【シエーナ】

Last-modified: 2023-09-10 (日) 01:02:17

DQ6

上の世界(【夢の世界】)の【ライフコッド】から南に存在する【町】
間違えられやすいが、「シェーナ」ではなく「シエーナ」である。
【公式ガイドブック】によると、英語の綴りは“Siena”。
【シェーラ】と名前が紛らわしい為、堀井雄二の提案によってリメイク版では【マルシェ】(フランス語で「市場」という意)と名前が変更された。(詳細はマルシェの項目を参照)
 
【ライフコッド村長】から言われたお使いで冠職人の【ビルテ】から【せいれいのかんむり】を買うために訪れるDQ6最初の目的地。
商業が活発な町で、事ある毎にバザーが開催されて賑わっており、個性豊かな【商人】が登場。
ゲーム開始時からバザーが開催されており、必死で売上を張り合う【ドガ】【ボガ】の商人兄弟、【おなべのフタ】などをぼったくりで売る商人【せかいちず】【とうぞくのカギ】などの欠かせぬアイテムの販売など、記憶に残る濃い人物が多数いる。
夢の世界の【レイドック王】もバザーには毎回顔を出していたのだが、今回のバザーには来ておらず、何かあったのではと心配されている。王が気軽に来ることからして、夢の世界においてはここもレイドック領に含まれると思われる。
 
村から持ってきた【むらのみんげいひん】は、民芸品の買取所に売ると350Gになるが、ドガとボガの店を往復すると買取価格が跳ね上がる。最終的にはドガの店で480Gで売れるので、特にこだわりが無ければこちらに売ろう。
この金で盗賊の鍵を買えば、町の中の鍵付の扉が開けられるようになり、そこで回収できる品でほぼ元が取れる。鍵は470Gで、鍵を使って取れる宝は250G・うろこのたて・キメラのつばさなので合計455G相当。もちろん、鍵は今後も使える。
 
なお、当初の目的であるせいれいのかんむりはビルテが行方不明になっているため、すぐには手に入らない。
彼の娘に情報を聞いて西の大穴でビルテを救出後に戻ってくれば、助けたお礼としてせいれいのかんむりをタダで貰える。冠代になる予定だった民芸品のお金が宙に浮いた形になるが、違うことに使いきっても村長から怒られたりはしないので安心して買い物を楽しもう。
 
バザーは合計2回開かれるが、終了フラグが巧妙で、いつの間にかこっそり終わっている。
1回目のバザーはゲーム開始時から開いており、【カガミのカギ】入手で終了。
2回目のバザーは現実の世界のムドーを倒したときに「世界平和記念」として開くが魔物の影響があまり変わらず、【空飛ぶベッド】入手で終了する、なので気づかずに終わるプレイヤーも多い。
2回目は特に行かなくても問題ないが、前者は【おなべのふた】を、後者は【ステテコパンツ】を好きなだけ入手できる貴重な機会なので欲しい人は忘れないように。
 
【現実の世界】のこの場所には【ふもとの家】という小屋が一軒あるだけで、そこには老人が1人住んでいるのみ。
「いつか世界一の商業の町を作りたかったが、ついに実現しなかった」とのこと(DQ3のスーの村の東の茂みのイベントを彷彿させる…というよりはそのネタの焼き直しっぽい)。
すなわち、シエーナとは町全体がこの老人の見ている夢なのである。とはいえ、夢の世界は人々の夢で構成されている世界のため、「老人の見果てぬ夢を核に世界中の同じような夢が集まって町になった」とも考えることもできる。
ドガとボガを始めとする商人達も、もしかすると下の世界のどこかにいるのかもしれない。

バザーの内訳

シエーナではバザーの期間中、常駐のお店以外に様々な場所で期間限定の商いが行われており、1度目も2度目も全ての人間が同じ場所でお店を開いている。
これらのお店は時期によって、お得にアイテムが購入できたり、はたまたとんだぼったくりだったり、値切りが可能だったりと様々なパターンがある。
1度目と2度目のやり方の違いからは、いかにして儲けるか工夫するさま、ひいては商魂たくましい商人たちの人間ドラマも見えてくる。
 
ちなみに作中でもこの手の店に対しては注意喚起がなされており、町にいるおじさんからこんな話を聞くことができる。

*「物を買うときは
  最初に入った店で いきなり
  買っちゃ ダメだ。
*「もしかしたら 同じ物を
  もっと 安く 売っている店が
  あるかも 知れないからな。
*「安く買いたいなら 歩く!
  これは 売りのときも
  同じだ。おぼえておきな。

