スタッフ/【松野泰己】

Last-modified: 2024-04-01 (月) 20:35:39

ゲームクリエイター。
 
以前はクエストというゲーム会社に所属しており、
同社のヒット作のオウガバトルシリーズを手掛けている。
タクティクスオウガ」発売後、クエスト社上層部と揉め、スクエニに移籍。
タクティクスオウガのシステムを受け継いだFFTや、ベイグランドストーリーを製作している。
FF12にプロデューサーとして起用されるも、病気療養のため、降板して監修に回ることとなった。
FF14の拡張パッケージ「紅蓮のリベレーター」のアライアンスレイド「リターントゥイヴァリース」の
シナリオ・脚本を担当することになり、約10年ぶりにFFシリーズに参加することが決まった。


作品内で革命や宗教、民族紛争など非常に重いテーマを扱う事が多く、
シリアスなシナリオとヘビーなセリフには「松野信者」と呼ばれる程熱狂的なファンが付いている。
こうしたシナリオの裏で芸の細かいヘルプメッセージやサブイベントなどで、
ニヤリとさせてくれるのも特徴。

  • 良くも悪くもファンタジー色が薄めで「リアルな」ストーリーや設定を作るのがうまい。
    ただし現実的であるが故に場合によってはかなりエグかったり、とてもえげつなかったり、
    凄まじくドロドロしていたりする。上記のように革命を取り扱う場合は革命の先進性や夢や希望と言った
    「綺麗事」の部分だけではなく権力闘争的な側面や新興勢力側の野蛮さと言った暗部を見事に描き出し、宗教の場合はその救いの側面より権力機構としての保守性や非合理性を扱い、民族紛争を取り扱う場合は
    プレイヤーにその片棒を担いで粛清に加担するかどうか(!)選ばせたりする。
    しかもそのやり方と言うか世界観の組み上げ方がうまく、これみよがしにこう言うテーマを
    扱っている感じは全くしない。苦手な人は苦手だろうが、ハマる人はドハマりしそうなタイプの
    ゲームクリエイターと言って良いんじゃないだろうか。
  • 良くも悪くもつながりで言うなら彼のような壮大なシナリオをゲーム化するとなると莫大な資金が必要でFFTの発売時期はまさにゲームバブルの全盛期。巨額の金が平然と飛び交い大作を作りやすい環境だったからこそなしえた作品でもある。スクエニですらソーシャルゲームで「小銭」を稼ぐのに窮窮している現代ではとてもじゃないが彼の出る幕はない。先ごろ発売されたタクティクスオウガリボーンも盛大に爆死したしゲームバブル期の遺産を現代に移植してもうまくいかないことは客観的なデータが多数証明している。しかしながらそれは他の「10年作り続けてきた」スタッフにも言えることであろう。
  • ゲームをやっていると、どうしても人類や国家の存亡をかけた戦いに対し
    主人公達4人~20人程度で何ができるのか、
    他の一般人達や権力者たちは指をくわえて見ているのかというのが気になってしまう。
    彼のシナリオはそういう歴史の大きな動きと細かい所で暗躍する主人公達の動きの整合性の付け方とかに、
    かなり心を砕いていると思う。
    まぁ、結果的に主人公達が歴史の表ではなく裏で動く感じになってしまうのだが。
  • 法学部出身。国際政治が好きだった為に作っていたゲームはどれもその色が濃かったようだ
  • 非常に緻密で几帳面なプランニングをすることで知られており、FFTが開発初期段階においてプランナーがゲームシステムの仕様書を作り、しかもほぼ完成された状態で配布するという離れ業をやってのけている。
    • FFTのバトルシステム仕様書ではVer1.0(つまりほぼ初稿)の状態でステータス画面のカーソルの挙動やマップチップセットの表示方法などを非常に細かく記載されており、特に「高さ」に関してはどのように登り、どのように降りるかという事細かなルールまでもゲームデザインしていることがわかる。つまり、FFTは松野泰己が最初期の段階から完全にコントロールできる状態で制作がスタートしたということである。この仕様書を見た吉田直樹氏に「これはもうものすごい仕様書。教科書として売れるレベル」「こんな仕様書を書ける人は他に一人しか知らない」とまで言わしめた。
      松野氏はこの賛辞を「几帳面だったな~」と照れながら応え、また「今はもうデータとモーションで作っちゃいますからね。今のプランナーの皆さんはこんな仕様書作っちゃだめですよ」と笑い飛ばした。ちなみにこの仕様書は、FF14生放送に松野氏が出演すると聞いた皆川裕史(HQひろし)が荷物整理していたら出てきたもので、もうスクエニには残っていない貴重な資料なのだそうだ。

酒どころでもある新潟県出身のせいなのか、かなりの酒豪。
学生時代に自主映画を作るほどの映画好きでもあり、メジャーからマイナーまで映画の趣味は幅広い。
FF12開発当時もデスク周りにロードオブザリングのポスター貼っていた。


彼の降板により、FF12当初のシナリオは永遠にお蔵入りとなった。


FFTのシドの名字はタクティクスオウガ(TO)でも使われている。
また、汎用ユニットの名前も全てTOと同じものであるらしい。


FF12の制作から退いた後、結局2005年8月末をもってスクエニを退職している。

  • twitterで、退職理由を明かしている。
    公式情報以上でもなければ
    以下でもありません。退職はケジメです。
    病とはいえ、スタッフや社、株主、期待して
    くれていたファンに対して多大な迷惑をか
    けたのは事実ですから。

