機動魔導戦士リリカルなのはSEEDDESTINY_01話

Last-modified: 2009-11-13 (金) 23:57:10

シンはアプリリウスから軍本部にある特別研究所へ向かっていた。
議長の面会を終える際に、現在シンが使用するデバイス インパルス に代わる新型専用デバイスらしくシンもその新型デバイスには期待を寄せながら研究部へ向かった。

 

研究区のドアの前には衛兵がライフル型デバイスを携えて左右に立っておりシンが到着すると既に情報が届いているのか、衛兵がカードキーを通してドアを開ける。

 

研究区の中に入ると研究員と共に元評議員であるユーリー・アマルフィが出迎えて来た。

 

「やあ、良く来てくれたな」

 

「いえ、それでデバイスは?」

 

ユーリーは少し待ってくれと言い、机の上に置かれた厳重にシーリングされた順序よく開放していくと中には黒と赤の二色の翼の形をしたデバイスが保管されており。
そのデバイスが醸し出す未知の力を秘めたデバイスにシンは背筋がゾクッとした。

 

(何だこのデバイスは?雰囲気が何か違う)

 

そう思っていたら、ユーリーが新型デバイスをシンの元に持って来くる。

 

「これが、君の新しい力となるデバイスZGMF-X42Sデスティニーだ」
「……デスティニー…」

 

手渡されたデバイスを見詰めて、インパルスと違い全く違う力を感じさせるデバイスに戸惑いながらユーリーは説明を始めて。

 

「デスティニーは、先の強奪されたストライクフリーダムとインフイニットジャスティスの開発グループと違い議長主導のグループで開発されていてね強奪は免れたんだよ」

 

その言葉にシンはハッとする。
一年前のあの時に脱走したアスランを追撃に出たシンは、いとも簡単にアスランに敗北し新型デバイスを2つも強奪された苦い記憶が甦る。

 

「デスティニーは君のインパルスのデータを基に製作されたデバイスだ」
「自分の…でありますか?」

 

「そうだ特にスピードに関してはEBモードと言う機能が搭載されていている」

 

その後デバイス デスティニーの説明は3時間も及び説明が終わったのは、20時過ぎだった。

 

「取りあえず大まかな調整は既に終えているから後は君が使用しながら微調整を加えてくれ」

 

説明が終わる頃には、辺りは殆どの研究員が帰宅の途に付いており残っているのはごく僅かだった。
「インパルスはどうしたら?」

 

長年自分が使っていた相棒と別れるのに軽く寂しい気持ちを抱きながら尋ねると。

 

「それはそのままミネルバに持って行いくと良い」

 

「ミネルバにでありますか?」

 

「ミネルバクルーのルナマリア・ホークが次の持ち主になる予定だ」

 

それを聞いてシンは、ほっとした。
自分が愛用していたデバイスが自分の手元から離れるとなると、やはり次は誰の手に渡るのだろうと思ったがルナマリアに渡るなら安心だとシンは思った。

 

「分かりました、それでは失礼します」

 

デスティニーを握り締めると研究所を後にして、軍本部に停泊するミネルバへ帰途に着く。

 

ミッドチルダ 首都クラナガン

 

「へ~えじゃあザフトの応援者も6課メンバーになるんだ」

 

「まあ、応援者って言ってもあちらさんは私達とは主な任務も違うけど形式上は6課所属になるんよ」

 

八神はやてと親友の高町なのはは、新しく出来る機動6課隊舎のはやての自室でザフトとの共同捜査に付いて話合っていた。

 

「けど新型の次元航行艦付き何でしょ?」

 

モニター上に映し出されるミネルバを喰い入るように見詰めるなのはは、管理局とは違う別世界の次元航行艦に興味津々に見詰める。

 

「まあ、その艦が任務に出るいう事は本当にヤバイ状況になった時や」はやては部隊長と言う立場上、ミネルバが6課付きで地上配備が決まる事を知っていたがこの艦が任務上動く時は状況は完全に逼迫した時と友人であり6課後見人のクロノ提督より聞いていた。

 

「そうなんだ……だけど私達の任務はロストロギアのレリックの回収が任務なんだから其処までは……」

 

と、なのはが言いかけた時にはやての今までに無い真剣な顔をしてるのを見て口を噤んだ。

 

