第4話_「混乱の渦」

Last-modified: 2022-04-26 (火) 07:41:23
 
 
 

ヘリオポリスの管制室でけたたましいアラート音が鳴り響く。
ザフト軍のヴェサリウスと僚艦の
モビルスーツフリゲート・ローラシア級の
ガモフがヘリオポリスに接近する。

 

ヘリオポリスの管制員が、
オープン回線を用いてヴェサリウスとガモフに通信を行っている。
「こちらヘリオポリス。接近中のザフト艦、応答願います。
ザフト艦、応答願います!」

 

オープン回線でも呼びかけに応じない様子を見て、
もう一人の管制員が管制長に指示を仰ぐと、
管制長が代わって接近するザフト軍に再度通信を繋ぐ。

 

「落ち着け、えーい…!アラートを止めんか!
接近中のザフト艦に通告する!
貴艦の行動は条約に大きく違反するものである。
直ちに停船されたし。ザフト艦!
直ちに停船されたし!」

 

管制長の呼びかけにも応じない。
ザフト艦の動きを見ていた管制室のセンサー員が、
悲鳴にも似た声を出す。
「ミ…ミノフスキー粒子上昇!?散布源はザフト艦!!
これは明らかに戦闘行為です!」

 
 

ヘリオポリスの第3ドックに停泊するアーガマのブリッジでは
管制室のオープン回線を傍受していた。
ブリッジに残っていたオペレーターのトーレスは
その内容を聞き逃していなかった。

 

「こりゃまずいな…ザフトかよ!」

 

そうぼやきながらセンサーを確認すると、
ミノフスキー粒子がぐんぐん上昇しており、
まもなく戦闘濃度まで達しようとしていた。
トーレスはすかさず、艦内のアラートを鳴らした。

 

「え…!?なんだ?」

 

アーガマの自室で待機していたカミーユは何事かと思い、
部屋の壁に埋め込まれ設置された通信用モニターでブリッジに繋げる。

 

「トーレス、どうしたんだ?」
「ヘリオポリスにザフトが接近してる。
ミノフスキー粒子もどんどん上がってる。
とりあえず、モビルスーツデッキで待機しててくれ。」

 

カミーユはそれを聞くと、分かったと言って部屋を出る。
すると、ちょうど部屋を出たところでレコアと通路で顔を合わせる。

 

「カミーユ、アポリー中尉とロベルト中尉は
もうノーマルスーツに着替えに行っているわ。
あなたも急いで。」
「レコア中尉は出ないんですか?」
「クワトロ大尉のリック・ディアスを勝手に使うわけにいかないでしょ?
とにかく着替えてデッキで待機してて。」

 

レコアはそう言うと、ブリッジに繋がる通路の方へと向かっていった。

 
 
 

「モビルスーツ発進しろ!」

 

アデスの発進指示でヴェサリウスからは3機のモビルスーツが発進する。
モビル・ジンーーー
旧ジオン公国軍のザクに似たこのモビルスーツが、
ザフト軍初のモビルスーツである。
性能はティターンズのハイザック相当ではあるが、
モノコック方式のクラシカルなモビルスーツである。
ジンは3機編隊を組み、モノアイを光らせ、
マシンガンを手に背中のウイングバインダーから
激しい火を噴かせながら、ヘリオポリスに侵入せんと突き進む。

 

パイロットの移送を終えて、港から出港する準備にとりかかっていた、
輸送艦マルセイユIII世級のフロッグでも管制室の通信が聞こえており、
こちらの艦内にもアラートが鳴っていた。
そこへノーマルスーツを着てブリッジに入ってきたムゥが状況を艦長に聞く。

 

「敵は?」
「ザフト艦2隻だ。ナスカ級及びローラシア級。
ミノフスキー粒子戦闘濃度だ。さきほどザフトのモビルスーツ発進も確認した。」

 

ムゥは艦長の言葉を聞きながら、センサーで確認すると、
ヘリオポリスに迫る3つの機影を確認する。

 

