【裏切りの洞窟】

Last-modified: 2021-06-01 (火) 22:42:22

DQ4

第五章で行くことになる洞窟。
【砂漠の宿屋】から東に行った山奥にある。
【ホフマン】友人と訪れたものの裏切られたと思い込み、帰ってきたときには心を閉ざしてしまっていた。
 
【勇者】【ミネア】【マーニャ】の3人で入ることになるが、勇者と二人は途中ではぐれてしまう。
以降、二人に化けたモンスターに2回襲われる。
1回目は【ベロベロ】×2、2回目はボスの【うらぎりこぞう】×2と【きゅうけつこうもり】×2。
3回目にしてようやく本物と再会でき、その後【しんじるこころ】を入手できる。
 
洞窟に入ってすぐの場所に、ひびわれた石壁で塞がれた通路があるが、3人以上のパーティなら体当たりで壁が粉々に壊れて進めるようになっている。
しかし、勇者1人やミネアと2人、あるいは3人いても誰かが死んでいる状態でぶつかると

3にん いなければ
とても とびらを こわせそうにない!

と表示される。
つまり、ミネアだけでなく、カジノで遊んでいるマーニャにもちゃんと話しかけて仲間に加えた3人パーティで来なければ洞窟に入れない。
また、この石壁を調べると

がんじょうそうな とびらだが
3にんで おせば こわせそうだ!

と表示される。
よくよく文面を読むとどうやら【扉】らしく、実際【とびら】コマンドでも同じメッセージが出るのだ!
「扉」でありながら「開ける」気がなくハナから「壊す」気マンマンでいるというのも滑稽。
DQ4の世界で【さいごのかぎ】で開けられない「扉」は、これと【レイクナバ北の洞窟】【コーミズ西の洞窟】にある同じ形の石壁と、【湖の塔】の地下牢が該当する。
 
入口の石壁を壊して少し奥に進むと、今度は来た道が同じ石壁で塞がれ、さらに上述したようにマーニャとミネアとはぐれてしまって勇者1人になる。
ここでは【リレミト】は使えないため、ここから先はイベントをクリアするか【デスルーラ】よろしく全滅するしか帰る手段がなくなる。
ちなみに勇者1人の状態で戦闘に負けて全滅しても、何事もなかったかのように2人はパーティに復帰する。
洞窟内にはあちこちに同様のギミックがあり、イベントを進めて3人パーティに戻らないと入れない場所がある。
これらの石壁(に見せかけた扉)は、リメイク版で正式に「壁」ということになった。
しかし、なぜか一部だけ大きな石扉グラフィックに変わっている(3人いなければ開かない点は同じ)。
また、文章が3人以上に修正された。確かに4人で来ても壊せるのだが他の仲間が加入してから来る機会は【たからのにおい】で取り逃しがないか確かめるときくらいだろう。
 
なお、ここでは上記イベント戦闘以外のエンカウントは発生せず、さらにFC版ではこの洞窟に入った瞬間にパーティの【毒】状態が解除される仕様がある。
これは、姉妹とはぐれる前にランダムバトルや毒ダメージで姉妹が死亡してイベントに支障が出るのを防止するためだろう。
裏を返せばこれを利用すればタダで解毒ができるわけだが【砂漠の宿屋】からここまでの道中で毒性モンスターはいない。【ブランカ】周辺あたりで【バブルスライム】に冒された場合、ミネアの【ホイミ】で繋ぎながらここまで来れば有効活用できるが、たかだか5Gや10Gをそこまで躍起になってケチる必要もないだろう。
つまり利用価値のない機能と言い切っていい。
適正レベル時では持っていること自体相当レアなケースだが【ゾンビメイル】に関してもバッチリ対策済みで、この洞窟内ではダメージを受けないようになっている。
一方PS版では解除こそされないものの毒でダメージを受けない仕様になっている。
仮に毒ダメージを受けたとしても死なない仕様だが…。なお、ゾンビメイルでもダメージは受けないが、PS版以降はうらぎりこぞう撃破前の時点でゾンビメイルを入手することは不可能になっているので意味はない。
 
勇者一人でボスと戦うことになるので、勇者には可能な限り入手できる最高の装備を整えておこう。
三章で【女神像の洞窟】【はがねのつるぎ】【てつのよろい】を残していた場合は忘れずに回収しておきたい。
また【ギラ】を覚えてからいくと攻略が格段に楽になる(Lv10まで上げれば確実に覚える)。
ただし、リメイク版では習得条件を満たしても中々覚えてくれなくなった。
一応、リメイク版ならカジノで【はやぶさのけん】を入手した場合は攻略が圧倒的に楽になるが、後に2本も手に入るのであまり活用されない。
ここまで順調に来られたプレイヤーの実力が試される五章最初の壁といったところか。 
 
どうでもいいことだが、はぐれる前にマーニャ、ミネアを1・2番手に配置しているとFC版では2戦ともBGMは【ジプシー・ダンス】となる。
はぐれた後に並び替えのコマンドを使って勇者を先頭に配置しなおしても同じ。
リメイクでは解消され、ベロベロ戦が通常戦闘用の【戦闘~生か死か~】、うらぎりこぞう戦が中ボス戦用の【立ちはだかる難敵】に固定されている。
 
