概要
ババ抜きとは、特別な関係になった者同士で取り交わされる行為である。
元ネタは『パティシエなにゃんこ~初恋はいちご味~』(家庭用ゲーム機版)の冬華シナリオ。
転じて、作品がPC版から家庭用版へ移植されるにあたってカットまたは差し替えとなるような、セクシャルな表現が含まれるシーンの隠喩として用いられる。
ババ抜きなのに、基本的には二人だけの旅で行われるところがポイントである。
詳細
事の始まりは『がもうさんの パティシエなにゃんこ~初恋はいちご味~ 22【実況プレイ】』で動画化されている。
(22:02~)
冬華シナリオの終盤、感傷的になった翔一(主人公)を励まそうとしてか、冬華はある勝負を提案する。
一対一の勝負で勝った方の願いが叶うという賭けらしいが、その勝負の手段はババ抜きだった。
そんな中、何かに気付いたがもうレオンさん曰く、
「トランプを出す手前で、何かね、急にガラッと雰囲気変わったよね」
「雰囲気っつーか、しゃべる感じが変わった」
「全くBGMが無いのが気になる」
そしてババ抜き中に現れたイベントスチルは、それまでの立ち絵はもちろんのこと、他のスチルとも絵柄が少し違っていた。
がもうさんはPC版を未プレイだったので断言こそできなかったが、家庭用版に移植されるにあたって差し替えられたシーンであるという疑念を強めていった。
「なんかね、性格変わってる気がするんですけど・・・」 - 『その23』(4:50)
「どっちかっていうと、出会った頃の感じだよね」 - 『その23』(5:33)
おそらく、差し替え用の新規シーンは『その22』(22:16)の暗転から『その23』(7:05)の場面転換まで。
一応、シナリオ序盤に冬華と亜里咲が二人でババ抜きをしていた場面があり、「二人でババ抜き」という行為自体に何も伏線がなかったわけではない。
(22:16~)
さらに先述の場面でも、冬華はトランプ占いや他のトランプゲームを知らないのであろうという描写があり、それ自体は彼女のキャラクター性と乖離したものではない。
しかしそれらを踏まえても、この一連の差し替えシーンの不自然さは拭えず、がもうさんと視聴者の記憶に深く刻まれた。
この一件は「ババ抜き」の一言で伝わるようになり、転じて「差し替えられる前にあったであろう描写」の隠喩としての意味をも持つに至った。
補足
がもうレオンさんは後に「最初にやったのが冬華編じゃなかったら、ここまで続けてなかったかもしれない」といったような発言をしている。
他のヒロインのシナリオでは差し替えシーンがどのような内容になっているのか、という点がモチベーションの一因になったと思われる。
ちなみに、ミオやみちるについては、PC版より家庭用版の方が話の流れとして良いという声もある。
一方の冬華は、シナリオ全体として見ればメインヒロイン格*1であるものの、家庭用版への移植では犠牲者となってしまったようだ。
しかし、きれぼし生放送としては大きな貢献(?)をしたといえるだろう。
余談
差し替えシーンから共通部分に合流したと思われる暗転の直後に
音楽が流れ出した。
というテキストがある。 - 『その23』(7:16)
これは、シナリオ上重要な歌が収録されているCDを再生したという意味に過ぎないのだが・・・
家庭用版の差し替えシーンでは一切のBGMが流れなかった状況からここに辿り着くと、別のメタ的な意味が付け加えられたようにも見える。
^日^「やっと流れ出した!」
使用法
先述のように、(うわ。要素を含むPC用ゲームが家庭用へと移植された際に、まず間違いなく改変されるであろうHさせて頂くシーンの婉曲的表現として用いられる。
改変後のシーン(特に不自然なもの)を指すこともあれば、改変前を指すこともある。
なお、差し替え用の追加シーンがなく、ほぼ単純にカットされたと思われるケースでも使われる。
元ネタから約1年経過した2018年3月前後の期間、ナニフツウさんの『キミの瞳にヒットミー』(PS4版)や『甘えかたは彼女なりに。』(PS4版)配信など、その手のシーンが含まれるPC版を原作とするタイトルが注目された。
この辺りで「ババ抜き」が再び脚光を浴び、使う機会が増えたかもしれない。
また、「ババ抜き」を崩して「ババを抜く」と変形した用法も見られた。
この流れ*2を受けて、がもうレオンさんは
発端であろう私が言うのもなんだけど ババ抜きと言う言葉を正常に戻したい
というツイートを投稿している。
用語が確立するきっかけとなった当人としては、そんなつもりはなかったボタン?を押したいところであろう。
使用例
『がもうさんの パティシエなにゃんこ~かなで編~ 39【実況プレイ】』にて。
(2:20~)
かなで編の終盤、部屋で二人きりになった翔一とかなで。
翔一「クリスマスイブに遊ぶのは、また来年までお預けかな」
しかし時計が零時になるまで、まだまだ時間はあった。
という流れに反応して、がもうさんは「ちょっと待って、こっからババ抜きはやめてくださいよ」と発言。
その直後 (3:01) に暗転の演出が挟まり、おそらく差し替えと思われるシーンが始まったが、流石にババ抜き以上の意外な展開はなかった。
^日^「何だよその、今の・・・ブラックアウトは!」
派生:百人一首
『部長の カルマルカ*サークル PS4版【実況プレイ】その61 -天ヶ瀬奈月編-』にて。
(12:00~),(13:19~),(17:31~)
奈月シナリオの中盤、海人(主人公)は初めて彼女の部屋を訪れる。
何かして遊ぼうという提案に対して、奈月が持ってきたのは百人一首のカルタだった。
「負けた方が勝った方の言うことを何でも聞く」「海人は初心者なので、ハンデとして一枚取れば勝ち」というルールで勝負した結果・・・
勝利した海人が罰ゲームと称して奈月の両手を縛り上げ、寝転ばせたところで場面転換が入り、次の日に進んでしまった。
この手の移植ものに慣れてきたきれ生勢にとって、それがカットの結果であることは明らかであったが、そのバッサリ具合に笑いながらツッコミを入れざるを得ないナニフツウさんであった。
『パにゃん』のババ抜きと比較すると差し替えではなくカット形式という違いはあるものの、
- 一組の札を使った古典的な遊びである。*3
- 一般的にはもう少し多い人数でやるものを、主人公とヒロインの2人でやった。*4
- 勝った方に良いことがある、という宣言のもと勝負が行われた。
- (うわ。シーンの存在によって、話の流れに不自然な切れ目が生じた。
といった共通点がある。
かくして、百人一首には第二のババ抜きとも言うべき暗喩の側面が備わるようになってしまった。
関連動画
『部長の アイドルマスター プラチナスターズ【実況プレイ】その8』にて。
(4:38~)
何かの差し替えではない、一般的な意味での真っ当なババ抜きのシーンである。
ナニフツウ「あ、ババ抜きだ。ババ抜きだこれ」
ただの日常風景のはずだが、サムネに選ばれてしまうのであった。
状況としてはカードが残り3枚の最終局面だが、見る限り既に上がった2人を含めて4人で遊んでいたようである。
普通、ババ抜きは2人で遊ぶものではないので当然ではあるが、ここで「手札を持って争っている2人のキャラクターしか表示しない」といったような手抜きをしない丁寧さは評価されるべきであろう。