『ACE COMBAT SEED』番外編

Last-modified: 2013-12-25 (水) 22:05:41

編者勝手に注釈。このSSは588◆.sUStvulOk氏のSS『ACE COMBAT SEED』の番外編を626◆Hgibd3UDFM氏が書いたものである。
時期的には第二回戦の直後に当たる。


サンド島ミーティングルーム――

「お前ら、なに勝手に機体を持ち出してんだ!そこの金髪…ステラだったか?
 知り合いがいるからといって仲間を見捨てるとは何事だ!?ガミガミ」

機体を盗み出し、あまつさえ訓練中の彼らと戦闘したことについて『万年大尉』こと
ジャック・バートレットにしかられている三人…
その怒声は正座をしてしびれる足に耐えている彼らに届くことないようだ

一方でおでこの広い人を落したことはたいして問題になってなかった…
彼の十年来の付き合いの友人に、同じMig-21bisでフォックスハウンドとベルクトに乗るエースから逃げ回った――
そんな強者(つわもの)がいるのだから、当然といえば当然かもしれない。
このエースと比べるのはかなり酷な話しだが…

それを尻目に環太平洋戦争の英雄『ラーズグリース隊』1番機ブレイズ、
その英雄たちの司令官、整備師、そしてすさまじい逃げっぷりを披露するサンド島の何でも屋『凶鳥フッケバイン』
二人は格納庫で彼らが持ち逃げしようとした機体のチェックを行なっていた…

「おやじさん…これって…」
「気がついたかね?機体のネジの緩み方からして、三人はかなり高い技量を持っているということだ」

たとえば『車のタイヤの減り方からどういったドライブをするか?』といったことが
名ドライバーやメカニックが分かるということと同じこと…生粋のエース二人は機体の消耗からそれらを見抜いていた

「…鍛えたらこっちのエースに匹敵するものを持ってますね。
 この機体具合を見てるとバートレット大尉がいなくなった後、僕がはじめて隊長を務めた頃を思い出します」
「そうだね…あの頃の君たちはこんな感じだったね…彼らも素質はいいようだけど、それを指導する教官がいなかったんだろうね…」

そういって二人はある人物を思い浮かべる
同日、ダイニング『アヴァロン』でナンパをしていたという被撃墜王を――

店に入って目に付いた女性に声をかけ始める。男の名はムウ・ラ・フラガ。
そう、彼はあろう事か友人に被保護者を預け、ナンパにきていた
…その報いといっていいのだろうか…そんな彼は代償を払うことになる。

まず声をかけたのはどこかストイックな雰囲気をもつ黒人女性

「あ、ねえ、これから僕とデートしない?」
「…そうですね。隊長より強いならいいですよ『黄色の13』って聞いたことあります?」
「し、失礼しましたー」

『黄色の13』といえばI.S.A.F(アイサフ)の英雄『リボンつきの死神』のライバルと有名である。
そしてフラガは目の前の女性はその彼女、『黄色の4』と理解する。
そんなのと戦うわけには行かないと一礼の後、一目散に逃げ出す。ナンパで命を落すわけには行かないのだ。

気を取り直し、次は熟女の魅力を醸し出しながら、優雅に紅茶を飲んでいる女性に声をかける
そんな彼女は『謎の女一号』ことバートレットの彼女――

「そこの美しいお姉さん、これから僕とデート――」
「仕事の息抜きにここに来ているの、邪魔」
「ゴメンナサイ……(ナタル副長よりきついな)」

あっさりと振られた彼は、今度はラテン系の…どこか未亡人的な雰囲気をもった女性に声をかける
マリューという、ある意味未亡人のような女性を落したことにより彼はこういった女性に対して自信を持っている

「そちらのお嬢さん、これから僕と(ry」
「私は彼一筋なの…そうね、私より強いならいいわよ。一回勝負する?」
「やったー」

『成功した♪』と、悦び勇んで"勝負"をするが、
その勝負は空戦――で、黒を基調とする赤と黄色のラファールにボコボコにされるナンパ男。
『同じ機体なのにダメね、付き合えないわ』と、思いっきりハートブレイクされ、失意の中、店に戻る事となる。
そして次こそは――と、一人本を読んでいる女性を発見し、懲りずに声をかけ…