マップ上においてきゅうけつこうもりはFC版では【ミニデーモン】のグラフィックが割り当てられていたが、リメイク版では【レッサーデーモン】のグラフィックが割り当てられている。
2回目のニセモノ(裏切り小僧)を無視して階段を上がろうとした場合、その手前で強制ストップさせられ、そこにニセのマーニャ、ミネアが話しかけてきて、やっぱり戦闘になる。
 
2回目のニセモノを倒して階段を上っていくとやっと本物に出会える。
これを無視して上がろうとしても上述の石壁型の扉で行き止まりになる。二度までも騙されて勇者のみならず、プレイヤーとしても「またニセモノか?」と思ったり、或いは心底騙されて「もうお前らなんか連れて行けるか!」なんて心理に陥っていてもおかしくないので、話さなければならない状況を作り出しているようだ。まあ当然の配慮だろう。
 
またリメイク版においては洞窟内の女神像を調べることができる。
これは他の場所のものもそうなのだが、大抵「慈愛の笑みをうかべた女神像」なのに対し、ここでは「残酷な笑みをうかべた女神像」となっている。
洞窟に入った人間達が互いに憎しみ合う様を見て嘲笑っているのだろうか…。
 
余談だが、ニセのマーニャとミネアに話しかけると、FC版では台詞の頭に名前が表示されず【*】となる。
また「あなた」「おまえ」としか言わず、勇者の名前を呼ばない。
初プレイ時にこれでニセモノと気づいた人は、なかなかカンがするどいと言えるだろう。
後に出会える本物はちゃんと台詞の頭に、「マーニャ」「ミネア」と名前が表示されているし、ちゃんと第一声で「ああ よかった ○○○○(勇者の名前)」と勇者の名前を呼んでいる。
FCではどっちが喋ってたとしても不自然でない当り障りない台詞を宛がわれていたのだが、リメイク版では、偽者それぞれにマーニャとミネアらしい台詞が用意されたこともあってか、この伏線がなくなり偽者の台詞でも「マーニャ」「ミネア」と名前が表示されるようになった。ただこれはこれで違和感がなくもない(マーニャとミネアではないため)。
 
ところで前述の通り、この洞窟の扉を通過するには3人で進む必要があるが、リメイク版で【ホフマン】の台詞が微妙に変更されたため、ちょっとした問題が起こっている。
FC版ではホフマンは「友達2人と」、つまりホフマンを含めて3人でこの洞窟を訪れているため問題無いのだが、リメイク版では「友達と2人で」この洞窟を訪れている。
どうやって進んだのだろうか?
17そこそこの青年と女性2人(または女性3人)で壊せる扉なら、大の大人の男2人で十分そうではあるが…。
後述の【モンスター物語】(FC版準拠)で裏切り小僧のエピソードのラストでホフマンがここへ来る描写があるが、その話でも「ルロイ」という友達と2人で来ている。
【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】では、馬の【パトリシア】と一緒に3人(正しくは2人と1頭)がかりで通過したネタがあった。
この作品ごとの人数による不整合は恐らく心を閉ざしていたホフマンの台詞「1番の友達だと思っていたのに突然オレを裏切って」がもたらした勘違いだろう。
単純に考えれば「1番(最高)だから1人」と思いがちだが「同率1位」「1位タイ」という言葉があるように幼少期から仲の良い2人の友達がいて「どっちが1番2番だなんてつけられない、2人とも1番(最高)の友達だ」という意味でも使えるので「一番」が2人(複数)でも別におかしくはないのだ。ましてこのようなことに関しては全て本人の気持ち次第であり明確に数字で表すなどして1人に絞る必要もないのだから。
 
この洞窟自体、百年ほど前から裏切り小僧の「人間の裏切る醜い心を喰らいたい」という欲望のためにあるようなものなので複数人で入ってきてくれなければ意味がない。故に「3人の力でブチ破る」のではなく「3人いれば解除される魔法的な封印のようなもの」に近く単純に力で破るようなものでもないのだろう。
例えば「キン肉マン」の王位争奪戦編にあった「大阪城への入口の扉(5つの手形を5人の超人で押さなければ開かない扉で4人ではどんなに全力で押してもビクともしなかった)」のような原理なのかもしれない。

モンスター物語

モンスター物語では、この洞窟はDQ4から遡ること2200年の昔、現在の【ブランカ】から砂漠地帯に至るまでの一帯に広大な版図を有していたある古代王国の初代国王が『信じる心』を隠すため、人工的に築いたものであるとされている。
時は流れて、数多の冒険者がこの伝説を聞きつけ『信じる心』を求めて洞窟に踏み入ったが、仲間に化けた裏切り小僧によって裏切りと絶望を味わい、誰ひとり秘宝を手に入れられないまま朽ち果てることになった。
それからは誰言うともなく、この洞窟は『裏切りの洞窟』と呼ばれることになったという。
 
因みにこの話では「開かない扉」を3人パーティの内の戦士が一人で蹴破っている。
上記のような扉「3人で押さなければ壊れない(開かない)扉」は、それから百年を経て彼らが裏切り小僧となってからできたものと思われる。