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起動魔導士ガンダムR外伝_00話

Last-modified: 2009-01-26 (月) 17:03:41

新暦66年、時空管理局のとある研究施設が何者かに襲撃され、試作型デバイスが複数奪われる事件が発生した。犯人の二人組は転送装置を使い、管理外世界「コズミックイラ」に逃亡する。管理局は犯人が逃げ込んだ世界の危険性を考慮し、ある一人のエリート局員をコズミックイラに派遣することにした…。

 

CE67、宇宙に浮かぶスペースコロニー「プラント」の首都、アプリリウス市。
そこにある夜の公園で、オレンジ髪の青い制服をきた青年と。白髪の目に光が入っていない男がお互い銃を向け合って対峙していた。
「見つけたぞ!!次元犯罪者め…おとなしく投降するんだ!!」
「チッ!」
男は手に持っていた銃の引き金を引こうとするが、それよりも早く、青年の放った電気をまとった銃弾が男の手にあたる。
「ぐ…!!」
「スタンバレット…これで貴方は身動きが取れない、大人しく…。」

 

ズバッ!

 

「が…!?」
青年は背中に鋭い痛みを覚え、後ろを振り向く、そこには薄い紫色の紙をした男が血の付いた刀をもって立っていた。
「無様だな“クレイジーボマー”。」
「ふん…礼は言っておこう、“スライサー”。」
そう言うと二人は、何処かへ去って行ってしまった。
「ま…まて…!」
青年は二人を追いかけようとするが、背中のダメージが深すぎて動けないでいた。
「ま…まずい…この姿を見られる訳には…。」
すると青年の体が光だし、どんどん小さくなっていく。そして青年は、手乗りサイズのヒヨコになってしまった。

 

次の日の昼時、
「にんじん~♪じゃがいも~♪」
公園にお使い帰りの10才程の少女が通りかかった。
「今日はカレー♪チキンカレー♪」
上機嫌で家路につく少女、その時。

 

(う…うう…。)

 

「…?なに?今の声?」
少女は声が聞こえた方へふらふらと歩き出す。そして雑草を掻き分けてあるものを見つける。
「なんだろこれ…?バッジ?」
赤い羽根ペンのようなバッジをみつけた少女は、それを拾い上げ…。
「なんかかっこよさげね…もらっちゃお。」
着ていたパーカーのポケットに入れた。すると…。
「ピー……。」
「?鳥の鳴き声?」
少女は辺りを見回す、すると草むらに、血だらけになって倒れているオレンジ色のヒヨコを見つける。
「ヒヨコだ!…かわいそう…カラスにでもやられたのかな…?」
少女はヒヨコを拾い上げ、突っついてみる。ヒヨコはかすかに反応した。
「まだ生きてる…治療すれば助かるかも…。鶏肉はもう買ったしね。」
何気に恐ろしいことをサラッと言った少女はヒヨコを抱きしめて、その場から去っていった。

 

(う…ここは…?)
オレンジのヒヨコに変身した青年は、柔らかい布を敷き詰めた籠の中で目が覚めた。辺りを見回すと、辺りにはヌイグルミや女の子向けのマンガが入った本棚が置かれていた。
(女の子の部屋…?)
ヒヨコは頭の中でこれまでの事を整理していた。
(たしか僕は…強奪犯を追って、不意打ちを喰らって…現地の人に見られるのはマズイから変身魔法を使って…気絶しちゃったんだっけ。)
そこに、部屋のドアが開け放たれる。
「あ!気付いたみたいね、よかった~。」
この部屋の主らしき赤毛の少女が入ってきた。
(この子が僕を…?)
「貴方公園で死に掛けてたのよ~、助けてあげたんだから感謝しなさいよね!」
(な、なんか高圧的な子だな~。妹より年上かな…?)
オレンジのヒヨコは高飛車な少女の態度にタジタジする。
「それよりもアンタお腹減ってない?ちょうどお父さんが釣りの餌に買ってきていたのよね~。」
(え゛…!?)
少女はスチールの箱の蓋を開ける、その中にはミミズがウヨウヨと蠢いていた。
「!!!!」
「ほーら、たんとお食べ~。」
「ピ!ピー!」
(ま…マジで勘弁してください!!あああ!フェレットとかに変身すればよかった!!)
「あれ~?ちゃんと食べないと元気でないよ~?」
少女は嫌がるヒヨコに構う事無く、ミミズを押し付ける。その時、
『お姉ちゃーん!ごはんできたよー!』
「あ、うーん!今行くー!ちゃんと食べなきゃダメだよ。」
そういうと少女は部屋を出て行った。
「た、助かった…でもこれからどうしよう…アレ?」
オレンジのヒヨコはあることに気付く。
「あいつ等から取り戻した…デバイスがない!?」

