やがみけ育てる_00話

Last-modified: 2008-12-04 (木) 20:10:53

八神家、台所
アスランは冷や汗をかきながら成り行きを見守っていた。
「ちょっと甘すぎるかしらね~~」
そんな彼の心配をよそに鍋の中の謎の液体に塩を足しているのは、夜天の魔導書、リインフォース改め、ラクスである。
雪のように白い肌、腰まで伸ばした長い桃色の髪に青い瞳。
ラクスは鼻歌混じりに今度は醤油を鍋の中の液体に足した。

 

遡ること一時間前。
「皆ぁ!」
リビングからはやての召集がかかり、ヴォルケンリッターの四人、キラ、アスラン、シン、レイと、夜天の魔導書のラクスは何事かと急いで馳せ参じた。
そこには両足で立つはやての姿があっただけだったが
「はやてが……」
「「立ってる!!」」
五人は大喜びである。
一体何が喜ばしいのか。
実は五人の主、八神はやてはつい最近まで夜天の魔導書のプログラム改悪により、その影響で両足が不自由で歩くことはおろか、立つことすら叶わない状態にあった。
しかし、管理局のバックアップと民間協力者の助けとはやての精神力によりプログラムの改悪を改善。
闇の書と呼ばれていた魔導書は本来の姿を取り戻し、はやての体を蝕んでいた麻痺も無くなったのだが、長期に渡り使われていなかったはやての足は筋肉が衰え、なんとか動くようにはなったものの、立ったり、歩いたりする事はできなかった。
はやての行き着けの病院の石田医師の下、これまた長いリハビリ生活を経て、それによって今現在に至るのである。
「きっと石田先生も喜ぶでしょう。今日は午後からリハビリですよ。主はやて」
「うん、そやね。先生を驚かしたろ」
車椅子にはやてを座らせ、レイはキラ、シン、アスラン、ラクスの四人に目配せする。
「じゃあ、はやてちゃんは外出の準備をしといでよ。一人で大丈夫?」
「うん、へーきやよ。キラ」
「そっか、じゃあ玄関でね」
「はいな」
どこか機嫌良さそうはやては車椅子を漕いでリビングから出て行った。
「さて」
それを見届けてからレイが口を開く。
「シン、お前は買い出しだ。俺とキラははやてのリハビリについていく」
「あぁ、任せろ」
シンは外出用のコートを羽織り、いそいそと買い出しへ向かう。
「アスランとラクスは今冷蔵庫にある食材のしたごしらえを」
「わかりましたわ」
「あぁ」
「はやてが立った記念、何としても成功させるぞ」
そう言ってレイはキラとともにはやてを連れて病院へと向かった。

 

「これで……よし、と」
時刻は15時過ぎ。
部屋の掃除と飾り付けをラクスとともに終わらせ、材料の下拵え、大根とジャガイモの皮を剥き、面取りを終えたアスランは反対側でだし汁を準備するラクスの様子を見ることにした。
ラクスは鼻歌混じりに鍋をかき回している。
「どうだ? ラクス、順調……」
アスランは言葉を失った。
いや待て、と自制をかける。きっと見間違えに違いないと、アスランが知る限り、おでんの出し汁は真っ黒では無い。
目をこすってから再びアスランはラクスが現在進行形で掻き回す鍋の中を覗き込んだ。
墨汁をそのまま鍋に投入したようなそんな色をしている。
アスランは冷や汗をかきながら成り行きを見ていた。
「ちょっと甘すぎるかしらね~~」
(甘い? だと……)
ラクスは塩を投入。
「なかなか甘味が打ち消せませんわね~」
と、今度は醤油のボトルを手に取り、注ぎ込む。
「あらあらぁ~~、今度はしょっぱくなってしまいましたわ」
と再び砂糖に手を伸ばそうとしてアスランに手をつかまれた。
「やめるんだ……ラクス!」
もはや作り直す他に事態の収集は望めない。

 

