FateDestiny_第02話

Last-modified: 2007-11-18 (日) 15:53:40

「フェイトはカオスを頼む!俺は…!」
「うん…わかった。シンはガイアだね…、アビスは様子をみながら、二人で対応して行こう。」
すると、シンはガイアへと向かって行く。

「何だ!?これは!!」
ガイアを操るステラは向かってくるソードインパルスを警戒し、直ぐ様回避行動に移った。
「はぁぁああ!!!」
気合い一閃。
先程までガイアのいた場所をインパルスの大きさを越える対艦刀、エクスカリバーがえぐる。
かわされるがそれでも連結エクスカリバーを返す刀でガイアに向けシンはインパルスに振るわせた。
「ッ!?」
とっさに盾を構え、ガードするも強引に弾き飛ばされ、悪あがき、頭部機関砲を連射し、その間に体勢を建て直す。
相手の動きを一瞬鈍らせる為の攻撃だ。案の定、盾を使いもしないソードインパルス。
そして弾幕の中、腰にマウントされているビームライフルを右手に取り、ビームを放つ。
しかし、すでに空中で体勢を建て直したガイアはスラスターを全開。
ビームを回避し、着地。その直後、着地した場所を直ぐ様ステップして離れる。
その場所を緑の閃光が閃き、爆破した。

棒立ちのザクをカオスのビームが狙う。放たれるビームをバルッディッシュはビームシールドで防御。
ザクに通信が入る。
『そこのザクのパイロット!どこか損傷しているならミネルバへ!!場所は今送ります。』
カオスのビームをビームシールドが弾く間に地図を送る。
腰部の砲芯が持ち上がり、シールドを解除、レールガンフォトンランサーがカオスへ向け放たれた。
跳躍し、バルディッシュの頭上に迫るカオス。
脚部爪先から発生されるビームクロウ。
そしてバルディッシュの真上に来たところで降下して来る。
フェイトはバルディッシュにバックステップさせながらの鎌による横一閃を見舞うも、シールドで防御された。
「何だこの機体…こいつらも新型か?ガンダム?
どういう事だあんな機体の情報は…。」
バルディッシュの鎌を弾き、カオスは破壊された工場の物陰にかくれ、コンソールを叩く。
しかし、突然現れた二機の情報はただアンノウンとしか表示されない。
「アウル!」
スティングはアウルへと通信を繋いだ。

空中でモビルアーマーへと変形。ガイアは四足でインパルスへと突攻を仕掛ける。
対するソードインパルスはエクスカリバーの連結を解除。
迎え撃つため、ガイアへと向かっていく。背部スラスターの噴射炎が輝きと勢いを増した。
同時に跳躍する二機、二刀で切りかかるインパルスの斬撃をかわし、すれ違い、振り向き様に背部に装備されている突撃ビーム砲を撃つガイア。
着地で硬直するインパルスに直撃するかと思われたが、上半身をよじり、ビームをシールドで防御。
そして振り向き様に、エクスカリバーの片方を投剣。ガイアはモビルアーマー形態を解除、シールドを構えるも、あまりの衝撃に受けきれず体制を崩した。
「こいつぅ!!!」
落とせない相手に苛立つステラ。
インパルス、ガイア、そしてカオスとバルディッシュは互いに距離をとり相手の出方をうかがう。
『シン!フェイト!!命令は捕獲だぞ!!分かってるんだろうな、あれは我が軍の…』
ミネルバ服艦長アーサーからの通信がシン、フェイトの両名に入る。
「分かってます、でも出来るかどうか分かりませんよ!
だいたい…何でこんなことになったんです?」
アーサーが写るサブモニターとは別のモニターにフェイトが写った。
『今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!シン…なんとしてもここで止めるんだ…。』
「言われなくてもッ!!!」
サーベルを構え向かってくるガイアの攻撃をかわし、斬撃で押し合う二機と、ミドルレンジで砲撃戦を繰り広げるカオスとバルディッシュ。