 

その頃とある廃ビル、ここのとある一室で、先程青年を負傷させた白髪の男が、ノートパソコンのモニターを通じて白い軍人帽を被った男と通信していた。
『無様だな…ファン、管理局に試作デバイスを奪われた上にユニゾンデバイスにまで逃げられるとは…。』
ファンと呼ばれた男はあくびれる様子も無く、ただただ腰掛けていたイスにふんぞり返っていた。
「フン…この状況はアンタが望んだ状況だろう。『コロニーの中で魔法によるテロ活動の有効性の実験』…アンタの雇い主が喜びそうな状況じゃないか、それにこっちにはまだ“石”があるんだ。」
『フ……いいだろう、せいぜいよい結果を残すんだな、“クレイジーボマー”』
そしてモニターの電源が切られる。
「報酬の分は働いて見せますよ、“青き清浄なる世界のために”って奴と、アンタが望む“未来”って奴にね。」
そこに、薄い紫の髪をした男が、小汚い野良犬を抱えて白髪の男がいる部屋に入ってくる。
「見つけてきたぞ…“素材”を。」
「ご苦労だな、ちょっと待っていろ。」
白髪の男はアタッシュケースを取り出し、それの鍵を開ける。
開けられたアタッシュケースの中には、怪しく光る宝石のような物が入っていた。
「さて…見せてもらおうか、ジュエルシード…その複製品の力を。」

 

一方赤髪の少女の家では・・・
夕食をすませお風呂に入った少女は、再び保護したオレンジのヒヨコがいる自分の部屋に戻ってきていた。
「父さんも母さんもアナタを飼っていいって、よかったね~。」
「ピー♪」
(この子には悪いけど…早くここを出てアイツ等を追いかけないと…。)
「そういえば私の名前言って無かったわね、私はルナマリア・ホーク、皆はルナって呼ぶわ。」
自己紹介の後、ルナはなにやら悩み始める。
「そういえば名前決めてなかったわね、何がいいかしら?アナタオレンジ色の羽を持ってるから…みかん?うーん、もちょっといいのないかな…?」
(ふふ、僕のために一生懸命だな…。)
「まっいいや、明日考えよ、オヤスミ~。」
ルナはさっさと布団に潜り込んでしまった。
(はっや!飽きるのはっや!考えるなら最後まで考えてよ!!)

 

そのころ、とある路地裏、不法放棄された生ごみの山に野良犬や野良猫が3,4匹、餌を求めゴミを漁っていた、そこに、
「グルルルルルルル………!!!」
背後から妙な気配を感じた野良犬たちは、一斉に後ろを振り向いた、だが彼等はその気配の正体を確かめる事は出来なかった、なぜなら彼らはもう野良犬や野良猫だったものに変わり果てていたから…。

 

「!!」
籠の中で眠っていたヒヨコはただならぬ魔力の気配に目を覚ます。
(今のはまさか…!!)
その時
「な~に~?今ヘンな感じがした…。」
眠い目を擦りながらルナが起きたのだ。
(な、なんで起きたんだ!?でもこれはチャンスだ!!)
オレンジのヒヨコは籠からでて、チョコチョコと窓のほうまで歩き、
「ピー!ピー!」
窓ガラスを何度も突いた。
「ど…どうしたの?外にママでもいたの?」
ルナは外の様子を見ようと窓を開ける。
「ピー!!」
「あっ!?ちょっと!!」
そのスキにオレンジのヒヨコは窓の隙間から飛び出して行ってしまった。
「こらー!アンタまだ怪我治ってないのよー!!」
ルナは慌ててパジャマの上からパーカーを着て、外に出たオレンジのヒヨコを追いかけるため家を出て行った。

 

