S・DESTINY・StrikerS_02話

Last-modified: 2009-01-01 (木) 07:34:36

「……これ……夢じゃないよね……?」
「ほっぺたつねってみる?」
「いや……、大丈夫。……うん」
シンとルナマリアは目の前の光景に驚きすぎて言葉を失っていた。
そりゃあそうだ。生身の人間が鉄のグローブ付けて丸いロボットに向かってパンチ喰らわしたり……
そんな光景を全部言ってるときりがないので省略しよう。
「ね?魔法は本当にあったでしょ?」
「はい……」
シンはとても不安になっていた。
もしかしたら取り返しのつかない事を言ってしまったのかもしれない。俺なんかに魔法が使えるのか?
そう思っているとどんどんどんどん恐くなった。
「お~いシン?大丈夫?」
「……え?ああ、うん。大丈夫」
ルナマリアの一言で我に返った。
「じゃあ早速魔法を使うためのお勉強を始めようか」
「はい!」
「……はい」
「あ、その前にこれ」
なのはは二つのデバイスを渡した。もちろん起動前の。
シンには赤い種の形をしたデバイス。
ルナマリアにはフェイスバッチを渡された。
「え?フェイスバッチ?!私ってもしかしてスーパーエース?!」
「そんなわけないだろ。ここはザフトじゃなくて時空管理局」
「う~、ちょっと言ってみたかっただけよ……。でもなんでなのはさんが?」
なのはの話によるとここに跳ばされた時に二人が握っていたらしい。
デバイスの中を解析しても中がブラックボックスだらけでまったく調べられないらしい。
二人が持っていたので二人が起動すれば何か分かるかもしれないとのことらしい。
「じゃあデバイスを起動させてみようか」
「「はい!」」

 

それから数分後……。
何回か起動を試みたがまったく反応がない。
「何がダメなんだ……?」
「う~ん……、もしかしてシン君もルナマリアちゃんも集中力がない?」
「「……そうかもしれないです」」

 

さらに数分後……。
「カモン!デスティニー!来い!インパルス!」
「お願い!ジャスティス!頼みます!セイバー!」
「……」

 

また数分後……。
「行くぜ!フリーダム!来いデストロイ!」
「よろしくねガナーザク!行くわよインパルス!」
「……」

 

さらに数分後……。
「はあ……、はあ……」
「やっぱり駄目?」
「もう今日は遅いから明日にしよう。ね?」
「「……はい」」

 

次の日も午前、午後を通したがやはりだめだった。
その日の夜のことだった。

 

「……目覚めよ。SEEDを持つ者シン・アスカ」
「……?誰か呼んだ?」
シンが目を覚ますと真っ暗な場所だった。ただ、シンの目の前に光があるだけだった。
「シン・アスカ。お前は何故デバイスを起動できないと思う?」
「……集中力がないから?」
「それもあるが……」
「あるが?」
「目を閉じてデバイスにゆっくり問いかけるように言うのだ」
「ゆっくり?」
シンはゆっくりと言う言葉で何故起動できなかったかわかった。
シンは早く起動させようと焦ってしまったから起動できなかった。
そう考えるとルナもそうだ。
ルナは小さい頃から魔法少女になりたいと思っていたから早くなりたいとあせっていたからだ。
「そういうことだったのか」
「お前はSEEDを持つ者だ。シン・アスカ。お前ならできる」
「わかりました……」

 

次の日の朝。
「じゃあ、始めようか」
「「はい」」
「(やるんだ……!今日は必ず成功させて見せる!!)」
シンは目を閉じた。
全神経をとがらせ、意識を静まらせた。
そして何かが心の中に何かが入ってきたと思った瞬間、シンは目を開けて、
「行くぞ!来い!デスティニーィィィ!!」
そう言うと、シンの足元に深紅の魔法陣が浮かび上がった。
そして、シンの周りが光に包まれた。
なのはとルナマリアはその光が激しかったので目をつぶった。
そして二人が目を開けるとそこには、
青と白を基調とした服を着て、背中にデスティニーの翼をつけ、
右手にビームライフルを手に持っていたシンがいた。