蒼き自由と青き厄災_02話

Last-modified: 2008-09-30 (火) 00:31:57

「キラ、例の車両に追いつけそうか?」
「うん、このまま行けば先回り出来る。」
キラ達は、配属先である機動六課が任務で"レリック"を輸送中の貨物車両に出現した、"ガジェットドローン"を掃討しに向かった為、直接そちらに合流しようと思い、先回りしていた。
『マスター。』
キラの首に掛かっているネックレスから、声がかかる。
「どうしたの?"フリーダム"」
『近くにガジェットドローンの反応があります。』
「えっ?」
キラは不審に思った。
「現場から少し離れてんじゃねぇか?」
オルガがキラの疑問を口にする。
すると今度は、オルガの手首に巻いてあるブレスレットから声が聞こえる。
『ガジェットドローンの反応がこちらに向かって来ます。』
「"カラミティ"、タイプと数は?」
『タイプはⅡ型、数は8機』
カラミティが報告するとオルガが、
「キラ、こっちはお前に任した。」
だいぶつまんなさそうにキラに任せるオルガ。
「珍しいね、オルガが僕に任せるなんて。」
「雑魚ばっかってのも面白くねぇからお前に任した。」
『それに、マスターは飛べませんからね。』
さらりと、カラミティがオルガの気にしていることを言う。

 

キラは納得すると車から降りる。
「それじゃあ、オルガは車両の方をよろしく。」「ああ、そういうお前もきちんと空の方抑えて来いよ。」
「うん。それじゃあ行くよ"フリーダム"。」
『スタンバイ』
フリーダムから蒼い光がキラを包み込む。
「フリーダム、セットアップ。」
『セットアップ。』
キラの体に白と蒼のバリアジャケット(キラのパイロットスーツ)を纏い、その上から灰色の装甲が肩、胴体、腰、両脚を包み込む。
『PS(フェイズシフト)システム起動。』
フリーダムの声と同時に灰色の装甲に白、黒、ところどころに赤が色鮮やかについていく。
そして、背中から蒼い魔力の翼が展開され、最後にフリーダムがネックレスから白に蒼のラインの入ったライフルになりキラの手に納まる。
「キラ・ヤマト、フリーダム行きます!!」
キラは高らかに叫ぶと飛立って行った。

 

「行ったか。」
オルガはキラが飛び立って行くと、車から降りて眼下の線路を見る。
「来やがったな。」
『目標車両接近。車両からのガジェットの反応確認。他、魔力反応確認。』
オルガは報告を聞くと近ずいて来る車両を見つめ、面白そうな笑みを浮かべる。
「そんじゃあ、派手に挨拶といくぜぇ、カラミティ!!」
『スタンバイ。』
「セットアップ!!」
『セットアップ。』
カラミティから青い光がオルガを包み込み、青と黒のバリアジャケット(オルガのパイロットスーツ)をオルガは纏う。
そしてその上から青とオレンジのラインが入った装甲が肩、胴体、腰、両脚に装着され、背中からはふたつの砲身が伸びている。
最後にカラミティがブレスレットから灰色のバズーカ砲になりオルガの手に納まる。
「オルガ・サブナック、カラミティいくぜぇ!!」オルガは吼えるように叫ぶと、車両へと飛び降りて行った。
一方、キラはガジェットとの交戦に入っていた。「フリーダム!!」
『バラエーナ、ダブルファイア。』
ライフルから2発の藥夾が弾け飛び、翼から2本の魔力が収束し放たれ2機のⅡ型を撃ち落とす。すぐ残りのガジェットから反撃が来るが、キラは鮮やかな動きでそれをかわす。

 

『ラケルタ、ツインフォルム。』
ライフルが2本のサーベルに分かれてキラはサーベルを握り締めて突撃する。
そして、ガジェットをすれ違いざまに真っ二つにする。
「フリーダム、一気に残りを片付ける。」
『了解。ハイマットフルバースト、スタンバイ。』
ライフルに戻ったフリーダムから5発の藥夾が弾け飛び、4つの発射体リングが展開される。
「ターゲット、マルチロック。」
『ターゲット、マルチロックオン』
発射体リングに魔力が収束する。
「よし、当たれぇ!!」
『ハイマット・フルバースト。』
フリーダムと4つのリングから鮮やかな5つの閃光が放たれ、残りのガジェットを一掃する。
『ターゲットの纖滅を確認。』
「それじゃあ、オルガと合流しようか。」
キラが移動しようとすると目の前に突然2人の魔道士が現れた。
「こちらは時空管理局機動六課所属高町なのは一等空尉です。」

