DNSブロックについて

Last-modified: 2024-01-01 (月) 21:13:31

Androidの非root広告ブロックアプリAdGuardを使ってChromeやアプリ内の広告を無料でスマホから消す方法


ここでは、AdGuardのDNSブロック(DNSフィルタリング)について解説します。初心者にも分かるように、DNSとは何かというところから、メリット・デメリットを含めて、丁寧に説明します。また、DNSフィルタリングを使う場合のオプションについても説明します。


DNSとは?

DNSとは何かを正確に説明すると非常に難しくなってしまうため、ここでは初心者にも理解できるようにイメージだけをできるだけ分かりやすくお伝えします。もっと正確に知りたい方はWikipediaなどの記事を読んでみてください。

まず、例としてGoogleのウェブサイトにアクセスするときのことを考えてください。

http://www.google.com/

などとブラウザ(Chromeなど)のアドレス欄に入力すればアクセスできるのは言うまでもないでしょう*1。それでは、

http://216.58.199.228/

と入力しても全く同じウェブサイトにアクセスできるのをご存知でしょうか。実は、Googleに限らず、あらゆるウェブサイトには、原則としてこのような2通りのアドレスが存在しています*2。「www.google.com」のように英数字などの文字を使ったものをドメイン名、「216.58.199.228」のように数字だけを使ったものをIPアドレスと呼びます。

どうして、2つもアドレスがあるのでしょうか。それは、人間にとっては英数字のほうが扱いやすいけれど、機械にとっては数字だけのほうが扱いやすいからです。人間と機械との間の橋渡しをするために、ドメイン名とIPアドレスを相互に変換してくれるシステムがDNS(Domain Name System(ドメイン・ネーム・システム)です。

実は、普段インターネットを利用するときにも、知らず知らずのうちに裏でDNSが使用されています。例として、Googleのウェブサイトにアクセスする際にどのようにDNSが使われるのかを簡単に見てみます。

  1. ユーザーがスマートフォンのブラウザのアドレス欄に「http://www.google.com/」と入力する
  2. スマートフォンが自動的に「www.google.comをIPアドレスに変換してください」とインターネット上のDNSサーバーにリクエストする
  3. インターネット上のDNSサーバーが「www.google.comは216.58.199.228ですよ」とスマートフォンに回答する
  4. スマートフォンが自動的に「http://216.58.199.228/」にアクセスする
  5. Googleのウェブサイトが表示される

このように、ユーザーはドメイン名を入力しただけですが、機械の内部ではインターネット上のDNSを使ってIPアドレスに変換し、IPアドレスを使ってウェブサイトにアクセスしているのです。

DNSフィルタリングとは?

AdGuardのDNSフィルタリング(DNSブロック)とは、広告等(広告のほかにウイルスなどの有害コンテンツも含む)を配信するサーバーに関するDNSリクエストをブロックすることで、広告等のダウンロードを阻止する技術です*3

先程のDNSの説明を思い出してください。スマホの内部では、ウェブサイトにアクセスする前に、DNSを使ってドメイン名をIPアドレスに変換していました。広告等へのアクセスでもこの原理は変わりません。そこで、IPアドレスへの変換自体をブロックすることで、広告等へのアクセスを阻止することも可能になります。

AdGuardのDNSフィルタリング機能が実際に広告をブロックする様子を見てみましょう。ここでは、例としてウェブページ「http://afikasu-yakyuu.com/yakyuu.html」内に広告画像「http://afikasu-koukoku.com/koukoku-gazou.jpg」が設置されていたとします(あくまでも架空の例であり、実在するドメインとは関係ありません)。

  1. ユーザーがウェブページ「http://afikasu-yakyuu.com/yakyuu.html」にアクセスする
  2. ウェブページ内の指示に従って、ブラウザが広告画像をダウンロードするために「http://afikasu-koukoku.com/koukoku-gazou.jpg」へ接続しようとする
  3. スマートフォンが自動的に「afikasu-koukoku.comをIPアドレスに変換してください」とインターネット上のDNSサーバーにリクエストする
  4. AdGuardアプリがDNSサーバーに代わって応答を拒否する*4
  5. IPアドレスが分からないのでブラウザは広告画像をダウンロードできず、広告画像抜きでウェブページが表示される

