バルデスおじさん

Last-modified: 2023-08-24 (木) 15:33:46

元中日ドラゴンズのラウル・バルデスのこと。

概要

元はキューバ生まれだが5度の亡命失敗*1を経て23歳の時、ドミニカに亡命。その後も長らくマイナーなどで燻り32歳でようやくメジャーデビューという超遅咲きの苦労人であるバルデスは2015年、37歳にして中日へ入団。当初は高齢である事を理由に期待されていなかったが、開幕ローテーション入りを果たすと好投を続けなんJ民の鼻を明かした。
…のだが、最初の10試合中9試合でQSを達成しながら援護率1.91という壮絶なムエンゴに見舞われたことでファンの同情を呼ぶ羽目に。このムエンゴはシーズン通して続き、最終的には防御率3.18ながら5勝8敗と気の毒な結果に終わってしまう。
当時既にアラフォーに差し掛かっているのにもかかわらず中4日で投げ続ける姿、そして竜達の活躍で勝利投手の権利を頻繁に消された際に見せる悲愴な表情はネットで話題となり、「おじさん」の愛称が生まれ、さらに「バルデスおじさんを救う会」を作られた。

2017年前半のバルデス

この年のドラゴンズは開幕19試合連続で先発投手未勝利(NPBワースト2位)を喫していた。バルデスも例年以上のペースでムエンゴを積み重ね、6月終了時点で「15試合、4勝、防御率2.65(リーグ5位)、投球イニング数98回2/3(断トツのリーグトップ)」の成績を持っていた。
オールスターファン投票では菅野智之に次ぐ2位で、勝ち星が少ないせいか選手間投票からも漏れていたが、この結果を受けて竜党が奮起。ツイッターで「#バルデスをオールスターに」というハッシュタグを付けて活動を続けたところ森繁和監督の目に止まり、緒方孝市監督に直談判。最終的には監督推薦でオールスター出場が決まった。
これに対しバルデスは

すごくうれしい。僕に投票してもらって、感謝している。その期待に応えたい。

とコメント。バルデスの人格者ぶりが伺える話である。
因みにバルデスは前半戦最終戦の阪神戦に先発して6回を投げ中1日で球宴先発というとんでもない離れ業をやってのけ、そして中1日にも関わらず2回1失点と試合をつくってみせた。

バルデス・ムエンゴ列伝

  • 2015年シーズン
    QSを9回以上記録しながらその間の勝利は僅か1
  • 2015年5月6日の阪神戦(甲子園)
    9回2アウトまで1失点で投げ切るもマウロ・ゴメスに安打を浴びて交代。するとそこから福谷浩司又吉克樹大炎上し逆転サヨナラ負け。
  • 2017年シーズン
    QSを9回以上記録しながらその間の勝利は僅か12度目)。
  • 2017年4月1日の巨人戦(東京ド)
    投げては7回途中まで7四球を出しながら1失点の粘りの投球、打っては2017年シーズンチーム1号となる先制本塁打を放つも田島慎二阿部慎之助に逆転サヨナラ弾を浴び自身東京ドーム3登板連続サヨナラ被本塁打
  • 2017年5月11日のDeNA戦(ナゴド)
    6回1失点の好投でマウンドを降りるも、二番手・岡田俊哉が倉本寿彦に同点弾を浴び、筒香嘉智に逆転タイムリーを打たれ大炎上しそのまま敗北。しかも野手陣は5回以降安打なし
  • 2017年5月17日の阪神戦(甲子園)
    8回3安打2失点にまとめ2017年シーズンにおけるチーム内完投一番乗りを果たすも打線が沈黙し当然のように敗北
  • 2017年ドミニカン・リーグ
    このオフに中日を退団し参戦。防御率2.74を記録するも1勝7敗に終わる。
  • 2021年東京オリンピック
    43歳にしてドミニカ共和国代表に選ばれ約4年ぶりの再来日。8月1日のノックアウトステージ1回戦の対韓国戦(横浜)で先発。6回途中1失点と好投するが、後続の投手が捕まり9回裏にサヨナラ負け。オリンピックでも相変わらずな不運伝説に中日ファンは上記の出来事を思い出した模様*2

関連項目


*1 この間、投獄されたこともある。
*2 8月7日の三位決定戦では再度韓国と対戦、5回途中5失点と勝ち投手の権利こそ得られなかったが、ドミニカが勝利しチーム最年長の銅メダリストとなった。