小話 ◆9NrLsQ6LEU 氏_逆襲学園の一日!

Last-modified: 2009-07-29 (水) 01:25:24

目覚ましが鳴っている。
ベッドの中から手を伸ばして止め、再び眠りにつこうとするシンの耳に、可愛らしい声が飛び込んでくる。
「お兄ちゃん、起きて。学校に遅れちゃうよ」
「う~ん、マユ~もうちょっとだけ寝かせて~」
「駄目だよー、もう朝ご飯食べる時間が無くなるよ~」
体を揺さぶるマユを無視して寝坊を決め込むシンの耳に新たな声が飛び込んでくる。
「あー、駄目駄目マユちゃん。こうした方が早いって」
声と同時に布団が引っぺがされ、有無を言わさずベッドから蹴りだされるシン、
ベッドと壁の間に蹴り落とされて、頭をぶつけたシンが怒鳴る。
「なにしやがるルナ、危うく永眠するとこだったわ!」
「シンが何時までも起きてこないのが悪いんでしょ。さっさと着替えて降りてきてよ、
 ミユちゃんとマユちゃんはもうテーブルに着いてるんだから」
怒るシンに平然と返すルナマリア。
「ったく、何でルナが朝から家に居るんだよ」
「小母様達から旅行に行くからお願いねって、頼まれたからに決まってるでしょ」
上から見下ろすルナマリアがフンッとばかりに腰に手を当て踏ん反り返るのを、下から見上げるシン。

 

「ところでルナ、今日は黒か」
?顔を浮かべるルナマリアがシンの視線を追うと、顔を真っ赤にして慌ててミニスカートの裾を押さえる。
「記憶を失えー!!」
「ぎゃあああー!!」

 

一階に下りて来ていたマユがシンの悲鳴に吃驚して振り返るが、
台所からミユが出てきて呆れた口調で洩らす。
「仲良いよね、あいかわらず」
「あれは、仲良いって言うのかな?」
額に汗を浮かべながら答えるマユに、玄関が開いて別の声が掛かる。
「良いと思うよ、ちっちゃい頃から変わんないもの」
「「あ、メイリンお姉ちゃん」」
こちらを振り返りながら綺麗なユニゾンで答えてくる二人に笑顔を向けながら、
視線を階段に向けるとルナマリアがドスドスと足音を立てながら降りてくる所だった。

 

その後は慌しい朝食風景が過ぎ去り、5人で登校となったが、
朝の事を根に持ったのか学園に着くまでシンはブツブツと文句を言っていた。
「じゃあお兄ちゃん、マユ達は行くね」
マユとミユは中等部の生徒なので校舎は別である、
大きく手を振ってから自分の校舎へ向かって走り出す二人を見送るシン達。
「相変わらず、仲良いよね。シン君達」
「あっフレイ先輩」
声を掛けてきたのは赤毛の美少女だ、3年生であるフレイ・アルスターである。
ちなみに彼女は昨年の生徒会長であり、今でも学園生徒から大公殿下と呼ばれて慕われている。
「じゃあ教室に遅れないようにね」
さわやかな微笑とともに去っていくフレイ。
「は~、素敵よね大公様。憧れるわー」
「はっ、無理無理ルナじゃ、あの色気は出ないって」
再び喧嘩を始める二人にメイリンは先に行くことを告げて1年の教室へ歩いていった。

 
 

シン達が2年の教室に着くとステラ・ルーシェが眠そうにしていた。
「お早うステラ、なんだか眠そうだな」
「うぇ~い、ステラ眠い。昨夜遅くまでアウル達が寝かせてくれなかった」
「ブフーっ!!」
ステラの告白に隣の席にいたアウル・ニーダが飲んでいた三角パックを盛大に吹いた。
「この馬鹿、何言ってんだよ。昨夜はあれだろ、バスカッてたんだろが!」
ステラ、アウルと3年のスティング・オークレーはバスカッシュ(MSを使ったバスケ)で
ファントムペインという名前のチームを組んでいる。慌てるアウルにステラは面倒くさそうに答える。
「アウル五月蝿い~」
「お前が主語抜いて喋るからだろうがー!」
血管が切れそうな勢いで怒鳴るアウルにシンは呆れる。
「確かに朝から五月蝿いよな」
「んだよ、シンまで。あ、言っとくけどな、来週の試合は俺らが勝たせてもらうからよ」
「ほう、俺達ミネルバに勝てると思っているのか」
アウルの言葉に答えるのは今教室に入ってきたレイ・ザ・バレルである。
シン、レイ、ルナマリアの3人もミネルバというチームを組んでいるのだ。

 

そんな話をしていると担任であるロミナ・アマルフィが教室に入ってきた。
「は~い、みんな~席について下さい」
ロミナが言うが教室は騒がしいままだ、何度か声を上げるが収まらない。

 

「みんな~席に着かないと、『ピー』を『バキュン』して『ドドド』に『バゴーン』しちゃいますよ~」

 

放送禁止用語連発でおっとりと言うロミナだが、そのにこやかな微笑みの中で目だけが笑っていない。
一斉に静まり返る教室にロミナの声だけが木霊する。
「じゃあ転校生を紹介しま~す」
教室に入ってきたのは黒髪、赤目の美少女である。
「名前はエルフです、ちなみにそこのシン・アスカとは従兄弟なんでよろしく!」
「げっ、エルフ!」
これはルナである、なぜか二人は反発する。同属嫌悪と言う奴だろうか。

 