「どこに行ったのよもう…。」
数十分後、ルナは逃げ出したヒヨコを追いかけて、自分が通う学校の校庭まで来ていた。
「あのやんちゃ坊主は多分ここ!女の勘!!」
その時、
「グルルルルルル……!」
「へっ?」
ルナは後ろから妙な唸り声が聞こえ、恐る恐る振り向く、
そこには、自動車ほどの大きさもある、鋭い牙と爪を持った犬のような化け物がいた。
「う…うわわわわわわわ!!!?なにこれ!?」
あまりにも現実離れした光景に、ルナは思わずしりもちを付いてしまう。
「グルオオオオオオオオ!!!!」
「あれ!?もしかして私…食べられる!?」
ルナが悟った瞬間、化け物は彼女に向かって襲い掛かってきた。
「んぎゃー!!!おかーさーん!!」
そのとき
「はあああああ!!!」
上空から何者かがルナと化け物の間に割って入り、光の壁を展開して化け物の攻撃を防いだ。
「ゴァッ!!グルルル!!!」
思わぬ増援に、化け物は一定の距離をとって遠くからそれを威嚇する。
「え…!?あなたは…!?」
ルナは自分を助けてくれた者の姿を見て驚く。
「ひ…ヒヨコちゃん!?」
それは今日、自分が公園で見つけて保護したオレンジ色のヒヨコだった。
「大丈夫!?何で来ちゃったの!?………あ。」
思わず喋ってしまい、オレンジのヒヨコは羽根で嘴を覆うがすべて遅かった。
「ひ………ヒヨコが喋ったあああああ!!!!!!!!!!!!?」
突然、何の変哲のない小動物が人間の言葉を喋り、ルナは目玉が飛び出しそうなくらい驚く。
「と…とにかく逃げるよ!バインド!!」
オレンジのヒヨコがそう唱えた瞬間、化け物の足に光の輪が巻きつき、化け物の動きを封じ込める。
「ガアッ!ゴアッ!」
「今だ!!こっちだよ!」
「う…うん!」
ルナは言われるがまま、オレンジのヒヨコを持って校舎の中へ逃げ込んでいった。

 

「もうなんなのよアイツ!あんたも!!」
教室の隅に逃げ込んだルナは、オレンジのヒヨコに怒鳴り散らす。
「ご…ゴメン!!今は話している時間がないんだ!その代わり君は僕が責任をもってここから逃がすから…。」
すると机などでバリケードを張っていた教室の扉が、化け物によっていとも簡単に破壊されてしまう。
「ぎゃー!!キター!!!」
「は…早くロッカーの中に隠れて!」
「なんなのよもー!」
指示道理に掃除用具のロッカーに隠れるルナ。
「ガアアアアアアアア!!!!!」
「こい!化け物!!」

 

「はあっ!はあっ!もうやだ、おうち帰りたい…父さん、母さん、メイリン…。」
ルナはロッカーの中で半べそをかきながら身を縮こませていた。
ふと、ルナは自分の手にヌルっとした感触がするのに気付く。
「これって…血?私いつの間に怪我を…?」
だが自分は何処も怪我をしていない、そして少女はあることを思い出す。
「これは…逃げる時あの子を持っていた方の手だ…!!!」

 

「グルアアアアアアア!!!!」
「うわあ!」
一方オレンジのヒヨコは、ロッカーの中の少女を守るため、光の玉や光の壁で犬の化け物と交戦していた。だがさすがに体格差は埋められず、オレンジのヒヨコは化け物の前足で軽く吹き飛ばされ壁に打ちつけられてしまう。
「ぐっ!このままじゃ…この怪我がなければ!こうなったら元の体にもどって…!」
その時、
「こんのおおおお!!!」
ロッカーが勢いよく開け放たれ、出てきたルナが化け物に向かって拾い上げた机のイスを化け物に投げつけたのだ。
「な……何をしているんだ君は!!?隠れてろっていっただろ!?」
「ううううるさいわねヒヨコのくせに!!わわわわたしに怪我してる奴を囮にして逃げるなんてできるわけないでしょ!!」
「き、君ってやつは…!」
ルナはモップを持って、化け物に向かって雄雄しく雄たけびをあげながら突進する。
「たああああああ!!!!」
「グオ!」
だがルナは化け物の前足に簡単に払われてしまう。
「きゃあ!」
床に倒れるルナ、そして追い討ちをかけるように化け物は彼女に追い討ちをかける。
「やめろおー!!」
オレンジのヒヨコは光弾を発して動きを止めようとするが、犬の化け物は、意に返すこともなくルナに牙を向いた。