「実はそうでも無いんやなこれが」

 

「どう言うことそれ?」

 

はやては、端末を操作してモニターに複数の情報を表示させる。

 

「このレリックの件に最近、次元世界でテロをやたら起こすブルーコスモスがこの件に絡んでる」

 

ブルーコスモスと言う言葉になのはの顔も引き締まる。
時空管理局の魔導師や執務官も彼らの起こす事件に何人といや何百と言う犠牲者が出ており、現在管理局としても頭を抱える事態になっている。
そして数ヶ月前も、なのはが教導した魔導師がブルーコスモスの高ランク魔導師の手に掛かり殉職したと言う事を聞き。
なのはにも彼らに対しては強い怒りを抱いていた。

 

「ほんでなそのブルーコスモスにコズミックイラのキラ・ヤマトとアスラン・ザラがブルーコスモスに協力していると言う情報が入ったんや」

 

キラ・ヤマト アスラン・ザラ 管理局でも有名であり二人共揃ってレアスキル持ちであり、なのはを越えはやてと同等のSSランク魔導師である事は、なのはも知っていた。

 

「それ……本当なの?」

 

コクリと真剣な表情ではやては頷く。
彼らとの面識はないが一度は模擬戦をしてみたいとなのはは、考えていたがまさかテロリストになっているとは思いもよらなかった。

 

「だから管理局も今回は、ザフトに応援要請を出したんや彼等の押さえ役を」

 

「押さえ役?」

 

頭を押さえながらはやては、言った シン・アスカと
その言葉になのはも頭の中でその名前を思い出そうとすると一人の少年を思い出す。

 

「あっ!シン・アスカって確か2年前の合同捜査の?」はやては、なのはの答えにその通りと頷く。

 

「だけど、彼ってAA+じゃなかったかな?」

 

赤い瞳に黒い髪の少年の事を思い出しながら、捜査のやり方にはやてと何度もぶつかり合い言い争いになっていたのを思い出す。

 

「今は、SSランクにプラント最高評議会直属の特務隊FAITHや」

 

「えっ!?本当にシン君がSSランクなの!」

 

なのはが驚くのも無理は無かった。
当時のシンを知る高町なのはは、専用デバイスこそ持たなが魔導師ランクは訓練校出たてには充分優秀だがそれは管理局を探せば大抵は存在する類の魔導師だった。
だがSSランク魔導師となれば話は別である、管理局でごく少数の部類に入る高ランク魔導師であり自分の親友である八神はやてもその部類に入る。

 

「まあ詳しくはシン本人に聞いてみん事には分からへん」

 

何せはやて自身も、昨日あった聖王教会での後見人である騎士カリムとクロノ・ハラオウンとの会談で始めてしったのだから。「だけどシンの他にも3名の魔導師が来るんだ」

 

なのはは、ザフトからの報告書と人員名簿を興味深くチェックしていき

 

「へ~え応援者4名のうちは、二人もFAITHでシグナムさんやヴィータちゃんと同ランクなんだ」

 

レイ・ザ・バレル 特務隊FAITH所属
航空魔導師ランク S-
ハイネ・ヴェステンフルス 特務隊FAITH所属
航空魔導師ランク AAA+
ルナマリア・ホーク
次元航行艦ミネルバ所属
航空魔導師ランク AA+
「みんな優秀なメンバーばかりだね」

 

派遣される四名は間違いなく6課隊長陣と同じ戦力を有している。
これでザフト軍が6課に合流すれば間違いなく管理局最強の部隊になるとなのはは、心を踊らせる。

 

「そう言う訳やからなのはちゃんも彼等の事を宜しく頼むな」

 

「うん、これから一緒に働く仲間だからね」

 

なのはとはやては、強く頷き決意を新たにする。

 

管理外世界
人里離れた廃墟と化したその研究所の地下のある一室でキラ・ヤマトは、拘束具を取り付け猿ぐつわを付けされ椅子に固定されていた。

 

「…ラクス」

 

キラは、衰弱仕切った瞳でそばにいない最愛の女性の名を心の中で

 

呟きそしてまた、意識を失う。
そしてキラの前にはカプセルに入り身体中を管でつながったラクス・クラインの姿があった。