「チっ…。ルークとゲイルはメビウスにて待機!まだ出すなよ!?」

 

ムゥはそう言うと、急いで発進の為の準備に向かって行った。
一方、ヘリオポリスの警備隊はコロニー防衛の為に内火艇を6機発進させる。

 
 

無重力エリアの工場区の管制室では
ヘリオポリスの管制室からの報告を受けたオペレーターが
慌てた様子でダウムの顔を伺う。

 

「ダウム艦長……!」
「慌てるな。迂闊に騒げば向こうの思うつぼだ。
対応はヘリオポリスに任せるんだ。」

 

アークエンジェルのダウム艦長は、冷静になるように部下へ施し、
各部署の責任者に指示を出していく。

 

「いざとなれば艦は発進させる。
エゥーゴとの合流はその後だ。
ラミアス大尉を呼び出し、Gの搬送を開始させい!」
「はっ!」

 

その場にいたアークエンジェルのクルーである
ナタルやノイマンらもその指示に従い工場区内の管制室を出て行く。

 

「アークエンジェルへ!急いで!!」

 

外の工場区画では、管制室からの指示でマリュー・ラミアス技術大尉が
モビルスーツの搬送作業の陣頭指揮を取っていた。

 
 

そして工場の目の前にまで来た一台のエレカ。
ブレックス達は工場の門に誰もいない事に気づいたその時だったーーー
アークエンジェルを格納しているドックの壁に仕掛けらた時限爆弾が爆発すると、
ダウム艦長らのいる管制室もその爆発に巻き込まれる。
その爆発により、工場区画全体か大きく揺れる。

 

「うぉ!」
「むぅ…!?」
「この振動は!!」

 

大きな振動を体に感じたブレックス達は、互いの顔を見る。

 

「この揺れは隕石ではありませんね…」
「ああ、爆発の振動だ…」
「この近くのはずだ。嫌な予感がする…とにかく、工場へ入ろう。」

 

クワトロが言うと、ヘンケンは爆発の揺れだとすぐに分かった。
爆発の振動を感じた彼らは工場で何か異変が起きていると察知し、
クワトロがエレカのアクセルペダルを強く踏み、工場へ入って行く。
ヘンケンは後部座席のブレックスの顔を見て
コクリと互いに頷くと胸に忍ばせたハンドガンを取り出した。

 

工場内にいたカトーゼミのキラ達も、
部屋の書類や机の上のものが散乱する程の振動を肌で感じていた。

 

「あぁあっ…!」
「…隕石か?」

 

サイは周辺の隕石にコロニーがぶつかったと思っていた。
彼らは戦争を知っているクワトロ達とは違い、
この揺れや振動が爆弾などの類いなどによるものとは分かるはずもなかった。

 
 

ヘリオポリスに肉薄するジンに対して、
コロニーから出てきたヘリオポリス警備隊の警備艇は、
左右に装備された機銃をジンに放ち、迎撃にあたっている。

 

輸送艦のフロッグにいるムゥは愛機の特殊装備型戦闘機、
メビウス・ゼロに乗り込む。

 

「フラガ大尉。」
「艦を出して下さい。港を制圧されます!こちらも出るぞ!」

 

コックピット内には艦長がムゥの様子を伺う。
ムゥはパイロットシートのベルトを締め、
耳元には白い羽が描かれたヘルメットのバイザーを下ろし発進準備をする。

 
 
 

アーガマのモビルスーツデッキでは
リック・ディアスに乗るアポリーとロベルト。
ガンダムMk-IIには、カミーユがコックピットに乗り待機していた。
3機のコックピットにブリッジにいるレコアから通信が入る。

 

「ザフトのモビルスーツ3機がコロニーに侵入したわ。」

 

それを聞いたアポリーが顔をしかめてレコアに言う。

 

「コロニーで戦闘かよ?」

 

アポリーの反応に同調するようにロベルトが

 

「中立のコロニーでか?グリーンノアの時とは状況が違うんだぜ?」

 

