SEED-クレしん_08-276

Last-modified: 2009-08-18 (火) 18:11:39
 

 ときに、西暦2006年8月31日……夏休みの終了まであと1日。
 さいたまのとある図書館……

 

「ふかづめ竜子!」
「魚の目お銀!」
「ふきでものマリー!」
「四十肩のお京!」

 

「四人あわせて、さいたま紅さそり隊!!」

 
 

(ヒソヒソ)
(ねえママ、なにあれ)
(しっ、見ちゃいけません)

 

「………」

 
 

マリー 「ねーリーダー」
お銀  「なにもこんなところで決めポーズとらなくても」
竜子  「バーロー、どんなときでもあたいら不良は人に舐められちゃならねえ!
     先手をとってドスをきかせておくんだよ!」
お京  「ふん、さすが紅さそり隊のリーダー、決めるときは決めるねぇ」
お銀  「どこが……」
マリー 「だいたいなんでおめーがいるんだよ」
竜子  「ばーたれ、あたいが呼んだんだよ。
     おめーらが今日になってもがっこの宿題が終わってねえっていうから手伝うことにしたんだが、
     あたいひとりじゃ間にあわねえからな」
お京  「ま、というわけだ。今日一日しごいてやっから覚悟しな」
マリー 「とほほ……」
お銀  「ま、仕方ねえな……ん? リーダーあれあれ」

 

 お銀の指差す先には、机の上で教科書やノートを広げるオルガたち常夏三人組の姿が……

 

オルガ 「宿題ぃ……ぐー」
クロト 「がー……」
シャニ 「涼しー……」

 

竜子  「なんだ、こいつら爆睡してんじゃねえか」
マリー 「まー確かに、外にくらべりゃ冷房のきいてるここは天国みたいなもんだからな」
お京  「おい起きろ、てめーら」

 

オルガ 「んっ、なんだ!?」
クロト 「うるせーぞオルガ」
シャニ 「てめーが一番うぜーよ、クロト」

 

お銀  「なに寝ぼけてんだよおめーら」
三人  「あっ、おめーらは!!」

 

係員  「館内では静かに!」
全員  「……すいません」

 
 

竜子  「で、おめーらも宿題が終わってなくてここへきたってわけか」
オルガ 「まーな」
クロト 「けどぜんぜん進んでねーんだよな」
シャニ 「なー、おめーらの写させてくれねーか」
竜子  「ばかたれ、宿題ってのは自分でやるもんだ」
シャニ 「けっ、ケチめ」
クロト 「けどこのままじゃ終わらねーぞ」
お京  「だらしない男どもだねえ。
     おいリーダー、こんな奴らほっといてこっちはさっさとすませちまおうぜ」
竜子  「まー待て、同期のよしみでほっとくわけにもいくまい」
マリー 「なに、まさかこいつらまでリーダーが手伝うの? あたしらはどうなるのよ?」
竜子  「ちげーよ。おいお銀、お前ケータイ持ってたろ、助っ人を呼ぶ」
お銀  「へっ? いいけどどこにかけるんだ?」
竜子  「『フリーダム病院』だ。早くしろ……ああラクス・クラインさんか。
     あたいはじゃがいも頭、じゃなくて野原しんのすけの知り合いの竜子ってもんだ。
     実はあんたに頼みたいことがあってな……」

 

マリー、お銀、お京「「「………?」」」

 

竜子  「そうか頼めるんだな。えっ、依頼料?
     ……そうだな、しんのすけの奴から聞いた、キラ・ヤマトの秘蔵品の隠し場所の情報と引き換えでどうだ?」
マリー 「リーダー?」
竜子  「話はついた。あいつらは助っ人に任せて、あたいらも始めるぞ」
お銀  「いったい誰を呼んだんだ?」
竜子  「すぐ来るそうだ。さて、こっちも余裕はねーぞ! さっさと準備しろ!」

 
 

 そして………

 

オルガ 「えーっと、ここで5をaに代入して……ぐーっ」
??? 「寝るな!」
オルガ 「いてーっ!!」
クロト 「なにすんだよこらぁ!!」
叢雲劾 「黙れ、我ら傭兵部隊『サーペントテール』、受けた依頼は必ず果たす。
     今日中にお前らの宿題を終わらせるように頼まれたからには、たとえ瞼を縫い付けてでも寝かせはせんぞ」
イライジャ・キール「ま、そういうことだ。解らんところは教えてやるから、早くやろうぜ」
ロレッタ・アジャー「言っとくけど逃げようとしても無駄だからね? さっ、優しくしてあげるから頑張ろうね」
シャニ 「マシンガン構えて言っても説得力ねぇよ、くそー……
     ロシアの最後の皇帝はイワン大帝、いやニコライ2世だっけか?」

 

マリー 「向こうはすげーのが来てるな……」
お銀  「あたいらはリーダーでよかったよ。あんなスパルタ耐えられねぇぜ」
竜子  「こら、よそ見すんな! 硫化水素の化学式はなんだ? 京子、おめーもどっち向いてんだよ!」
京子  「ああ……イライジャさん好みだわ。あたしも教えてもらいたいなぁ」

 

 そして頑張った結果、マリーとお銀は昼まで、常夏三人組は閉館寸前までかかって、
 ようやく宿題をすべて終わらせたそうな。

 
 

【おまけ】

 

カタカタッ……

 

ラクス 「ふふふ、ありましたわね、キラの秘蔵写真集、ご丁寧に種類ごとに綺麗にスクラップしてまあ……
     さて……キラが帰ってきたら、この某スイーパーの助手さんから頂いた、
     この100tハンマーをためさせていただきましょうか、ほほほほ……」

 
 

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