【デモンズタワー】

Last-modified: 2024-04-07 (日) 17:12:19

DQ5

青年時代前半の最後となるダンジョン。
【グランバニア】の北にそびえる魔族の拠点であり、拉致されてここに連れて来られた主人公の妻を救出するために攻略することになる。
四方を海と山で囲まれているため、【そらとぶくつ】を入手するまで来ることはできない。
【グランバニア大臣】はここの魔物と手を組み、【主人公】を亡き者にしようとしていた。
 
全10階構造で、4階から上は東西の塔にわかれている。
東の塔と西の塔を行き来するというかなり複雑な構造。
少し似た構造の塔にDQ6の【月鏡の塔】がある。
ワープゾーンに強制戦闘、渡り廊下のレバーといった仕掛けが満載の正統派ダンジョン。
特に高層階に設置されている【ドラゴンの像】は要注意。
軽い気持ちで特攻したらあっさり全滅したプレイヤーも多いとか。
 
馬車も入れずボス戦も控えているため苦戦は必至。
【神の塔】とは異なり、壁は城などと同じ薄いレンガ壁になっており、1フロア辺りの面積も小さいが、その分エンカウント率が高めに設定されている。
ただし、塔内は取り立てて手強い敵がいないのが救い。
また、【飛び出す杭】が仕掛けてある3階フロアとドラゴンの像が大量に設置されている7階フロアはエンカウントしない。
特に前者は時間稼ぎにしかならないので罠として機能していない。
 
塔1Fには入口が3つある。
普通は中央の扉から入りたくなるところだが、実は右の扉から入った方がアイテムの回収効率が良く、しかもイベント敵の配置もまるでこちらが正規ルートかのようになっている。
分かれ道の複数のルートのどちらからでも(アイテムの回収や移動距離が変わるだけで)問題なく攻略できるというダンジョンは過去作にもあったが、塔のダンジョンで複数の入口があるパターンとしては珍しい。
左の扉には【回復の泉】があるので【ザオラル】があれば安心。
ただし、ここの回復の泉は先頭のキャラのみが対象となるので少々面倒くさい。
 
そして、この塔の各所にはボス以外にもフィールドグラフィックが用意されたイベント戦闘がある。

この中には仲間になるモンスターもいるが、SFC版ではイベント戦闘の連中は倒しても仲間にはならない。
また、フィールドグラフィックが【ドラキー】で油断させておいて中身がホークマンやバルーン(とマムー)というパターンに注意。
 
7階のドラゴンの像の廊下を突破するには8Fから【岩】を落としてきて炎を遮るのが正攻法。
実は最低3個あればノーダメージで切り抜けられるので8F北側の穴付近の岩を落とすだけで足りるのだが、初見だと無駄に遠くの岩を取りに行ってアームライオン・バルーン・ホークマンなどといった雑魚と何度も何度もエンカウントさせられることになる。
ただし、8階以上の高層階にしかアームライオンは出ないので、勧誘するならここで粘るのがセオリー。粘る価値があるかどうかは微妙だが。
ちなみに8階に置いてある岩の中にはばくだんいわも混ざっているが、時期的にまず間違いなくメガンテ前に瞬殺できるのでこれはトラップとして機能していない。一瞬びっくりはするかもしれないが。
 
頂上寸前のフロアでは【グランバニア大臣】が瀕死の状態で転がっている。
台詞と状況から察するに、魔物から用済みと判断され始末されたのだろう。
話しかけると後悔と憂い、主人公への謝罪を口にして亡くなる。
 
最上階では【オークLv20】【キメーラLv35】、そして宿敵【ジャミ】との戦闘が待ち受けている。
これまでのボス敵で最も多いHPを誇るのは、意外なことにSFC版ではオークLv20だったりする。
MPを節約しておかないと厳しいので、消耗が激しければ1度脱出して回復してくるのもよい。
ちなみに主人公がいないとジャミが取り合ってくれず、話が進まないため注意。
主人公が死んでいる場合は妻が【せかいじゅのは】で蘇らせる演出がある。どこに隠し持っていたんだ…。
 