と半ば文句を付けて来た。
レコアは男のくせに文句の多い人達だと思っていたが、
アポリーやロベルトはコロニーへのダメージを考えると、
コロニー内での戦闘は極力ならば避けたいという気持ちがあった。
そこへカミーユが通信に割り込んで来る。

 

「でもほっといたらもっと大変な事になりますよ。
ブレックス准将達もいるんですから!僕は出ますよ!?」
「トーレス、早くハッチを開けてくれ。」
カミーユが続けて言うとトーレスはレコアの方を見て

 

「レコア中尉!どうします!?」

 

と彼女からの指示を仰ぐ。
それを聞いていたレコアはしばらく考えてから顔を上げる。

 

「そうね…トーレス、ハッチを開けて。
モビルスーツ隊を出撃させましょう!!」

 

意を決したようにレコアはトーレスへハッチ開放の指示を送り、
カタパルトデッキへ発進体制に入らせる。

 

レコアからの指示を受けたカタパルトデッキは誘導員達が忙しなく動き回る。
リック・ディアスのコックピットの中で

 

「今度の相手はコーディネイターだってよ、アポリー。」

 

とロベルトはアポリーへ言うと彼は即座に返す。

 

「あぁん?ビビってるのかよロベルト?」

 

そう言って余裕を見せると、ロベルトは癪(しゃく)に障ったらしく

 

「ぬかせ!モビルスーツ戦に関しちゃこっちの方がベテランだ!」

 

ロベルトは身を乗り出して声を荒げていると

 

「無駄口は叩かないで!!
射出出来ないから自分達で出て下さい!」

とレコアが横から通信に割り込んで来た。
アーガマをドックに停泊しているせいで、
カタパルトのモビルスーツ射出が困難であるため、
リック・ディアスの前方には誘導員が
赤く発光するスティックで前進するように合図をしていた。

 

「おっと!そうだったな。
リック・ディアス、アポリー・ベイ出る!」

 

思い出したようにアポリーがそう言って、
カタパルトを歩き軽くフットペダルを踏む。
リック・ディアスの背部のバーニアスラスターから小さく火が出ると、
ホバー状態のままカタパルトから離れる。

 

「よし、リック・ディアス、ロベルト機出るぞ!!」

 

ロベルトのリック・ディアスもスラスターを軽くかけながら、
カタパルトの誘導員の合図でゆっくりと発進して行き、
アーガマから離れるとコロニー内に向かって一気に加速して行く。

 

2機のリック・ディアスがカタパルトから発進して行くのを確認すると
カミーユがレコアに尋ねる。

 

「外に敵の戦艦がいるんでしょ?
アーガマは出さないんですか?」

 

カミーユは外の敵が気になりレコアにそう聞くと、
レコアの言葉は納得のいくものだった。

 

「アーガマを出して敵艦と戦闘になったらティターンズに見つかるわ。
それにブレックス准将達が戻るまで動けないわ。」

 

カミーユは分かりました。と言うと、
ヘルメットのバイザーを下ろし発進体制に入る。

 

「ガンダムMk-II、カミーユ・ビダン行きます!」

 

ガンダムMk-IIは右舷カタパルトから、
アポリーやロベルト同様と同じようにスラスターを調整しながら発進すると、
やがて加速してコロニー内部へと向かって行った。

 
 

コロニー内に侵入した3機のジンは
市街地の上空をスラスターを噴かし轟音と共に滑空して行き、
一気に工場区画へ目指し突き進んで行く。

 

工場区の近くに切り立つ、丘の上からザフト軍のエリート兵の証である
赤いノーマルスーツを着たイザーク・ジュールが望遠カメラを手に

 

「あれだ。クルーゼ隊長の言ったとおりだな。」

 

と言い工場区から抜け出そうとしている3台のトレーラーを確認し
手に持った望遠カメラを目から離すと

 

「突けば慌てて巣穴から出てくるってか?
やっぱり間抜けなもんだ、ナチュラルなんて。」

 