このように、広告等へアクセスする前のDNSリクエスト自体をブロックしてしまうことで、広告等へのアクセスを阻止するのがDNSフィルタリングというわけです。

DNSフィルタリングのメリット

DNSフィルタリングには2つのメリットがあります。無料版でのアプリ内広告ブロックCNAMEトラッキングのブロックです。

無料版でのアプリ内広告ブロック

AdGuardではブラウザ以外のアプリ内広告ブロック機能*5はプレミアム版(有料版)限定オプションとなっていますが、無料版で使えるDNSフィルタリング機能でもブラウザ以外のアプリ内広告をある程度ブロックすることができます。通信の基本的な仕組みはブラウザであってもブラウザ以外のアプリであっても同じようにDNSを利用しているためです。

ただし、DNSフィルタリングだけを使った広告ブロックには限界もあります(後述)。

CNAMEトラッキングのブロック

広告とは直接関係ありませんが、DNSフィルタリングは「CNAMEトラッキング」と呼ばれるユーザー追跡手法を防ぐためにも役立ちます。

CNAMEというのは簡単に言うとドメイン名に別名を付けることですが、別名を悪用してユーザーを追跡するウェブサービスが存在しているのです。例えば、afikasu-tuiseki.comというドメインが有名な追跡ドメインだったとします。当然、AdGuardなどのアプリは追跡防止フィルタを使ってafikasu-tuiseki.comへのアクセスをブロックしているでしょう。しかし、afikasu-tuiseki.comの別名として、密かにafikasu-himitu.comやkakure-afikasu.comが存在していたとしたらどうでしょうか。AdGuard社は、世界中のウェブサイトを機械的に調査して、このようなCNAMEトラッキングに使われる別名を一覧化し、追跡防止フィルタに統合していますが、すべての別名を完全にリストアップすることはできないので、通常のブロック機能だけではどうしても少数のブロック漏れが発生してしまうのです。

一方、afikasu-himitu.comの本名がafikasu-tuiseki.comであることはDNSリクエストによって判明するため、DNSフィルタリング機能を使えば、すべての別名を確実にブロックすることができます。

ちなみに、Firefox版のuBlock OriginやBraveブラウザもAdGuard DNSフィルタリングと同様にCNAMEトラッキングをブロックできます。

DNSフィルタリングのデメリット

DNSフィルタリングの欠点として、きめ細かいブロックができないということが挙げられます。

例えば、「http://afikasu-iroiro.com/koukoku/」で広告が配信されている一方で、「http://afikasu-iroiro.com/yakyuu/」で野球情報が配信されているとしたらどうでしょう。DNSフィルタリングでafikasu-iroiro.comをIPアドレスに変換できないようにしてしまうと、野球情報も見られなくなってしまいます。

このように、広告等とまともなコンテンツが同じサーバーで配信されている場合、DNSフィルタリングでは、このサーバーをブロック対象外とするか、思い切ってまともなコンテンツごとブロックしてしまうか、二者択一となります*6。DNSフィルタリング機能のみの広告ブロックアプリ*7ならば非常に悩ましい問題となりますが、AdGuardはDNSフィルタリング機能と通常の通信ブロック機能の両方の機能を搭載しているため、2つの機能の使い分けで解決することができます。すなわち、まともなコンテンツのない広告等専用サーバーだけをDNSフィルタリング機能でブロックし、その他のサーバーは通常の通信ブロック機能を使ってきめ細かく広告等だけを選別してブロックしていくわけです。

ただし、通常の広告通信ブロック機能でアプリ内広告をブロックするのはプレミアム版限定機能なので、無料版では、まともなコンテンツと同じサーバーから配信されているアプリ内広告だけをきめ細かくブロックすることはできないということになります。

また、広告専用サーバーであっても、まるごとブロックしてしまうと一部のアプリやウェブサイトで不具合が発生する場合もあります。このような場合も基本的にはDNSフィルタリング機能と通常の通信ブロック機能の使い分けで解決していくのですが、不具合が見落とされている場合や、DNSフィルタリングのメリットに比べて不具合があまりにも軽微な場合には、AdGuardではまとめてブロックしているケースもあります。