物語的には、妻の力も借りて見事ジャミを倒すと無事ハッピーエンド…とはならない。
妻が勇者の子孫だと見抜いたジャミ(PS2版以降ではゲマ)によって夫婦ともども【石化】されてしまうのだ。
【古代の遺跡】と並んでDQ5の主人公の薄幸さを象徴する場所であり、プレイヤーにとっても非常に辛い場所だろう。
 
また、塔の外観西側に地下に通じる階段があり、地下室には大男が1人いる。
話を聞くと弟(こちらは若い男のグラフィック)を待っているらしく、「ここにはすごいお宝があると聞いてきた」らしい。
なお、この塔にある宝箱には【ちいさなメダル】【せかいじゅのは】程度なら入っているが、「すごいお宝」と言えるほどレアなお宝はない。
一応、レアアイテムの【ゾンビメイル】が転がっているが、これも売値は二束三文。ガセネタをつかまされたのだろうか。
それ以外の装備品に至っては、【チゾット】やグランバニアで売っている始末である。
そしてようやく弟が到着して2人で探索を始めた頃には大抵は主人公がすべて回収した後であり、彼らは何も見つけられない。
結局めぼしいお宝を見つけられないまま頂上までやってきた兄弟だが、ジャミ戦後に石化された主人公夫妻の石像が「すごいお宝」に見えたらしく、これを戦利品として運び出し、売りに出すことになる。
主人公の石像はたったの2000Gと到底労力に見合うとは言いがたい売値だったが、妻の方は高く売れたのだろうか。
この兄弟が(本人たちにその気はなかったとはいえ)間接的に主人公夫妻が8~10年間も子供たちと離れ離れになった挙句、八つ当たりまで受ける元凶になってしまったというわけである。
作中の描写を見る限りでは、彼らはあくまで宝探しと金儲けを考えていただけであり、同じく作中に登場する【ヘンリー誘拐イベント】の誘拐犯や【カンダタ】などのように明確な悪意を持った犯罪者というわけではなく、当然ながら主人公たちに悪意などあるはずもない。
このように、悪意なき人物の手によって運命が狂わされる描写になっているパターンはシリーズを通してもそう多くはない。
知らなかったとは言え、人身売買を行う格好になってしまっている、という流れはDQ8の【キント】の一件で再登場している。と言っても、あちらは人の所有物を盗んでいるので明確に悪意を持った小悪党という違いがあるが。
 
ちなみに妻の石像の方は「あてがある」としてここでは売らなかった。実は【工事中の神殿】にて「御神体の像を飾る計画」について話す人がいたので、どうもこの情報を知っていた可能性が高い。
どんなルートでその情報を手に入れたか分からないが、情報どおりに光の教団へ売ったものと思われる。…だが、そんなことを知っていて、果たして生きて帰れたのだろうか…。
彼らは青年時代後半では設定ミスで居続けるリメイク版を除いて登場しないので、もしかしたら、妻の石像を渡す際に光の教団に捕まって奴隷にされてしまったのかもしれない。
 
ここの攻略を終えれば、いよいよ物語は青年時代後半に突入する。
また、【伝説の勇者】である【男の子】に加え、【女の子】【サンチョ】【ピピン】と人間キャラが4名も加わり、【ルイーダの酒場】も利用可能になる。
ジャミ戦の時点で馬車を含めたパーティーメンバーが7人以上に達していた場合、子供2人分の空きを作るために溢れた仲間モンスターが強制的に【モンスターじいさん】送りとなる(誰を送るかの選択はなく、隊列の後ろから優先的に選ばれる)。
なお、SFC版ではデモンズタワーで消耗したHPやMP、【毒】などの状態異常はなぜか8年経った青年時代後半になっても回復していない。
 