その頃、アーモリーワン港宙域、JPジョーンズ。
「さて、行こう。慎ましくな…。」
仮面の男が言う。彼の名前はネオ・ロアノークであり、この艦をしきる隊長だ。
ミラージュコロイドで艦を覆っているため、付近の港のレーダーには引っ掛からない。
そしてステルス性能を持つダークダガーが港からまさに発進しようとしていたナスカ級の艦を撃沈。
そして母艦による奇襲攻撃により、見事なまでにあっさりと港は壊滅した。

アーモリーワンを揺るがす大振動。
それは戦闘中の者にも分かるほど大きなものだった。

ガイアの攻撃に翻弄されるインパルス。獣の様に奔放に動くため、捕えずらい。
「くそっ!演習では…こんな…。」
分かっていたことではあったが、改めて思い知らされるシンだった。
援護に向かおうとする二機のディンをうち落とすビーム砲。
アウル・ニーダの操るアビスだ。ちなみに、そのせいでザクは逃げようにもアビスに狙われ、逃げられない状況だ。
「スティング、あれ!」
アウルは軽い調子で先程の振動の意味をスティングに確認した。
「あぁ、分かってる。お迎えの時間だろ?」
「遅れてる…、バス行っちゃうぜ?」
「分かってるといったろう!!」
予想外の事態に、てこずってしまったステラとスティング。
「だいたい、あいつら何だよ!大体新型は三機のはずじゃなかったのかよ?」
「俺がしるか…。」
そう言いつつ、ザクとバルディッシュを狙い撃つアビス。
「で、どーすんの?あんなの予定にないぜ?」
何度も事前にもらったデータを確認するが、あの二機のモビルスーツの情報は名前さえのっていない。
「けど、放っとくって分けには行かないだろ!追撃されても面倒だ…。」
警戒音が背後のセンサーからなり響く。向かってくるバルディッシュを牽制。カオスはガイアと交戦中のインパルスへと向かっていく。
その様子を見送ったあとにアウルが続いた。
「はっ!首でも土産にしようっての?
格好悪いってんじゃねぇ!?そーいうの!!」

サーベルとエクスカリバーで鍔競り合いをする二機。
『ステラ!』
スティングからの通信でガイアは競り合いを中断、その場から飛び退く。
異変に気付くシン。
そして後部センサーから警戒音が響き、振り替えると、カオスが向かって来ていた。
だがカオスがは攻撃せず、宙に跳躍する。
姿を現すアビス。そして腹装砲のカリドゥスがインパルス目がけ放たれ、シンは何とかそれをシールドでガード。
だが、再び、背後のセンサーから警戒音がなる。
ガイア、そして頭上にカオス。
避けられない、そこへ、今まさにビームを頭上から放とうとするカオスと、サーベルで斬りかかろうとするガイアを両肩部ビームブーメラン、アークセイバーニ刀が牽制。
「そぉらぁ!!」
アビスのカリドゥス、バラエーナの一斉射撃を受け、バルディッシュはバランスを崩し、地に倒れた。
インパルスもカオスとガイアの連携により、尻餅をつく。
モニター越しのシンの目の前に現れるアビスのビームランス、しかし、ここへ来てザクが動いた。

アビスをタックルで打ち倒し、サーベルでバルディッシュに斬りかかろうとしていたガイアをビームアックスを投げることで妨害する。
だが、アビスの腹装砲で撃たれ、肩部を破損、壁に叩きつけられた。
「ぐっ…うっ…。」
大きく揺れるコクピット。アレックスは座席に座り、シートベルトをしているが、カガリはしておらず、それどころか立っていた。
短い悲鳴をあげ、倒れるカガリを慌てて受け止めるアレックス。
頭から血を流すカガリに気をとられているともう一発、カリドゥスが放たれた。
ザクは跳躍することでかわし、そのまま戦線を離脱した。

援護に駆け付けたディンとシグーを悪態つきながら撃ち落としていくアウル。
「そんな好き勝手!!」
エクスカリバーを構え、向かってくるインパルス。
対艦刀での横薙一閃。
しかし、空を斬り、煙を切り裂くだけに終わってしまう。
そのインパルスの隙をつき、ガイアが飛びかかるが、横から割り込んだバルディッシュが鎌で食い止める。
「このぉ!!」
落とせないことに苛立ちを覚えるステラ。
「させるもんか!」
怒りを露にするフェイト。五機の激しい攻防戦が続いた。