DNSフィルタリングのオン・オフのまとめ

基本的にはここまでに説明したメリット・デメリットを踏まえて各自のニーズで判断します。よく分からない場合には、以下のように設定するのが一般的です。
プレミアム版ユーザーは、できるだけ不具合を抑えたい場合はDNSフィルタリングをオフにしましょう。ただしAdGuard導入法 ウェブサイト広告のブロック精度を上げるの設定を行っている必要があります。なお、CNAMEトラッキングのブロックや省電力化といった利点を重視するのであれば、プレミアム版でもDNSフィルタリングをオンにするという選択はありえます。
無料版ユーザーは、アプリ内広告をブロックするためにDNSフィルタリングをオンにしてAdGuard DNSフィルタやAdGuard DNS filter without privacy filters (Ads only) 等のDNSフィルタを使用しましょう。稀にウェブサイト・アプリで不具合が出ることがあるかも知れませんが、それについては当WikiやAdGuard公式サイトへの報告でフィルタを修整してもらったり、アプリの管理で問題のアプリを除外したりしておおむね解決できます。

DNSサーバーの選び方

DNSフィルタリングは、AdGuard導入法で解説しているように、DNSフィルタリング画面からオンを選択するだけで利用することができます。おまけ機能として、「DNSサーバーを変更」オプションでDNSサーバーを選択することもできます。

DNSサーバーの変更によって、ウェブサイトへのアクセスを若干高速化したり、広告ブロックやセキュリティー対策を強化することができる場合もあります。ここでは、代表的なDNSサーバーを簡単に説明します。どのDNSサーバーを使うかは、好みによっても変わってくるので、説明を読んだ上で各自判断してください(よくわからない場合は変更しなくても問題ありません)。

参考サイト:AdGuard DNS Knowledge Base
Known DNS Providers
ハルパス氏のブログ
無料で安全なDNSサービスの一覧
IPv6対応のパブリックDNSサーバの一覧
DNS over HTTPS(DoH)対応のDNSサービスの一覧

AdGuardがおすすめするDNSプロパイダ

システム・デフォルト

初期状態では、これが選択されています。特に不満がなければこのままの設定で構いません。

通常はISP(プロバイダー)から提供されているデフォルトのDNSサーバーです。例えば、docomoの回線を契約しているのであればISPはdocomoで、docomo社が運営するDNSサーバーが使用されます。

基本的には、物理的な距離が他の公開DNSサーバーと比べて近いため、他よりも高速に反応してくれるDNSといえます。とはいえISPによってDNSの性能に差があるため、必ずしもシステム・デフォルトが最速かつ最適とは限りません。

また、Wi-Fi接続時にはスマホのDNS設定が、ISPのDNSサーバーではなく、自宅のルーターになっている場合もあります*8。この場合、ルーターがDNSリクエストの結果をキャッシュしているため、同じウェブサイトにばかりアクセスするのであれば高速になる可能性もありますが、ルーターのキャッシュ自体は貧弱なことが多く、処理速度によっては非常に低速になることもあります*9

なお、認証画面での認証などが必要な一部のWi-Fiについては、システムの既定のDNSサーバーでないと使用できないことがあります*10。このようなWi-Fiを常用している場合には、システム・デフォルトを選択しましょう。

AdGuard DNS

AdGuard社が提供しているDNSサーバーです。このDNSサーバーは、ドメイン名をIPアドレスに変換するついでに広告、トラッキング、フィッシングなど(ブロック対象や品質は通常のDNSフィルタリングと同様なので、ブロック性能の向上を意図して使用する意味はありません)のブロックもしてくれます。つまり、AdGuardアプリではなく、DNSサーバー側でDNSフィルタリングをしてくれるということです。

このDNSサーバーを使う場合は、DNSフィルタをオフにすることをおすすめします。なぜならば、DNSサーバー側でDNSフィルタリングをしてくれるので、わざわざスマホ上のアプリ側で重ねて同じ処理をする必要がないからです。これにより、アプリ側でフィルタリングするよりも電力消費などを抑えられる可能性があります。

AdGuard DNSのデメリットとしては、DNSサーバー側でフィルタリングが行われるので、アプリごとの管理ができないことやフィルターの種類の選択ができないことなどが挙げられます。もしAdGuard DNSのDNS機能には満足しているが、広告除去などはアプリ側で処理したいから不要と考えているのであれば、AdGuard DNS (フィルタリングなし) を使用してください。

  • ホームページ:https://adguard.com/ja/adguard-dns/overview.html
  • IPv4
    • 優先サーバー:94.140.14.14
    • 代替サーバー:94.140.15.15
  • IPv6
    • 優先サーバー:2a10:50c0::ad1:ff
    • 代替サーバー:2a10:50c0::ad2:ff
  • DoH:https://dns.adguard-dns.com/dns-query
  • DoT:dns.adguard-dns.com
  • DoQ:dns.adguard-dns.com