最後のセリフは、自分がむらのみんげいひんを売る際のアドバイスになっている。
 

  • 盾を並べた老人の店
    1回目の時は定価70Gの【かわのたて】を、「115ゴールドでいいぞ」と言って売りつけようとしてくる。
    2回目の時は定価110Gの【とがったホネ】を、同様の手口を用いて130Gで売りつけようとしてくる。
     
    初回プレイなら、バザー=安いという固定観念から割安に感じて買う人もいるかもしれないが、実際はどちらも割高な上に、品物の内容的にも皮の盾はともかく尖った骨はほとんど使い道がない。
    皮の盾も前述のように盗賊の鍵を購入すれば上位の品であるうろこの盾が手に入るので買う必要はないし、そもそもこの町の防具屋に行けば皮の盾が定価で売っているのでボッタクリもバレバレ。この老人からは物を買わないほうがいいだろう。
     
    リメイク版ではバザー終了までの時点でとがった骨を装備できるのが【バーバラ】しかおらず、仲間モンスター用の間に合わせ武器にすらならないので余計に買う意味もない。ゲームの攻略情報を知っている人間ほど用のない店である。
    ちなみに買ってみると「ん? 装備? そんなもん 自分で せんか! セルフサービスじゃよ!」と言われる。
    アフターサービスまでよろしくない店である。それどころかそもそもセルフサービスという言葉の使い方が間違っている。
     
  • 鎧を並べた男の店
    1回目の時は定価180Gの【かわのよろい】を、「通常230ゴールドのところを200ゴールドぽっきり」と言って売りつけようとしてくる悪徳商法。やり口は老人の店と似ているが、あちらが本来の価格をうやむやにして誤魔化していたのに対し、こちらは明らかに嘘をついているのでより悪質と言える。
    まぁ、こちらもやはり町の防具屋に行けば皮の鎧を定価で買えるので、こんな嘘はすぐにバレるのだが。
    ただし、2回目の時は定価220Gの【かわのこしまき】を、「通常500ゴールドのところを200ゴールドぽっきり」と言って売っているので、こちらは売り文句を明らかに盛ってはいるもののちゃんとお買い得ではある。とはいえ、時期的に皮の腰巻を購入する必要があるかというと話が別なのだが。
    なお、ここで買い物をすると「まいど! あ いそがしいから 装備は 自分で してくださいよ!」と言われる。
    やはり利用価値のない店だろう。
     
  • 絨毯を敷いた商人の店
    「売り切れだと思ったら、1つだけ商品が残ってたよ」
    「お客さん運がいいね。最後の一つだから◯◯ゴールドでどうだい?」などと、商品がなんなのかを教えずに購買意欲を掻き立てる手法を持ち出してくる。
    1回目のバザーでは100Gでおなべのフタを、2回目のバザーでは1000Gで【ステテコパンツ】を売りつけてくる。
    これらはかかった費用に比べて利用価値は低く、割に合うとはとても言えない。商品も一目でだまされたことがわかる代物だ。
     
    ただし、この2つの商品は期間限定のこれらのバザーでしか購入することができない。
    一応、それぞれ各地で手に入る他、モンスターがドロップすることもあるが、金に物を言わせて数を揃えるならこの店で買うしか他に方法がなかったりする。通常プレイには利用価値はないがコレクターならお世話になるかもしれない。
    DQ3のてつかぶと等と同じく、特殊な店でしか購入できないパターン。
    【公式ガイドブック】でもおなべのフタの買値は100Gと記述されている(ステテコパンツの方はなぜか非売品扱い)。
     
    一応おなべのフタに関しては、役に立つかどうかはともかく、【ミレーユ】【バーバラ】にとっては序盤から装備できる貴重な盾である。
    守備力の強化値はたったの2ポイントなのでわざわざそのために100Gをかけて買うかどうかというところだが…。
    ちなみに、購入後再び話しかけると全く同じ手口でまた売ろうとしてくる。
    買うのを断ると、「うちで買ったことがあるって言わないなんて人が悪いなあ」などと笑って誤魔化される。
    なお、この商人には幼い息子がおり、父親がおなべのフタを高く売りまくったことを自慢げに語ってくれる。
    うっかり自慢などするから、息子を通して本性がばれてしまうのだ。
     
  • セット販売を行う商人の店
    複数の消費アイテムをセットにしている商人。
    1回目のバザーでは、【やくそう】6つと【せいすい】1つを50Gで売っている。
    この時は通常8G×6コ+20G=68Gの品を50Gで買えるので、18Gもお買い得。
    それどころかこれらを全部売却すると51Gになるので、差額の1ゴールドを儲けることもできる
    序盤の薬草はいくつあっても困らないので、1セットくらいは買って行ってもいいだろう。
     