「もしもし、そこのお嬢さんこれから…」

そこで気がついた。胸がない――顔の次にそこに執着する彼は一瞬で興味が失せる
そこで、ついもらしてしまった本音がまずかった…

「あれ、貧乳だ…趣味じゃないや…失礼、間違えました…」
「……だれが…誰が貧乳だ――(##゚ -゚)」
「ひ、ひえー、グギャ…おぶっ…あべしっ!!ひでぶ」

その女性の攻撃は鉄拳に始まり、目にも止まらぬ速さでスパナを投げる連撃を繰り出す女性
――『ラーズグリース隊』2番機ことケイ・ナガセ
よりにもよってAceの女性1、タフネスな彼女に禁句を吐いてやられることもないだろうに…
あまりにも悲惨な暴行劇は、暗黙の了解として禁句となる

その惨状を事細かに知らされた彼らは、青い顔をしながらとりあえず話題を進めることにする

「・・・それでブレイズ、彼女は、ナガセはその後どうした?」
「えっと…被害者に全治数週間の重症を負わせたそうで、僕が警察に引き取りに行きました」
「そうか、ちゃんと彼女にフォローを入れておくべきだよ」

とりあえずいうべきことを言う『凶鳥』ことおやじさん
どちらかと言うと彼はこっちの面倒見のいいほうが本質である

「分かってますって…そんなツンデレな彼女が好きですけどね(´・ω・)」
「…ノロケ話はここまでにしようか?片羽の毒男が来てしまうかも知れないからね」

そう話しを切ってミーティングルームに向かう二人
そこではまだお説教が続いていた…

「ぐ…」
「足が…足が…まだ終わらないのかよ…」
「ステラ、もう、ダメ…っ」

三人は既に限界だった…それを見た『凶鳥』が声をかける

「…バートレットそろそろ終わりにしたらどうかね?」
「……まあいいか、そろそろ彼女とデートだ」

そういって説教を切り上げ部屋を出て行くバートレットを見送り
二人はムウがナンパの果てに重傷を負ったということを伏せつつ、彼が迎えに来ないことを伝え、
しばらく訓練をしないか?と、持ちかける

「ステラ、黒いのでシンと一緒に空を飛びたい」
「あの水色のに乗れるならいいな」
「どうせ俺たちがいてもあの隊長さんはナンパに走るからいいぜ」

それに対し、真っ先に少女がOKし、それに二人が続く
緑色の髪の少年には、何で彼がこれないかわかっているようだ…
さておき、今度は『凶鳥』がさらに説明を加える

「君達はヴァレー基地に行ってもらう。そこで『ボス』こと『銀色のイヌワシ』に教わってもらおう」
「その引率にはおやじさん、お願いします」
「私がかね?…ふむ、久しぶりに彼と共にシングルモルトを飲むとしようかね」

ブレイズのその付け加えに渋い顔をすることなく彼は請け負う
そんなこんなで彼ら三人は二人の古参エースの指導を受けることとなった

その後ヴァレー基地で先に話題になった毒男こと『片羽の妖精』ラリー・フォルクがステラのノロケ話を聞かされ、
サンド島にいるシンを叩きのめすために飛んでいったのはご愛嬌である

また、彼ら三人に撃墜されたアスランの元にこんなチラシが届いていた

―――
            同志求む
      ΩΩΩオメガ大編隊隊員募集ΩΩΩ

 

来る--年--月--日、オメガ隊に参加してくれるパイロットの採用試験を行う。

規定はこちら

・旅客機の客、飛行機、リフ、自力、ペットボトルロケット等とりあえず30年以内に 一度でも空を飛んだことのある方
・エースコンバット0のベリーイージを100回以上リトライしてクリアーした方
・国籍・国家および人種、種族、地球外生命体その他もろもろ、飛行機が操縦できれば人型および知的生命体でなくてもOK
・死亡フラグが立っていない
・ベイルアウトの腕で右に出る奴はいない
・PJ・チョッパー・キース・柿崎は我らの英雄だ
・目立ったことが無い

以上の項目に1つでも当てはまる方がいれば試験に受けれます

当日試験

筆記試験 面接のみ

募集人員

527446人以内

合格者には機体が支給されます
南ベルカの会社がユークにこっそり輸出しようとしていたのを拿捕しましたので
ファントムからファルケンまでよりどりみどりです
ただし燃料のみ自費でお願いします

同志と共にあの青き空一面の大編隊を築こう
合言葉は『俺の屍を避けていけ!』

 

―――

「何でオレにはこいつらの勧誘しか来ないんだ――!!」

と、病院で叫び声が響いたが気にするものは誰もいない…
そのとなりでミイラ男になった物がただ、「貧乳怖いよ」と唸るばかりであった

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