「何故?」
とラクスは不思議そうな顔をした。
「お前、この液体の色が一体何を意味してるのか、本当にわからないのか?」
「わかりません。ですが、これは液体ではなく、出し汁でしょう?」
「甘味が強いから……だから塩を足す、だから醤油を足す……それが本当にレイが書いたレシピ通りか?
思い出せラクス、お前は一体、どこで間違えたんだ!!」
静まり返る台所。ボコボコと煮立つ鍋の音が大きく聞こえる。
「ただいま、アスラン! 練り製品とか買ってきたぞ! さすがはレイだ、メモに書いてある通りに買いにいったらタイムセールの低価格で全部買えた……て」
玄関から一直線にリビングへと入ったところでシンは足を止めた。
「何があったんだよ」
室内に立ち込める異様な空気にシンの両手から持っていた買い物袋が床へと落下した。
「シン、すまない。まだ出し汁が出来上がってないんだ。お前は練り製品の灰汁抜きをーーッ!?」
シンに向かってなにやら指示を出しているアスランの口にスプーンが突っ込まれた。
「ラ……クス、お前……一体……何を」
パタリと床に倒れ、ガクガクブルブルと痙攣するアスランの体を見てシンは命の危険を察知した。

 

午後16時。
「お疲れ様です。主はやて」
「お疲れ様、はやてちゃん」
「うん、さすがにちょい疲れたわ。」
病院からの帰り道。
レイとキラ、はやての三人は車椅子を押しながらゆっくりと道を歩いていた。
「どうします? 図書館によりますか?」
いつもならはやては病院の帰りに図書館に寄る。
「今日はええわ。前に借りた本も読み終わってへんし……それに疲れたしな」
今日のリハビリが余程しんどかったのだろうか。
「そっか、じゃあこのまま家に帰ろうか?」
「うん」
そのまま何か話すでもなく家路をゆっくりと歩く。
「あっ、はやてちゃんだ! はやてちゃーん」
「はやてー!!」
声に三人が振り向けば下校途中の少女の姿。
闇の書事件をきっかけにすっかり仲良くなった二人、高町なのはとフェイト・テスタロッサである。
「おー、なのはちゃんにフェイトちゃん、今帰るとこ?」
「そうだよ、今下校途中」
「それは良かった、ならなのはちゃんもフェイトちゃんも夕食ははやてちゃんと一緒にどうかな?
もちろん、帰りは送ってくし」
キラの提案である。友達が一緒の方がはやても楽しいだろうという考えである。
「はやてはいいの? 私たちがお邪魔しても」
フェイトが遠慮がちに言った。
「うん、でも今から帰って支度するとなると結構遅くなってしまうよ?」
「それなら心配入りませんよ。主はやて。
すでにシンとアスラン、ラクスの三人が夕飯の準備をしています」
「えっ? そうなん?」
「えぇ、それよりなのはとフェイトはどうしますか? 家には私から連絡しましょうか?」
友達とは言え、帰りが遅くなるのだ。連絡するのがマナーだろう。
レイは言うが、二人はその申し出を断り、携帯電話を取り出した。

 

「(レイ! 聞こえるか? レイ)」
不意に、レイの頭の中に直接シンの声が響いた。思念通話である。
「(ん? 何だ、シン)」
「(アスランが……汁……ラクス)」
酷く聞き取りづらい。
シンの集中力のせいか、はたまた別の要因か。
「(シン、兎に角落ち着け、何を言ってるのかわからない)」
「(ごめん、レイ……。
俺、おでんパーティーを成功させるって……誓ったのに……)」
「(シン!? それはどういう意味だ? 何が起こった?)」
「(――――)」
「どうしたの? レイ」
表情に出ていたのだろうか、隣を歩いていたキラが尋ねてくる。
因みにはやての車椅子は電話を終えたなのはとフェイトが押してくれている。

 