AdGuard DNS ファミリープロテクション

AdGuard DNSの広告等ブロック機能の他、アダルトサイトのブロックとセーフサーチ機能が追加されています。
AdGuard DNSと同様「DNSフィルタをカスタマイズ」のオプションをオフにすることをおすすめします。また、アプリごとの管理ができないなどのデメリットも同様です。

  • IPv4
    • 優先サーバー:94.140.14.15
    • 代替サーバー:94.140.15.16
  • IPv6
    • 優先サーバー:2a10:50c0::bad1:ff
    • 代替サーバー:2a10:50c0::bad2:ff
  • DoH:https://family.adguard-dns.com/dns-query
  • DoT:family.adguard-dns.com
  • DoQ:family.adguard-dns.com

AdGuard DNS (フィルタリングなし)

セキュアで安定した接続を提供しますが、フィルタリングは行いません。

  • IPv4
    • 優先サーバー:94.140.14.140
    • 代替サーバー:94.140.14.141
  • IPv6
    • 優先サーバー:2a10:50c0::1:ff
    • 代替サーバー:2a10:50c0::2:ff
  • DoH:https://unfiltered.adguard-dns.com/dns-query
  • DoT:unfiltered.adguard-dns.com
  • DoQ:unfiltered.adguard-dns.com

Google DNS

検索エンジン世界最大手のGoogle社が提供しているDNSサーバーです。GoogleはこのDNSサーバーの利点としてパフォーマンスセキュリティを挙げています。

  • ホームページ:https://developers.google.com/speed/public-dns/
  • IPv4
    • 優先サーバー:8.8.8.8
    • 代替サーバー:8.8.4.4
  • IPv6
    • 優先サーバー:2001:4860:4860::8888
    • 代替サーバー:2001:4860:4860::8844
  • DoH:https://dns.google/dns-query
  • DoT:dns.google

Cloudflare DNS

CloudflareがAPNICと提携して維持、運営を行っている無料のDNSサービスです。
2018年4月1日にリリースされた比較的新しいDNSで、プライバシー(ノーログ)と速度(DNSPerfの調べによると世界最速)を売りにしています。

  • ホームページ
  • IPv4
    • 優先サーバー:1.1.1.1
    • 代替サーバー:1.0.0.1
  • IPv6
    • 優先サーバー:2606:4700:4700::1111
    • 代替サーバー:2606:4700:4700::1001
  • DoH:https://dns.cloudflare.com/dns-query
  • DoT
    • 1dot1dot1dot1.cloudflare-dns.com
    • one.one.one.one

CloudflareセキュアDNS

Cloudflare DNSにフィッシングサイト等の危険なドメインをブロックする機能が追加されています。

  • IPv4
    • 優先サーバー:1.1.1.2
    • 代替サーバー:1.0.0.2
  • IPv6
    • 優先サーバー:2606:4700:4700::1112
    • 代替サーバー:2606:4700:4700::1002
  • DoH:https://security.cloudflare-dns.com/dns-query
  • DoT:security.cloudflare-dns.com

CloudflareファミリーDNS

CloudflareセキュアDNSにアダルトサイトのブロック機能が追加されています。

  • IPv4
    • 優先サーバー:1.1.1.3
    • 代替サーバー:1.0.0.3
  • IPv6
    • 優先サーバー:2606:4700:4700::1113
    • 代替サーバー:2606:4700:4700::1003
  • DoH:https://family.cloudflare-dns.com/dns-query
  • DoT:family.cloudflare-dns.com

Cisco OpenDNS

ネットワーク機器世界最大手のCisco社が提供しているDNSサーバーです。ダウンタイム(使用不可時間)がないことやマルウェア、フィッシングサイトをDNSブロックするのが特徴的です。
かつては存在しないドメイン名を問い合わせた場合に広告を表示していましたが、現在は広告を表示しなくなりました

  • ホームページ:https://www.opendns.com
  • IPv4
    • 優先サーバー:208.67.222.222
    • 代替サーバー:208.67.220.220
  • IPv6
    • 優先サーバー:2620:119:35::35
    • 代替サーバー:2620:119:53::53
  • DoH:https://doh.opendns.com/dns-query