デュランダルは避難もせずに状況把握にいそしんでいた。
「誰がここの指揮をとっている?あの三機はどうした?
状況を説明してくれ!」
半苛立っているかにも見えるデュランダルの態度、いや、焦っているのだろう。
次第に広がって行く戦火。
「議長、ここはまだ危険です。シェルターに避難を…有毒ガスも出ています。」副艦長クラスのものたちがデュランダルに避難を促す。
「そんなことが出来るか、まだ状況すら掴めておらんのに…。」
「ならばせめてミネルバへ。」
警護、副艦長クラスに促され、デュランダルは舌打ちをしながらも、ミネルバへと向かった。

「くそ、この新型!」
インパルスと対峙するカオス。そして次第に戦闘は地上から空中へとうつっていた。
「カオスもガイアもアビスも…」
『シンッ!!』
通信から響くフェイトの声に、ガイアの接近に気付かせる。
サーベルによるガイアの斬撃を後退しかわした。
「どうしてこんなことになるんだ!!!」
フラッシュエッジを投剣し、向かってくるガイアを退ける。

アビスの両肩部シールド内部からビームが放たれ、そのわずかな合間を縫って避けるバルディッシュ。
しかし、避けたビームは地上に控えているMS部隊を撃破。
振り返るフェイト。
「ッ!?駄目だ…迂濶に避けられない。」
「そぉらぁ、もう一丁!!!!」
アウルはそれを楽しむかの様に発射スイッチを押した。
カリドゥス、バラエーナ、シールド内部のビーム砲が一斉に放たれ、むやみに避けるわけにもいかずバルディッシュにシールドを展開させるフェイト。
「ぐっ…く…。」
歯を悔い縛り衝撃を耐えるも、途中でシールドが弾け、吹き飛ばされた。
空中で大きくバランスを崩し、モニター越しの風景がぐるぐると回る中、何とか姿勢を建て直す。
「フェイトッ!!」
「さっさと落ちろぉ!!」
アビスの砲門がインパルスへと向けられる。
「うっ!!」
ガイアへの対応にわれていたシンは回避行動に移る時間が遅れた。
「もらった。」
笑みを浮かべ、発射スイッチを押そうとスイッチに指をかけるアウル。
しかし、ビームの嵐がアビスのシールドに降り注ぎ、止めのチャンスを邪魔する。
「…今度はなんだ…?」
アウルは衝撃を堪えるため閉じていた目をあけ、モニターを見る。
白いザクを操るレイ・ザ・バレルと赤いザクを操るルナマリア・ホークが向かってきていた。

「よくも舐めた真似を!!」
ルナマリアの操るザクがアビスへとビームを連射。
幾つも放たれた緑色の閃光がアビスを捕えようと向かう。
しかし、難無くアビスは回避。
「スティング、きりがない…。こいつだってパワーが…。」
向かってくる赤いザクをあしらいながら、アウルはパワー残量を確認する。
考えもなしに連続しての砲撃は危険な残量だ。

彼方から白いザクが突撃ビーム砲を連射しつつカオスへと向かってくる。
スティングはカオスに盾を構えさせながら避け、レイの操るザクと交錯する。
ビリビリと空気が振動する。
「えぇい、離脱するぞ、ステラ!!…そいつを振り切れるか?」
只でさえ予定を大幅に遅れているのだ。これ以上遅れるわけにもいかない。
アンノウンが相手ならば尚更、無理をする必要はないと判断したスティングは、戦闘を放棄し、離脱をはかる指示をだした。
しかし、
「すぐに沈める!!」
闘争心剥き出しのステラはスティングの指示を無視。インパルスへと背部突撃ビーム砲を放ちながら向かっていく。
際どくぶつかり合うサーベルと対艦刀。
「離脱だ!やめろ、ステラ!!」
バルディッシュのレール砲をかわし、鎌による斬撃をシールドで受けながらスティングがステラに言う。
インパルスと一旦、交錯し、旋回。
尚もインパルスに戦闘を挑もうとするステラにさすがのスティングも声を荒げる。
『ステラ、よせ!離脱だ!!』
「私が…こんなぁぁああ!!」
ステラは吠えながら、ガイアをインパルスへと向かわせるが、
『なら、お前はここで死ねよ!!』
瞬間、ステラの様子に異変が起きた。
『アウル!!』
怒声をあげるスティングを無視し、アウルは続けた。
『ネオには僕が言っといてやる。さよならってなぁ!!』
インパルスを目の前にし、ただ単にホバリングを続けるガイア。
その様子を不思議に思いながらも、シンは背部に備え付けられているフラッシュエッジビームブーメランを投剣する。
間に割って入ったカオスが、盾を使って弾き、インパルスに向かって即座にビームを放った。