 

(ああ、死ぬなこれ…カワイイ私はあの化け物の夜食になっちゃうんだわ…。)
襲われる瞬間、ルナの取り巻く世界がスローモーションになる。
(ああ、できればもっと長生きして、金持ちのイケメンな男捕まえて、孫に囲まれてフカフカのベッドで死にたかった…。)
ルナは、自分を助けようとしたヒヨコの方を向く。
(まいっか、あの子は助けられた訳だし…ちゃんとお母さんのところに帰るんだよ。)
そしてルナは諦めたかのように、自分の瞳を静かに閉じた。
『認めたくないものですね、若さ故の過ちというものは…。』
(へっ?)
突然の声に、ルナは目を開いて辺りを見回す。
『ですが、貴方のその優しさと勇気は賞賛に値します。』
(バッジが…喋ってる!?)
ルナは先程オレンジのヒヨコと共に拾った赤い羽根のバッジが、ポケットの中で喋っている事に驚き、それを手に持つ。
「一体なんなの、アンタは…。」
『貴方は…未来を望みますか?もし望むのなら私が力を貸してあげましょう。』
「未来……力……。」
ルナは考えた、もしこのまま逃げ出せても、あの化け物は人を襲い続けるかもしれない、その中にもしウチの家族や大切な友達がいたら…。
「力…欲しいわよ!あんな化け物放って置けないでしょ!」
『解りました、では私の名を呼び、“セットアップ”と叫んでください。』
ルナは言われた通り、自分の頭の中に浮かび上がったそのバッジ…デバイスの名を叫ぶ。

 

「“オルトロス”…セットアップ!」
『勝利の栄光を貴女に。』

 

化け物の爪が少女に振り下ろされようとした時、ルナは光に包まれた。
「グゴァ!?」
「え…?これは…あの子がオルトロスを!?」
ルナは光の中で、身に着けていたものがパーカー→靴→パジャマ→スポーツブラ→うさぎさんぱんつ→靴下の順で消えていく事に驚く。

 

『ちょっと!全裸になるなんて聞いてないわよ!』
『仕様と殿方のロマンなんですからしょうがないでしょ?』
『ロマンってなに!?』

 

そしてルナの体は膝から首までピチピチの赤いボディスーツのようなものを纏った、そして手には刃の部分が三日月の形をした長柄の斧が握られる、さらに頭には、ツノのようにアホ毛が一本突き立った。
『オルトロス、Gソニックモード。』
「な…変身した!!すごいすごい!!」
ルナは両腕に着けられた銀色の籠手を見つめながら、自分の体を見つめまわした。
『マスター、御指示を。』
ルナはこちらの様子を伺っている犬の化け物を見る。
「そうね……行儀の悪いワンちゃんは、きつーいしつけが必要ね。」
『かしこまりました。』
その瞬間、ルナは化け物との距離を一瞬で縮め、長斧を大きくふりかぶる。
「ヒートホークフォーム!フル…スイング!!」
そしてゴルフスイングのように犬の化け物を殴り、窓の外まで吹き飛ばす。
「ギャオオオオオオ……。」
「逃がさないわよー!!」
後を追うようにルナも外に飛び立った。
一人取り残されたオレンジのヒヨコは、ただただ呆然としていた。
「すごい…魔法を知らないのにあそこまで戦えるなんて…まるで高町なのはだ…。」

 

化け物は外まで吹き飛ばされたあと、ルナ達から逃げるように校庭まで来ていた。
「ゴァ!グァ…!」
その上空では、化け物を見下ろすようにルナがブーツから赤い羽根を出して飛んでいた。
「すっごーい!重力があるのに飛んでる!!」
『マスター、カートリッジをロードします。』
ヒートホークから筒が三個排出される、するとヒートホークの先端に赤い魔法陣が展開される。ルナは先端を犬の化け物に向ける。
『オルトロス、砲撃フォーム。』
「よーく狙って、よーく狙って………いまだ!!」
オルトロスの先端に赤い雷が収束されていく。
「ディバインバスター…シュート!!」
掛け声と共に発せられた赤い雷は、犬の化け物を丸々飲み爆発した。爆煙が晴れるとダメージを受けた犬の化け物はみるみるうちに小さくなり、そこにはただの中型犬と、怪しく光る宝石がポツンと浮いていた。

