神隠し_第04話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 14:14:23

互角の戦いを繰り広げるフェイトとなのは。
それを見ていたキラがアスランへと視線を移し、口を開いた。
「…こうして、一対一で話をするのは久しぶりだね…アスラン…。」
「……キラ…。」
変わり果てた親友の姿。目は光を失い、頬が痩けていた。
「お前…今自分が何をしようとしているのか、本当に分かってるのか?」
「…………。」
「叶えたい願いがあるのなら、ロストロギアの力を借りるのはやめろ!!
あれがどんなに危険なものか…お前は…ー」
キラは首を振る。
「分かってる…。あんな魔力の塊…危ないに決まってるじゃない…でも…」
「だったら…尚更…。」
フリーダムの片方をアスランへとつきつけるキラ。
「ぐっ!」
「それでも、もう決めたんだ…。
だから邪魔をすると言うのなら、僕は君を…撃つ!!」
魔力の翼をバシィっと広げ、飛翔魔法を発動。アスランに向かってフリーダムのトリガーを引く。
両銃口から溢れ出す閃光が放たれる。
「…そうか…。なら、俺はこの勝負に勝って、お前を止める…ジャスティス!!」
『サーベルアンビデクストラスハルバート』
白い筒状のものを連結させるアスラン。同時に発生する朱い魔力刃。
「いくぞ!ジャスティス!!」迎え撃つアスラン。
蒼い光と朱い光がぶつかりあい、紫電が舞い散る。
「フリーダム!」
『バラエーナ、カリドゥス』
弾き飛ばされる二発の薬筒。キラはアスランの刃を弾き、距離を取りながら放つ。
三本の太い奔流がアスランへ轟音と共に向かっていく。
『アンチマギリンクシールド』
左腕に装備されている盾を奔流に向け構えると、バラエーナとカリドゥスは目標にたどり着く前に無散。
『シャイニング・エッジ』
「キラ!やめるんだ!!今なら、まだ間に合う。」
左腕の盾から発生する大型の魔力刃。
それを横に一閃すると、ブーメランのようにキラに向かってとんで行った。
キラはそれをサーベルで弾き、ライフルモードに変形。
前後で連結させて、
「やめるわけにはいかないんだ!!」
『アグニ』
トリガーを引いた。

フェイトがなのはをバインドで拘束。
そして、フェイトが持つ最強の魔法が発動する。

「うぉぉおお!!」
「うぁぁああ!!」
交錯するアスランとキラ。「自分がよければそれでいいのか!?お前は!!」
「何を!?」
「願いを叶えるためと法をおかし…、万一、ジュエルシードが暴走すれば、それはやがて多くの被害をもたらす!!」
『ハイパーフォルティス』
二つの朱い閃光が、キラを捕えた。
「…でも、それでも!!」
アリシア、プレシア、フェイト、リニスの姿が頭をよぎる。バリアジャケットを損傷しつつ、煙をかきわけ突攻を仕掛けてくるキラ。
「叶えたい願いがあるんだ!!!!」
『サーベルアンビデクストラスハルバート』
左右のサーベル形態のフリーダムを連結。アスランに最速のスピードで渾身の突きをうがつ。
「この……。」
尚も我を通そうと向かい来るキラに、アスランの表情が一変した。光を失う眼、クリアになる思考。
「馬鹿野郎ぉ!!!」
『グリフォン』
アスランの目先三寸、非殺傷設定を解除したフリーダムの一撃は決まらず、連結されていた片方のフリーダムはアスランの脚部魔力刃によって破壊された。
「ッ!?」
目の前を飛び散るフリーダムの破片。
呆然と海に落ちていく残骸を見つめているキラにアスランが言った。
「…引くんだ、キラ…。」
『グラップルスティンガー』
放たれる魔力の糸がキラを拘束し、アスランは引き寄せる。
「お前を管理局へ、アースラへ連れていく。
そこで事情を説明すればきっとリンディさんが…ー」
『クスィフィアス』
シールドを構える暇なく吹き飛ばされるアスラン。
「フリーダム…。」
『ミーティア、セットアップ』
片方のフリーダムのカートリッジを全弾消費する。
そして、銃口をアスランではなく、今まさにスターライトブレイカーを放たんとしているなのはに向けた。
「キラ…、やめろ!!」
『パンツァーアイゼン』
バインドで動きを封じられるアスラン。
「大丈夫…、ちゃんと非殺傷設定にしてあるから…。」
キラはアスランに微笑みかけ、フリーダムの引金をひいた。