マッスルカー

Last-modified: 2022-01-10 (月) 12:58:40

1960年代~1970年代のアメリカ車と一部のオーストラリア製アメリカ車の中で、特にハイパフォーマンスな車両のことを指す。1980年代~1990年代のオイルショック及び排ガス規制で絶滅しかけた。しかし2000年代後半から、GM・フォード・クライスラー(通称ビッグ3)からマッスルカーのディティールを受け継いだ車(シボレー カマロ、フォード マスタング、ダッジ チャレンジャーなど)が復刻・登場し、人気を博している。これらはかつてのマッスルカーと区別するために「ニューマッスル」や「モダンマッスル」と呼ばれる。同様に1960年代~1970年代の本当のマッスルカーは「オールドマッスル」や「クラシックマッスル」と呼ばれる。

 

中にはマスタングのチューニングで有名なシェルビー等のチューナーの手によって、よりハイパフォーマンスな車両になる事も少なくない。

 

オーストラリアでは、ホールデン(GM傘下)やフォード・モーターが初期の頃から独自にマッスルカーを製造販売しており、その名残は現在でも見ることが出来る。

「マッスルカー」という呼び方が広く一般に使われ始めたのは1980年代以降で、該当する車種は2ドア構成の大きくて重い車体に大きなトルクを発するV型8気筒エンジンを搭載し、後輪駆動であることが共通した特徴である。スポーツカーやグランツーリスモとは異なり、アメリカ車と一部のオーストラリア車に該当する車種があるが、欧州車や日本車に該当する車種は無い。
モダンマッスルの特徴としては、クラシックマッスルカーの意匠を取り入れたデザインの大型かつ重量級(1.5~2.0t)のボディに4~7Lの大排気量V8エンジン、もしくはそれにスーパーチャージャーを搭載している。一部の車種はV6のNAや直4+ターボなどのダウンサイジングエンジン搭載のグレードも存在する*1
また、限定車だが700~800hpオーバー、0-60mph(96.5km/h)2秒代、最高速度200mph(321.8km/h)オーバーというバケモノグレード*2もありモダンマッスルのパワー戦争は全盛期を迎えてると言える。これらのスーパーハイパワー車は、タイヤさえ暖めればノーマル、極端に言えばディーラーで買った帰り道でウィリー走行が出来ちゃうというバケモノっぷりである。

しかし、コアなマッスルカーファンの中には、モダンマッスルを「筋肉増強剤で得た偽物の筋肉をまとっただけの車」と揶揄し嫌う人もいる。

一般的にマッスルカーは、デカくて重い車体にパワーのあるエンジンという特性の為、曲がりづらくリアを振り回して走るという印象が強い。しかし、最近のマッスルカーはヨーロッパ製スーパーカー顔負けの足周りや電子制御等を駆使し、ニュルブルクリンクを始めとする世界各地のサーキットでコースレコードの上位に食い込んでいる。


*1 マスタングのエコブーストエンジンやチャージャーのV6グレード等
*2 ダッジ チャージャーやダッジ チャレンジャーのヘルキャットやデーモン、シボレー カマロのエクソシスト等