アフターファイアー

Last-modified: 2022-02-16 (水) 14:52:39

本来の意味は、エンジン内部で何らかの原因で燃焼室で燃焼が起きず、未燃焼ガス(混合気)がエンジンを出た後に、排気管内もしくは出口前後で燃焼する現象のこと。*1*2
某峠漫画での演出のように「パンパン」と鳴るというイメージが強いが、あそこまで派手にアフターファイアーさせると弊害も大きいため、現在ではもっと制御して起こす場合が多い。一番の理由はやはり燃費。
緻密に制御されたアフターファイアーはターボを回してから吐き出されるため、炎の噴出はほんの少しで、音も「ぼふっ」といった感じのやる気の無い音が出る。

 

市販車でもアウディRS3やメルセデス・ベンツA45AMG等、メーカーチューンドカーはスポーツモードに切り替えると、純正なのにアフターファイアーが起こる車がある。この2台は市販車の中でも特に激しく「花火大会」とまで称されるほど。
他にも現行のターボ車は大半がアクセルを急激に離したときに偶発的に起こる事が多い、ただし純正マフラーだときっちり消音されるのでわかりにくいだけである。鳴っても「ぼふっ」を更にやる気をなくした「ぽこっ」辺り。

 

兄弟であってもDBスープラはプログラム的に仕込まれているが、BMW Z4は逆にプログラム的に抑え込まれている。
これは会社内での平均燃費を○○以上にしろという決まりがあるが、プリウスやヤリス、アクアが売れ筋のトヨタはこの基準までかなり余裕があるが、BMWは売れ筋がピュアガソリン車に偏っている為に、アフターファイアーさせる燃料すら惜しいという理由がある模様。

 

湾岸マキシでは、シフトチェンジ時やアクセルを離した時などにマフラーから炎が噴出している描写を指す。
特に深い意味はないがリアリティを出すための演出と言える。

 

ちなみに良く似た単語としてバックファイヤーがあり、アフターファイアーと間違われる事もあるが、バックファイヤーは燃焼したときの炎がエンジンの吸気(空気を吸い込む)側へ逆流する現象の事で、エンジン内やタンク内の燃料に引火する場合があり非常に危険な現象である。
仕組み上キャブ車では起こるが、インジェクション車では燃料系統の故障でも無い限りはまず起こらない。


*1 原因はエンジンに供給される混合気が濃すぎるまたは薄すぎる、混合気に点火するタイミングが大きくズレたなどである。ちなみに混合気とは燃料(ガソリンや軽油など)と空気(酸素)の比率のことであり、燃料が多い場合は濃い混合気、空気が多い場合は薄い混合気などと表現する。
*2 モータースポーツ車両では、コーナー進入時などで頻繁に排気管出口から火を噴いていることがある。これは減速時に十分なフューエルカットを行わず、未燃焼ガスが多量に発生し、排気管内の残留する酸素で爆発する空燃比にならないため、排気管出口で燃焼が起こるからである。なおフューエルカットを行わない理由は、燃料によってエンジン内部を冷却している面もあるので、カットしすぎるとオーバーヒートするため。同様にレブリミッターも燃料ではなく点火をカットして調整するため、ピットレーンリミッターを作動させると盛大にアフターファイヤーする。