 

「同じく機動六課所属フェイト・T・ハラオン執務官です。」
「自分は地上本部所属、キラ・ヤマト空曹であります。本日付で機動六課に出向になり、そちらと合流する途中にガジェットと交戦になりました。」
キラは2人のデータを予め確認していたため、冷静に対処しながらオルガはどうなったかな?と考えていた。
すると、目の前のウィンドウに女性が映し出される。
「キラ・ヤマト君やね。私は機動六課の部隊長の八神はやて二等陸佐です。」
少し変わった喋り方、多分出身世界での喋り方何だろうとキラは思った。「ようこそ、機動六課へと言いたいとこやけど、すぐになのは隊長やフェイト隊長と一緒に車両の方に行ってもらってええか?」

 

はやてが申し訳なさそうに言う。
「はい。大丈夫です。」
「ところで、もう一人オルガ・サブナック陸曹は?」
はやてが問いかける。
「オルガは車両の方に先回りしています。」
「そっか、それならなのはちゃん、フェイトちゃんキラ君のこと頼むな。」
「うん、任せてはやてちゃん。」
となのはが答えるとウィンドウが閉じ、
「それじゃあ、急ごうか。」
とフェイトが言うと、キラ達は車両の方へと向かった。
「スッゲェなコイツぁ。」
一方、オルガは飛び降りるといきなり竜がその視界に入った。
「オイオイオイオイ、これじゃあ俺の出番がねぇじゃねぇか!?」
竜と槍型のデバイスを持ったガキがⅢ型をスクラップに変えるのが見える。

 

『マスター、出番なくなってしまいましたね。』
「うるせぇ、この馬鹿デバイス。」
そんなことをしていると、何体かのⅠ型が撃ってきた。
「ウッゼェンだよ。この雑魚どもがぁ!!!」
『シュラーク、スキュラダブルセット。』
カラミティの声と同時に胸部と肩の二門の砲口に魔力が収束する。
「ウォラァァー!!」
『ツインズバースト。』オルガの雄叫びとカラミティの声同時に重なり、両肩のシュラークと胸部のスキュラが放たれ、ガジェットのAMFごとⅠ型を吹き飛ばした。
「雑魚ばっかりじゃあ全然楽しめねえ。」
オルガがつまんなさそうに言うと背後から声が聞こえた。
「待ちなさい。」
「アァン?」

 

後ろを見ると、
「何だ、誰もいねぇじゃねぇか。」
『違います。よく見てください。』
カラミティに言われて良く見ると、
「何だ、精霊か?そういやこの前見たハ●ーポッ●ーにも出てたな。」
「違います!!リィンはハ●ーポッ●ーなんかに出てないデス!!」
「わかった。聖●士と一緒に・・・「ダ●バ●ンでもないデス!!!」」
「何で知ってんだよ。」と言う言葉を心の中に閉まって、あまりにもかわいそうになって来たので真面目に話しを聞く事にしたオルガであった。
一方、
「レリック刻印ナンバーⅨ護送体制に入りました。」
モニターから女性が白衣の男に報告する。
白衣の男、ジェイル・スカリエッティはその報告を聞くと、

 

「そうか、それにしてもこの案件はやはり素晴らしい。」
モニターにいくつかの映像が流れる。
「まさか生きたプロジェクトFの残滓を見る事が出来る上に、」
モニターにキラとオルガの映像が映る。
「まさか生きていたとはね、彼らが。」
スカリエッティは別のものに視界を移す。
「君も楽しみだろう?」その視線の先には5つのポッドがあり、すでに4つのポッドは空っぽで最後の1つには赤い髪の少年が眠っていた。
「今は眠っていたまえ"クロト・ブエル"君、もうすぐ君や娘達にも頑張ってもらうのだからね。」
「ところでウーノ。」

 

「ドクター、リ●ンの●もエ●ガ●ムも却下です。」
スカリエッティは肩をすくめてやれやれと呟いた。