お昼休みに学食でシン、レイ、ルナそれにエルフを交えて昼食を取っていると
生徒会室からシンを呼び出す放送が流れた。
「ちわーす、シン・アスカお呼びによって参上しましたー」
「遅いですわ!」
生徒会室の正面に陣取った金髪の女の子が、生徒会長である2年生のアズラエル女史である、
通称はお嬢。それもそのはず彼女は正真正銘、財閥のお嬢様である。
「私が呼んだら3秒以内に前に来るのは当然でしょう」
「無茶言うな、ところで何か用か」
もっともシンにとってはアズラエルの名前も威力を現さないのだが
「べっ別に用という訳では無いのですけど、えっと。そう、
 シン彼方また隣の学校の生徒と揉め事を起こしたそうですわね。それを注意しようと思ったのです。
 けっして彼方が怪我でもしていないか心配した訳では有りません。ええ、有りませんとも」
心配してんだか、してないんだか良く分からないお説教でこの日の昼休みは潰れた。

 

ちなみにお嬢様には禁句がある。
けっして絶壁とかまな板とかペッタンコとかエグレとか言ってはいけない。

 
 

放課後、帰宅しようとしたシンの後ろから肩を掴む男が居た、
振り返ると3年のハイネ・ヴェステンフルスである。
「ようシン、丁度いいとこで会った。今日は顔出してけよ」
ハイネは軽音部の部長である、殆んど拉致同然に引っ張っていかれた音楽準備室には
軽音部の部員であるコニール・アルメタとミーア・キャンベル、そしてなぜか
新聞部の突撃記者と異名を取るしっぽ(ポニーテールで取材に走り回る姿からつけられたあだ名)が居た。
「あれーシンじゃないっすか? シンも軽音部でしたっけ?」
「違うよ、なんか知らないけどハイネが俺にベースやれって五月蝿いんだ」
「シンのベースならあたしらも演奏やりやすいからさ、偶に助っ人で頼むんだ」
ふーんとしっぽが何かニヤニヤしながらコニールを見る。
「何だよ」
「何でもないっすよ」

 
 

文化祭での協力を約束して帰路に着いたシンが校舎を出ようとした所でまた声が掛かる。
「あー! 丁度いい所にシン坊がいた」
「げっ! リーカ姉さん」
リーカ・シェダーはいわゆる近所のガキ大将だった人物である、
それが今年、保険医として赴任してきたのだ。
「お願いシン坊、手伝って、ねっ」
ウインクしながらお願いとか言っているものの、命令みたいな物である。
なにしろ断れば後が怖い、シンは荷物運びの手伝いをする事になった。
「なんで、あんな大量に荷物があるんだよ」
「いーじゃない、シン坊体力あるんだから。
 有り余って無駄弾に使うところを有効利用してあげたんだから、感謝しなさい」
「無駄弾ってなんだー!?」
「女の口から言わせる気? あ、それともそっちの方が好みとか」
カラカラと笑うリーカに、せめて家まで車で送っていけと言うが教師が一生徒を贔屓は出来ないと断られた、
じゃあその一生徒をこき使うのは良いのかと反論するが口で勝てる訳無いのである。
リーカはこれから政経教師のアイリーン・カナーバと呑みに行くとシンを置いて帰ってしまった。

 

ようやっと家路に着くシンの携帯電話に着信があり、メールを読むとマユからであった。
『帰りに牛乳買ってきて』
絵文字もデコメも無い必要最低限の文章に軽く落ち込むシンだが、さらに着信がある。今度はミユからだ。
『ついでにアイスも』
さらに落ち込むシン、いや『お願い』とか『ハート』が付いてれば俄然やる気も上がるのに、
反抗期かな、とかどうでも良い事を考えつつ買出しにいくシン。
すっかり妹達のパシリである、これで他の生徒からは一目置かれているとは思えない。
その後も栗色の髪をした少女のパスケースを拾ったり、(クレハと書いてある)
黒髪のちっちゃい子が迷子になっていたので手を引いていると190cmを超える女の人に
アイアンクローで持ち上げられたりとかしながら漸く家にたどり着く。

 

「ただいま~」
「お帰りなさい、お兄ちゃん」
「今、ルナお姉ちゃんが、シチュー作ってくれてるよ」
迎えてくれる家族の声がとても温かかった。んが!
「ちょっと何でカレー粉入れようとするの! 今日はシチューだって言ったでしょ!」
「うっさいな! あたしはカレーのが好きなの!」
「も~どっちでも良いよ~」
台所から聞こえてくるルナ、エルフ、メイリンの声に涙が出てくるシンだった。
彼の一日はまだ終らない。

 
 

ちなみに
キラ、成績優秀だが引きこもり 「学校行きたくない、行かせないで」
ラクス、生徒会長選挙で敗北、捲土重来を期すでもあんた3年ですよ 「私は学園のもの、学園は私のもの」
凸、キラの引きこもりを何とかしようと説得するが、逆に説得されたりする。 「キラー!」
カガリ、風紀委員長「喧嘩するな、我が校の理念を忘れたか!」とか言うが一番喧嘩っ早いのは彼女だ
ドム三人衆、今時、長ランと長いスカート装備のダブりの不良 「ジェットストリームアターック!」
デュランダル、理事長。
タリア、校長。
アーサー、学年主任
アビー、放送部2年(メイリンは放送部の1年)
ヨウラン、ヴィーノ、機械科2年

 

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ども小話です
お久しぶりの方ご無沙汰しております、初めての方こんにちは
続きは無い一発物でございます
なんとなく逆シンのキャラ総出で、ギャルゲ調の話を考えたらこうなりました
でもエミュ子始め出せなかった人が沢山いますね
書きたくなって書いたから、誰かに読んでもらいたいので投下しました
今は反省しております、ご免なさい。でも後悔はしていない
そして職人各氏に多大なる感謝と心からの謝辞を送ります
ではまた何時か

 

《あんな、発言を見逃すとでも》

 

へ? あ、あなたさまはー! お、おゆるs………

 
 
 

                            (返事が無い只の屍のようだ)