901◆GbvohmL8bU_第17話

Last-modified: 2014-08-03 (日) 04:22:31

ニュートロンジャマーが発動した翌日

 

電力不足による被害。
電車が動かないため会社に行けず、たとえ会社に着いても停電で仕事にならず
商品の受注ができないため発送も出来ず、商品が届いても店員がいないため販売できず
物流だけでも相当な混乱が起こっていた。

 

「ティエリアさん、刹那さん、お待たせしました。
静止軌道付近にある人工衛星、小惑星はすべて使用許可が下りました。好きに使ってください。」
「よくもまあ許可がおりたな」
「電力不足が解消出来るなら好きに使ってくれ。と、どこのトップも言ってましたね」
「そこまで了解した。刹那、これがミッションプランだ。宇宙は任せたぞ」
「了解」

 

刹那は格納庫に向かい、そしてティエリアは人払いの済んでいる個室に入っていった。

 

格納庫のさらに奥、物理的に立ち入りが禁止されている区画に刹那はやってきた。何もない空間に向かい
「GNシステム、リポーズ解除。プライオリティを刹那・F・セイエイへ。外壁の迷彩被膜解凍。フローディングモードへ」
何もないはずの空間から1体のモビルスーツが姿を現した。刹那が愛機としているダブルオークアンタだ。
機体に乗り込むと各部のチェックを開始するが、基本的にELS(銀ハロ)が万全の状態にしてくれているため本当にチェックだけである。
「コンデンサの粒子貯蔵率90%。GNドライブ正常稼働。目標座標は静止軌道だ。銀ハロ、行けるか?」
「ソードピットテンカイ、ソードピットテンカイ」

 

秘匿を優先しているため粒子ワープで移動するようだ。

 

「ダブルオークアンタ、刹那・F・セイエイ。出る!」
ソードピットで創られた粒子の中に突入し、ワープを実施した。

 

静止軌道についたクアンタ、すぐさま索敵を行い、自身には光学迷彩を行った。
「目標地点に到達を確認。付近に機影無し。近くの小惑星まで移動を開始する。」
GN粒子を放出し移動を開始し、途中に放置してあった人工衛星は確保しながら近くにあった1kmほどの小惑星に接近する。
「目標と接触。銀ハロ、侵蝕を開始し、データ通りのものになってくれ」
「マカサレテ、マカサレテ」

 

触れている部分から結晶みたいなものが発生し、小惑星を覆っていく。
完全に覆い尽くし少しすると今度は姿を変えていく。そしてそれは直径が300mほどあるパラボラアンテナのようなものが3つ出来上がった。
「変体完了、次に移る」

 

こうして刹那は静止軌道上に同じものを半日で10体創り指定位置に移動するように指示をしたところでティエリアに脳量子波を送った。
『ティエリア、10体作成した』
『そうか。では30分後に試射を行う。出来るだけ数を揃えてくれ』
『了解。移動を開始する』

 
 

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