ダブルキラ(ミネルバの問題児)
イージスから降りてきたアスランは、シンに向かって平手打ちをした。
「自分だけで勝手な判断を下すな! 力を持つ者なら、その力自覚しろ!」
アスランはシンを怒鳴りつけ、シンはアスランを睨み付けた。
「シン、ザラ隊長の意味を深く考えるんだな。」
上の方からアスランの知っている声が聞こえた。アスランが声の方を向くとそこにはストライクが格納されていた。
「あれはストライク!?」
アスランは驚きの顔をする。
ストライクのコックピットから人が降りてきた。
「キラ!!」
アスランはシンのことを無視し降りてきた男に近づいた。
「キラとは誰のことですか?」
「お前の事だ!!」
アスランが男を睨み付けた。
「クルーゼ隊長!?」
アスランの口から、今度は別の名が出てきた。
「誰と勘違いしているか知らないが、私の名前はサイ・アーガイルだ」
(サイ、アスランごめん)
仮面の男は心の中で友に謝った。
「教官、どうしてここに?」
シン、ルナマリア、レイが仮面の男サイの周りに集まった。
「議長に頼まれてね。ミネルバの問題児を修正しにきたんだが」
その言葉を聞いて、三人は石のように止まる。
「一体誰なんでしょうね……」
愛想笑いをしながら三人は目を逸らす。サイはアスランに目を向けた。
「何、呆けてるんだ」
「いえ別に」
「今回はザラ隊長が変わりにやってもらったので私は何もしない」
サイの言葉に三人は安堵した。
「ザラ隊長……」
アスランは何も答えない。サイは話を続ける。
「……」
「挨拶はなしか。君は新たなる仲間を無視するのか?
今までの行為、人として多少問題があるのではないか!!」
二人は簡単な自己紹介をすると握手を交わした。
「私は、艦長と会ってくる。また後で」
アスランに近づき耳元でささやいた。
「アスラン・ザラ。君がミネルバで一番の問題児なのかもしれないな」
アスランの顔が苦渋の表情に変わる。
「君はまたプラントを裏切るのかい?」
「!!」
「まあ、安心して裏切るがいい。その時は私が君を殺そう」
サイはそう言うとその場を後にした。
仮面の男の名前をやっと公表。今まで公表しなかったのはいい名前が思いつかなかったからです。
サイにした理由は、SEED DESTINYで登場していないからです。
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