機動戦士ガンダムSEED in BLEU

Last-modified: 2009-09-25 (金) 20:17:15

《離れろ!! こんな事に付き合う必要は無い》

無線機から声が響く、が、そんな事は関係ない。
《地球がダメになるかならないかなんだ、やってみる価値はありますぜ。》
傍らにいるギラ・ドーガのパイロットも 同じ意思の元で行っている行動だ、もとより
誰かに強制されてやっている行動ではない。
そうだよ…そうなんだ……… だからここに居る。
「誰だってわかることじゃないか!! こんなところで……地球に育む命を終わらせちゃいけないってことぐらい……!!」
もはや、敵味方関係なく、アクシズを押し返そうとネオ・ジオン 地球連邦軍のMSが集結していた。
バーニアをフルスロットルに叩き込む、帰還分の推進剤なんて関係ない、ここで死んでも構わない 今だけ…… 今だけ持てば良い…。
〔〔ダメだ!! 摩擦熱とオーバーロードで自滅するだけだぞ!!〕〕
確かにそうだ、俺の乗るジェガンも、バインダーノズルは爆ぜ、傍らのコンソールは機体の全身のフレームが悲鳴を上げている事を示している。
頭部のバイザーが割れ、内部のデバイスが露出する。
「ダメかっ……!?」
ふと、視界の隅にギラ・ドーガが映る、大気との摩擦で弾き飛ばされそうになっている、このままでは大気の中に弾かれるのは眼に見えている。
必死にマニュピレーターを伸ばすが、適わず、あと一歩の所で届かなかった…
《ありがとう………》
ギラ・ドーガのパイロットはそう言うと、後方に流れていった。
恐らくこの行動を取った時点で覚悟はしていたのだろう、しかし、やり切れるモノではない。《離れろ、ガンダムの力は………!!》
突如、光が俺の視覚を奪った、優しく そして暖かな、包まれるような光がアクシズの表面を伝い次々とMSを吹き飛ばしていった。
「何だ……… これは!?」
俺はその感覚に覚えがあった。
気付いた時には俺は、全力でその光が放たれた方向へ向かっていた。
そこには、白と黒のカラーリングをした、ガンダムタイプのモビルスーツが立った一機でアクシズを押し返していた。
そして………その周囲。
見えている宇宙は…………
あの時のように蒼かった
“蒼い宇宙には、敵意だけじゃない”
いつしか、俺は“彼女”に言われた台詞を思い出した。
その光の安らかさと
「人は…変わっていける」
手を取り合う奇跡、そして温かな光の温もりに安心した俺は、意識を手放した。