FF11好きで、かつてはプレイヤーとしてヴァナ・ディールにいた。
田中氏にはマンドラゴラのFF12への出演許可までもらっている。
廃人並のハマりようだったという噂もあるという。


FF14のプレイヤー(自称カジュアル勢)としても知られ、ツイッターでもよくFF14を話題にしている。


クエスト退社はスクウェアの引き抜きと噂されたが、本人が否定している。
後にクエスト社のゲーム事業がスクエニに譲渡され、オウガバトルの著作権も有しており、
「タクティクスオウガ 運命の輪」としてリメイクされた。
氏も契約スタッフとしてながらスクエニ作品に一時期間だが復帰した。

  • もっとも移籍後の貢献度を考えればコストパフォーマンスは最悪。むしろ押し付けられたといっていい。まあ、役目が終わった人たちを過去のブランドだけで獲るほうも獲るほうなんだけど。
  • ちなみにスタッフ丸かぶりでタクティクスオウガによく似たFFTが作られたのは、移籍してきた松野に坂口博信が「FFでSRPG作ってよ」と要請を出したためである。まあそんなわけで傍から見ると引き抜きにしか見えない状況ができたわけだ。
  • 一部勢力からは狂信的に擁護する者もいるが結果を見ればトータルではむしろマイナス面のほうが多い人。スクエニは逆に不良債権を押し付けられた格好となった。メガヒットタイトルをよく引き合いに出す人間がいるがその分宣伝広告費がバカ高く、そもそもスクエニ自体が超ハイランニングコストの準赤字体質の金食い虫要素の強い企業だが彼の参戦によってさらに拍車がかかってしまった。
    というのがアンチの言い分だが、「不良債権を押し付けられた」では、坂口博信氏の「松野泰己を愛しています」発言や、現在でも吉田直樹氏などの多くのファンがいることを考えれば事実に即しているとは考えがたい。また、宣伝費用は当時のスクウェアはどのタイトルにもかなり使っており、別にFFTに限ったことではない。まして、彼が参入しようと10年以上PV作っていただけのスタッフに比べればすべての責任を負わせられるほどのものとも到底思えない。
  • しかし10年以上かけて1本のシリーズ最新作に携わっていてPV以外ロクに作っておらず、結局タイトル変更した挙げ句放り出した生え抜きもいるくらいなので、松野氏ひとりが吊るし上げられるのは的外れというものだろう。
    • 十年以上PVをつくっていただけとよくいうがその間にどれぐらいの作品に関わっていたか知っているのだろうか、上の某スタッフは会社の方針で降板させられたに過ぎないし、そもそもいつも吊るし上げをくらってるのは彼の方
  • というか、ゲームだけで貢献してたわけではない。PlayOnlineの元になるものを担当してたのも松野だし、松野人脈で皆川、吉田その他の重要なメンバーもついてきたし、純粋クリエイターと言うよりは色々トータルで見ないと分からないタイプ。

登場人物の誰かに特定の口調であるキャラがいるのも特徴の一つ。


ベイグラントストーリー発売頃のメディアのインタビューでは
「世界観は細かく作る必要があるが、映画みたいなストーリーはゲームに必要ない」と話している。
OBを出した頃も、FFのようなドラマチックな展開がウケていたからそれに迎合しただけとのこと。
シナリオ制作の勉強をしているわけではなく、歴史好きで歴史からの引用を基に世界設定を考えている。


エンカウント形式に飽きており、ベイグラントストーリーからシームレスバトルを採用する。
FF12の制作中も、坂口氏、田中氏、石井氏らと
FFも10作を超えたので大きく変えても良いのではないかという話をしていたという。


そのシナリオばかりが注目されがちだが、バトルシステムにもこだわりが感じられる。

クォータービューSRPGの基礎となったタクティクスオウガは言うにも及ばず、
伝説のオウガバトルのカオスフレームやベイグラのリスクなんかは上手いなあと思った。


随所に洋楽をもじった小ネタが見られる。
オウガ時代で言えば、「オウガバトル」「黒き女王の行進」「手を取り合って」「ブラックモア(リッチ)」
FFTでの「愛に全てを」
など。
ほとんどが英国のロックバンド「クイーン」のネタであるが、ファンなのだろうか。


レベルファイブに入社して皆葉英夫崎元仁とともに新作「クリムゾンシュラウド」を発表した。

  • 2012年11月にレベルファイブを退社、再びフリーランスとなった。
  • 2016年に株式会社ALGEBRA FACTORY(アルゼブラ ファクトリー)を創業し、現在はそこの代表取締役を務めている。

FF12最強のモンスターであるヤズマットの名前の元となった人物でもある。


Twitterにて、FFTの質問に答えたりキャラの口調で挨拶するなどとにかくサービス精神旺盛な人である。
ついでにそのTwitter上で病気降板を某神に皮肉られたり…


FF14リターン・トゥ・イヴァリースにおいて松野氏をモチーフとしたと思しき「異邦の劇作家」というNPCも登場している。
当初は世界設定の解説係といったチョイ役扱いであったがリドルアナ編にてクエスト本編にも登場。
物語の進行よりもまず料理を優先するなどメタ的なネタも飛び交い異邦の詩人にも引けをとらぬインパクトを残している。


料理好きらしく、Twitterでたまに自身が作った料理の写真を公開している。
少なくともFF14の方の豆スープ実際に作ってテキストを起こしたらしい


関与作品一覧(スクウェア在籍時代のもの)

関与作品一覧(それ以降のもの)


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