【3バカ】

Last-modified: 2022-10-15 (土) 13:29:26

DQ7

一般的には「愛すべきバカ」的な3人組に親しみを込めて呼ばれる単語だが、我らがドラクエにおいてはDQ7に登場する3人の兄弟を指す。
ただし彼らは愛すべきバカならぬ「愛せないバカ共」(詳しくは後述)。
 
そんな彼らは現代【砂漠の村】在住で、そこの族長の長男~三男。三兄弟ではなく四兄弟であり、彼らの弟に【サイード】がいる。
サイード以外の3人は容姿も性格もそっくりだが、三つ子なのかどうかは不明。
 
末弟とは違い個別の名前で呼ばれることはなく、作中でも実際に族長宅の使用人から影で通称「3バカ」と呼ばれている。
その呼び名通り3人揃ってバカでヘタレで幼稚で自己中、その上自尊心や虚栄心だけはやたらと強く、普段から如何に自分が他の2人よりも優れているかを毎度の如く力説するのだが、まさにどんぐりの背比べ。「ダメ人間」の典型のような性格をしているため、サイードとは対照的に村人からは全く信頼されていない。
サイードは常識的な人物だが、こんなのが兄だったら反面教師的に真っ当な性格にもなるのだろうか。
 
歯に衣着せぬ【マリベル】は「召使いにまでバカって呼ばれてよく生きてられるわ」と人生レベルで扱き下ろし、本人達と話した後は「バーカ…」の一言でぶった切っている。
もともと毒舌だが、初対面の相手に意味もなく無礼なマネをしない面もあるマリベルだけに、相当呆れ返っていたのだろう。実際これが言い過ぎに感じられないぐらいなので気の毒にもならないが…。
 
【クリスタルパレス】では食料を食べつくし、カーテンで靴の裏を拭いたりスプーンを盗んできたりと下品かつみみっちい悪行を行っていた。この時パレスにはによって各国の首長や指導者や識者が招集されていたが、そのいずれでもない3バカは、恐らく呼ばれた族長について来ただけなのだろう。
 
その後砂漠地方が封印された緊急事態においては、異変が起こった際に最初に村へ行ってみると、3人とも恐怖のあまり寝込んでいる。
女王【ネフティス】から「砂漠の民にも手伝わせてほしい」「族長の息子のうち1人を道案内にしてほしい」と頼まれるものの、族長の家に着いた際にマリベルには「なんかヤな予感がする」と言われる。
中では3バカと族長が話しており、1番上は「俺が行ったら残りの二人がみじめになる」、2番目は「今回はあとの二人にゆずるよ」、3番目は「一番賢くて強い俺が村を離れるわけには…」等と見え透いた言い訳をするが、族長に「つまりお前たちはお供をするのはイヤなのだな?」と図星を刺されると言葉を詰まらせる。
このやり取りにマリベルは心底呆れ、【アイラ】は絶句、天真爛漫な【ガボ】ですら「連れて行きたくないから族長さんに断ろうぜ」と言う程までに同行を嫌がり、いざ誰か1人を選ぼうかとしたら今度は仮病作戦。「お腹が痛い」「頭が痛い」「体中が痛い」と、むしろ見てるこっちの頭が痛くなってくるようなザマを晒してまで行きたがらず、父である族長自身も「腰抜け揃い」と嘆き協力できないことを詫びる始末である。
 
同行者がサイードに決まった時はマリベルだけでなく使用人や村人達も「助かった」「下の坊ちゃんで良かった」「あの3人では足手まといになる」と言われる中、ガボはこいつら3人で村や族長を守れるのかを本気で心配している。
苦しい言い訳をしてまで付いて来なかった癖にいざサイードが行くとなると面子を気にし出すし、普段は仲が悪い癖に如何にサイードの手柄を横取りするかを3人で画策する。
最終的にはガボでさえ「サイードの兄ちゃんたち」から「3バカの兄ちゃんたち」と呼び方が変わってしまう。
 
しかしいざ【砂漠の城】の地下神殿に行ってみると、あれだけビビっていた3バカは何と神殿の見張りをしていた兵士にワイロを渡して先回りしていた。
まさか本当に手柄の横取りに来るとは、何ともはや……。
そこで魔物に追い回されて助けられた挙句に、【王家のカギ】と引き換えにサイードに族長にならないことを約束させてしまう。繰り返すがこの時は緊急事態である
 
