KHII
存在しなかった世界においてルクソードがソラに敗れ、消滅する間際に放ったセリフ。
KHIIではXIII機関員はこのセリフに限らず、ソラに対して「ロクサス」と呼び掛けるなどしてソラの中のロクサスを呼び起こそうとしてくる。
- 何らかのきっかけがあれば心の中の人物が表面に出てくるKHシリーズの描写を見る限り、ソラの中のロクサスに訴えかけるのもあながち間違いではない。しかし、(プレイヤーからの好感度は高くても)ロクサスが表面に出てくるほどルクソードに対して何らかの感情があったかというと……。
Daysをプレイした人なら分かるが、機関員時代のロクサスに対してアクセルやシオンの次に親切にしていたであろう彼。
その他のメンバーのロクサスの扱いはと言うと…。
- 捜索依頼を出されたから迎えに来てやったのに礼の一つも言わない
- 大人気なく愚か者扱いしてくる
- 訓練とは言えいきなりどついて瀕死状態にしてくる
- 「お前の人間臭さには反吐が出る」と吐き捨てられる
- サボりたいが為に業務を押し付けてくる
- 鬱陶しがられてほとんど相手にしてくれない
と、とても散々な扱いをする先輩たちばかりである。
そんな中、ロクサスに対する彼の態度は、任務を終えると存在しなかった世界にすぐ帰れるよう闇の回廊を目の前で開いてくれたり、「末端の者同士苦労が絶えないな」と労わりの言葉をかけてくれたり、非常に紳士的かつ優しいもの。
そんな彼が最期に遺した言葉がこれとなると、どこかやり切れないものがある。
ちなみにこのセリフに対し、ロクサスの本体であるソラは「俺はソラだ!」と彼の言葉を強く否定するように返している。
- この時はロクサスが自分のノーバディであることはまだ知らないので、ソラには嫌味にしか聞こえなかったのだろう。
Daysをプレイしたあとこのソラのセリフを聞くと、一瞬ルクソードに同情してしまう。
- ただし、3Dでソラは「ロクサスはロクサス」であり自分とは違う、幾ら自分のノーバディだろうが「ロクサス≠自分」という結論を出している。
そしてKHIIIでも本体とノーバディやレプリカは別物ということが強調されているように、KHシリーズではこの否定がシリーズの根底にある。- とはいえ、通常であれば本体とノーバディの記憶と人格は地続きかつ同一のものなので、自身がそうであるXIII機関員たちからしてみれば、ソラ=ロクサスとして扱うのはある意味当然の対応ではある。
一応機関員はソラとロクサスは別人格とは把握しているだろうが、彼らからしてみればロクサスが記憶喪失になっているようなものかもしれない。- とか言いつつ、ルクソードはポートロイヤルでは思いっきり「ソラ」と呼び掛けているわけだが。
- ついでに言えば、シグバールは存在しなかった世界で「ソラ!ロクサス!」と両者に呼びかけている。こちらに関しては、後に明らかになった特殊な立ち位置も絡んでいるのかもしれないが。
- 作品としてはソラたちの考え方が正解であるような描き方がされるが、肝心のレプリカやノーバディ達はあまり同じ考えをしていない(と言うか考えた末還ることを納得してしまったり、半分諦めたようになる)。まあ、ストーリー上あっさり理解したり、逆に変に拗れたら、全く別のキャラクター像になっていただろうが。
- 最初にソラがその考えを述べたリク=レプリカからして全く理解してくれていない。
- これに近い考え方をする「ニセモノ」は、自分からその考えに至ったデータ・リクとそれを聞いたデータ・ソラ位のもの(二人の場合は行き着く先は「還元(ある種敗北が決まった存在の奪い合い)」等ではなく「データの初期化(ある種自己の消滅)」なので、少し事情は異なるが)。
- とはいえ、通常であれば本体とノーバディの記憶と人格は地続きかつ同一のものなので、自身がそうであるXIII機関員たちからしてみれば、ソラ=ロクサスとして扱うのはある意味当然の対応ではある。