901◆GbvohmL8bU_第34話

Last-modified: 2015-03-16 (月) 01:09:32

デュエル、バスター、ブリッツの3機は追っ手もいないことから無事に船に戻ることが出来た。
ただ、イザークは着艦すると同時に医務室に連れて行かれたのだった。
ニコルとディアッカは戦闘の疲れからか格納庫の隅で座っている。
しばらく時間が立ち、ディアッカが独り言のように呟く。
「イザークのやつ、大丈夫か?」
その言葉に反応したニコルが返す。
「意識はあったから問題無いとは思いますが・・・」
「やつら、上手かったな」
「ええ、そうですね。彼らがアークエンジェルを無視してこの船を狙ってきていたら全滅していたでかもしれません」
「違いねぇ」
2人はそれぞれの機体を見ながらニコルが話す。
そこへ整備員がやってきた。
「機体の状態だが・・・非常に悪い」
予想していたのか、ディアッカは軽く返事をする。
「やっぱなー、んで、直るのか?」
「ブリッツは背中・・・特に推進系にかなりのダメージがある。」
「そっかぁ・・・バスターはどうだ?」
「ほぼ全身から異常が出てる。ほんと、よく戻ってこれたもんだ」
「ちっ、あいつらめ」
「機体を奪った時の予備パーツを使いきれば今回のは何とかなる」
「次はない・・・か」
「一番の問題はデュエルだ。サーベルでやられたダメージがかなりひどくてな・・・PS装甲が最低ラインで起動しない。本人次第だが追加装甲を付ける必要がある」
「・・・追撃しても勝てる気がしません」と、聞き役に徹していたニコルがもらす。
「俺達も連携しないとダメかね」
「それはイザークが戻ってきてから考えましょう」

 

無事にアークエンジェルに戻ってきた5機。
キラとフラッグファイター達がお互いの健闘を称えている。
そんな中にメビウスゼロが戻ってきたが、フラガ大尉らしくなくフラフラだった。
万が一に備えて、ネットも用意されたがなんとか使わずに着地に成功。
すぐさま整備員がコックピットに向かう。
そこには大量の汗をかき、疲れ果てているフラガ大尉がいたのだった。
整備員が肩を貸し、コックピットから降り、キラ達の所にやってきた。
「つっかれたー!あーあ、頭がクラクラするぜ」と、まだ多少は余裕はあるようだ。
「ムウさん、飲み物です。医務室に行かなくて平気ですか?」
「お、サンキューな。医務室には行きたくねーなー」
そんな二人の会話にフラッグファイターが割り込む。
「よくメビウスゼロでブリッツを完封できたな。すごいぜ」
「さんきゅ。ただ、俺も機体もギリギリだ。連続で分離したガンバレルを操ったのは初めてだし、弾薬も推進剤もギリギリだし、まじでフラッグが来なかったらあと3分も持たなかったはずだ。助かったぜ。あー頭が頭痛で痛い」
「それだけジョークが言えれば大丈夫だな」と、フラッグファイターの1人が苦笑しながら言う。
「奴らが連携を取らず、予想通りの展開だったからな。あれなら速攻で行ける。キラ君もよく頑張ったじゃないか。」
「ありがとうございます。フラッグファイターに褒められるのは素直に嬉しいです。デュエルは残念でしたね」

 

このような会話をしている中、無事に第八艦隊と合流。ハルバートン提督がアークエンジェルに通信を入れる。
『ラミアス大尉!無事でなによりだ、それにヘリオポリスの学生達も手伝ってくれてありがとう。』
『ハルバートン提督、わざわざありがとうございます。ふふ、学生達はあなたの態度に驚いてますよ?』
『はっはっ、アークエンジェルはこのまま大気圏に突入してオーブ近海に行ってもらう。そこで避難民を直接受け渡しだ、オーブに追加の人員が待機している。学生達はそれまで頼むぞ。以上』
通信が切れ、学生達にも笑顔が浮かぶ。
マリューは艦内放送で直接オーブに向かう旨を伝え、避難民も久々の明るいニュースに暗かった雰囲気が一気に吹き飛んだのだった。

 
 

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