などとまるで小馬鹿にするように言ったのは、
イザークと同じ赤いノーマルスーツを着たディアッカ・エルスマンだった。
他にも三人の赤いノーマルスーツの
アスラン・ザラ、ニコル・アマルフィ、ラスティ・マッケンジーに、
五人の緑のノーマルスーツの兵士達がイザークらと共にその先を見据える。

 

3機のジンが工場区付近へ近づいた所でイザーク達からの情報が入る。

 

「ミゲル、お宝を見つけたようだぜ。セクターS。第37工場区!」

 

ザフト兵の一人がその情報を確認してミゲル・アイマンに伝えると
「了解。流石イザークだな、早かったじゃないか。」

 

とこちらも余裕を見せる表情だった。
彼もイザークらと同じ、赤のノーマルスーツを着ており彼もエリートの一人だった。
ミゲルを含めた2機のジンは情報通り37工場区へと向かい、
残る1機はイザーク達の援護に向かうために散開して行く。

 
 

コロニーの外では輸送艦フロッグから発進した
ムゥの乗る航宙機のメビウス・ゼロと、
メビウス2機がガモフから発進したジン2機と交戦中で、
ヴェサリウスの対空砲火をなんとかかわす。
モビルスーツ運用能力の無い、
旧式の輸送艦を偽装させていたためにムゥ達は不利な戦いを強いられていた。

 

「チッ…あいつらにジムカスタムくらいありゃ良かったんだがな…!!」

 

ムゥはそう言いながら、
マシンガンを連射させるジンの攻撃と対空砲火の雨をかわし続ける。
彼の乗るメビウス・ゼロは偵察機として
使われているメビウスの強化航宙機であり、
機動性能はメビウスよりも数段上である。
装備にはガンバレルという、
有線式遠隔操作兵器を実装していた。
ガンバレルは連邦軍が開発している
準サイコミュ兵器の試験運用兵器であり、
空間認識能力に優れるムゥに与えられたのである。

 

ムゥは四基のガンバレルを展開すると、
ガンバレルが複雑に動きながらジンの四方に展開して、
ポッドから放たれるマシンガンで集中放火を浴びせ、リニアガンを撃ち放つ。

 

「チッ…浅かったか!!」

 

ジンはメビウス・ゼロの攻撃に耐えると、メビウス・ゼロからすぐさま距離を取る。
そこへ、1機のメビウスが追い打ちをかけんと下がるジンを追いかける。

 

「おいゲイル、よせ!!」

 

ムゥは深追いし過ぎたゲイルにそう言ったが、ジンはすぐさま反転し、
腰から抜いた重斬刀を手に、メビウスのコックピットと機体を両断する。
ゲイルのメビウスは即座に爆散すると
ムゥの頭の中にゲイルの叫び声のような音が流れてくると、
ヘルメットの上からおもわず頭を押さえた。

 

「くっ…な…なんだ!?」

 
 
 

37工場区ではマリュー・ラミアス技術大尉が工員に指示を送っており、
一人の工員がアークエンジェルとの交信を試みていた。

 

「ラミアス大尉!艦との交信途絶。状況不明。」

 

その時、正面から突っ込んできたジンがマシンガンをラミアス達に向かって攻撃を行ってきた。

 

「…!!ザフトの……!X-103と303を起動させて!とにかく工区から出すわ!」
「分かりました!」

 

ラミアス達はなんとか身を伏せて、攻撃から免れ工場区にあるモビルスーツの搬送を急ぐ。

 
 
 

工場の建物は既に停電状態となっていた。
不安な表情で通路に集まるキラ達は、非常階段の扉を開けると、工場職員達がぞろぞろと階段を登って行く。

 

「どうしたんです?」

 

サイが一人の職員にそう聞くと、ザフトのモビルスーツに工場が襲撃されている事を初めて知った。
この事実を知ったキラやカトーゼミの学生達はたちまち不安感に苛まれる。
キラ達と同じ部屋にいた少女はそれを聞き、何やら思いつめた表情をしていた。

 

「とにかく、君達も早く!」
「はい、行こうみんな。早く!行くぞ!」

 