サイードは悪い人たちでは無いとは評しているものの、「どうも、その…うーん、ぶつぶつ…」と言葉を詰まらせるし、フォローしきれずに兄達への苦言や文句を節々で呟いている。プレイヤーからも見えるどの面を見ても「愛せないバカ共」。
特に王家のカギの一件に関しては、勝手な行動を取った結果モンスターに襲われ、仕方がないから助けてやれば一応は感謝の言葉を述べるものの、速攻で手の平返しをして汚い取引をもちかけてくるのだから始末に負えない。
実際、この時魔物達に追われている3バカを無視しようとしたらサイードが「見捨てていきたい気持ちはよくわかるが あれでも血を分けた兄弟なのだ」と言ってしまうほど。
そしてその後の「砂漠の民はウソはつきません。兄上たちも知っているでしょう」という皮肉のこもった台詞にはサイードなりの兄たちに対する不満と反抗心を感じられる。あんなバカを3人も身内に持ったサイード(と彼らの両親)には同情せずにはいられない……。
 
数少ない評価点は、メンツを保とうという一心だけで魔物どもが闊歩する中を砂漠の城まで出向いていった度胸と根性くらいのもの。
まぁその守ろうとしたメンツは主人公への同行を拒否した時点でカケラほども残っていないのだが。
どうせ行くんだったら最初から一緒に同行しておけば安全にそれなりのまっとうな評価が得られただろうが、保身第一である彼らにはそこまで考えが及ばなかったらしい。
サイードに悪辣な取引を持ちかける程度の悪知恵は働くようだが、結局これも「サイードは元々族長の地位に興味はない」「あれだけ固執していた手柄は結局サイードに渡す」といった具合に3バカは別に何も得をしていなかったりする。所詮は3バカである。
 
砂漠に光が戻った後は【オルゴ・デミーラ】に怯え、布団にこもってガタガタ震えているのみ。
しかもその内容は、1人は砂漠一番のナイスガイの俺を真っ先に殺しにくる、残り2名はクリスタルパレスでの所業がばれて殺されるというあまりにアホらしい理由。
これには村人だけでなく母親からも呆れられ、上記のやり取りの最中では不在だった【メルビン】は頭痛を催し、ガボは「魔王も忙しいから大丈夫だと思う」と辛辣。その魔王こそが自分たちの倒すべき相手だというのに、それさえ「忙しいから大丈夫だろ」と引き合いに出される辺りよっぽどだ。砂漠の民達は基本的に老若男女皆「魔物なんかに負けるもんか!」というスタンスだから余計情けない。
 
こんな情けない3兄弟だが、なんと全員将来的にはネフティスと結婚する気でいるらしい。サイードもエンディングで旅に出てしまったため、砂漠の未来が激しく心配される。
なんだかホントに【ハディート】の子孫なのかすら怪しくなってくるが、残念ながら彼の末裔なのは確からしいのでますます情けない。あの勇敢なハディートの血は全部サイードに行ってしまったのだろうか。
 
人間の負の部分に関する描写の多い本作では【ホンダラ】を筆頭に情けない人物が数多く登場する。
こういった連中は普通は改心するか(ホンダラもこちら)、何らかの報いを受けて破滅するか(【ダーマ神殿の神官長】など)、あるいはその両方(【イワン】など)といったケースが多いのだが、本作のダメ人間たちはこの3バカのようにどちらにも該当せずに徹頭徹尾ダメなまま変わらない事例も非常に多い。
三つ子の魂百までというように、本当にロクでもない連中の本質はまず変わらないとでもいうのだろうか。ホンダラですら変われたというのに……。

蒼天のソウラ

当人達ではないが呼び名が登場。DQ7を意識したかは定かではない。
【グレン城下町】【傀儡匠エストリス】【死霊博士ゾフィーヌ】【魔工技師プラクゥ】に再会した【ソウラ】が名前を知らない事から放った呼び名として「三バカ魔族」が登場する。
それを受けたエストリスはソウラ達を「三バカ冒険者」と呼ぶが、それに対してソウラ達はパーティ4人まとめて「四バカ」を名乗り決めポーズを取り勝ち誇っていた。
プラクゥは三バカ呼ばわりを恥じて名乗る事となったが、ゾフィーヌは三バカという呼び名が気に入ったのかその後もたまに自称として使う。