Lnamaria-IF_赤髪のディアナ_第26話

Last-modified: 2013-10-28 (月) 02:08:04

ジブラルタル攻略

ビクトリアが奪還されたそうだ!マスドライバーも無事で!
歓喜に沸き立つアークエンジェル。

いよいよアークエンジェルも出撃するのだ。目指すはジブラルタル!

不思議だな。アフリカからオーブに来る時はあんなに苦労したのに。
あたしたちは、赤道連合の領域を通りながら、ひとまずスエズ基地を目指す。

「あ、ほらイルカだ」
「ほんとだ!かわいー!」
「しかし、こんなにのんびりしちゃっていいのかな」
「カーペンタリアのザフトも、オーブで力使っちゃったしね」
「いいんじゃない?どうせジブラルタルに着けば戦闘だし。命の洗濯ってね」
「こんな大艦隊じゃ、ザフトも攻めようとは思わないでしょ」
「ははは。ほんと。俺たちよくアークエンジェル一艦で通り抜けたなぁ」

……!艦隊に動きがあった!何隻からか一斉にアスロックが発射される。地球軍の水中MSも出撃したみたいだ。
ほどなく、敵潜水母艦およびMS撃破の報告が入った。

◇◇◇

スエズでユーラシアの黒海艦隊と地中海艦隊と合流した。
お偉いさんは今後の打ち合わせをしている。
あたしたちは交代で基地に降りる事にした。

「うーん。ちょっと足を伸ばせばピラミッド見れるのにな」
「まぁ戦闘行動中に無理でしょ、メイリン。あたしも見たいけど」
「でもさすがスエズ基地。PXや食堂も充実してるね」
「ちょっと昼飯にして行こうか」
「うん」

食堂にはエジプト料理もあった。

「ケバブかぁ。懐かしいな」
「お、それおいしいの?」
「あ、サイ、うん、おいしかったよ。ヨーグルトソースがお勧め!」
「じゃ、それひとつずつ。あとハト料理も頼もう」

バルトフェルドさん、元気でやってるかな。

嬉しい事があった。
娯楽施設にプールバーがあったのだけど、それまであまり口を開かなかったシャムスさんが、行こうと言い出し
たのだ。
シャムスさんは楽しげにあたしたちにビリヤードについて講釈してくれた。
それからみんなで実際に遊んでみた。楽しかった。シャムスさんとの距離もまた少し縮まった気がした。

◇◇◇

あたしたちがジブラルタル近海へ近づいた時、すでに作戦は始まっていた。ユーラシアの大軍がピレネーを越え、
イベリア半島を連合の手に取り戻そうとしていた。

「サイ、そう言えば、あたしたちって、いつも防衛戦ばっかりだったね」
「そう言えばそうだな。今回は初めて攻める側か」
「武者震いがするよ」
「無茶しないでよ、トール。油断した時が一番危ないんだからね」
「わかってるって、ミリィ」

すでに前衛部隊が、敵の水中MSと戦っているみたいだ。地球軍はこの戦いにフォビドゥン・ブルー、ディープ・フォビドゥンと言う水中MSを投入しているみたいだ。
敵はディンを展開し始めた。こちらもスカイグラスパーが発艦して行く。
こちらの艦隊がじわじわと押していく。

とうとう、ジブラルタル基地が見えた!
あたしとキラは出撃した。だけどジブラルタル基地に足を降ろした時、そこはすでに地球軍の物だった。
ザフトの輸送機が飛び立って行ったのがかすかに見える。彼らはこの基地を放棄したのだ。

「見やがれ!ザフトの野郎ども!お前らなんて皆殺しだ!」

――!手を上げているザフト兵にストライクダガーが銃撃しようとしている!

「おやめなさい!あなたたち!降伏した者を撃つとは、それでも地球軍ですか!」
「げ!オーブの赤髪のディアナに戦慄のブルーかよ。し、しかしこいつら、パナマで降伏した仲間を虐殺しやがったんですぜ!」
「気持ちはわかります。でも、相手がやったからと言ってこちらもやるのでは、わざわざお互い様にさせてあげてしまうだけです。こちらが暗黒面に落ちてはいけません!」
「……わかりましたよ。……ちっ同じコーディだからかばってんじゃねえのか?(ぼそ)」
「今なんと言った!」
「なんでもありやせんよ」

ストライクダガーは去って行った。
それからあたしたちは降伏したザフト兵に暴行を加えようとする者がいないか、飛び回って制止した。

「キラ、くやしいよ」
「うん。でも、こういう事は時間がかかるし。しょうがないよ」

あたしたちがアークエンジェルに戻ると、サイとトールも防空任務から戻っていた。

「なんていうのかねぇ。これが時の勢いって奴?」
「ほんと。ただ、ジブラルタルに来ただけって感じ。あたしたち、戦闘もしなかったのよ?」
「うん、僕たちいらなかったよね」
「ご苦労だったな、みんな。まぁ、地球軍と一緒にオーブ軍が誇るアークエンジェルが参加した、と言うところに意味があるのではないか?上の方の考えとしては」
「なるほどねー」
「来ただけで意味があったんだな。戦力的なことじゃなくて」

あたしたちはナタルさんの考えに感心した。さすがだな、と思う。

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