901◆GbvohmL8bU_第24話

Last-modified: 2015-03-16 (月) 00:50:45

12月某日、フラッグの機種転換訓練を終えた人数は27人となった。
慣熟訓練の他にマナーを叩き込まれているのも他にはない特徴だ。
ティエリアの前には今日で訓練を終える9人が整列し訓辞を待っている。

 

「君たちは今日で訓練を終え、カオシュンに向かうことが決まっている
そしてこれから出向く戦場では諸君らの命を賭けてもらうことになる。そんな状況でもフラッグファイターとして紳士に対応できるよう努力を重ねて欲しい。」
ティエリアが全員を見回し
「目を閉じろ。そして思い出せ、刹那との模擬戦を。」
その模擬戦を思い出したのか顔を顰めるもの、一瞬震えるものなど様々な反応があった。
「目を開けていい・・・君たちはエースパイロットとして名前が売れるぐらい強い。だが、上には上がいることを忘れるな。以上だ。」

 

お互いに敬礼をし、去っていく9人を見送りながら近くにいた刹那に話しかける。
「こういう役は慣れていない。」
「・・・似合っているぞ。可愛い教官殿。・・・すまない。」
かくしてフラッグの全9小隊27機はカオシュンに配備されることになった。

 
 

C.E1月15日 ザフト軍によるカオシュン侵攻
軌道上からの降下部隊と海運された地上部隊によるカオシュンのマスドライバー制圧作戦
初動が遅れ、戦線がズタズタにされかけた連合であったが、フラッグの全小隊が到着した。
『フラッグファイターのクリス・ハワードより全部隊に告げる。あと30秒で到着しミサイルを発射する。
その後、残存部隊は至急ポイントβまで戦線を後退させよ。殿は我々が受け持つ。繰り返す、ポイントβまで戦線を後退させよ』
通信を切り、深呼吸をした後にフラッグの全小隊に通信をかけた。
『リーダーより各機へ、ミサイル斉射後、各中隊ごとに移動、5分後に離脱。』
『『了解』』
『これがフラッグの初陣だ。全員死ぬことは許さん!いくぞ!全機ミサイル発射!』

 

フラッグの参戦により初戦の被害を最小限に抑えられた連合は立て直しを何とか成功させる
危険なポイントにフラッグが強襲を仕掛け、押し返すのだが多勢に無勢、フラッグの絶対数が足りず徐々に押されていく。
そしてカオシュン基地は同月26日に陥落したが、多数の兵が脱出に成功していた。

 

フラッグ全体での戦果は50機以上のモビルスーツを戦闘不能にし、被害は2機が中波しただけであった。
モビルスーツに否定的だった連合軍の将兵もこの戦果を聞き、態度を改めていった。

 
 

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