Cisco OpenDNS ファミリーシールド搭載

Cisco OpenDNSにアダルトサイトのブロック機能が追加されています。

  • IPv4
    • 優先サーバー:208.67.222.123
    • 代替サーバー:208.67.220.123
  • DoH:https://doh.familyshield.opendns.com/dns-query

Quad9

マルウェア、フィッシング、スパイウェア、ボットネットなどのサイトをDNSブロックするというセキュリティ面やノーログやGDPR対応といったプライバシー面を売りにするDNSサーバーです。

  • ホームページ:https://quad9.net
  • IPv4
    • 優先サーバー:9.9.9.9
    • 代替サーバー:149.112.112.112
  • IPv6
    • 優先サーバー:2620:fe::fe
    • 代替サーバー:2620:fe::fe:9
  • DoH:https://dns.quad9.net/dns-query
  • DoT:dns.quad9.net

その他のDNSプロパイダ

Adguard DNS(プライベート)

AdGuard社が提供するプライベートDNSで、Next DNSのようにユーザー登録をしてカスタマイズできます。料金プランもNext DNSとほぼ同様になっており、月に30万リクエストまでは無料で使用できます。AdGuard VPNの購入者なら本来は有料のパーソナルプランも無料で利用できる特典があります。

Alternate DNS

広告ブロック機能を持つDNSサーバーです。
AdGuardとは別のデータベース(フィルタ)を使用しているため、AdGuardのDNSフィルターに起因する不具合を回避できる場合がありますが、逆にこのDNSサーバーに起因する不具合が発生する可能性もあります。

  • ホームページ:https://alternate-dns.com
  • IPv4
    • 優先サーバー:76.76.19.19
    • 代替サーバー:76.223.122.150
  • IPv6
    • 優先サーバー:2602:fcbc::ad
    • 代替サーバー:2602:fcbc:2::ad

AhaDNS

広告ブロック機能を持ちノーログ(ログを取らない為匿名性が高い)を謳うDNSサーバーです。
AdGuardとは別のデータベースを使用しているため、AdGuardのDNSフィルターに起因する不具合を回避できる場合がありますが、逆にこのDNSサーバーに起因する不具合が発生する可能性もあります。AhaDNS Blitz Setupからフィルタを選んでフィルタリングをカスタマイズすることができます。

  • ホームページ:https://ahadns.com
  • DoH
    • フィルタリングなし:https://blitz.ahadns.com
    • oisdフィルタ:https://blitz.ahadns.com/1:1

BlahDNS

同じくノーログ、広告ブロックを謳うDNSサーバーです。DNS over QUICが使用可能、CNAMEトラッキングをブロックなどをサポートしていますが、速度はそこまで。

  • ホームページ:https://blahdns.com
  • DoH:https://doh-jp.blahdns.com/dns-query
  • DoT:dot-jp.blahdns.com
  • DoQ:dot-jp.blahdns.com

IIJ Public DNS

IIJが試験的に提供しているDNSサーバーです。
IIJ、IIJmioのユーザーでなくても利用できます。

ICSAが定める基準に則り、児童ポルノ対策のためのDNSブロッキングが実施されます。
アクセスに関わる(DNSリクエスト及びレスポンス)データ保存が行われます。

NextDNS

通常の公開DNSとは大きく異なり、ユーザー登録をして各自が好みに応じてカスタマイズして使用するという特徴のあるDNSです。カスタマイズの中には広告ブロックに関するものもあり、AdGuard DNSと比べた場合、ブロック対象をユーザー自身が調整できるという利点があります。なお、すべての機能を無制限に使うためには有料版の購入が必要ですが、月に30万リクエストまでという使用制限のついた無料版もあります。

DNSサーバー選択のまとめ

DNSサーバーごとに様々な特徴があります。自分に合ったものを選びましょう。また、特に速度については環境(使用回線等)によって大きく異なる場合もありますので、説明を鵜呑みにするよりも、実際に自分で試してみることをおすすめします。よく分からなければデフォルトで構いません。

(おまけ)ウェブブラウザでのみDNSフィルタリングを使用しない方法(Chromium系限定)

「DNSフィルタリングのデメリット」の項で挙げたように、DNSフィルタリングを使用していると一部のウェブサイトで不都合が生じることがあります。
また、DNSフィルタリングを使用していると、コンテンツブロックのホワイトリストが実質機能しません。(DNSフィルタリングの方でブロックされてしまうため)

このような理由から「ブラウザにはDNSフィルタリングを使いたくない」という方もいると思いますが、無料版の場合はアプリ内広告のブロックにDNSフィルタリングが必須なので、DNSフィルタリングをオフにするという選択肢がありません。

