【万能・晩成】

Last-modified: 2023-03-05 (日) 13:14:21

トルネコ3

トルネコ3における【モンスター】の成長タイプの一つ。
モンスターは8つの成長タイプに分かれており、能力の上昇値は成長タイプによって固定されている。

ステータス上昇値

LvHP攻撃防御必要経験値備考
940421620000
20937428280000
301229438640000
50161111581540000
992101361079990000

対象モンスター

このタイプに属するモンスターは8タイプで最も少なく、【キラースコップ】【ゴーレム】【ギガンテス】【アークデーモン】【レノファイター】【グレイトホーン】の計6種類しかいない。
GBA版では新登場の【スライムナイト】が加わったが、それでも計7種類と少ないことには変わりない。

解説

このタイプは全能力がバランス良く成長していき、最終的にHPは全成長タイプ中最高の伸びをみせる。
攻撃力と防御力も、Lv99時の伸び値は【普通・早熟】【攻撃・早熟】【防御・早熟】のものを上回る。
しかし、レベルアップがとにかく遅いのが問題で、Lv10になるのに経験値30000も要する。
さらにLv14からは、1レベル上げる毎に30000の経験値が必要となってくる。
 
その分、1レベルアップごとの能力上昇値は他の成長タイプと比べて高く、HPと攻撃力はそれなりに伸びるが、やはり経験値量でみた成長速度は極めて遅い。
【攻撃・特殊】ほどレベルアップが遅いわけではないが、あちらのように爆発的に能力が伸びるわけでもない。
経験値を稼ぎにくいトルネコ3では30000は膨大な数値であり、早熟タイプのレベルアップ速度に大きく劣る有様。
そのため、低レベル時は上記の3種類の早熟タイプよりかなり弱く、非常に使いづらい。
 
例として、普通・早熟は経験値30000でLv28まで上がる。Lv10の万能・晩成より、Lv28の普通・早熟の方が全てのステータス上昇値が上である。
万能・晩成が普通・早熟のHPを超えるには、経験値が30万も必要。シナリオ編や異世界の迷宮でこれほどの経験値を稼ぐのは非常に困難で、攻撃・早熟の攻撃力や防御・早熟の防御力を上回るのもほぼ不可能。
晩成タイプなので最初は早熟タイプより弱いのは当たり前なのだが、早熟タイプの方が強い期間があまりに長すぎるのが問題である。
 
中でも防御力の伸びの悪さは深刻で、最終的な防御力の伸びが最も低い【攻撃・晩成】ですら経験値10000で防御力は24上昇するのに対し、こちらは同経験値で半分の12しか上昇しない。
攻撃・晩成の場合Lv20(経験値130000)で防御力の上昇が31で頭打ちとなるが、万能・晩成の場合は31上昇するのに経験値にして370000も必要。
要するに、多少レベルを上げた程度では非常に打たれ弱く、このタイプが使えない原因の一つとなっている。
Lv99まで上げれば攻撃・晩成よりは遥かに打たれ強くなるが、経験値を稼ぎにくい【異世界の迷宮】では、攻撃・晩成の防御力を超えられるかどうかはかなり怪しい。
 
エンディング後の持ち込み有りダンジョンなら、100万以上の経験値を稼ぐのも不可能ではないが、今度は【ガーゴイル】【攻撃・特殊】タイプの存在がネックとなる。
ガーゴイルや攻撃・特殊タイプは、【クロウアンドレア】を紛失すると仲間にするのが難しくなるという欠点はあるが、上手く仲間にできればその強さは圧巻。
万能・晩成タイプもLv99まで鍛え上げた後の最終ステータスは悪くはないのだが、それでも攻撃力は攻撃・特殊タイプの圧倒的な値にはおろか、Lv1のガーゴイルにすらかなわないし、防御力も属するモンスターの初期ステータスの関係で、Lv10時の攻撃・特殊タイプより少し高い程度の値に落ち着く。
ガーゴイルはLv1で既に十分過ぎるほど強く、攻撃・特殊タイプも【祝福の壺】【しんぴの草】【幸せの種】のコンボなどで、Lv10まで上げるだけでステータスがほぼ完成してしまうので、育てる労力で言えば比べるまでもない。
【ドーピング】前提にしても、最終的な耐久力がさらに高くなる【防御・晩成】タイプのモンスターや、【はりせんもぐら】系のステータスを伸ばした方がより強力。
 
これで初期ステータスが高いか、強力な特技があればまだ長い目で見られるが、悪いことに万能・晩成タイプに属するモンスターの多くは、序盤から中盤にかけて出現する力押しタイプ。
Lv1時点での初期ステータスが特別高いわけでもなく、大抵は同時期に出現する早熟タイプのモンスターを育てた方が圧倒的に強くなる。
有用な特技を持つのは【ギガンテス】くらいだが、こいつの吹き飛ばし攻撃も是非欲しいという程でもない。
【レノファイター】及び【グレイトホーン】の「角弾き」はこの系統唯一無二の特技ではあるが、仲間になるとこの特技はむしろ邪魔。【モンスター闘技場】ではなかなかの活躍を見せるものの、育てすぎるとレベル制限に引っ掛かって出場できなくなる。
目立って強力な特技や特殊能力もなく、多少育てた程度では、後から出てくる初期能力が高いモンスターに全く及ばない。
 
要するに、

  • シナリオ編や異世界の迷宮で即戦力が欲しいならば、普通・早熟タイプや攻撃・早熟タイプ
  • 封印の洞くつや不思議の宝物庫で能力の高い仲間が欲しいならば、ガーゴイルや攻撃・特殊タイプ
  • ドーピングしてHPや攻撃力をじっくり鍛えるならば、はりせんもぐら系や防御・晩成タイプ

