「待ってくれ!! マユ! レイ!」
意識の曖昧な、夢と現実の狭間を漂っていたシンは、殆ど寝言のような言葉を叫ぶとベットから飛び起きた。
――――?
傍ら寄り添っていた女性は、シンの青ざめた顔を見ると心配そうに声を掛けた。
「……夢を、夢を見ていた」
荒げた呼吸を整えたシンは髪をかきむしると、溜め息混じりに口を開く。
――――?
「ああ、夢だ」
首を傾げる女性に、シンははっきりとした口調で答えた。
「戦争がなかった世界の夢だ。
俺はオーブに行く事も、プラントでアカデミーに潜り込む事もなく、MSに触れる機会さえ無い世界だよ」
――――。
シンの話に頷き、女性は水の入ったコップを渡す
「ありがとう。 その世界で俺は、普通に学校を卒業して、普通に就職してた。
マユが結婚して、嬉しくて悲しくて……その内、俺も見知らぬ誰かと恋をして、
結婚して子供も生まれてた」
――――。
「……怒るなよ、夢の話だって」
女性の言葉の端に僅かな怒りを感じたシンはそっと女性を抱き寄せた。
――――。
「なんかさ。 急に悲しくなったんだ。
ここには俺が知ってる人が一人もいないって事がさ。
ははは、何言ってるんだろうな、一寸夜風に当たってくる」
シンが部屋から出て行くのを目で追いながら女性は祈る。
きっと貴方は、もう争いから身を退くことは出来ないのでしょうね。
でも、でもこの一時だけはせめてもの安息を……
戦争の無い世界と聞いてふと思いついたネタ兼生存報告。
年末までに一本投下出来ると良いんですが……ガンバリマス
――――と最後の独白には好きな台詞とキャラを入れて下さい。……そう言って置かないと後がこw