突然、逃走を開始するガイア。それに追随するカオス、アビスの二機。
急な相手の行動の変化に、戸惑いながらもそのあとを追うインパルス、バルディッシュ、ブレイズザクファントム。
ルナマリアのザクはスラスターに異常が発生したため、追撃はせずにミネルバへと向かった。

JPジョーンズ。
港に奇襲を駆け、揺動に成功したものの、アーモリーワンは軍事工場地帯である。
その為、いくら戦艦を撃墜しようが次々と出てくるわけで、このまま戦えば、逆に自軍が撃墜という事態になりかねない。
予定していたよりもスティング、ステラ、アウルの帰艦が遅い。
何かあったか?
とネオは踏み、席を立つ。
「出て時間をかせぐ、ナノハにもそう伝えろ。艦を頼むぞ!」
ネオは艦長に伝え、ブリッジをあとにした。
出撃待機室に向かうと、虚空を見つめる少女の姿。
「さて、私達も行くかね…、準備はいいか?ナノハ…。」
「……はい……。」
ナノハは抑揚の無い声でそう呟く様に返事をした。
「実戦は初めてだろうが、なぁに、お前なら大丈夫さ…。」
ネオはナノハの小さい肩を抱き、搭乗デッキへと向かった。

カオスの機動兵装ポッド、そしてアビスのバラエーナとカリドゥスの一斉射撃がインパルス、ブレイズザクファントム、バルディッシュを狙い撃つ。
シン、レイ、フェイトは各機を巧みに操り、避け、シールドで防ぎ、逃走を図る三機を追う。
「何てやつらだ!奪った機体でこうまで!!」
『確に、凄いね…。でも、止めなきゃ…。』
『フェイトの言う通りだ…。脱出されたらおしまいだ。その前になんとしても捕える!』
サブモニターに映るフェイト、そしてシンはレイの言葉に頷き、追撃を開始した。

「ネオ・ロアノーク、エグザス!出るぞ!」
「ナノハ・タカマチ、エクシード、行きます!!」
JPジョーンズから発進する二機。
一機はモビルアーマー、もう一機は赤い十枚の翼と二丁の銃を持つガンダムだった。
出撃してまもなくシグー、ザクに遭遇し、戦闘がはじまった。

ミネルバ、ブリッジ。
プシューと音をたて扉が開き、ブリッジに入ってきたのはデュランダルと護衛二名だった。
アーサー、そしてCIC担当のメイリン・ホークも驚き、振り返る。
そして、ミネルバ艦長、タリア・グラディスも振り返り、驚いた。
「議長!?」
「状況は?どうなっている!」
開口一番にデュランダルは声を張り上げた。

「うぁぁああ!!」
悲鳴に近い声を上げながら、ステラはビームをプラントの外壁に向け、何度も放つ。
しかし、やはり万全をきした構造のため、ちょっとやそっとでは穴を開ける事などできない。
「何をっ!?」
フェイトはバルディッシュのスラスター全開でガイアへと向かい、
「ここにはまだ、人がいるのに!」
ガイアへ狙いを定め、両肩部のアークセイバーをニ刀、投剣する。
しかし、それはアビスの一斉射撃により破壊され、届くことは叶わなかった。
立ちはだかるカオスとアビス。
レバーを握る手に汗をかいているのにフェイトは気付いた。
『ミネルバ!フォースシルエット!』
シンの声が聞こえた。
まだ諦めていない声、絶対に食い止めると言うシンの気迫が伝わってくる。
レバーを握る手に力を込めるフェイト。