と、それぞれの状況に適した他のタイプのモンスターがいくらでもおり、わざわざ万能・晩成タイプを育てる必要が無いというのが実際のところ。
縛りプレイなどの何らかのこだわりでどうしても異世界の迷宮でこのタイプのモンスターを役立たせたい場合、コンボによる大量経験値稼ぎや、祝福の壺&しんぴの草&幸せの種などで相当レベルを上げなければかなり厳しいだろう。
【キラースコップ】に至っては、万能・晩成タイプの中でも特に初期ステータスが低い上に、異世界の迷宮にはそもそも出てこないので救いようがない。
 
一方でレベルに対するステータスの伸びは高いので、敵として高レベルで出てきた場合は強敵となる。
異世界の迷宮では、キラースコップ・【スライムナイト】以外の全ての万能・晩成タイプのモンスターがレベルが上がった状態で出現する。【メルゾーン】【ゴーレム】Lv2、【ゾンビゾーン】【バーサーカーゾーン】にレノファイターLv2、【悪ゾーン】【アークデーモン】Lv5とギガンテスLv5が出現し、さらに【エミリゾーン】56Fから【竜ゾーン】までグレイトホーンLv2・3・5が延々と出続ける。
敵にすると恐ろしく、味方にすると頼りない、典型的な嫌らしいモンスター達である。
もっとも、敵として出てくると厄介なのに、味方にしても役に立たないモンスターはトルネコ3では珍しくないのだが。(【シャーマン】【ブラッドハンド】等)
レノファイター系の特技も含め、仲間としてより、敵としての印象が強いモンスター達といえるだろう。
 
このようにとても「万能」とは言えず、【守備・特殊】に次いで不遇な成長タイプ。
どちらかと言えば、「普通」を名乗っている普通・早熟の方がよっぽど万能である。
DQ5では【初心者救済四天王】の一角を担ったスライムナイトやゴーレムも、この成長タイプに属するせいでトルネコ3では役立たずになってしまった。
 
こんなにも不遇である理由は、

  • そもそも頭数が少ない
  • 優秀な特殊能力を持っているモンスターが、ギガンテスくらいしかいない
  • エンディング後ダンジョンで新登場の魔物がおらず、希少価値が低い

という点が挙げられる。
最終的なステータスの伸び幅自体は優秀なので、高い初期ステータスか強力な特殊能力を持つモンスターがこの成長タイプであったなら、評価は大きく上がっていたと思われるのだが……。
はりせんもぐらや【シャドー】が属している守備・特殊や、【ダースドラゴン】【ひょうがまじん】が属している攻撃・晩成のように、万能・晩成にもより便利な特殊能力を持つモンスターが1匹でも属していれば、また評価は違っていたであろう。
 
評価できる点を強いて挙げるとするなら、どのモンスターもきちんとLv99まで育ってくれることだろうか。
レベル上限が低すぎる【タホドラキー】【おばけヒトデ】に比べれば、まだ将来性がある方である。
成長タイプ全体ではなくモンスター個人ごとに見るならば、万能・晩成の連中より不遇なモンスターは大勢いる。
 
ちなみに、Lv99でHPが最も高くなる仲間モンスターは、このタイプに属しているグレイトホーンである。
最も高くなるといってもHP290止まりで、ドーピング込みの最大値であるHP500には遠く及ばないのだが。
 
GBA版ではゴーレム・ギガンテス・アークデーモンの初期ステータスがわずかに上がっているが、万能・晩成タイプの成長率自体はそのままなので、やっぱり使われない。
むしろ敵として戦う時に強くなり、より嫌らしくなっている。
余談だが、この3体は上位種に攻撃・特殊のモンスターがいる、クリア後ダンジョンには異世界の迷宮と【まぼろしの洞くつ】のみに出現する、という共通点がある。
 

万能・晩成と普通・早熟を比較

例として、異世界の迷宮16F~20Fで仲間にできるゴーレムLv2と【メイジももんじゃ】Lv1を比べてみよう。
(ゴーレムのステータスはPS2版基準)

名前LvHP攻撃防御経験値成長タイプ
ゴーレム2553022150万能・晩成
メイジももんじゃ14519190普通・早熟

Lv2ということもあり、仲間になりたての時点ではゴーレムの方が強い。
しかし、両者に経験値を100与えてみると……。

名前LvHP攻撃防御経験値成長タイプ
ゴーレム2553022250万能・晩成
メイジももんじゃ6754329100普通・早熟

経験値を100与えるだけでメイジももんじゃは一気にレベル6まで上がり、すぐにゴーレムの強さを追い越してしまう。
一方でゴーレムはLv2のまま。Lv3に上げるには経験値が500も必要である。
16F~20Fは経験値が100を超える敵モンスターもちらほら出てくる時期であり、敵を1匹倒すだけで強さが逆転することさえある。

名前LvHP攻撃防御経験値成長タイプ
ゴーレム141157742100150万能・晩成
メイジももんじゃ371298759100000普通・早熟

悲しい事に、経験値が10万を超えてもまだメイジももんじゃに全ステータスが負けている。
異世界の迷宮でこれ以上の経験値を稼ぐには、相当な【スモコン】でもしないと無理。
GBA版のゴーレムも攻撃力が3・防御力が1上がっただけなので、評価はほとんど変わらない。
要するに、晩成タイプが早熟タイプのステータスを上回るためには、かなりの経験値を稼がなければならない。
成長タイプの格差は、それほどにまで大きいのである。

関連項目

【普通・早熟】
【攻撃・早熟】
【防御・早熟】
【攻撃・晩成】
【防御・晩成】
【攻撃・特殊】
【守備・特殊】