インチキ

Last-modified: 2024-03-01 (金) 07:23:59

石原慶幸(元広島)の別称。彼の代名詞とも言える数々の珍プレーを由来とするものであり、蔑称としての意味合いは無い。
正確な初出は不明だが、元々はテキサスヒットなど「インチキ臭い」ヒットが多かったことから2004年頃には既に言われ始め2007年頃には既に定着していたが、その後「一握の砂」のような時折見せる意外性のあるプレーが頻出するようになり意味は取って代わられるようになった。

現在では、同じ広島の捕手で同姓の石原貴規の別称としても使われる。

一握の砂事件

2013年5月7日、横浜DeNAベイスターズ戦で発生。「一握の砂*1」「無を取得*2」などと呼ばれる。
6回表2アウト一塁、走者石川雄洋、打者井納翔一、投手久本祐一、捕手石原の場面。
石原は久本が投じた内角の直球をこぼしてしまう。左に少しこぼしただけだが、1-4とビハインドなこと、ランナーがいたこと、運悪くボールが白線上に落ちてしまったこと、さらには井納がさりげなく足でボールを隠したこともあって完全にボールを見失ってしまった

久本がボールの位置を石原に教えようとする*3が、その様子を見た石川は進塁の素振りを見せる。
目で牽制しつつもなおも進塁の素振りを見せる石川に対し、石原は足元の砂をつかんでボールを捕球したように見せかけて牽制のふりをするという名演技を見せ、見事進塁を阻止した。なお石原本人は大慌てだったという。

その後このプレーが『アメトーーク!』で紹介され、アンガールズの田中卓志に「優秀な選手だけどインチキする」と語られたことから石原伝説は一般的な知名度を上げる事となる。

その他、インチキの数々

サヨナラデッドボール

2011年5月14日、読売ジャイアンツ戦で発生。
9回裏に入って3-4と巨人がリード。ここで巨人は新外国人守護神のレビ・ロメロを投入する。
しかしヒット→犠打→四球→四球→暴投で同点、さらに2アウト満塁となり打者は石原。
ここでなんと石原は初球にデッドボールを食らい、広島がサヨナラ勝ち。石原は喰らった直後に倒れたが、すぐ立ち上がりバッターボックスでガッツポーズをした。
なお、この日石原は5打席立って無安打ながらヒーローインタビューに呼ばれている

サヨナラスクイズ成功

2012年7月17日、中日ドラゴンズ戦で発生。
9回まで0-2で進んでいたが、9回裏に中日の守護神・岩瀬仁紀を捉え同点に追いつく。さらに1アウト満塁の場面で打者は石原。
ここまで打率.252の石原がそのまま打席に立ったことで注目が集まる中、石原は意表を突くスクイズを敢行
これが成功し広島はサヨナラ勝ち。実にセ・リーグ18年ぶりとなるサヨナラスクイズとなった。

アウトにされたふりをして進塁

2016年7月27日、読売ジャイアンツ戦で発生。
5回表、1アウト満塁の場面。打者・田中広輔は一・二塁間にライナー性の当たりを放ち、これを二塁手・山本泰寛(現中日)がワンバウンド捕球で二塁送球、これで一塁走者・小窪哲也はフォースアウトとなるが、二塁走者・石原はギリギリで帰塁しセーフ。打者走者・田中はセーフ、その隙に三塁走者・下水流昂がホームを踏み1点追加。この一連のプレーはここで終わるはずなのだが…。

なぜか小窪が2塁ベース上に残り、石原はアウトにされたふりをして3塁ベースに歩いて行き進塁、それを見て小窪がベンチに帰るという謎プレーを展開。
これに巨人ベンチは「小窪がセーフで石原がアウト」と思い込んでまんまと騙されてしまい、結局2アウト1・3塁で試合は続行となった。
ライナーだと思い帰塁した石原が、小窪に対するアウト宣告を自分のものと勘違いしたことが発端ではないか?という見解もあるが、上田剛史のYouTubeにて、「ヘッドスライディングをしたときにショートバウンドしてるのが見えた。ショートバウンドだからと思わず二塁を離れてしまい、もう何をしてもアウトになると思ったから一か八かだった」と語っている*4

1打席3インチキ

2017年5月14日、読売ジャイアンツ戦で発生。「空振り2ラン」「史上最大のインチキ」とも。
8回裏で5-1とリードながら1アウト1・2塁のチャンスで打者は石原。
リードしてはいるが投手陣に不安があり追加点が欲しい場面。ここで巨人の投手・乾真大は石原に対して制球が定まらず、暴投でランナー2・3塁となる。

ここで石原はスクイズの構えをするが、乾の大きく下にそれた球に無理に合わせに行ったため空振り。しかしこれを捕手・小林誠司が大きく後逸してしまい、ランナーは2人とも生還*5
「スクイズを空振っただけで走者一掃」という珍プレーとなった。

なおこのプレーに球場も混乱したのか電光掲示板にボールのカウントが1つ少なく表示されてしまい、四球になったはずなのにフルカウント表示になっていることに石原も困惑した表情を見せた(その後修正され無事出塁、さらに後続の安部友裕と菊池涼介の安打で得点まであげている)。

この1打席の間に起きた

  • 乾の暴投
  • 小林の後逸
  • 球場のカウント間違い

の全てをまとめて1打席3インチキと呼ぶこともある。

関連項目


*1 石川啄木の歌集タイトル。ここから石原が「石原啄木」と呼ばれたりすることがある他、該当シーンでの一塁走者も「石川」である。
*2 「物を所持しているが持っている物が目視できない」という状態を指すゲーム用語。
*3 映像では「下!下!」とかなり大きな声で叫んでいるような口の動きが見える。
*4 この動画の15:36頃で発言。
*5 ちなみに2塁ランナーは俊足の野間峻祥であった。