JASSO奨学金返還免除

Last-modified: 2021-06-03 (木) 19:59:14

大学院のJASSO奨学金は徳政令を出せる。

JASSO奨学金

JASSO奨学金の種類

JASSOは大学生・大学院生向けの奨学金を出してくれる。大きく分けて

  • 大学生向け1種(無利子)
  • 大学生向け2種(有利子)
  • 大学院生向け1種(無利子)
  • 大学院生向け2種(有利子)

がある。1種だけ、2種だけ、1種と2種両方、という使い方ができる*1。また、2種は有利子とはいえ、普通に金を借りるのに比べて遥かに利子は低い。

さて、奨学金なので借りるには収入条件がある。大学生向けにおいては、1種・2種ともに収入条件がけっこう厳しかったと思う。
一方で大学院生向けにおいては、表向きには家計が苦しい方向け、とは言いつつも、具体的な収入条件等は示されてなく、誰でも応募できる。これは1種も2種も両方に当てはまる。このうち、大学院生向けの1種奨学金は、「特に優れた業績による返還免除」という制度がある。私はこれ狙いで大学院生向け1種奨学金を借りていた。

特に優れた業績による返還免除

大学院生向けの1種奨学金には、「特に優れた業績による返還免除」という制度がある*2。特に優れた業績*3を残した場合は、奨学金の返済を半額免除or全額免除する、というものである。例えば、1種奨学金の満額8.8万を修士2年間借りると、211万円近くになる。もし全額免除になれば修士の間は月給8.8万円相当になるのでかなりおいしい。そして、これは研究のモチベーションにも結構つながる。
大学院生向けの1種奨学金は誰でも借りれるので、奨学金に手をつけるかどうかはさておき、とりあえず申し込んでおいた。結局使わず、修士卒業時に全額免除となったので、卒業報奨金200万円ということにしておいた。(なお、これは後の博士課程での学費に使う予定だった)
なお、免除額は借りる額とは関係ないので、返還免除狙いならばとりあえず満額8.8万円/月を借りておけば良い。

返還免除の申請

誰でも返還免除になるわけではなく、それなりの業績を残したものが申請をし、審査に受からなければならない。申請・審査は全て書類で行われる。
表向きには、返還免除の申請者は学内での選考を経て決定される、となっているが、実際の基準や人数等は不明である。
またこの申請は、今までの業績を全て整理した書類(アブストや予稿を印刷したものとそのリスト)を用意しなくてはならない。しかも申請時期は2月で場合によっては修論とかぶる。そうじゃなくても大変な時期にさらに余計な手間がかかってしまい、頭がおかしくなりそうだった。しかし、業績に自身がある場合は使わない手はない!
修士の場合は、M2の終わりの2月に申請をし、結果は修了後の6月くらいにお知らせが届いたと思う。

返還免除の当たり判定

どれくらいのレベルなら免除になるんだよお!!というのが心からの叫びである。
しかも、基準や人数があまり表に出てこないので、実態は神秘のベールに包まれている。
以下に私含めた観測範囲内の当たり判定を挙げる。

私(全額免除)
  • 筆頭査読付き英語論文:1
  • 筆頭査読付き国際会議発表:6
  • 筆頭国内学会発表:3(うち1件は優秀発表賞)
  • 学振DC1面接免除
知人その1(半額免除)
  • 筆頭査読付き英語論文:1
  • 筆頭査読付き国際会議発表:3
  • 筆頭国内学会発表:数件
知人その2(免除なし)
  • 筆頭査読付き国際会議発表:3
  • 筆頭国内学会発表:数件

これに挙げたものも含めよく聞くのは、少なくとも筆頭査読付き英語論文を1本出しておかないと半額にならないというものだ。査読付き国際会議が何件あろうが、筆頭査読付き英語論文を出しておかないと半額は狙えないらしい。逆に、論文以外が少なくても、また論文のインパクトファクターが低くても、論文が1本あればそれで半額はかたい、という感じだ*4
さて、免除なしと半額免除の壁は査読付き論文であるが、半額免除と全額免除の壁はどこにあるのか。それは観測範囲内ではわからない。私の全額免除は、学振DC1が効いてるのか、国内学会だけども優秀発表賞が効いてるのか、あるいは国際会議数が効いてるのか、わからない。また、査読付き論文2本以上、という例は聞いたこと無いので、査読付き論文の数で勝負できるのかはわからない。その他、博士に行くと無条件で全額免除、などという噂も聞いたことあるが、真相やいかに!?。
こういう金が絡む話こそ線引をキッチリしてほしいのだが、そんなものを大学にもとめても無駄か、、、

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*1 1種+2種両方借りると卒業時の返済額に絶望する
*2 修士でも博士でも有効
*3 ここでいう業績とは成績のことではなく、学会や論文などの研究成果発表実績
*4 論文出すよりも遥かに難しくて採択率の低い学会に出たけど論文無いから免除なし、一方で、学会はショボいの数件+ショボい論文1本出したから半額免除、という例を聞いた