    が、問題は2回目のバザーの時。
    今度は【アモールのみず】3つと【キメラのつばさ】1つを400Gで売っている。
    この時は通常120G×3コ+25G=385Gの品を400Gで購入することになるので、15Gの損をすることになる。
    1回目のバザーで「この店は良心的な価格」という先入観を植えつけられてしまっていると、2回目のバザーであっさり騙されてしまうこともあるかもしれない。
    一度信用させて二度目で高く売るとはなかなかのやり手である。
    やっていることは店主含む上の世界の一般人からすれば「シエーナから行き来するには困難を極める【アモール】の特産品を大量に仕入れ、現地の値段より少し高値で売る」と、いわゆる交易に該当し至って真っ当な商売だろう。
    が、下の世界のアモールにいつでも飛んでいける主人公一行(とプレイヤー)からすればただ市販品を割高で買わされただけである。
     
    ただし、本作ではアイテムのまとめ買いができず購入時のカーソルも記録されないため、特定の品の大量購入が面倒な仕様となっている。
    元値からして割高なアモールの水を大量に必要とするプレイヤーがどれほどいるかは分からないが、ボタン連打するだけでアモールの水を大量に仕入れられるこの店は、そういう意味では利用価値はあるとも言えるかも知れない。
     
  • 世界地図(orとうぞくのカギ)を売る商人の店
    DQ3の【アッサラーム】の店と似た感じの、値切りタイプの店。
    最初は3000Gで売ろうとしてくるが、即自分から値引きし2000Gから開始。
    その後断り続けると1000G→500G→300Gと下がって行き、最終的には200Gにまで下がる。
    値切れるのはここまでで、ここで断ると「お客さんひやかしだね?」と言われ追い返される。
     
    また、【ビルテ】救出後には最初から200Gで売られている他、
    【空飛ぶベッド】入手後には10Gまで下がったところを、「今まで地図なしで旅してきたなんて、その根性が気に入った!」などと言って、タダで貰うことができる。
    ちなみに、お金さえ持っていればちゃんと途中の値段で購入することも可能。
    なお、実際の世界地図の定価がいくらなのかがわからないため、アッサラームのようなぼったくり商店なのかそうでないのかは不明。
    もし地図の定価が本当に最初に言った3000Gなら超優良店と言えるだろう。逆に200G近くが定価なら相当なぼったくりになる。なお、前作DQ5の【たびびとのちず】は高価な品を格安で買える【オラクル屋】において「3000Gのところを負けに負けて1000G」と言われるので、200Gで世界地図が買えるのは破格と言えるだろう。
     
    リメイク版では商品が【とうぞくのカギ】に変わった。
    こちらでは客観的に見ても「正規価格200Gのカギを2000Gで売りつけようとする」ため、アッサラーム式ぼったくり商法と言わざるを得ない。
     
  • 南東の街外れの店
    バザーの準備が遅れてしまったために良い場所を取れなかったという道具屋。バザー開催時のみの期間限定かつ町はずれの片隅にあるので町中の探索を怠る人は存在に気付きにくい。一方、近くを通って視界に入ればいかにも何かありそうな店なのでスルーする人は少ないだろう。
    なお、出店している中でここだけは、会話イベントの中で取引するのではなく、お店としてのウインドウが開く、いわゆる普通の「お店」。
    各消耗品を定価で売っているほか、【とうぞくのカギ】を470Gで買える。鍵はシエーナ到達時点では高価だが、買ってあちこちの扉を開けて回れば元を取ることができる。冠代はこちらに回すのが常道だ。
     
    ……しかしリメイク版では場所ばかりか目玉商品の鍵まで上記の店に奪われてしまい、特に見るべきものもなくなってしまった。
    一応、レイドックに行くまでは【まんげつそう】はここでしか買えないが、周辺に麻痺させてくる魔物がいるわけでもないし、そもそも一人旅では麻痺した時点で全滅なので買う意味は全くない。ゆえに存在意義がほぼない店となっている。わざわざ話しかけてがっかりした人も多いだろう。
     
  • 民芸品を買い取る店・ドガの店・ボガの店
    これらについて詳しくは【むらのみんげいひん】及び【ドガ】【ボガ】の項目を参照。
    ドガ・ボガの店は台詞からすると何らかの商品を売っているようなのだが、なぜか主人公に対しては民芸品の買い取りしかしてくれない。
    2回目のバザーに至っては三者とも台詞のみで主人公相手の商売は一切行わない。
     
    ちなみに「民芸品を買い取る店」の店主の女性は(一度も話しかけたことが無くとも)主人公のことを覚えていたようで、2回目のバザーの際には主人公のことを「ずいぶん逞しくなった」と評してくれる。