クルマの駆動方式の1つでリアエンジン、リアドライブ(RearEngine・RearDrive)の略である。
名称の通り、エンジンを車の後軸より後ろに搭載して後輪を駆動する方式である。
この駆動方式の長所・短所を挙げると、
長所
- エンジン、トランスミッションなどの重い部品がリアに集中しているため駆動輪に掛かる荷重が大きく、発進時のトラクションに非常に優れる。また、ブレーキング時にも4輪全てに荷重がバランスよく掛かるため大変安定した性能を発揮する。
- 部品点数が少ないことから車両重量、コスト面で有利である。
- パワー・ドライブトレインを後方で最小限にまとめられることから車室を広く取りやすい。
短所
- 重量物のエンジンが重心やヨーイング軸から離れたリアオーバーハングに配置されるため、フロントの荷重が抜けやすく(特に高速域で顕著)、運動性でMR車やフロントエンジン車(FF、FR問わず)に、安定性の面ではフロントエンジン車に劣る。
- 排気管・マフラーの長さが十分に取れないため、出力の面では不利になる。
- エンジンに走行風が当たりにくいため、冷却面で厳しい。*1
また、(リアシートのある車では)エンジンの熱や振動が後席に伝わりやすい。
などがある。
第二時大戦後の自動車は開発コストの安さとスペース確保のしやすさが功を奏し、世の「大衆車」と呼ばれたクルマはこの駆動形式を採用した例が多い。(VW・Typ 1(ビートル)、初代フィアット・500、スバル・360等)
しかし、技術の進歩(FF方式の普及)や時代の流れにより続々と廃れていった。
湾岸マキシではポルシェの911の930・964(6以降*2)しかない。911でも991はリアエンジンだが4WDのためRRではない。
現行車両では、乗用車ではポルシェ911、ルノー・トゥインゴの第3世代と、スマート・フォーツーおよびフォーフォー*3といった所である。乗用車以外では実用性が高い場合もあり、たとえばバスはマイクロバスクラスを除けば一般的で、中型以上の一般路線バス・観光/高速バスではRR方式が通例の設計となっている。*4