FateDestiny_プロローグ

Last-modified: 2007-11-18 (日) 15:52:14

C.E.71 オノゴロ
熱風が吹き荒れ、轟音、爆音、悲鳴が轟く。
そんな中、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは呆然と立ち尽くしていた。
「………。」
木々の焼ける匂いが立ち込め、閃光が瞬き、地が揺れる。
「…何?…これ…。」
目を見開いたまま、混乱する頭を必死に整理する。
ふとすぐそばのえぐられた道へと視線が行った。
管理局の制服とは違った制服をきた男が少年の肩を抱き、こちらへと小走りにやってくる。
「何をしてるんだ!君も早く避難船に…!」
うつ向く、少年の肩を抱く男が叫ぶ。
フェイトはそんな二人の背後に見たものに言葉を失った。
初めて見る人間の爆死体。
千切れた腕に血まみれで横たわる少女。
有り得ない方向に向いている女性の四肢。
へし折れた木に胴を貫かれた男の死体。
あまりの光景に腰が抜け、ストンっと座り混んでしまった。
悲鳴をあげようにも声が出ない。
ゴォッ!!!
突風が吹いた。
フェイトは空を見上げる。
翼を広げた人型の何かが黒と緑、二機の人型に追い掛けられ、緑、金、赤の光線をその二機に向け放っていた。
避ける二機。
その度に何度も地が揺れ、爆音が響き、光が瞬く。
瞬間、自分が別世界に来たのを理解した。
フェイトには、何が原因でいつ始まったのかはわからない。
ただ…聞いたことと、見たことはあった。
この世界は戦争をしている。
男、トダカーに肩をかりるフェイト。
避難船へと少年、シン・アスカと異世界から来た少女、フェイト・T・ハラオウンは出会い、保護された。

のちに二人はプラントに上がり、アカデミーに入る。二年で卒業し、ザフトのトップガンとなった。
少年は自分の家族と同じ思いをする人を少なくするために、少女は悲惨な光景を無くすために…。

そしてC.E.73…運命の歯車が音を立て回り出した。