「わからない。だが、俺の……、いや、俺たちのおでんがピンチなようだ」
シンからの通信内容をキラに話すと
「なるほどね」
動揺を隠せないレイに対して、酷く冷静な返事が帰ってきた。
「思い当たる節でも?」
「考えてもみてごらんよ。ラクスが僕たちと会うのは初めてって言うのはレイも知ってるよね?」
「はい、ですがそれとシンの通信と一体何の関係が?」
「つまり、ここ何年か何百年かを外界と接しなかったラクスが料理ができると思う?」
「……」
「大方、アスランは彼女の包丁の握り方を見てこういったはずだよ。
『材料の皮むきや灰汁抜きは俺がやるから、ラクスはレイの書いたレシピ通りにだし汁をつくってくれ』ってね」
「……」
「見てるだけならダシをとる作業は簡単だけど、作るとなると難しいんだよね、あれ」
「……」
「あと一つ、ラクスは塩と砂糖、醤油と白だし醤油、酒とみりんの区別つかないからね」
「……で?」
「要はラクスに作らせたおでんのだし汁が殺人的にまずかったって話だよ」
そこまで説明してキラがレイに笑顔を向けると、彼の額には幾重にも青筋が浮き出ていた。
キラ、咳払いを一つ。
「ラクスは独り、闇の書の中で長い時を歌って過ごしていたから……ね」
「そうやって同情を誘っても駄目ですよ、キラ。
知っていたのなら何故、あの時言わなかったんですか?」
「それは……聞か」
「聞かれなかったから、なんて答えは無しですよ?」
レイの目がこれ以上にないほどに鋭くなっていく。
そんなことを言えば殺人汁を独りで処分させられるかもしれない。
それは御免被りたいところなので、とっさに別の言葉を紡いだ。
「あの時は、迷っていたから……いくらはやてちゃんの為とは言え、ラクスを仲間外れには出来ないじゃない?……でしょ?」
「訳の分からないことを言ってないで、さっさとアスランとシンとだし汁を助けに行ってこい!」
全力でキラの尻を蹴り飛ばす。
「うぐ……」
蹴り飛ばされた勢いをそのままにキラは夕日に向かって走り出した。
「まったく」
呆れ顔のレイ。
突然尻を押さえたまま走り出したキラを不振に思ってか、前を行く三人が足を止め振り向いた。
慌てて平静を取り繕うレイ。
「キラはどうしたん? まさかとは思うけど喧嘩?」
疑いの視線を投げかけてくるはやてにレイは微笑んでこう言った。
「いいえ、キラは便意を催しただけです」

 

「アスラン! シン! 大丈夫!」
玄関に飛び込むようにして入ってきたキラは二人の名を呼ぶ。
「うっ……、何、この匂い」
廊下を進につれて濃くなる悪臭。
リビングに続くドアを開けると床に伏しているシンの姿が飛び込んで来た。
「シンッ」
名を呼ばれ、意識を回復したシンがゆっくりと顔をあげ、赤い瞳を潤ませ力なく笑みを浮かべた。
涙でぼやける視界にキラの姿を確認し、
「あんた……かよ」
そして力尽きた。
「何それ、ちょっとこれでも二キロの道のりを全力疾走してきたんだよ?」
シンの体を揺するがそれっきりうんともすんとも言わない。
「駄目だ。返事がない、ただの屍のようだ」
勝手に殺すなと言う言葉を無視してキッチンを見やると、ラクスの姿を確認する。
それから視線を下方へ移動させるとアスランが上半身だけを覗かせて伏しているのが見えた。
「アスラァーン!!」
思わず叫んで駆け寄る。
アスランがゆっくりと顔を上げた。
半開きのエメラルドの瞳がキラを危なっかしく捉える。
「キラ……何で、」
「レイから聞いて心配で二人とおでんを助けに!」
「お前……なんだよ」
アスランは再び冷たいフローリングに額をつけた。
「いや、もういいけどさ」
キラは泣きたくなるのを我慢して、鼻歌混じりに鍋を混ぜくっているラクスへと一歩踏み出した。
「ぐぁッ」
アスランの呻き声がし、キラの身長が若干高くなる。
外を歩いて冷えた足の裏にはアスランの体温が心地よかった。
その状態でキッチンを眺めるともはや材料はすべて謎の液体の中だということがわかった。
「ラクス」
「キラ、お帰りなさい。外は冷えたでしょう?
お風呂にしてからおでんにしますか?
このままおでんにしますか?
それともおでんを食べてから一休みしますか?」
「くっ、どれを選べばいいんだ!」
ラクスの天使が堕天したような微笑みを前に、キラは選択を迫られ、微動だに出来ない。
「加えて鍋が沸騰する音が大きく聞こえ、フゥフゥと興奮した獣の息遣いのようなものが更に彼女の邪悪さを際立てていた」
「その息遣いは俺だ! キラ、どけ、苦しい」
「ごめん、アスラン。気づかなかったよ」
「お前ッ……、いや、いい」
それより、とアスランはふらつく足で立ち上がり、鍋の中身を覗き込んだ。
「これは、最初から作り直しだな」
「何故? 折角作ったのに、捨ててしまうおつもりですか?」
ショックだと言わんばかりの表情でラクスが言う。