トール達はコクリと頷くと非常階段から避難を始める。
だが、一人の少女は反対方向の通路へと駆け足で去って行く。
それを見たキラはすかさず、少女を追う。

 

「君!?」
「うっ!」

 

キラは少女を追うと、正面の通路から体に打ち付けるような砂埃と爆風が
あたり一面に広がっていく。
少女はひるみながらも、顔をあげてその先へと向かって行った。

 

「キラ!どこ行くんだよ!?」
「ゴメン!すぐに戻る!」

 

少女の事が気になったキラはサイに呼び止められるが
キラは何故だか少女の事が気になり後を追った。

 
 

ブレックス達はようやくジンが向かって行った方を目指してようやく、
それに追いついた。
目の前の建物からは続々と避難をする為に工員達が出てきていた。

 

「あれはザフトのジンだ。
ここにいるという事は新型ガンダムはすぐそこだな。」
「鹵獲目的とは言え、ここまで破壊するとは…やり方が荒々しいですね」

 

ブレックスはそう言うと、ヘンケンが辺りを見回し、
破壊された建物を見ていた。
ブレックス達の目の前の建物から出てきていたサイ達は、
ジンを間近に目の当たりにして言い切れない恐怖に襲われて立ち尽くしていた。

 
 

キラと少女は共37工区に到着すると、そこでは激しい銃撃戦が行われ、
あちこちで手榴弾などの爆発が起きている。
二人はそのキャットウォークから見下ろす2機のモビルスーツが目に入る。

 

「こ、これって…」

 

モビルスーツじゃないか…なんでこんなところに?
そう思っていたキラの横で少女が体を小さく震わせている。

 

「…やっぱり…連邦軍の新型機動兵器…うっ…お父様の裏切り者ー!」

 

ガクリと膝を付き涙を流しながら少女がそう叫ぶと、
下でマシンガンでザフト兵に応戦していたラミアス技術大尉が、少女の声のする方へ銃口を向ける。

 

「うあっ…じょ…冗談じゃない!」

 

ラミアスがキャットウォークに見えた人影に思わず発砲すると、キラは少女の手を取り走り出す。

 

「…子供!?」

 

ラミアスは人影が子供である事に気付いた。

 

「泣いてちゃ駄目だよ!ほら走って!」

 

キラは涙を流し続ける少女に声をかけてとにかく、逃げるよう言った。

 
 

3台のトレーラーに運び出されていた3機の新型モビルスーツは
既にコロニーに侵入したジンの1機とイザーク達によって制圧されていた。
3機のモビルスーツはトレーラーからその躯体を起こす。

 

「ほお、さすがにすごいもんじゃないか。これがガンダムってやつか。
そっちはどうだ?ディアッカ。」

 

イザークは3機の内のデュエルのコックピットに座り、
データを見るとジンなどとは比べものにはならない性能に感心していた。

 

「OK。アップデータ起動、ナーブリンク再構築、キャリブレート完了。動ける!」
「こちらもOKです!動けます。」

 

ディアッカとニコルも乗り込んだバスターとブリッツのOS構築が終了すると、ディアッカが続けて言う。

 

「アスランとラスティは?遅いな。」
「ふん。奴ならな大丈夫さ。ともかくこの3機、先に持ち帰る。
クルーゼ隊長にお渡しするまで壊すなよ。」

 

37工区へ向かったアスランとラスティからの連絡が無い事に気付いたディアッカだが、
イザークはアスランの実力を認めているのか、
余裕すら伺えた。
しかしその時だった。
3機のコックピットにアラートが鳴り、レーダーに3つの機影が映し出される。
イザークが全天周囲モニターに映し出された上空に目をやると
真ん中に映る白いモビルスーツ、ガンダムMk-IIを見て心臓が高鳴る。

 

「おい!…あれって!」
「……ガンダムだと!?」

 

降下するガンダムMk-IIは奪われたガンダムに対してビームライフルを構えたのだったーーー

 
 
 

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