戦闘後メッセージ

ぐっ ぐぬう……
わたしの ヨロイが……!
お おのれ!
無能な 人間ごときが
思い上がりおって……!
わたしは この世の正義を 語る者。
あのヨロイは お前のような反逆者への
怒りを 静めるためのものだった……。
うむ…… 感じるぞ。
久しく おさえていた 心地よい怒り。
わたしの身体に チカラがみなぎる……!
もはや そなたに 生きる道はない……
そのまま 石となり 永遠の闇を
さまようがいい!!
(トルネコが石化)
フフフ…… なかなか よい
コレクションが できたわ。
ぐわっはっはっはっは……!

 
怒りを「静める」だが、心を落ち着かせるという意味ならばこちらで正しいが、乱れを正すという意味ならば「鎮める」が正しい。
チカラがみなぎる……!と言っておきながら、ポポロ戦でステータスが下がるのは甚だ謎である。
どちらにしてもメッセージが長いので、シナリオを楽しみたいプレイヤー以外は、自慢げに語るメッセージを華麗にスルーしていることだろう。

その後

ついに倒した……と思ったが鎧が壊れただけで、彼を倒すことはできなかった。
怒りに燃えるヘルジャスティスは、トルネコを魔法で【石化】する。
夢で父の危機を察知したポポロはかつてのトルネコのように旅立つのであった。
 
ようやくたどり着いた控えの間。
そこには、石化したトルネコが飾られていた。

2戦目

暗黒の間2Fに到着すると、父を救う為に最後の戦いに挑むポポロの前に、鎧を無くした彼が現れる。
今回も同じく戦闘前と戦闘後にポポロvsヘルジャスティスの専用のメッセージがある。
 
戦闘前メッセージ

…… おろかな 人間よ
なぜ 身のほどを 知らぬのか……。
ふたたび わたしの前に その
みにくい姿を あらわすとは……。
われこそは 真の正義を 語る者
ヘルジャスティス。
そなたは…… ほほう そうか。
わたしの ヨロイをうばった者の
血を引く 息子だな。
よろしい。 そなたも
父と共に 飾ってやろう……。

 
「われこそは 真の正義を 語る者
ヘルジャスティス。」
相変わらず同じセリフを言うところを見ると、トルネコに敗北を喫したくせに全く成長していない……
ポポロのことをトルネコの息子と認識しているようだが、どこでどうやって知ったのかは不明。
 
HP235、攻撃力50、防御力37、経験値0。
今回はドラゴンを連れておらず、鎧が壊れ負傷した影響で能力値も前回よりは弱ってるが、相変わらずHPは敵としては最高クラスで、攻撃力・防御力も依然ドラゴン以上と、クリア前の敵の中ではトップクラスではある。
攻撃力・防御力はLvをある程度上げた【普通・早熟】【攻撃・早熟】系モンスターと互角程度であり、それら複数なら渡り合えるが、それをカバーするように前回使わなかった仲間を【洗脳】する邪悪な霧を浴びせてくる。
これを仲間モンスターが食らってしまうと、混乱や踊りだなんて生易しいものではなく一時的ながらも本当に敵と化し、隣接していればポポロや他の仲間を攻撃してくる他、特殊能力も使ってくるようになってしまう。
この戦闘においては、間違っても【おおめだま】などを連れて行かないようにしよう。
邪悪な霧は魔法扱いであり、2ダメージ化能力、【魔法無効】【潜ってかわす能力】の各能力があれば効かない為、それらの能力を持つモンスターを連れていくと有利に戦えるだろう。
ただしクリア前に仲間にできるモンスターは限られており、有利に戦えるとはいえ、元々の能力値が低く成長タイプも不遇な【グレイトマーマン】、一切移動できない【マドハンド】系は、他に洗脳された味方からの攻撃で瞬殺されるだけであり、ほぼ無力である。
相当鍛えた【ぐんたいガニ】や、下位種と違い、余計な能力を持たない【ようがんまじん】なら十分活躍するはずだ。
ひょうがまじんは一応洗脳された味方を氷漬けにできるのだが……
ぐんたいガニに関してはストーリー上訪れる必要がない【密林島のほら穴】にしか出現しないが、活躍ぶりは期待できるので是非とも仲間にしたい。
 
【万能の杖】もあれば便利。
ちなみに邪悪な霧は操作キャラクターには使ってこない。
1戦目で有効であった身代わりの杖も相変わらず有効。仲間の一人を身代わり+鉄化状態にすれば、それだけでこいつをリンチにできる。
ポポロの仲間モンスターらは普通に攻撃するのに対し、コイツは身代わり状態の偽ポポロへの攻撃を優先するあまり殴られながら変な動きをし始めてしまう。数の不利がモロに出た形。
迂回しようとした結果袋叩きになるこいつの動きは非常にシュール。機会があったら自分の目で確かめよう。
 
ただでさえこちらはHP以外互角以上のステータスを持つ仲間を最大10体まで連れていけるため、どうにか自分は仲間と距離を取って、鍛えた仲間たちをヘルジャスティスになだれ込ませれば圧勝できる。
1戦目は取り巻き含めそれなりの強敵だったコイツだが、この2戦目は正直なところ、邪悪な霧含めても根本的にこちらの物量に対して手数もステータスも全く足りておらず、正攻法で挑んでもまず負けない相手。
 
やっぱり聖域の巻物にはめっぽう弱く、トルネコの時と違いドラゴンもいないため、初っ端から聖域を敷いて上から通常攻撃を叩き込むだけで勝ててしまう。
 
戦闘後メッセージ

ぐっ ぐおおおお~!
ばかな…… わたしが ほろびるなど……
ぐぬう…… しかし おろかな人間よ
わたしが ほろびても そなたの父にかけた
呪文は とけぬぞ……
わたしに さからったことを
死ぬまで 後悔するがいい……
ぐわっはっはっは…… ぐわぁ~っ!!