ですが、Chrome等のChromium系ブラウザをお使いの場合は、ブラウザにはDNSフィルタリングを適用しないようにする裏技があります。
Chromium系ブラウザには「セキュアDNS」という機能が搭載されており、これを有効にするとChromeはブラウザ独自でDNSにアクセスするようになるため、AdGuardのDNSフィルタリングが回避されます。
これをあえて利用します。

設定手順(Chromeの場合)

  1. 設定 → プライバシーとセキュリティ → セキュア DNS を使用する を開く
  2. 別のプロバイダを選択 にチェックを入れる
  3. 選択肢の中からどれかのDNSプロバイダを選択する(基本的にGoogleかCloudflareでOK)

以上で完了です。
なお、将来のバージョンのAdGuardではこのセキュアDNS(DoH)がフィルタリングされるようになる予定ですが、ローレベル設定で無効化できます。参照


不具合等発生時には、「コメント欄」ではなく「不具合・広告相談所」に書き込んでください。
また、消えない広告については消えない広告の報告ご参照ください。

  • Windows11のDoHのやり方が分からん… -- 2023-03-20 (月) 07:47:01
  • 白猫ゴルフだけをブロックから除外したいけどどこからアドレス引っ張ればいいんだ。ひとまずコロプラをDNSのプロファイル作る時に入力してみたがダメだった。教えてクレメンス -- 2023-07-17 (月) 00:54:59
    • アプリの管理から「AdGuard経由で通信をルーティングする」をオフ -- 2023-07-17 (月) 10:24:24
      • サンガツ。これで例えば他アプリで貫通されたりとかは起こらないですか? -- 2023-07-17 (月) 12:57:55
      • iOSにはなさそうだな。教えてくれてありがとう。 -- 2023-07-17 (月) 17:42:43
  • 2023/08/08 13時31分現在、AdGuard DNS死んでるね、PCにこれ設定してたら急にネットに繋がらなくなって焦ったよ、DNSは止まっちゃだめでしょう -- 2023-08-08 (火) 13:34:29
    • 2023/08/08 17時31分現在、復旧した、良かったよ -- 2023-08-08 (火) 17:32:14
  • 参考になりました。ありがとうございます。 -- 2023-09-29 (金) 12:30:34

*1 httpではなくhttpsだったり、comではなくco.jpだったりといったバリエーションもありますが、DNSの説明とは無関係なので省略しています。
*2 なお、稀にドメイン名が存在しないウェブサイトもあります。また、IPアドレスは必ず存在しますが、IPアドレスではアクセスできないようにしているウェブサイトもあります。
*3 なお、DNSCloakやDNS66など、DNSブロック機能だけを持つ広告ブロックアプリも存在します。
*4 正確にはこれを「REFUSED」といいます。なお、以前のバージョンのAdGuardでは、NXDOMAINや127.0.0.1といった応答を行う仕様でした(NXDOMAINはIPアドレスが見つからなかったことを表しています。また、127.0.0.1は自分自身を表す特別なIPアドレスで、当然このIPアドレスでは広告をダウンロードすることはできません)。
*5 正確に言えばブラウザ以外の通信ブロック機能など。
*6 このようなサーバーの代表的な例として、graph.facebook.comがあります。このサーバーをDNSフィルタリングでブロックすると、多くのアプリ内広告が消せる一方で、一部のFacebook連携アプリが機能しなくなります。ブロックすべきかどうかは、各自の使用アプリなどによって変わってくることになります。graph.facebook.comのブロックについては、AdGuard導入法(応用編)の無料版ユーザー向け厳罰化ルールをご覧ください。
*7 DNSCloakやDNS66などがあります。
*8 ルーター自体にDNS機能がある場合。この場合、スマホはルーターにDNSリクエストを送り、ルーターがISPのDNSサーバーにDNSリクエストを送るという方式で処理します。
*9 参考:どうしてDNSをGoogle8.8.8.8にすると速くなるのかその仕組みと原理
*10 認証用サーバーへのアクセスにも当然DNSを利用しますが、認証前にアクセスできるDNSサーバーがデフォルトのDNSに限定されている場合にこの問題が発生します。なお、他のDNSサーバーでも問題なく使用できるWi-Fiもありますので、自分の使用するWi-Fiで実際に試して確認してみましょう。