 

「キラ、兎に角窓を開けろ!」
「何で? 外は寒いよ?」
「換気するんだ!」
「換気なら換気扇で……」
「お前は俺の足を引っ張りにきたのか? 助けにきたのか? あ゛?」
「うん、窓ね。開けてくる、全開で」
アスランに凄まれ、キラは窓を開けに行った。
「それからラクス、取りあえず、鍋の火を止めろ」
「な……」
「何故とか言うなよ?」
「はい」
渋々とラクスは火を止めた。
「シン、いつまでも倒れてないでこっちを手伝え」
「あ、あぁ」
よろけながら立ち上がり、頼りない足取りでシンがやってきた。
「さて、こいつをどう処分するかだが……」
「どうするって捨てるしかないだろ」
口元を抑えながらシン。
「それはもったいないですわ」
「誰のせいだと思ってるんだ、あんたは!」
「よせ、シン。こんなところで口論している暇はないんだ」
全く悪びれた様子を見せないラクスを怒鳴りたくなる気持ちはわからないでもないアスランだが、兎に角、鍋の中の毒の処理が優先だ。
「捨てるのは確かに勿体無い」
「アスラン! あんたまで!!」
「聞けシン、俺は確かにコレを捨てたい。だがコレを全部捨てたらレイとはやてが怒る」
「まぁ確かに……けど」
「その通りや」
シンが二の句を告げる前にはやての声がした。 二人が振り向けばそこにははやて、なのは、フェイト、レイの四人の姿。
「食べ物を粗末にしちゃ駄目だよ」
とフェイト。
「工夫すればきっと美味しくできるはずだからね」
となのは。
レイは無言で額に手を当てている。
そんなレイにアスランとシンは申し訳なさそうに視線を逸らした。
「こらまた随分と派手に失敗したなぁ」
はやては車椅子を漕ぎ、なのはとフェイトがそれに続く。キッチンに漂う気まずい雰囲気を吹き飛ばすかのようにはやてが手を叩いた。
「はいはい、皆、そんな暗い顔しとらんで手伝ってや。
みんなで1から作り直そ。
なのはちゃんとフェイトちゃんはお客様やから、その辺で適当にくつろいどって」
「うぅん、私も手伝うよ」
「私も」
なのはに続いてフェイトも手伝いを願い出る。
「けど、ええの? ちょっと大変やで?」
「私もなのはも料理は好きだから」
「そか、ほんならみんなで作ろうか」
こうしておでんの毒抜きが始まった。

 

PM22:00
夕飯を終えて、なのはとフェイトを家まで送ってからキラとレイが帰ってくるとリビングでテレビを見ているはやての姿があった。
アスランとシンは洗い物を終えたところで、ラクスは洗濯物を畳んでいる。
「おかえり」
とはやては少し疲れた顔で二人を迎えた。
「今日は本当にすみませんでした。主はやて」
「何がぁ?」
「僕たち結局何もできなかったし……」
うなだれるレイとキラ。
あの後の再調理は殆どはやてとなのは、フェイトの三人でやったようなものだ。辛うじてついていけたのは、よくはやての手伝いをしているレイだけで、他四名はテーブルを拭いたり皿を出したりと雑用をしただけである。
はやてはテレビを消して伸びをした。
アスランとシン、ラクスもレイとキラの隣に並んで頭を下げた。
「えぇんよ、謝らんでも」
「いや、そうゆうわけには……本当にすまないはやて。
もっと俺がしっかりしていれば……」
「アスランのせいじゃないさ。俺だって……」
「私がもっとしっかり計画を練っていれば……」
「アスラン、シン、レイ皆さんのせいではありません。全ては私のせいです」
「はい、そこまでや」
キラが口を開こうとしたところではやてのストップがかかった。
「…………」
沈黙。
はやての小さな背中から滲み出る雰囲気が五人の口を閉口させる。
「うちなぁ、嬉しかったよ。
皆が私のこといろいろ考えてくれてて……、今回でそれがよくわかった」
「はやて?」
はやての頭がこっくりこっくりと揺れている。
「ほんま、ありがとなぁ」 その言葉を最後に、はやては寝息をたてはじめた。
五人ははやての前に移動する。
「……何というか」
「あぁ」
「小さくて大きい主だな……」
「だね」
「ですわ」
はやての寝顔を見ながら五人は笑みを漏らす。
「ラクス、主はやてを部屋まで連れて行ってください」
「はい」
ラクスははやてを抱きかかえ、はやての部屋へと向かった。
「さてと」
アスランがソファに腰掛ける。
「今日は俺も疲れたなぁ」 それに習ってシンも同様にする。
「アスラン、シン、お疲れさまです。さぁ、キラも腰を落ち着けてください」
レイに促されるままにキラも一緒に座った。