余談だが、8階の渡り廊下のスイッチの近くの【張り紙】で「渡りローカのスイッチ」という記述がある。なんでカタカナ…。
 
兄がいる地下室では、はぐれメタル・ミニデーモン・メッサーラといったグランバニアへの洞窟にいたモンスターが出現する。
しかしここでは馬車の仲間に経験値が入らないので、経験値稼ぎや仲間勧誘はグランバニアへの洞窟で行った方が良い。

リメイク版

4人パーティーを組めるようになった上に、像の炎のダメージが激減。像の目の前を特攻してもほぼ死なない。
全体的な難易度は大幅に下がったと言える。
それでも厳しいようなら、【グランバニアへの洞窟】【はぐれメタル】でも狩ってこよう。
あるいは攻略前に【やくそう】を30個ぐらい買い込んでボス戦前の道中はそれで回復しMPを温存するのも手。
ここで出現するモンスターのうち、追加でホークマンが仲間にできるようになった(アムール共々微妙スペックだが)。
 
シナリオ面では、主人公夫妻を石化する役目がジャミから【ゲマ】に変わっている。詳細についてはゲマの項目を参照。
また、イベント戦闘のうち、10階の「マムー2匹・バルーン1匹」の組み合わせが削除されている。
なお仕様変更により、イベント戦闘のモンスターでも仲間になる可能性がある。
 
PS2版の【オープントレイ技】で幼年時代のうちにこの塔を訪れた場合、ランダムエンカウントは発生しないが上記のイベント戦闘は健在なので、彼らを前倒しで仲間にすることが可能。
幼年時代での加入と考えればいずれも高い初期能力を持ち、通常プレイで散々見かけ倒しと言われたアムールや【ホーくん】にもついに日の目が!
……と言いたいところだが、ここで彼らを勧誘するためには主人公のレベルが25前後は必要。
フロアによって多少異なるが、そこまで主人公(と一緒にレベル上げした他の仲間モンスター)が強くなっているならそもそも彼らを仲間にする必要がないというオチが待っている。
結局この中で使うのは元々優秀な仲間として有名な【オークス】くらい。あんまりだ。
 
ちなみに上記の宝探しに来た兄弟について、SFC版では弟は実際に来るのが遅れていたようだが、リメイク版では弟が塔の前をウロついており、待ち合わせ場所をちゃんと決めていなかったために会えないだけという状況に変更された。
また、どういうわけか青年時代後半も2人は同じ場所にいて同じセリフを吐く。
SFC版ではちゃんとフラグ管理されており、後半にはいなくなっているので、これもDQ5リメイクの単純ミスの1つとなっている。
なお、主人公の像の売値は20000Gに値上がりした。主人公達にとってはそれがどうしたという話だが、オークションという観点で見れば、一応「お宝」らしくはなった。
英語版ではこの兄弟にHeister、Hucksterという名前が付けられた。

なお、ここの【回復の泉】は建物の入口にある上、北の教会から魔法のじゅうたんですぐに行けるため、無料回復として使い勝手が良い。
無料回復ならグランバニアやルドマン家でも良いが、余計な会話や宿屋暗転エフェクトがなく、ワールドマップに最速で出られる利点がある。

小説版

ゲーム本編と同じく誘拐された妻を救出する目的で訪れる。
グランバニア襲撃からこのデモンズタワーの間には辛い出来事が次々と押し寄せてくる。
【ガンドフ】【パペック】【メッキー】【ドラきち】【スラリン】【スミス】と6体もの仲間たちが命を落とし、さらに【コドラン】が行方不明となってしまった。
フロアには別名が付けられているようで、飛び出す杭のあるフロアが「やまあらしの階」、ドラゴンの像のあるフロアが「火吹き竜の階」と呼ばれている。

ウォーク

DQ5コラボイベントでここが登場した際、「デビルズタワー」という微妙に違う名称になぜか変わっていたために多くのユーザーから不評を買っていた。不具合だったらしく、しばらくして従来の名称に戻っている。