Q初AAR/第二回「ラインの守り」

Last-modified: 2016-01-12 (火) 13:05:10

はろーろいて。年末年始はやはり見に来る人も更新も多くて賑やかですね。催促したつもりはあったのですがまさか貨物の運び方が昨日の今日で作成されるとは思いませんでした。他の方の仕事が速いとこっちのシリーズは早晩洋梨になってしまうかもしれません。実にありがたいことです。
ですけどそんなことは意に介さずこの息抜きシリーズは続けていきます。では1850年の名も無き谷へれっつごー


さてまだお金があるので道を引いて路線を増やしていきます。
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橋も川を超えるようにドラッグするだけで簡単に架けられます。まぁ川越えは簡単なんですよ。川越えは
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起伏のある所を通すときは細かくセグメントを切っていかないと建設費が暴騰します。
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馬車はちょっと車体が長いので入り口で止まられると後ろの道路を塞ぐんですよね。そこでこうなりました。
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そんなこんなで、馬車が荷物を積んで目的地に下ろし始めると黒字です。
少し頻度が長く見えますが、これは産業の生産がまだゆっくりしているので積み込みに時間がかかっているためであり、急いで増発する必要はありません。
貨物に関しては送出側の駅に荷物が溜まってきたら増発、という考え方でいいと思います。

 

では気は熟したので、
TFerの皆さん、鉄道ですよ鉄道!
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何のひねりもなく川沿いの近い都市間を結んでいきます。この時考えてることというと

  • 川の東岸を通すか西岸を通すか。途中で川を渡るか
  • マップ中心に位置するScを焦点として他の都市にも路線を引くことを考えると、駅はどこがいいか
  • 車庫はどこに置くか
  • 産業に向かう道路と交差するが、どこでどんな角度で越えるか

といった様子です。結局、この時にScを起点にHw、Lt、Krへ向かう路線の線形も同時に考え、干渉しないようにしないと後で駅を建て替えるはめになるんですよね。
それで駅はここになりました。一応WtかCsへも延伸できるようにしていますが19世紀の機関車では苦しいんじゃないかな。
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Sp側も少し道を作ってから駅を設置します。
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さて線路を引いていきますが、この時ついつい踏切を作ったすぐ先でセグメントを切ってしまうと端部の角度がおかしくなり、妙な小山が出来て次の区間の建設費用がとんでもないことになることがあります。むしろ踏切手前でセグメントを切って次の区切りを遠めにした方がいいですね。
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そして川越えはかなりSp寄りになりました。この最後の区間をつなぐ時、よく食い違った形に線路が行ってしまいギリギリ繋がってないことがあるのでよくよく注意。ズームして確認するのが吉ですね。
あ、まだ駅と道路がつながっていませんがこのままではお客さんが来れないので後でつなげました。こちらも注意してくださいね。ももももちろん説明のためにわざと繋げてないんですよ? あの動画でもそうだったでしょ? あれもわざとですよね?ね?
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車庫はデルタ線を作ってから建ててやると両方の駅に対して出庫できますしほとんどの区間から帰区もできるので便利です。ただ立地が限られがちなのが課題。込み入った配線であちこちの路線と繋げることもできますが、そうすると妙に遠い車庫に帰ろうとしたりすることもあるんですよね。
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列車の買い方は自動車とほぼ同じですが、機関車の後に客貨車を買うと自動で繋いでいってくれます。両数は根拠なしなのですが、個人的には牽引力(kN)=編成重量(t)にすると最急勾配で、牽引力×1.5だと矢印が一段階上に向く程度の勾配で、牽引力×2だと平坦線で最高速度が出るくらいかなと考えて目安にしてます。詳しいことが分かりましたのでこちらを御覧ください
D1/3の牽引力は15kN。倍の30t引くとして車重が8tあるので残り22t。客車4両で20tです。これでも割りとのっそり加速します。
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機関車の説明が少し意味不明ですが、これはスイス国内初の鉄道であるNordbahn(北部鉄道)の最初の機関車です。1847年開業と周辺諸国より遅い開業でしたが、ヨーロッパ(大陸?)初の鉄道トンネルがあったそうです。
スペイン・パン云々についてですが、Nordbahnの初期の別名がSpanisch Brötli Bahnであることを言っています。Spanisch BrötliはNordbahnの一方の終点であるバーデン(スイス アールガウ州。そのもの温泉という意味の名を持つローマ時代から続く温泉町)の名産品で、四角い形に斜交いの切れ目が入った菓子パンです。そしてこのパンの名前は製法の来源であるミラノがスペインの支配下にあったことに由来するのだとか。で、この鉄道がそのパンを運んだかどうかはよくわかりません。
個人的には火室が四角形で斜交いの角を持ちながら盛り上がっていく格好なのが語源じゃないかと思うのですが。
技術的にはシングルドライバーと呼称される極めて初期の部類の機関車で、この次に導入された機関車はもう二動軸になっています。蒸気機関車の性能はいかにボイラーやシリンダーの出力が高くても最終的に車輪がどれだけの力を伝えられるかに懸かっていますから、動輪上の重量が少なく先輪・従輪に多く負担させるシングルドライバーは不利な構造でありすぐに廃れていきます。
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とはいえ機関車はやはり頼もしく見えますね。馬車よりかなり早いですし。車両画面の左上の×をクリックすると追跡モードになってカメラが車両を中心して動きます。
割とサクサク敷いても1M$ほど使っているので、失敗して立てなおしたりとか掘割を作ったり最初から複線化したりするともっとお金がかかります。しかも鉄道が黒字になるのは数往復目からと思うので、運転資金に注意しながら鉄道事業を始めていきましょう。