 

「第一回、祝☆はやて反省会」
わ~、パチパチと、アスランの声に合わせてシンとレイが手拍子を打つ。
「えっ? 何それ、僕聞いてないよ?」
キラだけが置いてけぼりをくっていた。
「何言ってんだよキラ、はやてを祝うのが失敗したんだから反省会は当然だろ?
なぁ? レイ」
「そうだな、シン。では、まず、アスランから」
「あぁ、じゃあ、俺からいかせてもらおう。
今回は俺のミスが大きかったな。
[事前に情報がなかった]とは言え、ラクスのことを考えてなかった。
皆、この通りだ。すまなかった」
「そんなことないさ、アスランに落ち度はない」
「そうだな、アスランは[事前に情報がなかった]だけだからな。
では次はシンだ」
レイに促され、シンが口を開く。
「悪かったのは俺のほうだよ。あの時[事前に情報がなかった]とはいえ、一番ラクスを止められる位置にいたのに……ごめん、アスラン」
「いや、シンは悪くないさ。次はレイだな」
「(あれ、何かまずくない?)」
キラの背中に冷や汗が伝う。
「あぁ、アスラン、シン、キラ。すまない。俺の計画の甘さが招いた事態だ。[ラクスのことに気づかなかった]とは言え……。煮るなり焼くなり好きにすればいい」
沈黙。
キラがそっとアスランとシンの表情を窺うと刺すような視線に寒気が走った。
「れ、レイの計画は完璧だったよ? ごめんね、皆、気づいてて何も言わなかった僕が一番悪いんだ。ごめん」
「「「そうだ、お前が一番悪い」」」
「あれ? 何で誰もフォローしてくれないの」
結局、アスラン、シン、レイの管理局一週間分の仕事を肩代わりする事を条件としてキラは無罪放免となった。1ヶ月八神家に帰ることはなかったが……。

 

次回やがみけ~育てる!~第一章 機動六課

 

アスラン「分隊とは言え、当初はスターズ、ライトニングで八名だったのが14人とは随分大所帯になったな」
フェイト「それが機動六課が地上の事件に介入してもいいっていう条件だからね。しょうがないよ」
シン「けど地上本部から推薦された六人、ひとりを覗いて皆悪人みたいな顔してないか?」
なのは「何言ってるのかな、シンくんは……。慢性的に人手不足なのにわざわざ人員を推薦して派遣してくれるなんてめったにないことなんだよ?」
はやて「なのはちゃんの教導は有名やからな。きっと地上本部の方々も興味津々なんやろ。
きっと優秀やで」
レイ「まぁさっそく教導を始めたわけですが……。彼ら、本当に優秀なんでしょうか?」
キラ「空戦もできるみたいだし、能力は申し分ないんだけど……本当にあれでいいの?」
スバル「ちょっ……なんで私を攻撃してくるの? 私は味方だってば!」
ティアナ「あんたらいい加減にしなさいよ! 人の作戦指示無視して!」
キャロ「怖いよ、あの人達」
エリオ「キャロ、僕はその怖い人達と相部屋だよ」
はやて「ごめん、前言撤回」