 

「これはジュエルシード!?いや…複製したものか…。」
校庭まできたオレンジのヒヨコは、その妖しく光る宝石…ジュエルシードのコピーを調べていた。
「こらっ!」
「うわっ!?」
突然背後から摘み上げられるヒヨコ。
「アンタ怪我してるんだから大人しくしてなさい!」
「いやでも…これ危険なものだし…。」
『では私が封印しておきましょう。』
そういうとオルトロスは、偽ジュエルシードを刃の部分に付いている水晶の中に取り込んだ。
その時、遠くからサイレンの音が鳴り響いていた。
「軍の人かな…アレ?もしかして私達、ここに居たら非常にまずいのでは…?」
皆は破壊された教室や、地面が深くえぐられたグラウンドを見る。
『もしかしなくてもヤバイですコレ。』
「やっば…逃げるわよー!」
そして少女はヒヨコを持って、その場から飛び去っていった。

 

学校から逃げ出したルナは、オルトロスを拾いオレンジのヒヨコと初めて出逢った公園にやってきていた。
「いったいなんなのアンタ達は…この力も一体…。」
元の格好にもどったルナは包帯をまいたヒヨコを問いただす。
「…しょうがない、全部話すよ。」
ヒヨコは観念したかのようにすべてを話した。自分はこことは違う世界、ミッドチルダというところから次元犯罪者を追いかけてここまできたこと。
犯人たちは追い詰めたが、不意討ちにより大怪我をしてしまい、ルナに偶然拾われたこと。
ルナは魔力の源、『リンカーコア』を持っていてそれにより魔法が使えるという事。
一通り説明され、ルナはポカンと口を開ける。
「信じられないけど…実際見ちゃったからね、信じるしかないか…。」
その時、ベンチに座るルナの膝に乗っていたオレンジのヒヨコは、ピョンと飛び降りて何処かへ行こうとする。
「どこいくの?」
「僕は…この事態を招いた次元犯罪者達を追うよ、このままにしておくと沢山の人が偽ジュエルシードの犠牲になる。」
そう言ってその場を去ろうとするが、ルナに拾い上げられてしまう。
「そんな小さな…しかも怪我してる体でなにができるのよ?」
「でも…これは僕達時空管理局の使命だから…。」
「このままにしておくと私の家族や友達も危ないのよ、だったら…私に手伝いをさせて。」
「で、でも…。」
前例がない訳ではない、だがこれは非常に危険な事であり、簡単には容認できない事だった。
「大丈夫、無茶はしない…ただ私は自分の大切な物を守りたいだけだよ。」
「………。」
ヒヨコはしばらく考え込む、そして…
「…わかった、でもこの事は親御さん達や知り合いにいっちゃだめだよ、とっても大変なことになるんだ。」
「やったあ!ありがとうヒヨコちゃん!」
ルナは嬉しさのあまりヒヨコをもったまま飛び跳ねる。
「そういえば僕の名前を言ってなかったね、僕はティーダ、ティーダ・ランスター。よろしくね、ルナちゃん。」
「こっちこそよろしく!ティーダ!」

 

この日、後のザフトレッドのエース、ルナマリア・ホークは“魔法”と出逢った。
ルナは数年後、コズミックイラとミッドチルダで起こる大事件の重要なキーパーソンとなる、彼女と共に…。

 

ルナとティーダのやり取りを、空から見下ろしている少女がいた。
「あらあら、せっかくワタクシのデビュー戦でしたのに…あの方に奪われてしまいましたわ。」
その少女は自身のピンクの髪をなびかせながら微笑む。
「まあいいですわ…今日は帰りましょう、ピンクちゃん。」
そのとき、少女が纏っている西陣織のような服から、体長が30cmほどしかないピンク色のボーイッシュの髪をした女の子が出てくる。
「そーですね、寒くなってきましたし…ていうかボクはミーティアだと何回言えば…。」
「まあ、ごめんなさいピンクちゃん。」
「だーかーらー!!!」

 

魔法戦士リリカルルナ&マジカルラクス ~起動魔導士ガンダムR外伝

 

始まります。