『シン!下がって、装備を換装して!あの二機は、私とレイで押さえるから…、いいよね?レイ。』
『あぁ、行くぞ、フェイト。』
スピーカーから響く二人の声を聞き、幾分か緊張がほぐれるシン。
もし二人がいなければ、換装することは難しかっただろう。
「サンキュー、二人とも…。」
最後にエクスカリバーを投剣し、シンは換装の為に一時、戦闘空域から離れた。

「いい加減…」
「しつこい!!」
撃てども撃てども執拗にくらいついてくるザクとバルディッシュに苛立ちを覚えるスティングとアウル。
ザクのビームアックスをジャベリンの柄で受け、弾き、バランスを崩したところを二段の蹴りで蹴り飛ばすアビス。
そして六発のビームを一斉に放つ。
モビルアーマー形態のカオスの機動兵装ポッドからの突撃ビームをかわし、追撃から逃れるバルディッシュ。
向かってくる本体のビームクロウを鎌の柄でうけ、弾き飛ばす。
バルディッシュとザク、フェイトとレイは連携し、同じく連携し、攻撃を仕掛けてくるカオス、アビスをインパルスから引き離す。

その間に、機動性、俊敏性に優れたインパルス、フォースシルエットに換装。
一番手近にいたカオスへとサーベルを抜き放ち、ビームをかわし接近しながら振るう。
装備を換装するインパルスを見て、驚きを隠せないスティング、アウル。
カオスを退け、アビスのビームを盾を使いながら強引にかいくぐり、突進。
弾き飛ばし、ガイアへと一直線に向かう。
ガイアの替わりに壁面に全火力を集中させるアビス。しかし、穴は開けられない。
その間にも、接近してくるインパルスを必死で退けようとビームを連射するガイア。
明らかに精度が落ちたそれはインパルスを捕えられない。
「落ちろぉ!!」
シンは声を張り上げ、インパルスのスラスターを全開にした。
刹那、カオスによって背後から放たれた四の奔流が壁面に大穴をあける。
プラント内の空気が風呂場の栓を抜いたかのごとく、勢いよく渦を巻いて抜けていった。
そして、ガイアはそれに吸い込まれるかの様に飲み込まれ、カオスとアビスはそれに続く。
「くっそ~!」
悪態をつきながら、シンは三機のあとを追う。
レイが引き留めようと彼の名を呼ぶが、もう遅かった。
レイもフェイトも、シンのあとを追い、プラントの外へ出た。

「艦長!あいつら…何を勝手に外の敵艦はまだ…。」
戦闘をモニターしていたアーサーが言う。
「インパルス、バルディッシュのパワー危険域です。最大でインパルス300、バルディッシュ400。」
メイリンの報告に、タリアは座っていた椅子から腰を上げ、ミネルバの出撃を宣言した。
インパルスとバルディッシュまで失う分けには行かないのだ。
デュランダルも許可を出し、ミネルバの発進準備が艦内全域に伝えられた。

単独で宙域を飛行するインパルス。
強奪された三機の姿を見つけようと躍起になっているシンにレイとフェイトからの通信が入る。
『シン、一旦引こう。こっちもパワーが危ない。』
『やみくもにでても…』
フェイトとレイがシンを引き留めようと何度も言葉をかけるが、聞く耳持たず、どんどん潜行していってしまう。

プラントの外壁の陰に身を潜めるエグザスとエクシード。
『無事、脱出、出来たみたいですね…。』
ネオへと入るナノハの通信。
そして三機が出てきた穴から再び三機が出てくる。
内、二機はアンノウンだ。
「ふ~ん、なるほどねぇ~。確にこれは…俺のミスかな。」
ネオは口元に笑みを浮かべ、母艦であるJPジョーンズへと必要事項を連絡。
そして、カオス、ガイア、アビスの三機が無事帰艦したのを確認すると、動き出した。
「さて、では見せてもらおうか、エクシードの力…。」
スラスター全開でインパルスらへと向かうエグザス。
「…了解しました。」
抑揚なくナノハは言う。
黒のラインが入る赤い翼、左右合計十枚を広げ、白に赤、金のラインの入ったモビルスーツ、エクシードはエグザスのあとを追った。