さて今回のタイトルであるラインの守りですが、作曲年に二説あり1841年というのと1854年というのがありますが一応後者をとってこの場で紹介します。
この時代のドイツには~という話をする前に、ドイツという言葉の特殊性について論じる必要があるかと思います。
通常他の例では国や土地、地域を示す言葉に対し~人、~語という語をくっつけることによって意味が拡張されていきます。英語はEnglandからEnglish、AmericaからAmericanという言葉が派生してますし、日本でも日本人、日本語というふうに変化します。
一方ドイツ語ではドイツ語のことをDeutsch、ドイツ人のことをDeutsche、地域としてのドイツはDeutschlandと呼ぶように、まず言葉があり、その言葉を共有する人々、そしてその人々が住まう空間というふうな捉え方なのですね。
そしてこの時代、ドイツ語が話されていた空間は現在よりもかなり広く、ドイツ語メインだった土地だけでも東がオストプロイセン=現在のカリーニングラード州まで広がっており、ドイツ語話者コミュニティーが存在した土地はロシアのボルガ川流域からアメリカ中西部にまで点在していました。
この状況下で、ドイツ語によって共同体意識を持つ人々が民族意識を覚醒させたら……というのが、この時代から1945年までの世界を巻き込んでいく一つの流れとなっていくわけです。
空間としてのドイツには国家としてのドイツはまだなく、王侯貴族が支配する昔ながらの領邦国家が集まってゆるやかなドイツ連邦を作っていました。中でも強力だったのはオーストリア帝国とプロイセン王国ですが、どちらもドイツ語話者(民族としてのドイツ人)だけの国ではなく非支配民族を抱えていた状態でした。
ところが1840年、フランスが国境防衛に都合がいいからライン川の西岸をよこせと要求してきたのです何を昼間からワインの飲み過ぎで酔っ払ったようなこと言ってるんだカエル野郎ども
これにドイツ人は激怒し生まれたのがこの曲、ラインの守りの詩です。メロディーの方は少し後になってからつけられたということです。この曲は主にプロイセンの愛国歌・軍歌として歌い継がれていくことになりました。
楽器もこの時期には技術革新が次々起きていて、ピストン式の金管楽器やキーシステムを持つ木管楽器が普及し、吹奏楽の軍楽隊が各国で編成されました。オーケストラにもその影響は及んでいきますね。
モーツァルトの時代は静かな宮廷で聞くことしか出来なかった音楽が、音量の大きな楽器群を得て大衆を相手に聴かせるようになりました。そしてこの時期の大衆は民族意識を高揚させるような曲を好み、民族楽派と呼ばれる一連の曲を生み出していくことになります。
しかしこの後のヨーロッパを動かしていくのは音楽の力ではなく、加速度的に進化する軍事技術の力のほうがメインになっていきます。
そしてそれを支えたのは他ならぬ鉄道なのです。

 

N響第九に間に合わせるために書いたら結構ぐだぐだですね。この一年の自分を象徴してるみたい。
では良いお年を
Bis zum nächsten Mal! Modlister