 
とても自身の死を直前にして語る内容ではない。最期までトルネコの石化を嘲笑う姿はやはり根っからの悪だろう。
むしろ、ここまでトルネコ親子にコテンパンにされ、呆気なく散っていくラスボスが、いまだに敗北の疑念を抱いていたならばその名が廃っていただろう。
……まぁそれを言わなかっただけマシである。やはりその辺りは魔王の臣下というだけある。

エンディングまで

トルネコが鎧を破壊していた事もあり、ポポロはようやくヘルジャスティスを倒す。
しかしヘルジャスティスから語られたのは敗北への疑問や後悔ではなく「自分を倒してもトルネコは元に戻らない」というセリフで、【ゾーマ】のように笑いながら死んでいった。
だがロサとイネスが大地の神様の力で現れトルネコを元に戻す最後の使命を果たす。
そして元に戻ったトルネコはポポロと再会し、ネネや皆の元へ帰還するのであった。

簡単攻略法

ボスであるこいつは【ザオラルの巻物】で復活できないので、壺に詰め込んで割るなどして床に大量のザオラルの巻物をばら撒けばほぼ勝ちが決まる。
PS2版のポポロ編では、仲間の【メイジキメラ】を洗脳してもらう→【マホトーン】をくらう→【とじこめの壺】を投げる、でも瞬殺可。
これらの攻略法は公式ガイドブックにも書かれている。

聖域の巻物

もっと言うと、彼はとことん聖域の巻物に弱い。
前述の通り、トルネコはドラゴンさえなんとかしたら、そしてポポロはもはやこれ一枚だけで完封出来てしまう。
せっかく前作の【邪悪な箱】は「攻撃されると遠距離攻撃持ちのモンスターをばら撒く」という手段で聖域の巻物の弱点を突いていたというのに……。
 
……しかもこのラスボス、【聖域の巻物】の上に乗ると他のモンスターと同じく即死する。
そのため、【保存の壺】に聖域の巻物だけを入れてこいつに投げ当てるか、そのまま投げた聖域の巻物が外れれば1ターンキルが可能。
 
このドラゴンは実は1匹も相手にする必要はなく、斜め移動を2回(右上→左上or左上→右上)すれば、ドラゴンの攻撃範囲に入ることなくヘルジャスティスがトルネコの正面にくるので、後は上記のように聖域の巻物入りの保存の壺を投げるだけで終了である。

余談

【チュンソフト】編集の公式ファンブック「しあわせの箱」に掲載されているロサを連れて【バリナボチャレンジモード】に挑戦したレポートでも、
画面キャプションにて「ヘルジャスティスなんか楽勝、と思っていただけに(おおめだまを洗脳された挙句そのターンに特技を使われて)青ざめた瞬間。」などと、さも楽勝である事が当然であるように書かれてしまう始末。
(さらに裏を返せばそこまでの不運に遭ってやっとヒヤリとする程度という事であり、実際このレポートではその後大した損害も無くリカバリされてしまっている。)
万一負けたとしても、バリナボチャレンジモードでも無い限り、フルメンバーを揃えての再挑戦は容易。
不思議のダンジョン…どころかローグライクゲーム史上でも屈指の弱いラスボスである。
こいつより弱いローグライクのラスボスといえば、【風来のシレン】の魔蝕虫ぐらいだろう。ついでに言えば、魔蝕虫に対するガイコツまおうのようなフォロー役もいないので、ローグライクゲーム史上最も簡単に倒せるラスボスといってよい。修行し直せ。
 
ただ、上記のような残念なゲーム上の強さとは裏腹にストーリー上では【主人公】のトルネコを石化させ(考えようによってはストーリー上の【負けバトル】とも言える)、そのまま(もう一人の主人公である)ポポロに倒された為、主人公相手に倒されず勝ち逃げした唯一のラスボスと言える存在でもある。
 
同じ不思議のダンジョンシリーズのラスボスである【インヘーラー】はモンスターズに出ているにも関わらず、彼は邪悪な箱と同じく未だモンスターズに出演していない。
後輩のインヘーラーが参戦してるところをみると著作権上の問題は無いと思われるが……。
 
更に邪悪な箱にはイラストがあるにも関わらず、いまだイラストが無い。
スピンオフ作品・不思議のダンジョンの性質上ある程度は仕方ないが、【ミルドラース】とは違った方向性で残念なラスボスといえるだろう。
上記のように主人公の内一人相手に完勝した実績を持ちながらが、いまいち影が薄いヘルジャスティス。いつかモンスターズで日の目を見る日は来るのか?

なお、PS2版では【異世界の迷宮】をクリアするとそのデータのアイコンに彼の顔が追加される。そのダンジョンには登場していないのに…
一方GBA版は彼の顔の代わりに?マークのアイコンに差し替えられてしまった。